「目の前が広い道路の土地を検討しているのですが、気をつける事があれば教えていただけないでしょうか?」
読者さんよりこのような質問をもらいました。
日本には「用途地域」という物があり、基本的には住宅地には戸建て住宅や低層の集合住宅を、大きな道路沿いには大規模なマンションや商業施設というように建てやすい物が大まかに分類されていますが、大きな道路沿いに家を建てるケースも普通にあります。
では、そんな大きな道路沿いに家を建てる場合、どんな事に気をつけておけばいいのでしょうか?
今回は、広い道路の側の土地を購入する場合の注意点について見ていきたいと思います。
それではどうぞご覧ください。
外壁が汚れやすい
大きな道路の側に住んだ時、真っ先に影響が出てくるが車の排気ガスやホコリが舞い散りやすいという事。
やはり住宅街の道とは桁外れの量の車が通るので、それだけ交通量の影響が大きいんですね。
そしてその影響は、外壁の汚れとして現れてきます。
特に窓枠の下などは窓に溜まった汚れが雨に流されて雨だれのようになることも。
そうなると、新しい家でも古ぼけた雰囲気の家になってしまいます。
そのため、外壁材を選ぶときはできるだけ汚れが付きにくい物を選んだり、色も白など汚れが目立ちやすい物を避けるなど、外観が汚く見えないような対策をしておきたいですね。
→白 vs 黒 外壁はどっちにする?あなたに合う外壁の選び方
窓が開けにくい
大きな道路沿いの土地は、窓が開けにくいという声もよく耳にします。
その大きな理由は3つ。
先ほどの外壁の汚れと同じで排気ガスやホコリが気になること。
窓を開けると車の通る音がよく入って来てしまうこと。
交通量が多いので知ってる人もよく通り、窓を開けると家の中がよく見えてしまうこと。
この辺りが窓を開けにくい大きな理由です。
もちろん、全ての窓が開けにくいのではなく、道路と反対側の窓などは道路側と比べて開けやすく、反対に道路側の窓や道路からよく見える窓が開けにくくなってしまうんですね。
そのため家の計画段階から、窓の配置や見え方を考慮したり、全館空調を使うなど窓の影響を小さくしておくと効果的です。
一方通行でしか車を駐車できない
家の前の道路の交通量が多いと、車の駐車方法がある程度限られてしまうケースがあります。
特に家の前の道路が片側2車線以上の場合は、中央分離帯や対向車で反対車線からの駐車が難しいことが多く、一方通行でしか車を駐車できないということも。
そのため、車で家に帰るのに1度近所をクルッと回る必要が出てきたりと、車を止めるために一手間が必要になってきてしまうんですね。
近隣の道が混んでいる道の場合、クルッと回るのに10分くらい必要となることもあるので、毎日通勤で車を使うという場合は意外と影響が大きいので特に注意が必要となってきます。
歩道の切り下げが必要
家の前の道路に歩道が有る場合、しっかりと確認しておきたいのが歩道の切り下げ。
切り下げとは歩道の縁石をカットして車の出し入れができるようにすることを言います。
こんな感じの物ですね。
Photo:https://www.city.fukuoka.lg.jp/doro-gesuido/dorokanri/hp/douronojihikouji.html
日常生活をしている限りでは気になる事はほとんどありませんが、土地を買うとなるとこの切り下げはかなり重要なポイントとなってきます。
切り下げが無ければ車を止めるために歩道を切り下げる必要がありますし、切り下げがすでにあったとしても駐車場にしようとしている場所と切り下げの位置が違っていれば切り下げる場所を変更する必要が出てくるんですね。
そして、この切り下げには意外と時間とお金が必要になってきます。
国道であれば国道事務所に、県道であれば県に歩道切り下げの申請をした上で、基本的には自費で歩道の切り下げを行うことになります。
歩道の切り下げは家の前を好きなだけ切り下げるということはできず、車を止める数メートルだけ可能と言うことが多く、また、切り下げの費用も数十万円くらい必要となってくるので、間取りや予算に影響が出てきてしまうんですね。
特に、先に土地だけ買った場合は後で切り下げの費用が必要なことが分かったりして、家の資金計画が狂ってしまう事も。
また、どこを切り下げるかは家の間取り次第になってくるため住宅会社と決めるのがベストなので、大きな道路沿いの土地は慎重に購入や切り下げる場所を検討したいですね。
→家の資金計画はどうすればいい?資金計画書の見方と押さえておきたいポイント
→土地と工務店、どちらを先に決める方が良い家が建てられるの?
大きな車が通ると揺れる
実際に大きな土地に住んでから気付くのが、大きな車が家の前を通ると家が揺れるということ。
必ず揺れる訳ではありませんが、やはり大きな車が通ると家に揺れを感じやすいです。
特に夜は交通量は減る反面、大型トラックがスピードを出して通り過ぎることも多くなるので、寝ている時に揺れが気になる場合もあります。
そのため、神経質な方にはストレスになってしまうことも。
土地は一度購入すると買い換えるのには相応の費用が必要になってきます。
どうしても寝る時の環境が気になる場合は、土地を購入する前に近隣の人に聞き込みをしてあらかじめ揺れやすい場所かどうか確認しておいたり、大通りから一歩入った土地を選ぶなど、あとで後悔しないかどうかはしっかり確認しておきたいポイントと言えます。
まとめ
今回は大きな道路の側に家を建てる場合の注意点について見てきました。
大きな道路沿いは、商業施設が近くにあると便利な反面、家を建てる場合はイロイロと注意しておきたい土地と言えるんですね。
もちろん、土地を購入する場合はタイミングもあるので、トータル的に広い道路の前の土地を購入されることを選ぶのは何も問題ありませんが、デメリットを知ってから購入するのと後で気付くのでは大きな差が出てきます。
土地は1度購入してから買い替えるのは大変。
後悔しないためにも、土地のメリットとデメリットをしっかり確認してから土地を購入するようにしてくださいね。
では。
家づくりに役立つ最新情報をTwitterでも発信しています。
建築士が実際に見てきた全国の優良工務店を掲載。
家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。
→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】
→家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】
建築士が教える今日の問題解決
広い道路の前の土地を買う前に気をつけておきたいことって何?
- 外壁は汚れやすいので、予め汚れにくい外壁を使う。
- 音や排気ガスなど窓を開けにくい環境になるので、道路側の窓はあまり開けないでも大丈夫なようにしておく。
- 車の駐車がストレスにならないか確認しておく。
- 歩道の切り下げが必要な場合、費用がかかるので注意が必要。
- 大型車が通る場合は揺れが気になることがある。