家のメンテナンス

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家のメンテナンス費用はどれくらい必要で、修繕するタイミングはいつ?

せっかく家を建てたのであれば、少しでも長く快適に住みたいですよね。

そんな快適生活を続けるために忘れてはいけないのが家のメンテナンスについて。

まめに家のメンテナンスをしておけば長く快適に住むことができますが、メンテナンスを怠っていると家はどんどん劣化していきます。

人が住んでいない空き家は劣化が早いように、家はほったらかしにしてしまうと劣化するスピードが早くなってしまうんですね。

そうなると日常生活にも支障が出てきますし、家の資産価値も大きく下落してしまいます。

 

そうならないためにも家のメンテナンスは定期的に行いたいものですが、メンテナンスをするには維持費を用意する必要があります。

では、一戸建ての住宅の場合はどれくらいのメンテナンス費用が必要で、どれくらいメンテナンス費用を用意しておけばいいのでしょうか?

今回はそんな家のメンテナンス費用と修繕するタイミングについて見ていきたいと思います。

家をメンテナンスするメリット

家のメンテナンスの必要性

家をメンテナンスすることで長く快適に暮らすことができるようになりますが、メンテナンスは数年単位で小まめにする方が良いのか、それとも10年に1回など間を空けて定期的にメンテナンスを行うのでは、どちらの方が良いでしょうか?

答えは10年に1回メンテナンスするよりも、数年単位で小まめにメンテナンスする方がメリットが大きくなります。

まめにメンテナンスすることで劣化しすぎて手遅れになる前に対策を取ることができるようになり、メンテナンスの費用も抑えられるようになるからです。

 

たとえば外壁のメンテナンスについて見てみると、少しヒビが入ったくらいではその部分を補修しておけば問題ないですが、そのまま放ったらかしているとヒビが大きくなり、さらには構造材まで水が染み込んでしまって元に戻すには大工事をしないといけなくなるなど、家の劣化を放っておけば放って置くほど手間も費用も必要になってしまうんですね。

 

そのためどこか不具合が出てから修理するのではなく、家は3〜5年ごとぐらいに小まめにメンテナンスするようにすると、日常ではなかなか気づかない劣化にも対応できるようになります。

 

では、実際に家をメンテナンスする場合、どのような部分をチェックすればいいのでしょうか?

次に築年数ごとに劣化しやすい場所やメンテナンスしておきたい場所について見てみましょう。

築10年のメンテナンス

新築から10年くらい経ってくると、特に日光(紫外線)が当たる場所で劣化が見られるようになってきます。

日差しや雨風にさらされる外壁は必ずチェックしておきたいポイントなんですね。

そのため日がよく当たる屋根や外壁など傷みが出ていないかチェックしておきたいですし、バルコニーなどよく日が当たる場所は再塗装するなどの対応が必要となってきます。

(バルコニーは定期的にメンテナンスが必要なので、洗濯物を室内干しされる方はバルコニー無しの間取りにすることで建築費だけで無く、メンテナンス費用も抑えることができます)

バルコニー(ベランダ)はいらない?それとも必要?バルコニー有無の見極め方

 

その他、外部だけでなく家の内部も新築から10年くらい経つとチェックしておきたい部分が出てきます。

特に家の内部で劣化しやすいのが水回り部分。

毎日使う場所であること、さらには水跳ねしやすいことなどから不具合が起きやすいんですね。

また、クロスの汚れや剥がれが出てきた部分はクロスの張り替えも他の部分の補修に合わせて行うと手間も費用も抑えることができるようになります。

 

設備機器では太陽光発電のパワーコンディショナーやガス給湯器、オール電化のエコキュートなどの設備機器も10年を過ぎると壊れる可能性が出てきます。

築20年のメンテナンス

築20年くらいになると屋根や外壁だけでなく、サッシやシャッターなどもメンテナンスしておきたい時期です。

少しでも調子が悪い場所が出てきたらすぐに点検して必要に応じて交換などの対応を取っていきたいですね。

屋根や外壁も劣化が目立ってくる時期なので再塗装するなどしっかりしたメンテナンスが必要になります。

 

家の内部ではキッチンやお風呂といった設備機器もそろそろ交換が視野に入ってくる時期です。

設備の塗装が剥げてきたり劣化が目立つ場合は新しいものに交換しておきたいですね。

設備機器が新しくなるというのは最新の設備が使えるようになるので便利になるのはもちろん、毎日使うものなので気持ちの面でも晴れやかになります。

 

また、クロスや建具、畳も劣化したものは修繕の機会に張り替え、交換しておきたいですね。

築30年のメンテナンス

メンテナンスをして長持ちさせてきた屋根や外壁もそろそろ張り替えなど大規模修繕が必要になる時期です。

劣化した部分は新しく交換して、さらに10年、20年と家が長持ちするように生まれ変わらせるのがベスト。

30年経てばサッシなどもより断熱性能の高い物に変わっています。

最新の高性能なサッシに変更することで光熱費も下げることができまるんですね。

 

また、家の内部に関しても劣化が気になる部分は交換の時期です。

特に家の内部は10年で交換するもの、20年で交換するものなどメンテナンスのサイクルが違うものが多いので、劣化具合を見ながら交換する物、まだ使える物などを見極めたいですね。

また、30年経つと子供が巣立ったりと新築当時とはライフスタイルも大きく変わっています。

メンテナンスの機会にリフォームやリノベーションを合わせて行い、効率的に家を新しくするのも楽しいものです。

メンテナンスの費用

家のメンテナンス費用

ここまで築年数による必要なメンテナンスについて見てきました。

それでは次に、具体的にメンテナンスをするとどれくらいの金額が必要になるのか見ていきたいと思います。

 

築10年のメンテナンス費用の目安

築10年メンテナンス費用の目安としては、少なくとも100万円くらいは予算取りしておきたいもの。

外壁の不具合のチェックやバルコニーのメンテナンスが必要ですし、クロスなどの内装も一部で劣化部分が見えてくるので、気になる部分は修繕していくことになります。

もちろん、使う外壁材や設備に不具合が出るかどうかでもかなり違いがありますが、少なくとも必要な費用として予算取りしておくことで、いざメンテナンスが必要となった時にすぐに対処できるようになるんですね。

特に外壁など外回りの劣化は放っておけばどんどん家にダメージが増えていきます。

早め早めのメンテナンスが家の寿命を長くしてくれるんですね。

 

築20年のメンテナンス費用の目安

築20年くらいになると300万円ほどはメンテナンスの予算取りはしておきたいもの。

たとえば設備は大分くたびれてくるので、設備の一部入れ替えというのは必須項目になってきます。

キッチンはまだ問題なくても、コンロや換気扇は交換が必要になってきますし、トイレも温水洗浄便座が壊れた場合は便器ごと交換というケースも多く、それなりの金額が必要となってくるんですね。

 

そして外壁や屋根の補修も必要になるため、最初の築10年目よりもメンテナンス費用はどうしても増えるようになります。

20年経つと家族構成も変わってくるので、内装をリフォームするという選択肢も出てくるのが築20年という時期です。

将来、間取りの変更も含むリフォームも想定している場合は、もう少しリフォーム費用も予算取りしておきたいですね。

 

築30年のメンテナンス費用の目安

使っている部材や家の大きさにもよりますが、一般的な住宅では約30年間のメンテナンス費用として、最低でも600万円くらいのメンテナンス費用が1つの目安となります。

最初の頃はメンテナンス費用はあまり必要ありませんでしたが、築20年のメンテナンスで設備機器の交換、築30年のメンテナンスで屋根や外壁の張り替えというように、大きな工事がある時期に大きなメンテナンス費用が必要となってくるんですね。

(もちろん、メンテナンスが少なくて済む部材を使っていれば費用を抑えることができますが、その分、新築の時にコストは高くなるので、新築時にイニシャルコスト、ランニングコストどちらを優先するかでメンテナンス費用は変わってきます)

 

このように家のメンテナンスには大きな金額が必要となりますが、一度に高額のメンテナンス費用を用意するのは中々難しいもの。

では、メンテナンスの費用をどう準備しておけばいいでしょうか?

最後にメンテナンス費用の積み立て方についても見ておきましょう。

メンテナンス費用を積み立てる

マンションの場合、月に数千円から数万円ほどの規約で決まった修繕積立金を積み立てて、その積立金の中から廊下やエントランス、外壁といった共用部のメンテナンスを行うことになりますが、一戸建ての家の場合はメンテナンスの費用を積み立てる義務はありません。

そのため、一戸建ての家の場合はついついメンテナンスの費用を忘れがちになってしまいますが、一戸建ての場合もマンションと同じように毎月積み立てることで大きなメンテナンスを行う際に強い味方になってくれます。

 

たとえば、積み立ての目安として建築士の私がオススメしているのは「毎月1万円の積み立て」です。

1万円×12ヶ月で年間12万円、10年間で120万円を積み立てることができます。

(ボーナス時期にも積み立てできるとベターです)

 

120万円あれば屋根や外壁の塗装も可能ですし、設備機器もかなり高価な物でなければ交換することができます。

また、たとえ全てのメンテナンス費用をまかなえなくても、ゼロから全てのメンテナンス費用を用意するのと120万円に少しプラスすればメンテナンス費用を用意できるのでは負担がかなり違いますよね。

このようにメンテナンス費用の積み立てが有るか無いかというのは、いざメンテナンスが必要になった時に大きく違いが現れます。

新築の時には全てが新しいのでメンテナンスのことはついつい忘れがちになってしまいますが、少しづつでもいいのでコツコツと積み立てておいてくださいね。

きっとそれが将来メンテナンスする時に大きな味方になってくれますよ。

まとめ

今回は家のメンテナンスについてみてきました。

家を長く快適に住めるかどうかはメンテナンスによって大きく変わってきます。

まめにメンテナンスすることで、長く快適な生活ができるようにしたいですね。

 

家を建てる時は、将来のメンテナンスも頭の片隅に入れておく。

これが大切なんですね。

 

また、メンテナンスは手間に感じてしまう方は住宅会社を選ぶ時にメンテナンスもしてくれる会社かどうかを見てみるのも1つの方法です。

屋根などは一般の方には登ることが難しい場所ですし、家は劣化しているかどうか分かりにくい部分もあるので、定期点検をしてくれるだけでも手間はかなり少なくなります。

また、メンテナンスする際も新築時の見積もり書があるのでリフォームで有りがちな変に高い金額で見積もりが出てくるというケースも少なくなりますし、新築の時に信頼できると感じた会社であれば工事にも安心感があります。

 

家は住んでからが本当のスタートです。

しっかりメンテナンスを行って長く快適に過ごしたいですね。

では。

 

メンテナンスについてはこちらも参考にしてください。

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建築士が教える今日の問題解決

家のメンテナンスは何に気をつければいい?

  • 家はメンテナンスすることで長く快適に住めるようになる。
  • まめにメンテナンスすることで大きな劣化を防ぎ費用もやすくなる。
  • 築年数によって必要なメンテナンスは変わってくる。
  • 毎月こつこつメンテナンス費用を積み立てるのが大切。
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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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