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オシャレに見える家とオシャレに見えない家の違いって何?

「間取りはかなりこだわって家を建てたんですが、何となく普通の家と見た目があまり違わない感じがしてしまいます。家自体には満足しているんですが、イマイチお洒落な家ではないような・・。お洒落な家との違いって何なんでしょうか?」

先日お話した方から、このような質問をもらいました。

確かに家を見せてもらうと、間取りはよく考えて工夫されたなと思う所が随所にあるのですが、家の中は新しいので当然奇麗なのですが、普通の家の部屋と言われればその通りの感じがしてしまいます。

どうしてこのような印象になってしまうのでしょうか?

 

「使っている仕様が普通だから?」

「それともインテリアのセンスが必要だから?」

 

実はスッキリしてお洒落に見える部屋にするには、そんな高い仕様にこだわりすぎる必要はありませんし、インテリアのセンスもお洒落かお洒落じゃないかを判断するくらいあれば十分なんです。

スッキリした部屋に見せるには法則があるからなんですね。

今回は、そんな部屋の見た目をお洒落にするために必要な家のつくり方に見ていきたいと思います。

家をスッキリ快適に過ごしたい方はぜひご覧ください。

部屋が残念に見える理由

まずは下の写真をご覧ください。

上の写真は、とある家のLDKの画像です。

この部屋を見て、あなたはどのように感じるでしょうか?

よく見かけるような造りの部屋になっていますが、賃貸住宅にも似た雰囲気で、お世辞にもお洒落な家という感じはあまりないですよね。

 

では、何が原因でお洒落に感じないのでしょうか?

まずはその理由を1つずつ見ていく事にしましょう。

床と壁の色のバランスが悪い

まず、先ほどの部屋を改めて見てみると、色味は大きく分けて2つあります。

床の木目の色と、壁や天井の白の2つですね。

ただ、何やら床の色が部屋から浮いた感じを受けないでしょうか?

あまりにもオレンジ色が強過ぎて、壁の白い色と統一感が無くなってしまっているんですね。

 

その他に、壁に注目してみると何だかゴチャゴチャした感じを受けないでしょうか?

それでは、1つずつどうすれば良いか見てみましょう。

 

扉の色はどうすればいい?

壁によく目立っているのが原因の1つがまず扉です。

床に合わせた木目の色の扉を使っていますが、それが反対に部屋の見た目を悪くしています。

1番の原因は色です。

壁にオレンジが強い木目の扉を使っているので、部屋に馴染むと言うよりも少し浮いた感じになっています。

もともと床と壁の色が合っていない上に建具の色を床に合わせる事で、部屋の見た目がさらにうるさく感じられてしまうんですね。

 

この場合の正解は、壁に合わせた白っぽい建具にするか、床の色をもう少し抑えて部屋に馴染む色にして、扉もその色に合わせるのが正解となります。

また、扉にも装飾が付いたデザインになっていますが、それもうるさく見えてしまう1つの原因となっているので、扉は何の飾りも無いシンプルな物にしておきたいですね。

(扉に装飾を付ける場合、明かり取り用のガラスかアンティークなど小物で表現するインテリアにする場合に限るのが無難です)

 

回り縁は無くすか目立たせない

次に気になる点としては、回り縁(まわりぶち)と呼ばれる部材が使われている事です。

回り縁とはこの部分のことですね。

回り縁は壁と天井を見切る部材で、最近の住宅では使われることが少なくなっていますが、この回り縁を床と同じ色に合わせていることで、余計な色とラインが見えるようになり、部屋をうるさく見せる原因となっているんですね。

回り縁を付ける家は減っていますが、どうしても工務店やハウスメーカーの仕様で回り縁を付ける場合、壁と同じ白色にするなど目立たせないようにした方が部屋はスッキリ見えるようになります。

 

オープンキッチンの吊戸棚は無しに

今回の部屋ではキッチンの上部に吊戸棚を付ける事で、キッチンとダイニングの境目に枠が出てきてしまっています。

これも部屋がスッキリ見えない原因となってしまっているんですね。

オープンキッチンの場合は吊戸棚が無い方が部屋はスッキリ見えますし、もし吊戸棚を付けたとしても、枠に木目を使うのではなくクロスを巻き込んで壁をスッキリ見せた方が壁がキレイに見えます。

 

照明計画を考える

最後は照明計画です。

ダイニング、リビングの照明は天井にシーリングをボンっと付けているだけなので、明かりにメリハリが無く淡白な印象を与えてしまいます。

また、今回の部屋には有りませんが、天井にシーリングを付けてその四方にダウンライトを設置しているという部屋もよく見受けられます。

これもただ何となく空いた部分にダウンライトを付けているだけと言う事が多く、空間のメリハリにはほとんど効果が無いので注意が必要です。

 

照明は必ずしも天井から光を照らす必要がある訳でもなく、部屋の用途に応じてメリハリを効かせた照明計画にしておきたいですね。

部屋をスッキリ見せるポイント

それでは次に、部屋をスッキリ見せるためにどういう事に気をつけておけば良いか見ていきましょう。

 

先ほどの例では、この部屋がスッキリ見えない1番の原因は壁と調和していない中途半端な床の色に合わせて部屋をコーディネートしてしまっていること。

そして、その床の色が壁にムダに多く使われている事で部屋の雰囲気を台無しにしてしまっているんですね。

色の使い方であったり部屋の中にムダなラインが多く見える事で、ゴチャついた印象の部屋になってしまっていました。

逆を言えば、その原因を1つずつ取り除いていってあげれば良いという訳ですね。

 

例えば次の写真をご覧ください。

まず、一番始めにご覧頂いた部屋の写真は白い壁にオレンジに近い木目の床と言うように、壁と床の色味に統一感がなくて壁と床が相反するような印象を与えてしまっていました。

一方、今回の部屋では白い壁に薄く自然な色合いの床をつかっているので、部屋に自然な一体感を感じやすいようになっています。

まずは床と壁の色合いを調和させるのが大切なんですね。

 

また、今回の部屋では先ほどの部屋と同じように床の色に合わせた扉を使っていますが、かなり自然な感じに部屋に溶け込み、部屋にうるささを感じる事は少ないのではないでしょうか?

その理由は床の色が壁と調和しているので、建具に床と同じような色を使っても自然に見えるようになるんですね。

その他には、扉にハイドアを使っているのも部屋がスッキリ見える大きな要因です。

 

ハイドアとは天井一杯まで開くようになった扉のことですね。

通常の扉では、天井と扉の間に壁があるので少し凸凹した印象を与えてしまいがちですが、建具をハイドアにすることで余計なラインが無くなりスッキリ見えるようになります。

これは家をスッキリ見せる場合にはとても大切なことで、キレイに見える部屋では如何にムダなラインを消すのかということを良く考えられている場合が多いです。

部屋がスッキリ見える!ハイドアの驚くべき効果を検証します

 

オープンキッチンに吊戸棚を付けない方がキレイに見えると言うのも同じ理由ですね。

 

また、これは壁だけでなく窓も同じで、ただ壁に窓を取り付けるだけでなく、窓の上端を天井に合わせたり、あえて天井を低くして窓をスッキリ見せるという方法もあります。

ラインが整う事で部屋がキレイに見えるんですね。

 

ただ、窓をスッキリさせる場合の注意点として、窓を部屋に合わせる場合は既製品のサイズではまかなえず、特注品になってしまう事が多くなってしまいます。

窓は基本的に扉よりも高価ですし、また特注品となると金額もかなり割増しとなってしまいやすいのがネックとなるんですね。

今回の部屋でも窓と扉の高さを合わせるとベストではありますが、そこまでするかどうかは要望の優先順位によって違いが出てきます。

家の光や風を左右する!家を建てるなら知っておきたい窓の話

 

その他では部屋の幅木もできるだけ目立たない方が部屋はスッキリ見えるようになります。

幅木とはこの部分のことですね。

最初にご紹介した部屋の幅木とはサイズが大分違うのがお分かりになるのではないでしょうか。

幅木は基本的にできるだけ高さを抑えた物を、また色も壁に合わせた白をベースとした物を使うか、床と壁の色が馴染んでいるのであれば床の色に合わせた色にするのも良いですね。(窓枠にも同じことが言えます)

その他、幅木をどうするかは色んな手法があるので、部屋をスッキリ見せるのならこだわっても良いかもしれませんね。

巾木次第で部屋の印象はすごく変わる!巾木の種類と見え方の違い

まとめ

今回は部屋の見え方について見てきました。

部屋の印象と言うのは、例えば同じ間取りだとしても、部屋の細部のつくり方次第で違う部屋にも見えてくるんですね。

 

細かい部分はこだわればキリが無くなってきてしまいますが、今回ご紹介した部分だけでも意識して部屋を作ってあげれば、部屋の見た目と言うのは間違いなく良くなります。

髪型でも服装でもキレイに見える法則があるように、部屋にも同じ事が当てはまるんですね。

 

見るべき場所を意識するだけで部屋の印象は変わってきます。

ぜひあなたの部屋もスッキリとお洒落に見える部屋を目指してくださいね。

では。

 

家の内装についてはこちらも参考にしてください。

新築の内装はどうすればオシャレに見える?内装を決める時の6つのポイント

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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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