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新築の家をコストダウンするにはどうすればいい?コストダウンに効果的な場所10選

「新築の家を計画しているのですが、予算がオーバーしてしまいそうです。コストダウンに効果的な場所があれば教えてもらえないでしょうか?」

読者さんからこのような質問をもらいました。

 

たしかに新築の家を建てる場合、最初は予算オーバーしてしまうケースがほとんど。

特に最初の間取りを作る前の段階では、「〇〇したい」「〇〇も取り入れたい」など「理想の家」の部分が大きくなりすぎて、ついついアレもコレもと希望を伝えたくなってしまうのが人情です。

その結果、できあがる間取りは色んな物を盛り込んだ間取りとなり、それに合わせて価格も大きく膨らんでしまうことも多いんですね。

でもこれは家づくりでは誰でも経験することで、やっぱり新築の家を建てるなら色んな物を詰め込みたくなりますよね。

しかも家は定価があるものではないので、希望を盛り込むとどれくらいの金額になるのか基準となる間取りと見積もりを見てみないと判断がつきにくいという新築の家ならでは事情もあります。

 

では、家はどの部分がコストダウンできて、どうコストダウンすれば価格も内容も満足いくコストパフォーマンスの高い家にすることができるのでしょうか?

今回はそんな新築の家のコストダウンについて、家の形、大きさ、間取りを中心に見ていきたいと思います。

それではまず、コストダウンの効果が大きいものから順番に見ていきましょう。

新築の家でコストダウンできる場所

家の大きさをコンパクトにする

一般的に家の価格というのは大きくなればなるほど高くなっていきます。

それだけ材料費や手間代が増えるのでコストアップしていくんですね。

そのため、反対に家をコンパクトにすることでコストダウンを図ることができます。

 

では、家の大きさをコンパクトにすることでどのくらいコストダウンができるのでしょうか?

家の価格を見る時、「坪単価」という言葉が使われることがよくあります。

たとえば40坪で2,000万円の家だと坪単価50万円の家という感じですね。

ここで注意したいのが、「家を1坪小さくしたからといって、坪単価そのままの金額をコストダウンできる訳では無い」ということです。

 

例えばどんな家でもキッチンやお風呂などの設備は必要になりますし、玄関ドアや階段なども必要になってきますよね。

これは「固定費」と呼ばれ、どんな家でも必要な費用になってきます。

 

一方、柱や床などは家のサイズによって使う量は変わってくるので、家の大きさがとても影響してくるようになります。

このような家の大きさで変わる物は「変動費」と呼ばれ、家を小さくすることでコストダウンできるのはこの「変動費」の部分となります。

ちなみに「固定費」と「変動費」を図に表すとこんな感じですね。

 

家の固定費と変動費

では、この事を踏まえた上で、例えば家を1坪コンパクトにするとどれくらいコストダウンできるのでしょうか?

住宅会社や家の大きさにもよりますが、坪単価の半分くらいがコストダウンできる金額の目安となってきます。

たとえば坪40万円の家であれば1坪減らすことで20万円ほどコストダウンできるという感じですね。

まずはこのような金額の目安を覚えておきながら、家をコンパクトにするかどうか検討すると判断しやすくなります。

 

また、家をコンパクトにする場合、無駄に長い廊下や特に理由もなく広いスペースなど、使うことがあまり無い場所があるかを中心に間取りを見てみると効果的です。

無駄なスペースは掃除する面積が増えるだけとなり、その無駄なスペースを無くすことでより必要な物が詰まった価値の高い家ができるようになるんですね。

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施工面積を減らす

先ほどは家の大きさについて見てきましたが、家のコストを意識するなら施工面積というもの知っておきたいワードとなります。

施工面積とは簡単に言うと「家を建てるのに工事が必要な場所を全て足した面積のこと」。

たとえば、吹き抜けやロフトは家の床面積には入りませんが、実際には吹き抜けやロフトを作る場合は費用が掛かっています。

また玄関ポーチやビルトインガレージなど、何かしら工事が必要な場所は基本的に施工面積に含まれます。

 

このような床面積には入っていない場所も広ければ広いほどコストが掛かっている場所になるので、無駄に広くなっている場合は大きさを調整するのもコストダウンに効果的なんですね。

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家の形をシンプルにする

家の形というのもコストダウンに繋がってくる場所になってきます。

では、ここでクイズを1つ。

下のような同じ面積の2つの家があるとすると、どちらの方がコストダウンをしながら家を建てられるでしょうか?

コストダウンと家の形

答えは左側のシンプルな四角の家です。

家の形は凸凹すればする程、材料と手間が必要になるからなんですね。

どれくらいコストが変わるかというと、家の角が1ヶ所増えると10〜15万円ほどコストアップするケースがほとんど。

そのため、無駄に家が凸凹していたり複雑な形をしている家の場合はシンプルな形を心がけることでコストダウンさせることができるんですね。

 

同じ面積なら総二階の方がコストダウン

コストダウンできる新築の家の形

家のコストを考える時、同じ面積であれば総二階の家の方がコストダウンすることができます。

たとえば1階が大きくて2階に部屋が少しと屋根という家よりも、1、2階同じ面積の総二階の家の方がコストが下がるんですね。

理由は1階が広く2階が小さいと屋根や基礎の面積が増えてしまう分だけコストアップにつながるからです。

 

ただ、要望によっては総二階の家にするのが難しかったり(1階に部屋数が多く、2階に部屋数が少ない場合など)、見た目的にも総二階の家では無い方が好きな方もいらっしゃいます。

そういう場合も、先ほど見てきたように2階の形をシンプルにすることでコストダウンできるだけでなく、見た目も綺麗に見えるようになるんですね。

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外壁の面積を少なくする

家をコストダウンする時、外壁の面積というのもチェックしておきたいポイントとなります。

たとえば下の2つの家を見比べて見ましょう。

コストダウンできる新築の外観

この2つの家は屋根の形だけが違う家になりますが、左側の家は外壁が少なく、右の家は屋根が片流れになっている分だけ外壁の面積が増えているのが分かります。

同じ家でも屋根の形だけで外壁の面積というのは結構違ってくるんですね。

そして、この外壁の面積もコストに影響してきます。

外壁の面積が少ない方が構造材も少なくなりますし、外壁材も少なくすることができるんですね。

 

そのため、「ロフト」を作るために小屋裏のスペースを作る場合や好みの外観に合わせて屋根が掛けられている場合は良いですが、ただ無駄に外壁が増える屋根になっている場合は屋根の形を変えるのもコストダウンに効果的です。

(ロフトを作るには屋根の高さも必要となるため、ロフトは意外とコストが掛かっているケースもあるので、ロフトを作る場合はコストも必ずチェックしておきたいですね)

ロフトのある家って実際どうなの?100棟以上見てきた正解がコチラです。

 

ちなみに、外壁が多い場合は屋根の形を変えるのでなく、屋根の勾配を変えるという方法もあります。

こんな感じですね。

コストダウンできる新築の外観2

同じ形の屋根でも勾配が緩い方が外壁の面積が少なくなっているのが分かります。

このように、外壁の面積を少なくする方法はいくつか考えられるので、できるだけ無駄の無いようにしておきたいですね。

(高さを抑えた方が、台風などの強風にも強くなります)

また、良い外壁材を使うほどコストダウンの効果も高くなります。

 

屋根の形をシンプルに

コストダウンできる新築の屋根

先ほど外壁の部分でも少し出てきましたが、屋根の形というのもコストに影響する部分になります。

屋根の形が複雑な方が作る手間が掛かり、屋根がシンプルな方がコストダウンに繋がるんですね。

 

屋根の中で一番コストが高くなるのが屋上などに使われる陸屋根(ろくやね)と呼ばれる屋根です。

作り方がバルコニーを作るのと同じなのでコストアップの要因となってなってくるんですね。

一方、片流れ屋根や切妻屋根はシンプルなのでコストダウンしやすい屋根と言えます。

コストダウンできる新築の屋根の形

また、屋根の勾配によってもコストが変わってくることがあります。

勾配がキツイと工事中に危険なので、その分だけコストアップする要因となってくるんですね。

屋根の形状次第で、家の外観はかなり変わるんです。

 

バルコニーの広さや場所

2階建てや3階建ての家を建てる時、洗濯や布団干しのスペースとしてバルコニーをつけるという方も多いと思います。

そんなバルコニーですが、同じ面積でも知らず知らずにコストが高くなってしまうバルコニーがあります。

それはルーフバルコニーと呼ばれる、部屋の上にバルコニーを作るケースです。

コストが掛かるバルコニー

ルーフバルコニーを作る場合、バルコニーの下に部屋があるので断熱材を入れる必要があるなど、手間が増えてしまうからなんですね。

そのため、広いルーフバルコニーを作ってしまうと思わぬコストアップ要因となってしまうので注意が必要です。

 

また、一般的なバルコニーもついつい最初に提案された広さのまま家づくりを進めてしまうことがありますが、それだけの広さが必要かどうか一度振り返り、あなたに必要な最適な広さのバルコニーにするのもコストダウンにつながってきます。

 

その他、最近では花粉や共働きなどの影響で洗濯物はほとんど室内干しという方も増えてきています。

そのような場合、洗濯物を干す以外にバルコニーを使わないのであればバルコニー自体をいっそのこと無くしてしまうというのも効果的です。

バルコニーは作るのにコストが掛かるだけでなく、家が建ってからも定期的にメンテナンスが必要なので、将来的にも意外と大きな金額がかかる部分です。

そのため、バルコニーの必要性が低い場合はバルコニーを無くしてしまうというのは、とても効果的な方法なんですね。

(実際、ここ最近はバルコニーを作らないという方が増えています)

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部屋数を減らし間仕切り壁を少なく

最近では小さな部屋をたくさん作るのではなく、広めの部屋をいくつか作るという間取りが人気となっています。

このような間取りは生活の変化に対応しやすいので人気の間取りとなっていますが、じつはコストダウンにも効果的です。

部屋が多くなると間仕切り壁も多くなりますし、部屋の建具や照明といった物も必要になってくるからなんですね。

 

もちろん、ただ広い部屋にするのではなく、たとえばLDKの中にいくつも心地よい居場所をつくるなど、部屋数を少なくした分だけ他の場所を充実させたり、広い部屋を将来簡単に間仕切りできるようにしておくのがポイントです。

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無駄な窓は無くして必要な窓だけに

新築でコストダウンできる窓

窓は家の中に明かりと風を取り入れてくれる家で無くてはならない物です。

ただ、窓は1つで数万〜十数万円ほどする物なので、窓を増やしすぎると思わぬコストアップにつながってしまうというケースもあります。

窓は家づくりの総額の中でも結構な割合を占める部分なんですね。

そのため、必要な窓、必要でない窓をしっかり仕分けすることでコストダウンすることができるようになります。

 

では、どうすれば必要な窓と必要でない窓に分けることができるのでしょうか?

それは窓の役割を1つ1つ確認するということです。

 

通常、窓は空いた場所に適当に窓をつけるのではなく、「この窓は光を入れる役割」、「その隣の窓は風を入れる役割」というように、窓には役割があります。

そして担当の建築士にそれぞれ窓の役割を確認してみることで、その窓は必要な窓なのか、それとも必要で無い窓なのかが分かるようになるんですね。

その結果、必要な窓だけ付いたコストパフォーマンスの高い家が出来上がります。

特に、すぐ側にお隣の家が建っていて窓から光が入らず、開けもしない窓が付いている家というのは意外と多くあります。(例えば、水回りやお風呂の窓など)

使わない窓はコストが掛かるだけでなく家の性能もダウンさせてしまうので、そのような無駄な窓がない家を目指したいですね。

 

一方、窓をコストダウンする場合に注意しておきたいのが窓のグレードは下げないということ。

窓のグレードを下げるとまとまった金額をコストダウンすることができますが、家の断熱性能も同時にダウンしてしまうことになります。

その結果、光熱費が高くなってしまったり寒い思いをするなど住み心地にも直結する部分なので、窓のグレードは下げないようにしておきたいですね。

家を建てるなら必ず知っておきたい窓の話

 

トイレの数を1つにする

トイレでコストダウン

新築の家をコストダウンする場合、トイレの数を1つにするという方法もあります。

一般的にはトイレは1階と2階に1つずつ作ることが多いですが、それを1階の1つにするという訳ですね。

 

では、トイレを1つ減らすとどれくらいコストダウンできるのでしょうか?

1つトイレを作るのに必要な金額の目安は約30万円ほど。

その分だけコストダウンすることができるんですね。

 

ただ、トイレというのは毎日何回も使う場所になります。

また、トイレに長く入るのが好きな人にとってはトイレの数は重要になりますし、トイレは手短に済ませる場所という人にとっては数はそれほど気にならないというように、人によって優先順位がかなり変わる場所でもあります。

そのため、トイレが1つでストレスに感じないかどうか家族内で確認した上で、トイレをコストダウンするかどうか決めたいですね。

新築の家にトイレが何個あるのが良いか検証してみました

コストダウンする場所の選び方

ここまで新築の家を建てる時に大きく影響する家の大きさや形、間取りについてコストダウンする方法について見てきました。

ただ、コストダウンは大切だけれども、コストダウンしたことで何だか寂しい家になってしまうのは避けたいですよね。

そうなると家を建てるのが目的になってしまい、家ができてから快適に楽しく暮らすという本来の目的から離れてしまいます。

 

それではコストダウンする場所を選ぶ場合、どう選べば満足いく家を建てることができるのでしょうか?

 

それは優先順位を決めるということです。

 

たとえば家の大きさについて見てみると、小さい頃から広めの家で育ってきたり、定期的に親戚が集まるので家の広さの優先順位が高いという人もいれば、家は広さよりも快適に暮らせるかどうかの方が重要という人もいます。

このような場合、広さの優先順位が高い人が家をコンパクトにすると不満が残ってしまうことが多くなりますし、反対に広さにそれほどこだわりが無い人であれば家をコンパクトにした分、他に予算をまわす方が価値があるようになります。

同じように家の形もシンプルな形が好きな人もいれば、家の形にこだわり持っている人、外観よりも住み心地重視の人もいます。

ここでも外観の優先順位というのは変わってきますね。

 

このように、コストダウンする前にまずは家を建てる優先順位を確認することで、コストダウンしても家を建てるのにモチベーションが下がらない場所、下がってしまう場所というのが判断できるようになります。

そしてその結果、必要な物が詰まったコストパフォーマンスが高い家が完成するんですね。

 

コストダウンする場所を決める前に、まずは優先順位の再確認をしてみる。

そしてコストダウンすることで日々の生活のモチベーションが大きく変わってしまう場所なのか。

この部分がコストダウンする場所を選ぶ時にとても大切なことになるんですね。

それはモチベーションが上がるものですか?家の優先順位で迷った時に考えたいこと

まとめ

今回は新築の家を建てる時にコストダウンできる場所を、家の大きさや形、間取りを中心に見てきました。

家の面積から外壁の広さ、設備の有無など、コストダウンできる場所というのは色々とあるんですね。

 

また、住宅会社や工務店によって見積もりの方法というのは様々で、全て細かく計算して家の総額を出しているところも有れば、ある程度「一式〇〇円」というようにシステム化しているところも有ります。

そのため、会社によってコストダウンの効果が高い場所、低い場所は違ってくるので、コストダウンする場合は確認してみるのも効果的ですよ。

(今回は内容は全て細かく計算するケースを想定しています)

 

新築の家を建てるのにコストダウンというと少しマイナスなイメージを持ってしまうことも有るかもしれませんが、コストダウンすることで家の質を落とすのではなく、より家のコストパフォーマンスを高める。

この部分を意識しておくことで、より必要な物が詰まった家にすることができるんですね。

では。

 

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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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