キッチンの冷蔵庫

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間取りで見る使いやすいキッチンと冷蔵庫の配置4選

「今間取りを検討しているんですが、キッチンの冷蔵庫をどこに配置したらいいか迷っています。冷蔵庫はキッチンのどこに配置するのが良いのでしょうか?」

読者さんからこのような質問をもらいました。

確かにキッチンの中でも冷蔵庫や食器棚は比較的自由に配置できるので、どこに何を配置するのが良いのか迷う時がありますよね。

 

そこで今回は、使いやすいキッチンにするためにかなり重要なポイントとなる冷蔵庫の配置を元に使い勝手の良いキッチンの間取りをご紹介していきます。

キッチンや冷蔵庫の配置が気になる方はぜひご覧下さい。

冷蔵庫をキッチンのどこに置くと良いのか

キッチンの使い勝手はいろんな要素で決まってきますが、意外に知られていないのが冷蔵庫とキッチンの使い勝手の関係です。

実は冷蔵庫をキッチンのどこに置くかでキッチンの使い勝手はかなり変わってきます。

日頃何気なく使っている冷蔵庫ですが、家づくりでは結構重要な要素なんですね。

それでは具体的に冷蔵庫の配置について見ていきましょう。

 

冷蔵庫をキッチンの手前に配置する

キッチンと冷蔵庫の図面

上の図面は、キッチンの間取り図です。

冷蔵庫に注目してみると、キッチンの入口付近に冷蔵庫が配置されていますね。

このように冷蔵庫はキッチンの入口付近に配置するのが、使いやすいキッチンするための基本的な考え方となります。

 

例えば、リビングにいる人が冷蔵庫に飲み物を取りにいく場合、冷蔵庫が手前にあると飲み物が取りやすいですよね。

一方、料理をしている人にとっても料理中にキッチンまわりでウロウロされるとどうしても気になります。

特に包丁を持っていたり油や熱い料理を作っている時に子供が近くにいるとなおさらです。

キッチンにいる人とキッチンに来る人の動線ができるだけ重ならず混雑しないキッチンをつくる。

まずはこれが使いやすいキッチンには重要なんですね。

その間取りは動線が考えられていますか?

 

そのため、使いやすいキッチンにするのなら、キッチンの入口付近に冷蔵庫を配置するのがオススメです。

 

冷蔵庫をキッチンの奥に配置する

キッチンと冷蔵庫の配置

先ほどはキッチンの入口付近に冷蔵庫を配置していましたが、こちらはキッチンの奥に冷蔵庫を配置している間取りです。

間取りによってはこのような冷蔵庫の配置にする場合もあります。

では、冷蔵庫をキッチンの奥に配置する場合はどんなケースがあるのでしょうか?

 

冷蔵庫をキッチンの奥に配置した場合のメリットとしては、冷蔵庫が奥まった位置にあるので目立ちにくいというメリットがあります。

そのため、冷蔵庫などの家電製品をあまり目立たせたくない場合に有効な冷蔵庫の配置となるんですね。

また、食器棚の横に収納を作って食器棚と収納の奥行きを合わせる場合など、冷蔵庫が奥にある方がキッチン全体のバランスが整う場合は冷蔵庫の位置を奥に配置するのも有りとなります。

 

一方、冷蔵庫がキッチンの奥にあるデメリットを挙げるとすると、冷蔵庫までの動線が遠くなり、キッチンの中が混雑する事が多くなるのがデメリットと言えます。

 

このように、冷蔵庫を奥に配置する何かしらの明確な理由があるなら良いですが、理由も無く冷蔵庫がこの置き方になっている場合もあるので注意してくださいね。(特に建売住宅など設計力が低い会社が設計した間取りはこの配置が標準になってる事があるので注意が必要です)

 

冷蔵庫置き場をつくる

キッチンと冷蔵庫の配置2

上の図面は、冷蔵庫の奥行きの分、壁を凹ませたキッチンになっている間取りです。

冷蔵庫と食器棚では奥行きが30センチほど違うので、その分だけ壁の位置を調整しているんですね。

 

この場合のメリットは、冷蔵庫の前のスペースが広くなり冷蔵庫に用事がある人が来ても、料理をする人が邪魔に感じる事はほとんどありません。また、食器棚と奥行きが合うのでスッキリと見えます。

キッチンの使い勝手としては申し分ない冷蔵庫の配置という訳ですね。

間取り上可能であれば、オススメの冷蔵庫の配置と言えます。

 

冷蔵庫を隠してしまう

キッチンと冷蔵庫の配置3

上の間取りは冷蔵庫を見えない場所に置いて隠してしまうキッチンの間取りです。

このような配置は家電製品などを全く見せたく無い場合に特に有効で、壁付けキッチンのように冷蔵庫が目立ちやすい間取りでも大きな効果を発揮してくれます。

壁付けキッチン3

 

ちなみにこのような冷蔵庫の置き方をする方は、食器棚の上にも家電を置かずにスッキリさせたいというこだわりを持っている方が多いです。

また、勝手口やパントリーも一緒につくってあげると、より使い勝手が向上しますよ。

パントリーの間取りとおすすめの収納方法7選

 

その他、上の図面のように冷蔵庫を隠す方法以外に、引戸をつけて冷蔵庫と食器棚を隠してしまうという方法もあります。

こんな感じですね。

冷蔵庫を引戸で隠す

Photo:https://www.muji.net/ie/modelhouse/hakata/img/03_IMG_2532.jpg

この方法にすれば必要な時以外は家電や食器棚が見えないので、キッチンを含めたLDKがとてもスッキリ見えるというのが大きな魅力です。

一方、冷蔵庫と食器棚を収納の中に入れるには通常のキッチンよりも広さが必要となり、意外とスペースが必要となってきます。

そのため、ある程度の広さのあるLDKである事が必須なんですね。

また、冷蔵庫や家電の熱を排出するための経路も確保する必要も。

そのため冷蔵庫を引戸で隠す場合、「部屋の広さを取るか」それとも「冷蔵庫と食器棚を隠す方がいいのか」どちらを優先するのか考えた上で採用すると失敗が少なくなります。

冷蔵庫の開き勝手をチェック

家ができてから新しく冷蔵庫を買う場合は、家に合わせた冷蔵庫を購入すればいいですが、今使っている冷蔵庫を新居でもそのまま使う場合は、冷蔵庫の開き勝手に注意が必要です。

例えば、冷蔵庫を下の図のように置きたいけども、右側が開く冷蔵庫だと使いづらくて仕方がないですよね。

冷蔵庫の開き勝手

このような事にならないように、今使っている冷蔵庫を新居で使うなら開き勝手も設計の段階で伝えておくのがオススメです。

 

また、冷蔵庫置き場で多い失敗が、観音開き(両開き)の冷蔵庫を配置する場合です。

大型の冷蔵庫だと最近では観音開きの冷蔵庫になっているケースが本当に多くなりました。

そして観音開きの冷蔵庫は、冷蔵庫の両サイドにゆとりがないと完全に開く事ができません。

観音開きの冷蔵庫のすぐ横に壁があると90度くらい開いた所で扉が止まってしまい、中の引き出しなどがつっかえて取り出せなくなってしまうことがあるんですね。

 

実はこれ、冷蔵庫を配置してみて始めて気付くことが多いんです。

そのため、大型の冷蔵庫を配置する場合は、あらかじめ冷蔵庫置き場に少しゆとりをもたせておくか、どの冷蔵庫を奥かを設計者に伝えておくと安心です。

冷蔵庫の隙間を埋める方法

キッチンに冷蔵庫を配置した時、冷蔵庫の横に隙間ができてしまうのが気になるという場合もあります。

冷蔵庫のスペースは買い換える事も想定して少し余裕を見ているため、冷蔵庫を配置した時にちょっとした隙間ができやすいんですね。

では、そんなキッチンの隙間を埋める方法についても見てみましょう。

 

まず、一番綺麗に見える方法としては、隙間となりそうな部分は造作の収納にしてしまうという方法です。

こんな感じですね。

冷蔵庫の隙間を埋める

造作なので棚の高さも好きに設定できますし、高さを冷蔵庫にピッタリ合わせたり、面材を壁に合わせた色にしてスッキリ見せるなど、使い勝手、インテリア性という点でも優れた物になります。

その一方、将来冷蔵庫を買い換える時は同じサイズの冷蔵庫しか選べないという点は注意しておきたいところです。

最近では新商品の冷蔵庫が出てもサイズが大きく変わるというケースはかなり少なくなっていますが、冷蔵庫の選択の幅は限られるため、見た目の綺麗さを取るか、将来のフレキシビリティを取るか、どちらを優先するかで合うか合わないかが決まってくるんですね。

 

次に、お手軽に隙間を埋めることができるのが、家具屋などで売っている可動式の収納を取り入れるという方法です。

こんな感じですね。

冷蔵庫の隙間収納

隙間の幅も10㎝〜30㎝程くらいまで選ぶことができるので、状況に合わせて使えるというのも魅力の1つ。

価格も2万円もあれば購入することができ、造作よりも安く導入できるので、細長い物、たとえばペットボトルや瓶などを収納するスペースを少しでも増やしたいという場合は置いてみるのもいいですね。

(冷蔵庫と同じ高さ、また面材は目立たない物を選ぶと綺麗に見えます)

キッチンと冷蔵庫の配置で大切なこと

ここまで、冷蔵庫の配置のポイントを見てきましたが、冷蔵庫で一番重要なのは物の出し入れがしやすいかどうかということです。

たとえば料理をする時を思い起こしてみると、

冷蔵庫から食材を取り出す → 食材を調理 → コンロで火を通す → 食器に盛りつける → ダイニングテーブルへ

という流れになります。

そのため、冷蔵庫はコンロの近くよりもとシンクや作業スペースに近い方が使いやすくなります。

 

また、冷蔵庫は料理する時以外にも、買い物してきた物を入れたり、リビングやダイニングにいる人が冷蔵庫からお茶を取り出して飲むなど、キッチンの中でも人がよく使う場所でもあります。

そのため、冷蔵庫の場所が日常生活で使いやすいかどうか。

この部分をしっかり確認しておきたいですね。

まとめ

今回はキッチンと冷蔵庫との関係についてお伝えしました。

冷蔵庫の置き方ひとつにしても様々なパターンがあり、それがキッチンの使いやすさにつながってきます。

 

あなたはどの冷蔵庫の置き方が一番使いやすいのかを一度考えてみると、より使いやすいあなたオリジナルのキッチンにすることができます。

今回の内容をぜひ参考にして、あなたの理想のキッチンをつくってくださいね。

では。

 

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使いやすいキッチンにするためには、冷蔵庫の置き方ってどうすればいい?

  • 自分に合った冷蔵庫の置き方を選ぶ。
  • 冷蔵庫は基本的にキッチンの入口にある方が使いやすい。
  • 冷蔵庫の開き勝手に注意する。
  • 使いやすい広さのキッチンにする。
  • 料理をする時の流れを考えると、使いやすいキッチンになる。
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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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