せっかく家を建てるなら注文住宅にしたい。
そう考えている方は多いのではないでしょうか。
あなたのお気に入りのインテリアに囲まれながら家族仲良く暮らしたり、友達を呼んでワイワイ楽しく過ごしたりなど、注文住宅ならではの楽しみというのは数多くあります。
さらには家を建てる土地のメリットをしっかり活かしつつ土地のデメリットはできる限り間取りでカバーするなど土地に合った家を建てることができるのも注文住宅の魅力です。
このように注文住宅は日々の生活をより良く楽しいものにしてくれるものですが、注文住宅はいろんな物が自由に選べる分、あとで失敗したという声もよく耳にします。
また、世の中には注文住宅を建てるための色んな情報が溢れていますが、下手をすると情報に振り回されて何が良いか分からなくなってしまうという方もいらっしゃいます。
注文住宅は夢が沢山ある分、注文住宅で失敗したり後悔したりしてしまうこともあるんですね。
そこで今回は、そんな注文住宅を建てる方へ向けて、100棟以上注文住宅を建ててきた建築士が注文住宅を建てるために必ず知っておきたいポイントについてご紹介していきたいと思います。
今回ご紹介するポイントは以下の4つ。
「注文住宅の種類」、「間取り」、「価格」、「会社選び」という注文住宅を建てるのにとても重要な部分を抜粋しました。
これから注文住宅を建てる、今現在、注文住宅を建てているという方はぜひご覧ください。
注文住宅の種類
「注文住宅って何?」
と聞かれた時、あなたはどう答えますか?
「間取りを自由にできるのが注文住宅」
「使いたい材料を使って家を建てられるのが注文住宅」
「あれも使いたい!これも実現したい!何でも叶えられるのが注文住宅」
注文住宅と聞かれれば上のように答える方もいると思いますし、
「何となく間取りは自由に変えられるのが注文住宅かな」
「建売でない家は全部注文住宅じゃないの?」
というように思う方もいると思います。
注文住宅とは、簡単に言えば家の間取りから内観、外観といった仕様までお施主さんが決められる住宅のことですが、先ほどのように人によって注文住宅のイメージというのは違ってきます。
「家にこだわって何から何まで決めたい」という方もいれば、「そこまで家にこだわりたい訳ではないけども、建売住宅よりも注文住宅の方がいいかな」と思う方もいます。
一言で表せばどちらも「注文住宅を建てる」ということになります。
でも、同じ注文住宅でもイメージしているその中身は全く違いますよね。
そうなんです。
注文住宅と言っても人によってイメージは違いますし、建てたい注文住宅というのも違ってくるんですね。
ここに注文住宅で失敗するのか、それともあなたに合った注文住宅が建てられるのかという大きな違いが隠されています。
実は、大きなくくりで注文住宅と言っても、フルオーダーの注文住宅もあればセミオーダーの注文住宅もあります。
注文住宅で失敗しないためには、まずはあなたがどんな注文住宅を建てたいと思っているのか。
その結果、フルオーダーの注文住宅がいいのか、それともセミオーダーの注文住宅がいいのか、はたまた実は建売住宅の方が合っているなんてということも有り得るんですね。
そのため、どんな家を建てたいか、また住みたいかということを明確にすることで、注文住宅の失敗や後悔というのは大きく減らす事ができるようになります。
そして、まずはどうして家を建てるのか、どんな暮らしをしたいか考えてみる事が、注文住宅を失敗ではなく成功に導くための第一歩となります。
では、以上を踏まえた上で注文住宅の種類、「フルオーダーの注文住宅」と「セミオーダーの注文住宅」の違いに付いて見てみましょう。
フルオーダーの注文住宅
その名の通り間取りも内装や外装で使う素材も自由に選べるのがフルオーダーの注文住宅です。
フルオーダーの注文住宅は、本当にあなた好みの家を建てることができるんですね。
そのため家にこだわりのある方にはフルオーダーの注文住宅というのはとても魅力的な選択肢となります。
その一方で、何でも自由に決められるということはそれだけ手間と時間が掛かり、選択肢も沢山あるということ。
さらにはいろんな住宅の中で1番費用も必要となってくるので、フルオーダーの注文住宅は少しハードルが高く感じてしまうこともあります。
もちろん、何でもかんでも1から決めるとなると相当な時間が掛かってしまうので、注文住宅を建てる住宅会社では通常は基本的な仕様はあらかじめ決めていて、こだわりたい部分の仕様を変えていくのが基本的な注文住宅を建てる時の流れになってきます。
そのため、それまで住宅会社が建ててきた家を見て「この会社の家いいな」と思えることが、フルオーダーの注文住宅が成功するポイントになってくるんですね。
時間も手間も予算も必要となってくるけども、あなた好みの家にできるのがフルオーダーの注文住宅です。
セミオーダーの注文住宅
注文住宅には先ほどのフルオーダーの注文住宅の他に、セミオーダーの注文住宅というものもあります。
セミオーダー型の注文住宅とは、簡単に言うと間取りは比較的自由にすることができる一方、使える仕様がある程度決まっている住宅のことを言います。
家の間取りは設計士や営業マンが作成しますが、家で使える仕様がある程度決まった範囲の中から選ぶという住宅なんですね。
セミオーダーの注文住宅のメリットを挙げるとすると、間取りは自由がきくけども仕様が決まっているのでフルオーダーの注文住宅と比べると必要な手間や時間が少なくなること、また仕様が決まっているのである程度安い価格で家を建てられることが挙げられます。
家を建てるためのハードルがフルオーダーの注文住宅に比べてセミオーダーの注文住宅はかなり低くなるんですね。
反対にセミオーダーの注文住宅のデメリットを挙げるとすると、間取りに自由がきくので最初はフルオーダーの注文住宅との区別がつきにくく、後で選べる仕様が限られていたり好きに色んな物を選ぶ事ができずに「アレっ?これが注文住宅」とギャップを感じてしまう方の話もよく耳にします。
最初の段階ではフルオーダーの注文住宅とセミオーダーの注文住宅との区別がつきにくいためにギャップができやすく、会社選びの段階であなたが契約しようとしている家はフルオーダーの注文住宅なのか、セミオーダーの注文住宅なのかの見極めが必要になってくるんですね。
また、内装や外装で使える仕様が決まっているため間取り以外は建売住宅と大差のない家ができてしまうこともあるので、建売住宅とは違う家にしたいと思っている方や家にこだわりがある方はその会社が建てている家を確認するなど、後で後悔しないよう注意が必要となります。
このようにセミオーダーの注文住宅はフルオーダーの注文住宅に比べて手間と時間、価格を抑えられるのがメリットで、そこまで家にこだわりは無いけども、間取りは自分に合った家になるように自由にしたいという方には魅力的な選択肢になります。
そんなセミオーダーの注文住宅ですが、注意点としては企画型の住宅を提案されているケースもたまに見受けられます。
そうならないよう、規格型住宅についても少し見てみましょう。
規格型住宅
規格型住宅とは、あらかじめ間取りが決められている家をカタログなどから選んで建てる家のことを言います。
その名前の通り、規格化されている家という訳ですね。
企画型住宅の間取りや窓の位置などの変更は基本的にはできず、壁紙の色や床の色、設備のオプションなど内装に関係する部分はいくつかの中から選べるというのが一般的です。
このような企画型住宅ですが、セミオーダーの注文住宅の場合に企画型住宅の間取りを提案され、必要に応じて変更していくとうパターンも見受けられます。
間取りにそんなこだわりが無い場合はそれでも十分な可能性もある反面、あなたに合った間取りかどうか、またその土地のメリットを活かしてデメリットを減らした間取りかどうかは分からないのはデメリットと言えます。
注文住宅の場合は、どうしてその間取りになったかという事も重要なんですね。
ちなみに、間取りと言ってもその間取りが完成するまでの過程は様々。
次に注文住宅の間取りについて見てみましょう。
注文住宅の間取り
注文住宅を建てる場合、家の間取りは基本的に自由です。
例えば広いリビングにしたい、開放感のある明るい家にしたいなど、あなたの建てたい家になるよう間取りを作ることができます。
注文住宅を建てたいと思う人は、間取りの自由さに魅力を感じる方は多いのではないでしょうか。
「今の生活でここが不便だから新しい家ではこうしたい」や「こんな間取りにずっと憧れていたので新しい家で取り入れたい」など、新しい家がどんな間取りになるか考えるのは楽しい物ですよね。
間取りというのは注文住宅を建てる時の1番のハイライトと言えます。
では、そんなあなたが建てたい家の間取りはどのようにして出来上がるのでしょうか?
間取りができるまでの基本的な流れを見てみると、設計士(もしくは営業マン)があなたの建てたい家はどんな家かというのを聞き取る「ヒアリング」を行い、それを元に設計士(もしくは営業マン)が間取りを作る事になります。
そして、その間取りを元に調整を行い、あなたが建てる家の間取りが決まります。
これが基本的な注文住宅の間取りを決めるための流れになるのですが、やはり間取りのキーマンは間取りを作る人。
あなたに合った良い間取りになるのか、それとも間取りで失敗してしまうのかは間取りを作る人にかかっていると言っても過言ではありません。
あなたに合った良い間取りになるのかどうかは、間取りを設計する人次第となってくるんですね。
そのため、どんな人が間取りを作るのかというのはとても重要になってきます。
特に重要なのが、「話を聞いてくれる担当者なのかどうか」と「受け身ではなくプロとしての提案をしてくれる担当者なのかどうか」という点です。
先ほど間取りを作る時はヒアリングを元に間取りを作るとご紹介しましたが、このヒアリングというのは間取りを作るのにとても大切な作業になります。
例えば、要望1つに「20帖以上のリビング」というのがあるとします。
でも、20帖と一言で言ってもどんな形のリビングが使いやすいのかというのは分かりませんし、どんな家具を置くかによってもリビングの形というのは変わってきます。
実は20帖という数字よりも、どうして「20帖以上のリビング」が欲しいと思ったのか、「その20帖で何をしたいのか」という理由の方がとても大切なんですね。
開放感を出すためであれば数字にこだわるのでは無く、広く見えるような見せ方というのも重要になってきますし、理由によってはリビングをただ広くするのではなく他の方法を取るという選択肢もあります。
また、家には土地の広さや家の予算という物もある中、全てが上手く納まるようにバランスを取ることも必要になってきます。
ただ要望を伝えたまま間取りが出てきたけども、それが予算オーバーであったりバランスが悪い家になってしまっていては現実的ではなく、そんな家にはあまり魅力を感じられないですよね。
要望を取り入れつつ予算などのバランスも上手く調整できて初めて家が建てられますし、そんな間取りが良い間取りと言えます。
(予算が多い人、少ない人に関係なく、実際に要望を全て取り入れていくと予算オーバーになることがほとんどです)
そのため、間取りの話をする中で絶対に必要なポイントや優先順位の低い事柄などを設計士が把握する必要があるんですね。
このように、良い間取りにするためには「設計者が話を聞いてくれる人」であることが大前提となります。
また、注文住宅の間取りで不満な方の話を聞くと、言った事は図面に反映してくれるけども、プロとしての提案をしてくれなというケースもよく耳にします。
注文住宅は家を建てるお施主さんが全て決められると言っても、お施主さんは家のプロではありません。
図面に対して「ここをこうしたい」と言ったとしても、心の中では本当に「これは本当に使いやすいんだろうか」、「もっと他にも選択肢があるんじゃないか」と思ってしまうのは当たり前ですよね。
「ここをこうしたい」と言ったことに対して、メリットやデメリットも知りたいものですし、他にも方法があるなら提案して欲しいと毎回思うのは意外とストレスとなってしまいます。
そのため、注文住宅の間取りで失敗しないためにはプロとしての提案、アドバイスができる人に間取りを作ってもらうことも大切になります。
また、設計士がヒアリングを担当せずに営業マンがヒアリングを担当し、その内容を元に設計士が間取りを作ると言うケースや、ヒアリングも間取りの設計も営業マンが担当し、ベースの間取りができたら設計士が出てきて詳細を決めるというケースもあります。
これは住宅会社の仕組みなので良い悪いということはありませんが、ここまでお伝えしたように家の間取りは設計者の腕にすごく左右されます。
→危険な間取りの3つの特徴。あなたの設計担当者はこんな人ではないですか?
間取りにこだわりがあればある程、間取りは誰が作るのか、またどのような打合せの流れになるのかというのをあらかじめ確認しておくことが、注文住宅のハイライトとも言える間取りを成功させるためにとても大切なことと言えます。
また、間取りの打合せに入る前に、家族で一度どんな生活をしやすいのか話し合ってみるのも重要です。
意外とお互いどんな家に住みたいかということは話し合う機会は少ないもの。
「お互い話し合って家についてどう考えてるか初めて知った」という声もよく聞きます。
その場でまとめる必要は必ずしも必要ありませんが、どんな生活をしたいか書き出しておくと実際に間取りの打合せになった時に役立ってくれます。
注文住宅のお金の話
注文住宅は間取りや内装、外装などを自分好みで選んでいけるので予算配分がしやすい反面、建売住宅やマンションのように〇〇万円というようにいくら必要なのかが分かりにくいので、注文住宅に予算がどれくらい必要なのか、またどれくらいの家が建てられるのか気になる方も多いと思います。
そこで次に、注文住宅を建てるのに切り離せないお金についても見ていきたいと思います。
注文住宅を建てるのに必要な費用は大きく分けて3つあります。
- 注文住宅の本体工事の金額
- 諸費用
- 土地にかかる費用
の3つです。
この3つを把握する事で、注文住宅で必要なお金の全体像が見えてきます。
それでは、この3つの費用について見ていきましょう。
注文住宅の本体工事の金額
注文住宅の本体工事金額とはその名のとおり、家本体の工事に必要な費用のことを言います。
更地の状態から家が完成して住めるような状態になるまでに必要となる家の金額が本体工事の金額と言う訳ですね。
住宅会社で間取りを作ってもらうと家の見積書を必ずもらうことになりますが、その見積書に書かれてある金額は家を建てるための総額ではなく、家の本体工事の価格である事がほとんど。
一般的によく言われる坪単価というのも、この家の本体工事の価格を坪数で割って坪単価を出すのが一般的です。
ただ、注文住宅を建てる場合、実は家の本体工事だけでは家に住む事はできません。
家を建てるのには「諸費用」と呼ばれる物も必要になってくるんですね。
それでは次に、家の諸費用について見てみましょう。
家の諸費用
家の諸費用というのは聞き慣れないかもしれませんが、簡単に言うと家以外にかかる費用を全部ひとまとめにして「諸費用」と呼びます。
例えば暮らしに直接関わる部分を見てみると、ダイニングテーブルやソファといった家具やカーテン、家電の費用も生活をするためには必要になってきますし、庭や駐車場を作るための外構工事や引越し費用も必要になってきます。
このような費用は家の本体価格には入っていないので、「諸費用」の中に入れるのが一般的なんですね。
また、家を建てる場合は地盤が一定の強さを確保する必要があり、地盤が弱い場合の地盤改良費用も諸経費として見ることがほとんどです。
→お洒落な家具や雑貨が見つかるおススメのインテリアショップ15選「2017年版」
→転居の手続き一覧。新しい家に引越しする時に必要な8つの事。
→地盤調査ってどんなことをするの?地盤調査結果を見る時のポイントを建築士が解説します
その他には、家を建てるために必要な建築確認申請といった申請費用や、住宅ローンを組む場合は保証料や手数料、火災保険などが必要となってきます。(住宅ローンを使う場合は火災保険は入るのが必須となります)
このような申請費や住宅ローン関係の費用も「諸費用」という扱いになってくるんですね。
→住宅ローンは変動金利?固定金利?知っておきたい住宅ローンについての考え方
また、家は完成すると登記をする必要があり、登記のための手数料や司法書士への報酬なども諸費用の中に含まれます。
ここまで代表的な諸費用を挙げましたが、簡単に言うと家の本体以外で家に住むのに必要なのが諸経費となります。
諸費用の目安として家の本体価格の1割〜2割くらいが諸費用で必要ということを覚えておいてくださいね。
例えば家の予算として2,000万円の注文住宅を建てようと思っている場合は、ざっくりと諸経費で300万円、家の本体工事で1,700万円くらいで見ておけば予算内に納まりやすいという訳ですね。
家の本体価格だけを見て予算を組み立てるのでなく、諸費用のこともしっかり頭に入れておく事があとでお金に困らないため、ひいては良い家を建てるための秘訣となります。
土地に必要な費用
注文住宅を建てるには家を建てるための土地が必ず必要になりますが、土地も家を建てる時と同じようにいくつかの費用が必要となってきます。
土地を購入してから注文住宅を建てる場合はもちろん、元から所有している土地に注文住宅を建てる場合も何かしらの費用が掛かってくるんですね。
では、土地にはどのような費用が必要になってくるのでしょうか?
まず、土地を購入するには当たり前ですが土地の代金が必要になります。
また、土地の代金以外にも土地の仲介手数料として、土地の価格の3%と6万円が掛かってきます。
1,000万円の土地であれば、36万円の仲介手数料が必要になるんですね。
(仲介手数料に関しては、家を建てる会社で仲介すれば安くしてくれる場合もあります)
こうして土地を手に入れる訳ですが、土地を購入すればすぐに注文住宅を建てられるという訳ではなく、ガスや給排水の引き込みといったインフラがなければインフラを引き込むための工事をしたり、古屋があるなら古屋の解体工事を、土地に高低差があり造成工事が必要な土地であれば造成工事をするなど、土地によって必要な費用は変わってきます。
また、家の前の道路が広くて歩道がある場合などはそのままでは駐車場から車道に出れないこともあり、そのような場合は歩道を切り下げて車が車道に出れるようにする必要などもあります。
土地は表面だけを見るとすぐに家が建てられそうですが、意外と費用が掛かってきてしまう物なんですね。
そのため、注文住宅を建てる前にどれだけ手間や費用が掛かる土地かを知るのが重要となってきます。
よくあるケースとして、安く土地を手に入れられたと思ったら、土地の諸費用が思いのほか必要なことが分かり返って割高になってしまったというケースや、実家の敷地の一部に家を建てようと思ったらインフラを整備する必要があり土地を買うのとあまり変わらないくらい費用が掛かったというケースもよく見かけます。
土地で思いがけず費用が掛かってしまうと、注文住宅の本体の価格を抑えるか予算を増やす必要が出てきて計画自体を見直すことになってしまいます。
そうならないよう、早めに住宅会社に土地を確認してもらうと土地での失敗が少なくなるので、住宅会社と一緒に早めに土地を確認しながら家づくりを進めていくと、注文住宅を建てるのに失敗が少なくなります。
→広い道路沿いの土地ってどうなの?知っておきたい5つのポイント
また、土地の費用の中で忘れてはいけないのが地盤改良の費用。
地盤改良をするとなると100万円前後の費用が必要となり、地盤改良の予算をあらかじめ見ておかないと、実際に地盤調査を行い地盤改良が必要になった時に予算が足りず家の計画自体を見直さないといけなくなる可能性があるので、地盤調査を行うまでは地盤改良の費用もあらかじめ諸費用の中に入れてある会社がほとんどです。
このように土地にも色々な費用が掛かってきますが、通常は資金計画書の中に諸費用と一緒に記載されています。
資金計画書を作ってもらう前に総額を把握する場合、土地に掛かる諸費用の目安としては建物の1割くらいを見ておけば特殊な土地でない限り大体対応できるので、家の諸費用と土地の諸費用を合わせて本体価格の2〜3割くらいを諸費用として見ておきたいですね。
→家の資金計画はどうすればいい?資金計画書の見方と押さえておきたいポイント
ここまで、家を建てる代表的な3つの費用について見てきました。
それでは、実際に家を建てるのにどのくらいの費用が必要になるのかを、30坪の家を例に見てみましょう。
ローコストの注文住宅の場合
『家の本体価格(1,000万円前半〜中盤)』+『諸経費』=『総額(1,000万円台後半〜2,000万円前後)』
そこまで多くの予算はないけども注文住宅を建てたい場合や、家以外に使うお金も考えて予算を抑えて注文住宅を建てる場合、このくらいの価格帯の注文住宅を選ばれる事が多いです。
ローコストの注文住宅にする場合、家の形をシンプルな形にして家全体のコストを抑えつつ、その中であなたに合った間取りにしていくのが基本となります。
家は凸凹したり複雑な形になればなる程、コストが高くなっていってしまうからなんですね。
→一番安く家を建てる方法をお教えします。コストパフォーマンスの高い家にする秘訣
また、ローコストの注文住宅を目指す場合、間取りはある程度自由が効きますが、仕様はあまり選べないというケースも多くあります。
そのため、ローコストの注文住宅にする場合は変に色々と手を加えるのではなく、そのシンプルさを上手く活用するとお洒落な家になりやすいです。
シンプルさを逆に上手く活かしてしまうんですね。
家がキレイでお洒落に見えるかどうかは一定の法則があります。
その法則を上手く使う事で、ローコストでもお洒落な家にすることができるんですね。
ローコストの注文住宅を建てる場合、アレもコレもと色々手を加えてしまうのではなく、引き算でいかにシンプルさを上手く引き出せるかが、注文住宅を失敗ではなく成功させるための1番の法則となります。
中グレードの注文住宅の場合
『家の本体価格(1,000万円後半〜2,000万円中盤)』+『諸経費』=『総額(2,000万円台)』
ある程度こだわりをもった注文住宅を建てる場合、これくらいの予算があるとかなり選択肢が広がります。
無垢のフローリングにしたり壁に塗り壁を使ったり、キッチンのグレードを上げたりとこだわりたい部分に予算が掛けられるようになるんですね。
→おしゃれな家は皆使っている!おすすめ無垢フローリング12選【保存版】
また、家の性能にこだわりたい場合なんかも、この辺りのグレードの注文住宅になると標準装備していることも増えてきます。
その一方で、色んなことを次から次へと盛り込んでしまい、予算オーバーにもなりやすいのもこの価格帯の注文住宅の特徴です。
そのため間取りの自由度を上手く活かしつつ、仕様は力を入れる場所と予算を掛けない場所などのメリハリをつけてあげることで、あなたにあった注文住宅にしたいですね。
高級注文住宅の場合
『家の本体価格(3,000万円〜)』+『諸経費』=『総額(3,000万円〜)』
この辺りの価格帯の注文住宅になると間取り、仕様はかなり自由に選べるようになり、予算が増えれば増えるほど選べる選択肢は増えていきます。
家へのこだわりがかなり強い方であっても、満足いく注文住宅が建てられる可能性がグッと高くなるんですね。
家の高級感や質感というのは、使う部材や細部のおさめ方でかなり変わってくるという特徴があります。
そのため、注文住宅を建てる住宅会社の家があなたの好みのテイストに合っているかというのも、価格が高くなればなる程重要になってきます。
高価格帯の注文住宅になればなる程、住宅会社選びがより重要となってくるんですね。
高価格帯の注文住宅では必然的に選ぶ物が増えれば増えるので、住宅会社や担当者との相性と言うものがより大切になってきます。
上記のように大きく3つの価格帯に区切って見てきましたが、記載した総額が家を建てる時の費用の1つの目安となってきます。
上の例は30坪の注文住宅の例なので、もう少し大きな家にする場合は、ローコスト住宅で坪30〜40万円。
中グレードの住宅で坪50万円。
高級住宅で坪70万円くらいをプラスすれば、ある程度の目安となってくれます。
ここまで「注文住宅の種類」「間取り」「価格」の3つについて見てきました。
それでは最後に、注文住宅の会社選びについて見ていきたいと思います。
注文住宅の会社選び
注文住宅を建てる場合、
- ハウスメーカー
- 工務店
- 設計事務所
以上の3つの依頼先のどれかを選んで家を建てるのが一般的です。
この3つの依頼先はそれぞれ特徴があり、メリットとデメリットも明確です。
それでは、3つの依頼先の特徴について見てみましょう。
ハウスメーカー
一言でハウスメーカーと言っても、大手のハウスメーカーと中堅ハウスメーカーなど色んな会社がありますが、住宅展示場に行けば必ずあるような会社、もしくはCMでよく見る会社と思っていただければと思います。
一般的にハウスメーカーを選ぶ人は、そのブランド力とネームバリューの安心感からハウスメーカーを選ぶケースが多いです。
また、会社の規模が大きく資本力があることで、家の保証期間内に倒産の心配が少なく感じられる事や、大手だから手抜き工事は少ないだろうという理由でハウスメーカーを選ぶ人もいます。
一方、ハウスメーカーで家を建てるデメリットをあげると、家を大量生産するためには、規格をある程度決める必要が出てくるため、設計や仕様の自由度がある程度限られやすい事があげられます。
また、内装や外装の仕様の幅を持たせる事によって、自由度を高めている例もありますが、基本的には、数を売らなければいけないので、デザインにも限界があり、無難なデザインとなりがちな傾向もあるので、こだわりがある人には物足りなく感じることもあります。
その他、価格帯も高価なハウスメーカーが多いので、ハウスメーカーで注文住宅を建てる場合はある程度しっかり予算を確保する必要が出てきます。
工務店
あなたは工務店と聞くとどんなイメージを思い浮かべますか?
町中にある〇〇建設とか〇〇工務店を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
ここで言う工務店とは数人から数十人くらいの規模の会社で、地域密着で家を建てている工務店のことを指します。
そして工務店は設計力がウリの工務店や、大工の技術が高く現場力がウリの工務店など、1つとして同じ工務店はなく、自分の得意分野に特化している会社が多くあります。
そのため、自分に合うものを探すのが好きだったり、家にこだわりがある方はハウスメーカーよりも工務店の方が向いていると言えます。
一方、工務店にも弱点はあります。
それは、工務店によって建てる家のレベルの差が大きいということです。
良い家を建てて人気になっている工務店から、あまり良い家を建てられなくて人気の無い工務店まで様々なんですね。
人気の工務店の場合、年間何棟までという制限を設けているところもあり、工場のよう大量生産という訳にはいかず、品質の確保を行っている工務店もあります。
簡単に言うと、工務店次第でできる家は千差万別なんですね。
そしてあなたに工務店に巡り会うことができれば、かなりクオリティの高い家にすることができます。
工務店のレベルをいかにして見極めるか。
これが工務店で家を建てる時の1番のポイントになってくるんですね。
価格帯はハウスメーカーよりも手頃なことが多く、工務店によって高級指向、ローコストなど様々です。
設計事務所
家に対してこだわりがたくさんある。
他の人とは絶対に違う家がいい。
そんなハウスメーカーでは対応できない要望に対応し、他に二つとないオンリーワンの家を造ってくれるのが設計事務所です。
建築雑誌にのっている家の多くが設計事務所の物ですし、ちょっと変わった土地に家を建てるなんていうのも、お手の物。
建築家との相性がよければ、デザイン性の高い満足いく家ができる可能性がとても高くなります。
では、設計事務所に依頼する際のデメリットとは何でしょうか?
先ほど「建築家との相性」と書きましたが、建築家はデザインを売りにしている人が多いです。
そのため、当然、癖や好みがあります。
そして、自分のデザインに対する信念を持っている人がほとんどです。
時には施主の要望とは違うことも出てきてしまうんですね。
そんな時も納得いくまで話せるような関係になるなど、お互い納得できる関係を築けられるかどうかが設計事務所で家を建てる場合のポイントになってきます。
ちなみに、施行中の現場については基本的には監理者というかたちで現場を確認し、工事は工務店に依頼して家ができるという流れになります。
ここまで注文住宅を建てるための3つの依頼先について見てきました。
個人的には注文住宅を建てるなら価格、デザイン、性能のバランスが良い工務店がオススメしますが、人によって何を重要視するかは変わってくるので、あなたに合ったところに依頼したいですね。
それでは最後に、実際にどのような会社に注文住宅を依頼すればいいのか見てみましょう。
住宅会社選びは1番重要
良い家を建てられる人と建てられない人の違いって何でしょうか?
良い間取りをつくれるかどうか?
予算に合った家づくりをすること?
どれも大切ですが、ものすごく重要という訳ではなく、良い家をつくりために大切な事は大きく2つあります。
1番大事なのは実力のあるレベルの高い住宅会社や工務店で家を建てる事。
そして次に住宅会社や工務店との相性です。
先ほど、家を建てる会社次第でできる家は大きく違うとお伝えしました。
家をつくる住宅会社のレベルが違うと、例えば同じ2,000万円の家だとしても同じ家とは思えない程差が出ます。
ここで大きな疑問が・・。
レベルの高い住宅会社が存続するのは当たり前だとしても、レベルの低い住宅会社も当たり前のように存在し続けているという事です。
存続し続けているという事は、誰かがそのレベルの低い住宅会社で家を建て続けているんですね。
ここから先は生々しくなるのでここで言うのは避けますが、良い注文住宅を建てるためには間取り云々の前にレベルの高い住宅会社や工務店で家を建てる事が必須条件となってきます。
例えばアベレージ(平均)で80点の家を建てられるA社と、50点の家を建てるB社があるとします。
A社は普通に注文住宅を建てると80点の家ができ上がります。(アベレージが80点なので当然ですね)
では、B社が80点の注文住宅を建てようとしたらどうなるでしょうか?
会心の出来の注文住宅が出来たとして、なんとか80点の注文住宅が建てられるかどうか。
当然ですが普通に注文住宅を建てると、A社のアベレージよりも下まわる注文住宅しかつくれないんですね。
80点の家を建てるというのは、相当頑張ってなんとかという感じになります。
このように、最初の入口である住宅会社選びを間違ってしまうと、あとでどうやっても取り返せない程の差がついてしまうんですね。
そしてこれは、ただ高いお金を出せば良い工務店や住宅会社を選べるという訳では無いと言うのが、より判断を難しくさせています。
もちろん予算がある方が選択肢が多くなるので良い会社を選ぶ可能性は高くなりますが、ハウスメーカーのように広告宣伝費や人件費が高いから家の金額も高いとか、価格が高いのは家にお金を掛けている訳でなく利益を多く取ってるだけなど、一概に金額では判断できないのが住宅会社選びの難しいところなんです。
良い家を建てるためには、レベルの高い工務店や住宅会社を選ぶ。
そのためには、工務店を選ぶ力を身につける。
これがとても重要なことなんですね。
そして、住宅会社や工務店を選ぶ際にもう1つ重要なのが、工務店との相性です。
相性と言うと曖昧になってしまいがちですが、具体的に重要なポイントは「会社の考え方」「デザイン」そして「人」です。
この3つがあなたと合っている会社を選べれば、注文住宅の失敗はグンッと減ります。
なによりストレスが少なくなるので気持ちよく注文住宅を建てる事ができるのは、長い時間がかかる家づくりでは大きなポイントになってきます。
一方、レベルが高い住宅会社や工務店を見つけたとしても相性が悪いのであれば、その住宅会社や工務店を選ぶのは避けた方が無難と言えます。
相性が悪いとストレスを抱える事が多いですし、なにより家が出来た時にモヤモヤが残ってスッキリしない方が多いのも事実です。
家づくりというのは、自分たちの選んだ選択にどれだけ「納得」できたかどうかで、満足度が大きく変わってくるからなんですね。
→家づくりに間取り相談は必要?間取り相談をした方がいい人と必要でない人の違い
それだけ注文住宅を建てるのに工務店との相性っていうのはとても重要なんです。
では、どのくらい重要なんでしょうか?
工務店選びと相性の関係を点数で表してみましょう。
例えば、住宅会社選びで先ほどのアベレージ80点の家を建てるA社を選んだとします。
相性が良ければでき上がる家は90点にも100点にもなりますが、相性が悪ければ70点とか60点の家ができる可能性が高くなるといった感じです。
住宅会社との相性次第で、これくらい注文住宅を建てた時の満足度は違ってくるんですね。
家づくりというのは1度契約をすると、工務店を変更するのはかなり難しくなります。
解約するのに時間もお金もかかってしまうんからなんですね。
家の契約は、どんなに急かされたとしても住宅会社のレベルと相性を見極めてから契約する。
これが家づくり成功への近道なんですね。
まとめ
今回は注文住宅で失敗や後悔をしないために知っておきたいポイントについて見てきました。
注文住宅は自由に家を建てられるのが魅力の反面、その自由さから失敗したり後悔することも多くあります。
そのため注文住宅を建てるには、あらかじめ失敗しやすいポイントを知って失敗する確率を低くし、成功する確率を高くするのがとても大切なんですね。
特に注文住宅は自由な分、自分で決めることが多くあります。
人は何かを決めるというのにすごくエネルギーを使うものですが、家づくりは決めることの連続です。
そして、その中でどれだけ納得できる決断をできたかが、家が完成してからの満足度に大きく影響します。
そのためには、注文住宅を建てるための有益な情報がとても大切になるんですね。
注文住宅を建てるのが目的ではなく、建てた家で家族が充実した生活を送るのが目的です。
ぜひあなたに合った注文住宅を建てて、楽しい生活を送ってくださいね。
では。
注文住宅を建てるのに必要な情報はこちらも参考にしてください。
→家を建てる前に知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】
→設計士さん次第で、どうしてこんなにも違うの?その理由をお答えします。
建築士が実際に見てきた全国の優良工務店を掲載。
家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。
→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】