こんにちは、O型建築士です。
家づくりをしていると、どうしても家の本体ばかりに目や意識がいってしまいますが、家は建物本体だけでなく家は外構まで完成することで始めて家が完成します。
外構とは聞き慣れない言葉かもしれませんが、簡単に言うと家の庭の事ですね。
家の外構はどちらかというと家づくりの最後の方なのでどうしても後回しになってしまいがちですが、実はこの外構次第で家の外観は物凄く変わります。
家の外観の30%〜40%くらいは外構に左右されると言って過言ではありません。
では、どうして家の外観は外構に影響されるんでしょうか?
今回は家の見た目を大きく左右する外構についてお話したいと思います。
家の外観や外構が気になる方はぜひご覧ください。
家の外観
まずは簡単な実験をしてみることにしましょう。
下の絵をご覧ください。
シンプルな箱形の家に外構として木と表札用の壁を付け加えた絵です。
それでは、次に下の絵をご覧ください。
先ほどと同じ箱形の家から外構と植栽を無くした絵になります。
どうでしょうか?
たった木と表札だけですが、外構が有る家と外構が無い家と比べると、外観がとても寂しい雰囲気印象を受けるのではないでしょうか。
どちらも同じシンプルな家ですが、ほんの少しの植栽と外構だけで家の外観はかなり違ってくることが分かりますね。
今回はシンプルな家をベースにして外構と植栽を少しだけ入れた絵を例に挙げましたが、日頃から家をデザインしている身としては、外構の重要性っていうのは身をもって実感します。
私は建築士なのでお客さんのプランをつくる時に外観のCGパースも一緒に作成するのですが、外観のCGパースをつくっている時は最初は建物だけなのでかなり寂しいものです。
ですので家の形に合わせて外構をデザインし、外観のCGをつくっていきます。
すると家の外観はどう変わっていくのでしょうか?
植栽1本植えるだけでも家の外観の見栄えが全然違ってくるんですね。
さらに手を加えるとかなり外観の見栄えが違っていき、最初の建物だけだったCGとは見違えるようになります。
これは私だけでなく、私の周りにいる建築士みんなが実感することですので、外構が家の外観に与える影響力がいかに大きいかお分かりいただけると思います。
それほど、外構のデザインは家の外観を大きく変える力を持っているんですね。
外構にどこまで力を入れる?
家の外観デザインにこだわるあまり、イロイロな素材を使ったり、とにかくアクセントの色を入れてカラフルにしてしまったりと、注文住宅は自由であるが故にやり過ぎてしまいがちなのが家をよく見かけます。
個性を強調することで周辺環境から浮いた一風変わった家になってしまうんですね。
同じことは外構のデザインにも言えます。
たとえば、「フランスの最も美しい村」に認定されたプロヴァンス地方にある小さな村【ゴルド】は絵のような景色と比喩されるほど周辺環境に溶け込み、村全体が統一感のあるシンプルな建物と自然によってつくられています。
建物にシンプルな外構や植栽をバランスよくデザインすることで、センスの良い外観デザインの住まいになることは歴史も物語っているんですね。
家も同じで外構もイロイロとやり過ぎるのでは無く、シンプルだけどもセンスがよいデザインにすることで家の外観はとても良くなります。
外構の予算は足りている?
家の総予算が載っている資金計画。
その資金計画を良く見てみると、「外構」という項目も必ず入っています。
→家の資金計画はどうすればいい?資金計画書の見方と押さえておきたいポイント
→家を建てるには費用はどれくらい必要なの?建築士が教える家の費用のポイント
そして、その外構の項目に注目してみると実際に外構の見積もりが出るまでは予算取りで〇〇万円の予算が取られていることが多くあります。
外構ができないと家も完成したとは言えないので、家全体の総額の中で外構の予算取りがされているんですね。
ここで注目しておきたい点が1つ。
その外構の金額はあくまでも「予算取り」だということです。
この予算取りは会社内で家の大きさに対して〇〇万円取るとか決まっていることもありますし、資金計画をつくる営業マンのさじ加減で決めていることもあります。
目安としては30坪くらいの土地であれば、80万円くらいだと駐車場にコンクリートを打ってポストと門柱を立てるくらいの最低限の外構、120万円くらい予算取りされていればある程度外構に手を加えることができ、200万円ほどあるとかなり満足する外構ができあがるといった感じです。
また、資金計画の予算取りだけだと根拠がよく分からないので、ポスト10万円、駐車場の土間に30万円など、予算取りの内訳が書いてある資金計画だと親切で信頼感のある資金計画書と言えます。
中には総予算が厳しいからといって、外構の予算を50万円などかなり厳しい予算取りにしていたり、予算取り0円なんていう資金計画を見かけることもあります。
予算に合うように見せるため、現実的ではない資金計画書にしているんですね。
そうすると、どうなるでしょうか?
家づくりの最後の最後で外構の予算が足りないなんてことが起こってしまいます。
家が完成した頃は引越しやら家具やらで何かとお金が必要になってくる時期なので、プラス100万円とかになると手痛い出費になってしまい、生活設計が狂ってしまう何てことも。
それでは何のために家を建てたか分からなくなってしまいますよね。
あなたの担当がまっとうな営業マンかどうかは資金計画を見れば分かりますので、あまりにも外構の予算を少なくみている担当者は要注意です。
また、総予算が気になる場合は、早めに外構の見積もりを取るように心がけたいですね。
特に敷地が広い場合は外構の予算も多く必要になるので、早い段階で1度見積もりをとっておくのは特に効果的です。
ある程度の外構の予算を見ておくことが良い家づくりにつながりますし、後々のストレスを回避するための手段となってくれますよ。
外構の工事の時期
あまり早く外構工事をしても、家がまだまだ工事中なので汚れたり破損する恐れがあるため、外構工事は一番最後になるんですね。
家の工事中は敷地内に資材を置いたり足場があるので、外構工事のスタートは早くても足場が取れる時期、家の完成まで1月から1月半くらい前になるケースが大半です。
また、建築工事と外構工事の両方をやってくれる工務店であれば問題ないですが、建築工事と外構を別々の会社に依頼すると、外構工事は家が一通り完成してからスタートということもあります。
そのため、家の完成に合わせて引越しをしたけども、外構工事は始まったばかりで駐車場は近所に借りることになったり、インターホンやポストが無かったりと、何かと不自由な生活を数週間過ごすことになってしまうこともあるんですね。
そのため、できれば外構工事の期間も考慮に入れた上で、引越しの予定を立てられるとベストと言えます。
外構の打合せについては外構工事が始まる前、最低でも1ヶ月前までには終わらせておくのが目安となります。
(ちなみに、外構の打合せは現地で行うことが多いです)
外構工事は家づくりの1番最後ですが、早め早めの対応を心がけておきたいですね。
まとめ
今回は家の外構について見てきました。
外構は家の外観の3割から4割くらいを占める重要なものです。
そのため、家と外構を別々に考えるのではなく、家と外構がうまく融合させることで見た目の良い家にすることができますし、家から眺める景色というのも変わってきます。
ですので、家に力は入れたけども外構にまで手が回っていないケースというのは一番もったいないケースなんですね。
そうならないためにも、外構の予算取りや打ち合わせというのは頭の中にしっかり入れておくことが大切になります。
今回の内容を踏まえながら外観に合った素敵な外構をつくって、より見栄えのする家にしてくださいね。
町並みを良くする効果もありますし、何より家に帰るのが楽しみになりますよ。
では。
外観が気になる人はこちらも参考にしてください。
→片流れ屋根はどうすればオシャレにできる?片流れ屋根の特徴と効果的な使い方を建築士が解説します
→代表的な屋根材の選び方を、コスト、メンテナンス、デザインの面で解説します
→暮らしやすい玄関ポーチのつくり方。家の外観も高級感が出ます。
→四角い家の外観はどうすればオシャレに見える?四角い家を作る時の5つのポイント
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→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】
→家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】
→注文住宅を建てる前に必ず知っておきたい!注文住宅のメリットとデメリット
家づくりで失敗したくない!そんな方こそ、間取りが重要です。
建築士が教える今日の問題解決
外構のデザインで家の外観は変わるの?
- 外構は家の外観デザインの30%〜40%くらいを占める。
- 外構のデザインによって家の外観は驚くほど変わる。
- 外構にコテコテにいろんな物をつけると、周りから浮いてしまって逆効果。
- まわりにとけ込む様にシンプルだけどもセンスが光る外構を目指すと、家の外観は良くなる。
- 外構の予算をしっかり取っておくことを忘れずに。