「注文住宅の打ち合わせをしているのですが、予算がオーバーしてしまい頭を悩ませています。予算オーバーした時に何か効果的な方法があれば記事にしてもらえないでしょうか?」
読者さんからこのような質問をもらいました。
たしかに注文住宅を建てる時、1度は予算について頭を悩ますことがほとんどです。
特に注文住宅の場合は「せっかくの注文住宅だから」ということでアレもコレもと希望を沢山入れてしまうため、最初に予算オーバーしやすいものなんですね。
そしてその後、予算に合うように調整した上で注文住宅を建てていくことになります。
でも、予算オーバーしたからと言ってただコストカットしていくだけでは何だかつまらないですし、家の魅力が減ってしまうのは避けたいですよね。
では、どうすれば満足いく注文住宅を建てられるようになるのでしょうか?
今回は予算オーバーした時の対処方法をご紹介しながら、予算オーバーした時はどのようにすれば満足いく注文住宅を建てることができるようになるのかについて見ていきたいと思います。
注文住宅を検討されている方はぜひご覧ください。
注文住宅の価格を決める3つの要素
それではまず、注文住宅の価格はどのように決まってくるのか見てみましょう。
注文住宅には定価がなく、注文住宅は家を建てるのに必要な経費を積み重ねて価格というものは決まっていきます。
このように注文住宅の価格というのは1件1件違うものになりますが、その中でも注文住宅の価格を構成する大きな3つの要素があります。
それは、
- 家の大きさや形
- 家の構造(構造材や断熱材など)
- 家の内装(設備や床、壁材など)
の3つです。
大きく分けて、この3つが価格に大きく影響してくる部分になってくるんですね。
逆を言えば、注文住宅で予算オーバーした時はこの部分を見直すことで、予算内に収めるための強い味方になってくれます。
それでは具体的にどの部分が注文住宅で予算オーバーに繋がりやすく、どうすればコストを下げることができるのか見ていきましょう。
家の大きさを見直す
注文住宅で予算オーバーした場合、家の大きさを見直すというのは一番効果的な方法になってきます。
やはり家の大きさというのは注文住宅の価格を一番大きく左右する部分なんですね。
当たり前のことになりますが、家を大きくすればコストが上がりますし、家を小さくすればコストは下がるようになります。
「坪単価」という言葉を聞いたこともある方も多いと思いますが、家の大きさというのは価格の目安となってくるんですね。
では、具体的に家の大きさを変えることでどれくらいの効果があるのか見ていきましょう。
たとえば、40坪で2,000万円の注文住宅があるとするとします。
40坪で2,000万円の注文住宅なので、坪単価は50万円ということになります。
でも、ここで注意したいのが家を1坪小さくしたからといって価格が50万円下がるという訳ではないということです。
注文住宅を建てる場合、価格は「固定費」と「変動費」の2つの費用に分けることができます。
固定費とはどんな家でも必ず必要になってくる物のことで、例えばどんな家でもお風呂やキッチンなどの設備は必要になってきますし、玄関ドアなども家に入るのに必要になってきます。
これらが無い家というのはまず無いですよね。
このようにどんな家にも必ず必要となるのが固定費で、まずは家の価格のベースとなってきます。
一方、変動費というのは家の大きさによって変わってくる物のことを言います。
たとえば、柱などの構造材も家が大きくなれば増えますし、外壁やフローリングも家が大きくなればなるほど必要になってきます。
変動費はその家の大きさによって影響を受ける物で、家の大きさを小さくしてコストが下がるのは変動費の部分なんですね。
ちなみに、「固定費」と「変動費」を簡単に図に表すとこんな感じです。
こうして見てみると、注文住宅の大きさを小さくした場合、下がるのはこの変動費の部分になるとなるので家を1坪小さくしても坪単価が丸々下がるという訳ではないことが分かります。
おおよその目安としては坪単価の半分強くらいが1坪小さくするごとにコストダウンしていくケースが多いです。(例えば坪単価50万円の家の場合、1坪増えるごとに30万円上がり、1坪減るごとに30万円下がるという感じです)
ただ、家の大きさをコンパクトにするというのに抵抗を感じる方もいらっしゃると思います。
そんな時、注文住宅をつくるのに優先なのは家の大きさなのか。
それとも、家の大きさより使い勝手や仕様の方が優先順位が高いのか。
この部分をあらかじめ考えておくと、家の大きさをどれくらい優先するのか判断が付きやすくなります。
また、大きな注文住宅であればあるほど、間取りをよく見てみると廊下などあまり使わないスペースが無駄に広くなっているというケースもありますし、光熱費などのらん人ングコストを抑えることができます。
そのようなあまり使わない部分を削ることでより必要な物が詰まった家にすることも可能なので、家をコンパクトにするということは必ずしもデメリットばかりという訳ではないんですね。
40坪の注文住宅を建てる時、40坪の家を建てるのが目的ではなく、「要望が入った暮らしやすい家にした結果40坪の家になった」というのが1番の理想です。
私たちプロの建築士の仕事というのは簡単に言うと「予算を見ながら家の要望とバランスを整えた家を設計すること」です。
優先順位を決めて、家の大きさや部屋の大きさはある程度プロに任せてみる。
これも注文住宅で予算オーバーしそうになった時に効果的な方法となります。
家の形を整える
注文住宅で予算オーバーした時、家の形を整えるというのも効果的な方法になります。
例えば、次の四角とL字型の2つの家の場合、どちらの家の方がコストダウンできるのでしょうか?
答えは四角い家の方です。
家は形が複雑になって家の形が凸凹すればするほど工事の手間や部材のコストが上がり、結果的に注文住宅の価格も上がりやすくなるんですね。
もちろん、凸凹が有るか無いかで家の外観にも影響するので一概に凸凹が無い方がいいとは言えませんが、ムダに意味の無い凸凹はできるだけ抑えた家の方がコストは下がるようになります。(このあたりは設計者の腕とセンスによるところも大きいです)
そのため、家全体を見てやけに凸凹が多い家の場合は家の形自体を見直してみるのもいいですね。
それでは、その他にも家の形がコストに影響する例を見てみましょう。
下の絵をご覧ください。
先ほどの家は1、2階の面積が同じの総二階の家でしたが、こちらの家は1階の方が大きく2階の方が小さい家となっています。
このように1、2階の面積が違う注文住宅というのもコストアップの要因の1つになってきます。
もちろん、2階建ての注文住宅では1階にLDKや水回り、さらには和室を設けたりなど、1階の面積の方が大きくなるケースが多く、1、2階の大きさが違う家になることもよくあります。
そのような1、2階の大きさが違う場合でも、2階の形を変に凸凹させるのではなく綺麗な形にすることでコストを抑えることができますし、家の見た目も良い注文住宅にすることができるんですね。
→下屋(げや)って何?下屋の作り方次第で家の外観はすごく変わるんです
最後に家の形で影響してくるのが屋根の形です。
屋根の形次第で外壁の面積が増えることもある等、屋根の作り方でも家のコストが変わってくるんですね。
また、屋上を作るなど、屋根を作るのに手間が掛かれば掛かるほど注文住宅の価格が上がる要因となってきます。
そのため、できるだけシンプルな屋根になるよう心がけるのも予算オーバーした時に効果的です。
家の設備を見直す
ここまでは家の大きさや形について見てきましたが、次に家の内部について見ていきましょう。
注文住宅の場合、設備機器を見直すことでもコストダウンすることが可能になります。
全館空調などの特殊な設備を除いた場合、設備の主なコストアップ要因としては、キッチン、お風呂、洗面、トイレの4つが挙げられます。
一番コストの変動幅が大きいのがキッチンでその次がお風呂になります。
また、予算オーバーしている時はキッチンかお風呂がコストアップの大きな要因となっていることもよく有ります。
→対面キッチンはどれがおすすめ?5つの対面キッチンとメリット、デメリット
→浴室はどれが良い?ユニットバスや造作風呂の選び方を解説します
その一方で洗面とトイレは比較的コストアップの幅が限られている設備と言えます。
ちなみにキッチンの場合を例に見てみると、一番コストが高くなるのがオーダーメイドのキッチンとなり、その次に既製品のキッチンという順番になり、アイランドキッチンなどあまり出ないキッチンの方が価格が高く、一般的によく使われるⅠ型キッチンは価格がお手頃になってきます。(お風呂も同じような傾向があります)
→対面キッチンはどれがおすすめ?5つの対面キッチンとメリット、デメリット
また、既製品のキッチンの中でもコストに幅がありますが、コストの大きな差は使っている面材(引出しや収納の扉)であることもよくあります。
実際の機能にはそれほど差は無いけども、見た目の違いで価格はかなりの差が出ることがあるんですね。
そのような場合の対処方法としては、面材がホワイトのキッチンを選ぶという方法があります。
色味のあるものだと面材次第で見た目というのはかなり変わってきますが、ホワイトだと面材のグレードの違いが目立ちにくいからなんですね。
そのため、予算オーバーした場合はキッチンの面材のグレードを下げてみるのも効果的です。
また、設備機器は時間が経てば劣化して交換が必要になってくるので、いわゆる消耗品に近い位置づけになってきます。
そのため、注文住宅の中での優先順位で言うと基本的には「構造材」>「設備機器」という図式が成り立ちます。
ただ、消耗品に近いからといってランクの低い物ばかり入れて毎日の生活がつまらないと感じてしまっては元も子もありません。
家事は毎日のことなので、楽しく家事ができるレベルで折り合いをつけるのが設備機器を選ぶ時のポイントになるんですね。
→それは日々のモチベーションが上がるものですか?家の優先順位の決める方法
家の内装の変更も効果的
注文住宅で予算オーバーした場合、家の内装を変更するのも効果的な方法となります。
たとえば内装の例を挙げてみると、
- フローリング
- クロスや珪藻土などの壁材
- ドアや引戸などの建具
- 造作工事
このあたりがコストアップに影響する代表的な内装部分になります。
内装については質感が高級な物を使うほどコストが掛かるようになるというのが基本的な考え方となります。
たとえばシュールームや住宅展示場では見栄えを良くするため良いグレードの物を多く使っていますが、同じ様な雰囲気の家を建てようと思うとビックリするくらいの価格になる場合もよく有ります。
そのため、まずは住宅会社や工務店を選ぶ段階で標準仕様の家も見ておくことで、「予算オーバーで全く建てたい家と違った」ということを防ぐことができます。
→どんな建具を選べばいい?建具を選ぶときに知っておきたいポイント
→おしゃれな家は皆使っている!おすすめ無垢フローリング12選【保存版】
→フローリングの掃除が違ってくる!?フローリングの色によるメリットとデメリット
ちなみに、内装は色の濃いものと白いものは比較的コストを掛けなくても見栄えがしやすいので、どうしても予算オーバーするならグレードを落として濃いものか白い物を選ぶのも1つの方法と言えます。(反対に木目や茶系の色を使っている物は、安い物は安く、高い物は高くというように金額相応に見えやすい傾向があります)
その他に、コストとの関係が意外に大きいのが階段です。
普通の箱形階段と呼ばれる階段であればそんなにコストは掛かりませんが、たとえば鉄骨階段にするなどデザインにこだわればこだわるほどコストアップの要因となります。
ちなみに箱型階段はこんな感じの階段に。
鉄骨の階段はこのような階段になります。
Photo:https://www.arbrehome.com/works08.html
階段は形や素材によって数倍価格が違ってくる部分なので、注文住宅で予算オーバーをした場合、階段の仕様を再検討してみるのも効果的ですよ。
また、内装でコストダウンをする場合、面積の広い場所を変更すると効果が高くなります。
たとえば壁であったり床材といった面積の広い部分の変更というのは意外と効果的なんですね。
ただ、予算オーバーしたからといって壁や床材を全部変更してしまうのも寂しいものです。
そのため、LDKや人がメインで生活する1階は良いものを使い、寝室や子供部屋としてしか使わない2階は少しグレードを下げて予算を調整するなど、場所によって使い分けるという方法もあるんですね。
同じように建具も家全体を見渡すとある程度の数を使うことになるので、建具のグレードや数を再検討するのも効果的です。
たとえば、寝室の中のウォークインクローゼットであれば人に見られることも無いので扉を無くしてしまうなどの方法もあります。
その他、内装では造作工事も家の予算オーバーの要因となりがちです。
注文住宅を建てるとき、ついついアレもコレもと作り付けでいろんな物を作りたくなりますが、知らない間にコストがとんでもなく掛かっていたなんてケースも。
もちろん、造作工事は家を建てている時に作るのが一番効率的なので、ついつい増やしてしまう気持ちもよく分かります。(大工さんがその場で作れる造作工事は家の工事と一緒にするのが一番コストカットになります)
では、造作工事をみる時はどこに注目すれば予算オーバーを防げるのでしょうか?
造作工事の場合、仕上がりのクオリティとどんな材料を使うかがコストに大きく影響してきます。
たとえば、棚板だけの可動棚をつくる場合はそんなにコストは掛かりません。
部材をカットして取り付ければいいので、そこまで手間にはならないですし、材料もそんな良い物を使う必要もないからなんですね。
一方、造作のキッチンであったり、造作の箱形収納をつくるとコストはかなり上がってきます。
キッチンであれば材料も水に強い物を使う必要がありますし、棚板と比べて手間も必要になってくるからなんですね。
さらには扉をつけたり、カウンターにこだわったりするとさらにコストは上がってきます。
建具を付けたり、見栄えのする材料を用意する必要があるのでコストアップしていくんですね。
また、造作工事の場合は大工さんが作れるものと専門の職人さんが作るものではコストはかなり変わってきます。
たとえば、造作家具を作るとなると家具自体は大工さんが作れても、扉は建具屋さんに作ってもらうなどの手間が発生してしまいます。
その分だけ人件費が掛かってしまうんですね。
このように造作の場合、材料と手間がどれだけ必要なのかでコストは大きく変わってくるので、見せる場所と見せない場所を上手く分けながらコストを調整したいですね(例えば、見せる場所は見せるけども、見せない場所は引出しの変わりにカゴを使うなど)。
また、収納の内部なんかは作りこみ過ぎない方が後々の使い勝手も良くなります。
→クローゼットの収納術。家の建築士がおススメの収納方法をお教えします。
予算を減らさない方が良い場所
ここまで注文住宅で予算オーバーした時の対処方法について見てきました。
注文住宅を建てる場合、いろんな部分で予算の見直しを行える場所があるんですね。
でも、できる限り予算を減らさない方が良い場所もあります。
それは、構造や断熱など家の根本に関わる部分です。
注文住宅を建てるなら住み心地の良い家にしたい物ですし、できるならデザイン性の高い家にしたいものです。
でも、一番大切にしたいのは家の安全性や性能について。
家はやはり家族を守ることが大前提の物になりますし、住み心地の良い家にするためには夏涼しく冬暖かいという家の性能も大事になってきます。
そのため、予算オーバーしたからといっても家の安全性や住環境に関わる部分をコストカットするのはおすすめしません。
たとえば、コストカットするために柱や梁といった構造材を小さくしたりグレードを下げるのは避けたいものです。
家の耐震性に影響してくる部分だからなんですね。
また、断熱材や窓の性能というのも家の住み心地を考えるとグレードは落としたくない場所になります。
断熱材や窓で家の中の熱さ、寒さというのは変わってくるからなんですね。
特に断熱材や窓というのは家が建った後に寒いからといって簡単に変えるのも難しい場所になります。
また、日々の生活で体感する部分なのであとで後悔しやすい部分とも言えます。
家の断熱性のが高くなれば光熱費も節約することができるので、ランニングコストの面も見ながら予算を配分したいですね。
予算オーバーした時にすること
ここまで注文住宅が予算オーバーした時に手を加える場所、手を加えない方が良い場所について見てきました。
では、予算オーバーした時に手を加える場所はどのように選べば良いのでしょうか?
まず、注文住宅を建てる時に重要なのが、「家で叶えたい事の優先順位をつけること」。
優先順位の高い物は必ず叶えないと家を建てる意味がありませんし、できれば叶えたいものは家全体のバランスを見ながら採用、不採用、もしくは代替案も取り入れながら、あなたに合った注文住宅は作られていくんですね。
これは間取りもそうですし、設備や仕様でも同じことが言えます。
優先順が高い物は、思い切ってお金を掛けても後悔することはありません。
それを叶えたいために、注文住宅を建てる事をあなたが選択したからです。
では、優先順位の低い物はどうでしょうか。
間取りをつくる際もそうですし、仕様選びでも同じ事が言えますが、家づくりの最初の段階では優先順位の低い物も、家の間取りであったり仕様の中に含まれている事が多くあります。
土地の広さの関係で家を大きくできなかったり、予算との差が大きいなど物理的に不可能な場合は間取りに反映できませんが、そうでない場合は優先順位の低い物も「できるだけ家の中に入れたい」と普通は考えますし、実際に間取りを作る建築士も同じように考えて間取りを作ります。
するとどうなるでしょうか?
注文住宅を建てる時、家の中に優先順位が高いもの、低いものが混在している状態になるんですね。
そして、ここに予算を調整するヒントが隠されています。
予算オーバーした際、対策としては次の2つの方法が考えられます。
1つは、いろんな要望を叶えるため家全体の仕様、例えば構造材のグレードを下げたり内装のグレードを下げる方法。
もう1つは、優先順位の高い物は採用して、優先順位の低い物は仕分けをした上で思いきって捨ててしまう方法の2つです。
では、どちらの方が家ができてからの満足度が高いのでしょうか?
私がこれまで何十、何百という家づくりに関わってきた中でハッキリ言えるのは、満足度が高いのは圧倒的に後者だという事です。
優先順位の低い物はきっぱりとあきらめて、優先順位の高い物に力を入れた方が満足度が高くなるんですね。
そして満足度を高くするためには、家づくりで納得できているかどうか。
この納得できているかいないかで注文住宅の満足度は大きく違ってきます。
たとえば、仕様を下げる場合は「仕方なく下げた」という感覚が残り、家が完成して住み始めた後もイマイチスッキリしないケースも出てきます。
インテリアで例えてみると、「予算が無いので、とりあえず価格の安い家具でインテリアを揃えた部屋」と言う感じがどうしてもしてしまうんですね。
もちろん、価格の安い家具でも家の雰囲気をよくすることも可能ですが、雰囲気を良くするためにはとてもセンスが必要になってくるので難易度がとても高くなります。
そして、全体的に仕様を下げた場合は視覚的にもよく目につくので後悔しやすくなってしまうんですね。
(仕様のグレードが見た目に比例するのが原因です)
一方、優先順位を元に必ず必要な物、あきらめる物をハッキリした場合、より必要な物が詰まった濃縮な空間にすることができます。
必要な物が詰まった洗練された空間になるということですね。
そのため、満足度が落ちる事がほとんどありません。
このように予算オーバーした場合、1度家の優先順位を振り返り、整理するのが1番の解決策となります。
優先順位を整理しても予算が合わないようなら、
「家の予算アップのための方法を探す」
もしくは、
「その工務店や住宅会社とは縁が無かった」、「家を建てる時期を遅らせ資金を貯める」ということも選択肢に入ってくるようになります。
住宅会社にとっては家を建ててもらいたいので、「仕様を落とす」ことを勧められることがありますが、その場合は「仕様を落として家を建てるくらい本当にその会社で家を建てたいのか」を一度振り返ってみる時間を取ることをオススメしています。
家づくりを進めていると何としても家を建てるという気持ちになりがちですが、どうしても予算が厳しい場合は一度冷静になって考えるのも家づくりにとってはとても大切なことなんですね。
これまで1度家づくりをお休みして何年か経ってから改めて注文住宅を建てられた方を何度も見てきましたが、そのような方は最初に家づくりをしていた時と比べて要望も洗練され、完成した家の満足度がより高くなっているのがほとんどです。
家を建てることは目的ではなく、楽しい生活を送るための1つの手段。
これを忘れずに家づくりをしたいですね。
まとめ
今回は注文住宅が予算オーバーした時の対処方法について見てきました。
注文住宅の価格は、
- 家の大きさや形
- 家の構造(構造材や断熱材など)
- 家の内装(設備や床、壁材など)
の3つで決まってきますが、家本来の役割を考えると家の構造には手をつけず、家の大きさや内装などでコストを調整していくのが注文住宅で予算オーバーした際の王道となってくるんですね。
またその際、家の優先順位を考えてみることでどの部分で予算調整をするのが一番コストパフォーマンスが高いかが分かるようになります。
注文住宅を建てる時、予算については一度は誰しも悩む部分でもあります。
そんな部分だからこそ、家が建ってからも納得いく選択をできたと思うのか、それとも心の中にモヤモヤが残ってしまうのかで住んでからの満足度というのも大きく違ってきます。
予算オーバーした場合、ぜひ納得いく選択をしてよりコストパフォーマンスの高い家を目指したいですね。
では。
予算についてはこちらも参考にしてください。
→注文住宅の予算はどれくらい?年収別、家賃別で見たあなたに最適な予算の目安
→家の建て替えに必要な費用ってどれくらい?新築に建て替える時の5つのポイント
→新築の家をコストダウンするにはどうすればいい?コストダウンに効果的な場所10選
→注文住宅の内装を効果的にコストダウンするために知っておきたいこと
→家の資金計画はどうすればいい?資金計画書の見方と押さえておきたいポイント
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家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。
→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】