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家の予算がオーバーしたときに1番効果的な方法をご紹介します

家づくりをする皆さん、ほぼ全員が必ずと言っていいほどぶつかる壁。

それが予算です。

お金がいくらでもあるという人以外は、必ず1度は家の予算で悩むのが普通なんですね。

 

でも、予算がオーバーしそうであったり、予算がオーバーしたからといって落ち込む必要はありません。

予算オーバーするということは、より家の中身を精査するチャンスとも言えます。

そこで今回は、予算オーバーした時に必ず知っておきたい具体的な方法をご紹介したいと思います。

家づくりをする方は、ぜひご覧ください。

予算の優先順位

家の予算

家の予算の中で、まずはどこに予算をかけるのが長期的な目線で見ると1番効果的なのでしょうか。

 

家にはいろんな部材が使われていますが、構造材や断熱材、外壁などにお金をかけるのが長い目で見ると1番大きな効果を発揮します。

後から変更するのが難しいところは、優先順位が高くなるんですね。

 

構造材や断熱材は、家ができるにつれ壁の中に隠れてしまい見えなくなってしまうので家ができてから意識することは少なくなりますが、構造材は家の耐久性や地震の際に家族を守ってくれるものになりますし、断熱材も家での快適さに大きく影響してくるので、劣化しやすいものを入れてしまうといつの間にか隙間がどんどんできていって断熱材の役割を果たしてくれないなんてことも有り得ます。

(実際にリフォームで壁を開けてみると、ほとんど役に立っていない断熱材を見ることがよくあります。)

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また、外壁材や屋根材も安いものから高価な物までありますが、部材の耐久性は、ある程度価格に比例してきます。

安い物ほどメンテナンスにお金が掛かる傾向があるという訳ですね。

そのため、できれば時間が経っても劣化しづらく、また見た目も経年変化を楽しめるものを選ぶのがベストと言えます。

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一方、長い目で見て優先順位が低いものとは何でしょうか。

それは設備機器です。

 

特に、キッチンやお風呂などは10年ほどすると劣化が目に付くようになりますし、20年もすると故障をしたり不具合が出てきて交換を考える必要が出てきます。

設備機器は、どちらかというと消耗品のような位置づけになるんですね。

そのため、合理的な視点で見ると設備にお金をかける優先順位はどうしても低くなってしまいます。

 

では、構造材など目に見えにくいところにお金を掛けて、設備機器の予算を抑えれば良い家ができるのかというと、そう簡単な話でもない部分が難しいところ。

設備機器は選ぶのが結構楽しく、こだわりたいという方も多くいらっしゃるからです。

 

たとえば男性は構造関係、女性は設備関係にこだわる方が多く、単純に予算の優先順位だけで家づくりを進めてしまうと後で不満が残る結果になってしまうことも有り得ます。

設備機器は毎日使う物なので目につきやすく、最悪のケースでは設備機器を見るたびに「本当は他のキッチンを入れたかったのに」など不満を感じてしまうなんてケースも起こってしまうことも。

キッチンを安くしたためにご飯のクオリティが下がったなんてことになると、笑い話にもなりませんね。

そのため、設備にどれくらいこだわりがあるか。

この部分を見ながらバランスを取っていきたいですね。

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その次に優先順位が低いのは外構工事。(外構工事とは庭の工事のことです)

最初に外構工事を全て終わらせられればベストですが、駐車場やアプローチなど生活するのに最低限必要な工事をしておけば、あとで塀を作ったり駐車場に屋根を付けたりというように外構は手を加えることができるので、家の構造材など後で手を加えられない場所へ優先的に予算配分するなどバランスを見ながら調整できるとベストです。

もちろん、外構は家の外観や庭の使い勝手、家の中からの眺めなど生活全般を豊かにしてくれるところなので、予算はカットしすぎないように。

また、家の見た目は家の本体が7割、残りの3割が外構で決まってきます。

木を1本植えて家の色彩に緑を加えるだけでも家の見た目はグッと変わってくるので、効果的な場所に予算を使っていきたいですね。

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ここまで建築士から見て家で優先順位の高いもの、低いものについて見てきましたが、この優先順位はあなたがどんな生活をしたいかでも変わってきます。

家は完成して終わりではなく、実際に住み始めてからが本当のスタートなので、住んでから後悔ばかりの生活ではなく、やっぱり楽しい生活を送りたいですね。

 

では、家の予算がオーバーした場合、何に注目すればいいのでしょうか。

それは家で叶えたいことの優先順位です。

家で叶えたいことの優先順位

家の予算の優先順位

家を建てる時に重要なのが、「家で叶えたい事の優先順位をつけること」。

この優先順位をつけることが大事というお話を、これまでも何度かさせてもらいました。

良い家を建てる秘訣!それは本当に必要な物ですか?

 

優先順位の高い物は必ず叶えないと家を建てる意味がありませんし、できれば叶えたいものは家全体のバランスを見ながら採用、不採用、もしくは代替案も取り入れながら、あなたに合った家は作られていくんですね。

これは間取りもそうですし、設備などの仕様決めにも同じことが言えます。

優先順が高い物は、思い切ってお金を掛けても後悔することはありません。

それを叶えたいために、家を建てる事をあなたが選択したからです。

 

では、優先順位の低い物はどうでしょうか。

間取りをつくる際もそうですし、仕様選びでも同じ事が言えますが、家づくりの最初の段階では優先順位の低い物も、家の間取りであったり仕様の中に含まれている事が多くあります。

土地の広さの関係で家を大きくできなかったり、予算との差が大きいなど物理的に不可能な場合は間取りに反映できませんが、そうでない場合は優先順位の低い物も「できるだけ間取りの中に入れたい」と普通は考えます。

 

するとどうなるでしょうか?

家の中に優先順位が高いもの、低いものが混在している状態になるんですね。

そして、ここに予算を調整するヒントが隠されています。

 

予算をオーバーした際、対策としては次の2つの方法が考えられます。

1つは、いろんな要望を叶えるため、家全体の仕様、例えば構造材のグレードを下げたり内装のグレードを下げる方法。

もう1つは、優先順位の高い物は採用して、優先順位の低い物は仕分けをした上で思いきって捨ててしまう方法の2つです。

 

では、どちらの方法が家ができてからの満足度が高いのでしょうか?

 

私がこれまで何十、何百という家づくりに関わってきた中でハッキリ言えるのは、満足度が高いのは圧倒的に後者だという事です。

優先順位の低い物はきっぱりとあきらめて、優先順位の高い物に力を入れた方が満足度が高くなるんですね。

 

そして満足度を高くするためには、家づくりで納得できているかどうか。

この納得できているかいないかで、満足度は大きく違ってきます。

 

例えば、仕様を下げる場合は「仕方なく下げた」という感覚が残り、家が建ったあともイマイチスッキリしないケースが多いです。

インテリアで例えてみると、「予算が無いので、とりあえず価格の安い家具を揃えた部屋」と言う感じがどうしてもしてしまうんですね。

もちろん、価格の安い家具でも家の雰囲気をよくすることも可能ですが、雰囲気を良くするためにはとてもセンスが必要になってくるので難易度がとても高くなります。

そして、全体的に仕様を下げた場合は視覚的にもよく目につくので後悔しやすくなってしまうんですね。

(仕様のグレードが見た目に比例するのが原因です)

 

一方、優先順位を元に必ず必要な物、あきらめる物をハッキリした場合、家の仕様に影響はまったくありませんし、より必要な物が詰まった濃縮な空間にすることができます。

必要な物が詰まった洗練された空間になるということですね。

そのため、満足度が落ちる事がほとんどありません。

 

このように予算がオーバーした場合、1度家の優先順位を振り返って見て、整理するのが1番の解決策となります。

優先順位を整理しても予算が合わないようなら、

「家の予算アップのための方法を探す」

もしくは、

「その工務店や住宅会社とは縁が無かった」、「家を建てる時期を遅らせ資金を貯める」ということも選択肢に入れるべきなんですね。

 

住宅会社にとっては家を建ててもらいたいので、「仕様を落とす」ことを勧められることがありますが、その場合は「仕様を落として家を建てるくらい本当にその会社で家を建てたいのか」を一度振り返ってみる時間を取ることをオススメします。

家づくりを進めていると何としても家を建てるという気持ちになりがちですが、どうしても予算が厳しい場合は一度冷静になって考えるのも家づくりにとってはとても大切なことなんですね。

これまで1度家づくりをお休みし、何年か経って時期を改めて家を建てられた方を何度も見てきましたが、そのような方は最初に家づくりをしていた時と比べて要望も洗練され、完成した家の満足度がより高くなっているのがほとんどです。

家を建てることは目的ではなく、楽しい生活を送るための1つの手段。

これを忘れずに家づくりをしたいですね。

まとめ

今回は家の予算がオーバーした時の対応方法についてお伝えしました。

合理的に考えた場合、後で手を加える事が難しい物であったり、メンテナンスが少なく済むものに予算を割り振るのが1番合理的です。

ただ、家は合理的な考え方だけでは満足する家はつくることはできません。

 

予算の壁にぶつかった場合は、もう一度優先順位を振り返って本当に必要な物を残してブラッシュアップしていく。

その過程があることによって、より要望が凝縮された密度の高い家にすることができるんですね。

 

安易に全体的な仕様を落とすのは、あとで後悔する原因にもなってきてしまいます。

予算がオーバーしそうな場合、家の大きさも含めてぜひ一度優先順位を振り返ってみてくださいね。

では。

 

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家の予算がオーバーしそうなときはどうすればいい?

  • 優先順位を改めて確認して、優先順位の低い物は思い切ってやめる。
  • 全体的に仕様を下げるは満足度も下げてしまうので注意。
  • 合理的に考えると、設備などの消耗品よりも構造材にお金をかけた方が価値は高い。
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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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