家が予算オーバーする5つの要因とプラスα

家づくりで切っても切れない関係の「家と予算」。

予算内で収めたいけれども、やりたい事が出てきて予算オーバーぎみという方も多いのではないでしょうか。

 

家づくりで予算オーバーした時に一番重要になってくるのが「何が予算オーバーの要因になっているのかを把握する」ということです。

予算オーバーの要因を把握することで、あまり重要でないことにコストが掛かっていたというのを避けることができるので、コストパフォーマンスの高い家になるんですね。

今回は、そんな予算オーバーの要因となりやすい5つの項目について解説したいと思います。

予算オーバーで困っている方や、家の予算のことが気になる方はぜひご覧ください。

家を大きくする

大きい家

家のコストを一番大きく左右する要因を挙げると、やはり家の大きさによってい家の価格というのはかなり変わってきます。

当たり前のことですが、家を大きくすればするほど家のコストは上がっていってしまうんですね。

「坪単価」という言葉があるように、家の大きさというのは価格の目安にもなります。

 

実際には家が1坪大きくなったとしても坪単価が丸々増えてしまうという訳ではありませんが、目安として坪単価の半分強くらいが1坪増えることにコストアップしていくことが多いです。(例えば坪単価50万円の家の場合、1坪増えるごとに30万円上がるという感じです)

坪単価の計算方法とプロでも知らない注意点

 

そのため、家をつくるときに優先なのは家の大きさなのか。

それとも、家の大きさより使い勝手や仕様が優先なのかという部分をあらかじめ考えておくと、ムダに大きな家でコストが上がるというのを防ぐことができます。

 

例えば、家の要望を伝える時に「家の大きさは40坪くらい」と伝えるとします。

そのような場合、実家の家や誰かの家の大きさが40坪だったからといった理由や、やはり家は40坪くらいある方がいいなど、何となくの感覚で家の大きさを伝えてしまうケースが多いのですが、実はこのような形で家の大きさを伝えるのはあまり得策でないケースがほとんど。

その理由は、40坪と言う縛りができることで40坪に合わせて間取りをつくることになり、場合によっては間取りに無駄なスペースができて間取りが間延びしてしまったり、無駄なスペースを作るために予算オーバーしている何てこともあります。

家の大きさというのは要望を取り入れた結果として40坪になるのであって、40坪の家を建てるのが目的ではないですよね。

「どれくらいの大きさの家が希望ですか」というのは聞かれやすい項目ですが、あくまで目安という点をしっかり伝えるのが重要となり、予算オーバーを防ぐことにもつながります。

 

また、部屋の大きさを伝える場合も何かしらの理由があって〇〇帖欲しいという場合は別ですが、その他の場合はできれば〇〇帖くらいで詳細は任せるというくらいの方が上手くいく場合が多いです。(置く家具が決まっている場合は、家具の大きさも伝えるのがポイントです)

私たちプロの建築士の仕事というのは簡単に言うと「予算を見ながら家の要望とバランスを整えること」。

優先順位を決めて、家の大きさや部屋の大きさはある程度プロに任せてみる。

予算オーバーを防ぐには、これがかなり効果的な方法なんですね。

家の予算がオーバーしたときにぜひ試したい、1番効果的な方法をご紹介します

家の形を複雑にする

中庭アイキャッチ

家の予算オーバーの要因として、家の形というのも大きな影響を持っています。

具体的な例を見てみましょう。

 

例えば、40坪の家が2つあるとします。

 

1つは真四角の40坪の家。

もう1つは中庭がある40坪の家。

大きさは同じ40坪の家ですが、この2つの家を比べると中庭のある家の方が真四角の家よりもコストはアップします。

その理由は、中庭がある分だけ外壁も多くなりますし家をつくる手間も増えてしまうので、同じ40坪の家でもコストアップになってしまうんですね。

 

同じようなことは、家の凸凹についても言えます。

家が凸凹すればするほど、角の処理に手間とお金がかかるようになるのでコストアップの要因になってしまいます。

もちろん、凸凹があるか無いかで家の外観にも影響するので一概に凸凹が無い方がいいとは言えませんが、ムダに意味の無い凸凹はできるだけ抑えた家の方がコストは下がります。(このあたりは設計者の腕とセンスによるところも大きいです)

家全体を見てみて、やけに凸凹が多い家の場合は家の形自体を見直してみるのもいいですね。(下屋がやけに多い家や、変な位置に下屋がある家は特に要注意です)

一番安く家を建てる方法をお教えします。コストパフォーマンスの高い家にする秘訣

家の外観ですごく気になること(知っておきたい下屋のポイント)

構造材に良い物を使う

家の窓3

家の構造材に良い物を使うと、当然ですが家のコストは上がります。

ここで言う構造材とは、

  • 基礎
  • 柱や土台などの躯体
  • 断熱材
  • 外壁材
  • 屋根材
  • サッシ

この辺りの部材のことを指しています。

 

例えば、家の根幹となる「柱や土台などの躯体(くたい)」について見てみましょう。

躯体で大きな影響があるのが、材料の大きさと樹種。

柱であれば通常は120角(1辺が12㎝の柱)と105角の柱が使われることが多いですが、やはり120角の柱の方が太いので強度がありますし、見た目もガッシリします。

また、樹種であれば杉の柱とヒノキの柱であればヒノキの柱の方がコストアップになりますし、無垢材と集成材であれば無垢材の方がコストアップになります。

 

このように使う構造材しだいで家のコストは変わってくるんですね。

 

また、構造材の場合はどれも使用量が多いので、変更すると数十万円から百万円単位でコストアップしてくることになり、インパクトはかなり大きい項目と言えます。

 

このような構造材は工務店の基本仕様としてあらかじめ決まっていることが多いですが、もちろん希望に応じて変更も可能です。

そして、どの構造材に力を入れるのかというのは、地域性も大きく影響してきます。

 

例えば、寒い地域であれば躯体よりもサッシや断熱性能を優先した方が快適な生活を送れる可能性が高くなりますし、反対に暖かい地域であればそこまで断熱性能を求めなくても快適な生活を送れる可能性が高いので、他に予算をかけるのもいいですよね。

また、大きな地震が予想される地域であれば、躯体に力を入れることで地震の時の被害を最小限に食い止められる確率も高くなります。

 

このように、地域の特性を見ながら何に重点を置くかで構造材を見ていくと選びやすくなるんですね。

 

一方、構造材は家の基本性能となるので、できれば良い物を使いたいですが、構造材ばかりにコストを掛けることで他に予算が掛けられなくなり、中がすっからかんの家になってしまうのも寂しいものです。

家の耐震性を優先するのか、断熱性を優先するのか、はたまた構造材以外を優先するのかなど、何を優先するか意識しながら構造材を選ぶことで予算オーバーを防ぎたいですね。

高価な内装や設備を入れる

鉄の階段

内装や設備に良い物を入れるのも、予算オーバーの要因になります。

内装と設備の例を挙げてみると、

  • フローリング
  • クロスや珪藻土などの壁材
  • ドアや引戸などの建具
  • キッチンやお風呂などの設備

このあたりがコストアップに影響する代表的な内装と設備になります。

 

基本的に内装については質感が高級な物を使うほど、コストは掛かるようになります。

例えばシュールームや住宅展示場では見栄えを良くするため標準品では無いものを多く使っていますが、同じ様な雰囲気の家を建てようと思うとビックリするくらいの価格になる場合もよく有ります。

そのため住宅会社や工務店を選ぶ場合は標準仕様の家も見ておくことで、「予算オーバーで全く建てたい家と違った」ということを防ぐことができます。

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ちなみに、内装は色の濃いものと白いものは比較的コストを掛けなくても見栄えしやすいので、どうしても予算オーバーするなら濃いものか白い物を選ぶのも1つの方法と言えます。(反対に木目や茶系の色を使っている物は、安い物は安く、高い物は高くというように金額相応に見えやすいです)

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その他に、コストとの関係が意外に大きいのが階段。

普通の箱形階段と呼ばれるものであればそんなにコストは掛かりませんが、例えば鉄骨階段にするなどデザインにこだわればこだわるほどコストアップの要因となります。

そのため階段も、コストアップが気になる場合は押さえておきたいポイントですね。

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次に、設備に付いて見てみましょう。

設備の主なコストアップ要因は、キッチン、お風呂、洗面、トイレの4つです。

 

一番コストアップの可能性を秘めているのがキッチンでその次がお風呂。

予算オーバーしている時はキッチンかお風呂が大きな要因となっていることもよく有ります。

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その一方、洗面とトイレは比較的コストアップの幅が限られているので手を加えやすい設備と言えます。

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では、先ほどの構造材と設備機器はどちらを優先すればいいのでしょうか?

設備機器は時間が経てば劣化して交換が必要になってくるので、いわゆる消耗品に近い位置づけになってきます。

そのため、家のことを考えると基本的には「構造材」>「設備機器」という図式が成り立ちます。

ただ、消耗品に近いからといってランクの低い物ばかり入れて毎日の生活がつまらなくなっては元も子もありません。

家事は毎日のことなので、楽しく家事ができるレベルで折り合いをつけるのが、設備機器を選ぶ時のポイントになんですね。

造作にこだわる

造作工事も家の予算オーバーの要因となりがちです。

家を建てるとき、ついついアレもコレもと作り付けでいろんな物を作りたくなりますが、知らない間にコストがとんでもなく掛かっていたなんて事も。

 

もちろん、造作工事は家を建てている時に作るのが一番効率的なので、ついつい増やしてしまう気持ちもよく分かります。(大工さんがその場で作れる造作工事は家の工事と一緒にするのが一番コストカットになります)

 

では、造作工事をみる時はどこに注目すれば予算オーバーを防げるのでしょうか?

造作工事の価格は仕上がりのクオリティとどんな材料を使うかがコストに大きく影響してきます。

 

例えば、棚板だけの可動棚をつくる場合、そんなにコストは掛かりません。

部材をカットして取り付ければいいので、そこまで手間にはならないですし、材料もそんな良い物を使う必要もないからなんですね。

 

一方、造作のキッチンであったり、造作の箱形収納をつくるとコストはかなり上がってきます。

材料も水に強い物を使う必要がありますし、棚板と比べて手間も必要になってくるからなんですね。

さらには扉をつけたり、カウンターにこだわったりするとさらにコストは上がってきます。

建具を作ったり、見栄えのする材料を用意する必要があるので、コストアップしていくんですね。

 

このように造作の場合、材料と手間がどれだけ必要なのかでコストは大きく変わってくるので、見せる場所と見せない場所を上手く分けながらコストを調整したいですね(例えば、見せる場所は見せるけども、見せない場所は引出しの変わりにカゴを使うなど)。

また、収納の内部なんかは作りこみ過ぎない方が後々の使い勝手も良くなります。

クローゼットの収納術。家の建築士がおススメの収納方法をお教えします。

その他の予算オーバー要因

先ほど造作をつくり込みすぎると予算オーバーしやすいというお話をしました。

実はそのお話の中に家が予算オーバーするかどうかのヒントが隠されています。

 

家の部材の中には、「大工さんが取り付けられる物」と「専門の職人さんが必要な物」に分けられます。

例えば、棚板を何枚か取り付けるだけであれば大工さんだけで取り付けられるので、材料費と少しの手間賃で取り付け可能となります。

一方、取り付けた棚板に扉を付けて中が見えないように隠したいとなると、扉を付けるのは大工さんではなく建具屋さんの出番となります。

となると、先ほどの大工さんが家を建てている途中に扉を取り付けるという訳にはいかず、建具屋さんが現場に行って扉を取り付けるという手間が発生してしまいます。

 

そうなんです。工事をするための人件費が発生してしまうんですね。

これは家のどの工事でも共通で、材料自体は安価でも専門の職人さんが施工する必要があるものは、職人さんが現場に来て工事をする必要があります。

例えば塗り壁なんかは左官屋さんが来て施工する必要があり、大工さんが塗り壁を塗る事はありません。

家の工事のプロフェッショナルである大工さんでも、できる事とできない事があるんですね。

プロの建築士が本音で語る、壁紙と塗り壁の選び方

 

このように、大工さんができる工事なのか、それとも職人さんを呼ばないとできない工事なのか。

この部分を意識すると、コストアップしやすいかどうかの判断がしやすくなります。

(ビルダーや工務店によっては、大工工事でもしっかり手間賃を価格に上乗せしている所もあったり、大工工事はほぼ材料費でやってくれる所があったりと会社によって見積もり方法に違いはあります)

 

その他で予算オーバーしやすい要因を挙げるとすると、水まわりを2階、さらには3階に上げていくほどコストが上がりやすくなります。

単純に配管が長くなるからコストアップするという事もありますが、2階にお風呂があれば万が一の水漏れに対応したお風呂にする必要がありますし、3階に水まわりを持って行くとなると今度は水圧がネックとなってきます。

水が3階までしっかりと上がってくれないことがあるんですね。

 

家の前が県道など大きな道路で太い水道管が通っている場合は何とかなるケースもありますが、入り組んだ住宅地だと水道管も細くなり3階まで水を上げるにはポンプが必要というケースがかなり多くなります。

水圧が弱くてシャワーから水がチョロチョロしか出ないなんてことになると、大変ですよね。

そうならないようにポンプを取り付ける必要があるのですが、これもコストアップ要因になります。

水圧なんかはマンションに住んでいたりすると上の階でも問題無いので意識する事はあまり無いかもしれませんが、戸建て住宅では水まわりの場所が高ければ高いほど水圧についても考える必要が出てきます。

「3階建ての家では3階部分のスペースが余りやすく、水まわりは3階に」と思うケースもありますが、このような理由からあまり水まわりは2階までにしている家が多いんですね。

メンテナンスコストについて

メンテナンス

コストについて考えるとき、メンテナンス性について考えるのも意外と重要な項目です。

最初はコストが抑えられると思って選んだ材料も、実際に家ができると思ったよりメンテナンスコストが掛かるなんてこともあります。

これは特に、雨や紫外線など過酷な環境で使われることが多い屋根や外壁材で顕著に現れやすいです。

代表的な屋根材の選び方を、コスト、メンテナンス、デザインの面で解説します

外観の失敗例から学ぶ、絶対に知っておきたい外壁材5選

 

車に車検が必要なように、家は必ずメンテナンスが必要なものです。

長い目で見るなら、傷などが劣化して見えるものよりも味が出る物を選ぶなど、メンテナンス性も考えることでトータルのコストを抑えることができるんですね。

 

最初にコストを掛けるのか、後でコストを掛けるのか。

予算と相談しながら決めていきたいですね。

まとめ

今回は家の予算オーバーの要因について見てきました。

家と予算は切っても切れない関係で、どうしても頭を悩ませがちです。

 

ただ、家を良く見てみると、実際にはあまり必要無い部分にコストが掛かっていたりして、それが予算オーバーの要因となっている場合もあります。

見積もりを見るだけではイマイチ分かりにくい部分も多いんですね。

家の見積もり方法をお教えします。

 

何が予算オーバーする要因となっているのか。

そのことを頭に入れておくだけでも、家に必要なお金の全体像はかなり把握しやすくなります。

ぜひムダな部分を省いて、必要な部分に力を入れた家をつくってくださいね。

では。

 

予算についてはこちらも参考にしてください。

家の予算がオーバーしたときにぜひ試したい、1番効果的な方法をご紹介します

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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家が予算オーバーする要因って何?

  • 家の大きさ:ムダに大きな家にせずに、こだわりたい部分に予算を掛けるとコストパフォーマンスの良い家になりやすい。
  • 家の形:凸凹が多い家は余分なコストが掛かっている可能性大です。
  • 構造材:構造の中の何にこだわるかで、どこに予算を掛けるかのポイントが見えてくる。
  • 内装、設備:内装は高い物ほど高級感が出やすい。設備は消耗するものなので、どこで折り合いを付けるかが鍵。
  • 造作:手間と材料でコストが大幅に変わってくる。見せる部分、見せない部分のメリハリがコスト管理のポイント。
  • メンテナンス:長い目で見てコストが掛からないものを選ぶ方が、トータルでコストが安くなりやすい。