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地盤調査ってどんなことをするの?地盤調査結果を見る時のポイントを建築士が解説します

「地盤調査を行ったのですが、調査結果の見方がイマイチよく分かりません。地盤調査結果を見る時のポイントについて記事にしてもらえないでしょうか?」

読者の方からこのようなリクエストをもらいました。

たしかに家を建てる時には地盤調査をしますが、どういう調査をするのか、また調査結果の何を見れば良いのかというのは中々わかりにくいものですよね。

そこで今回は地盤調査と調査結果を見る時のポイントについて詳しく見ていきたいと思います。

地盤調査結果は家の予算にも影響する部分なので、家を建てる方はぜひご覧ください。

地盤調査って何?

地盤調査とは簡単に言うと、家を建てる前に地盤の強さや地盤状況を確認する作業のことを言い、家を建てる場合は地盤調査をするのが必須項目となっています。

ではどうしてこのような地盤調査を行うのかと言うと、家を建てるのに安全な土地なのかどうかを判断することができるからです。

例えば、もし地盤が弱い土地にそのまま家を建てるとどうなるでしょうか?

家の重さに地盤が耐えきれずに家が傾いてしまっては生活するのに大きな支障が出てしまいますよね。

 

そうならないように家を建てる前に家を支えられるだけの地盤の強さがあるかどうか調査し、もし強さが足りない場合は地盤を強くするための補強工事を行って家が建ってからも安全に暮らせるようにしているんですね。(地盤を補強する工事のことを地盤改良工事と言います)

 

では、実際に地盤調査をする時にどのような調査をするのかというと、住宅ではスウェーデン式サウンディング試験という地盤調査を行うのが一般的です。

地盤調査というとボーリング調査をイメージされる方もいるかもしれませんが、ボーリング調査は詳細なデータが手に入る分、かなり費用が掛かるというデメリットも出てきてしまいます。

そのため、コストも抑えられるスウェーデン式サウンディング試験が住宅では主流となっているんですね。

ちなみに、スウェーデン式サウンディング試験は先端がドリル状になった鉄の棒におもりをつけて地面の中に入れていき、地盤の強さを測定するという方法になります。

こんな感じですね。

地盤調査方法

Photo:https://www.j-shield.co.jp/enterprise/pdf/whats_jiban_pamphlet_2002.pdf

たとえば地盤が弱ければおもりを載せただけで地面に沈んでいきますし、地盤が強ければ重り以外にドリルを回転させて地面に鉄の棒を入れていきます。

こうして約10m程まで地中を調査して地盤の強さを測定するという訳なんですね。

(強い地盤なのが確定的な場合はもっと浅い場所で調査を切り上げることもあります)

 

そして、基本的にはこのような調査を新しく建てる家の四隅と家の真ん中の5ヶ所測定し、その調査結果を元に地盤改良が必要なのか、それとも必要ないかが分かるようになります。

(地盤調査をするタイミングとしては土地を購入する場合は土地の購入後に、家の建て替えの場合は更地にした後に地盤調査をするのが基本となりますが、機材が搬入できて調査ポイントに家が建ってなければ地盤調査をすることも可能です)

 

それでは実際に地盤調査結果を見る時のポイントを見ていきましょう。

地盤調査結果を見る時のポイント

地盤調査が終わると数日後に地盤調査の結果が出てきますが、調査結果には下のようなグラフが書かれています。

地盤調査結果

パッと見た感じは何だかよく分からないですよね。

でも、ご安心を。

見るポイントを押さえてしまえば簡単なので、一緒に地盤調査結果を見ていきましょう。

 

まず、地盤調査結果のグラフで必ず見ておきたい場所が有ります。

それはこの線。

地盤調査結果のポイント

どんな調査結果でも少し濃いめに書かれている線があり、すごく簡単に言うと、この線よりグラフが左側だと弱い地盤に、右側だと一定の強さがある地盤ということになります。

(上のグラフだと緑の場所は強く、オレンジの場所は弱いという訳ですね)

 

ただ、これだけだと何処の地盤が強いのか弱いのか分からないですよね。

そこで次に見る場所はグラフの縦の部分。

地盤調査報告書のグラフの下へ行けば行くほど地中の深い部分を表しています。

こんな感じですね。

1メモリは25㎝刻みなので、数値で表すと下のようになります。

地盤調査結果の見方

これを踏まえて見てみると、地上から1mくらいは地盤がある程度強く、1mから5mくらいに弱い場所が、その下に強い場所と弱い場所があり、10m付近になると地盤が一気に強くなっていることが分かります。

家を建てる時は家の基礎を作るために1m弱くらいは土を掘り返すことになるため地上付近は考慮しないため、少なくとも5m付近までは地盤改良をして補強しておきたい結果と言えます。

どうですか?一度分かってしまえば結構簡単ですね。

 

あとはもう一つ地盤調査結果で見ておきたいのが地下水位の場所です。

地盤調査結果 水位

地下水位が高いと地震の時に液状化が起こりやすくなるので、地下水位がどれくらいなのかも頭に入れておきたい場所なんですね。

 

そして先ほどの表はいくつか調査したポイントの内の1つの結果となるので、それぞれのポイントで先ほどのようなグラフが出てくることになり、その結果をトータルで見て地盤改良が必要かどうかが決まってくるんですね。(ポイントによって調査結果が違うというケースもよくあります)

他にも細かい部分はありますが、まずはこれだけ頭に入れておければ地盤調査結果は十分見ることができるようになります。

 

ちなみに、地盤改良が必要な場合は地盤の強さや状態によっても改良方法は違ってきます。

地盤改良

Photo:https://www.oshiete-jyutaku.com/info/ground.html

たとえば地中の浅い部分が弱い場合だけであれば表層改良という地面に近い部分を改良するだけで済みますし、地中深くまで地盤が弱ければ地盤改良もそれだけ大掛かりになりますし、費用もそれだけ必要になってきます。

一方、地盤が強ければ地盤改良は必要ないので予算取りしていた費用を家の追加工事に使うなど予算に余裕を持つことができます。

このように地盤の強さというのは家づくりに意外と大きな影響を与えるものなんですね。

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地盤改良が必要になりやすい土地

それでは最後に、地盤改良が必要になりやすい土地(地盤が弱い土地)について見てみましょう。

まず、地盤改良が必要となりやすい代表例としては盛土や切土といった自然の地形に手を加えた土地があげられます。

地盤の弱い土地

土を削ったり盛ったりしているので地盤が弱くなりやすいんですね。

(地盤調査結果もポイントによっては強く、ポイントによっては弱いなどバラツキがでやすくなり、結果地盤改良が必要という判断になりやすいです)

そのため、造成地で擁壁がある場合などは地盤改良が必要な確率は大きく上がります。

 

また、家を建てる前が田んぼだった土地や水はけが悪い土地というのも地盤が弱い傾向があります。

水が集まりやすい分、地盤も緩くなっているケースが多いんですね。

 

反対に少し丘になっている場所などは地盤が強いことが多く、場所によって地盤が強いか弱いかが分かれてきます。

地盤が強いかどうかは調査してみないと詳細は分からない部分もありますが、土地を購入する際は地盤が強そうな場所なのか確認してから土地探しをするのも良いですね。

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まとめ

今回は地盤調査とはどういう物なのか、また地盤調査結果を見る時のポイントについて詳しく見てきました。

地盤というのは日常生活ではあまり身近に意識することはありませんが、家を建てる時には地盤というのは重要な要素となってくるんですね。

今回の内容を頭の片隅にいれつつ、より納得感のある家づくりをしてくださいね。

では。

 

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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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