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片流れ屋根はどうすればオシャレにできる?片流れ屋根の特徴と効果的な使い方を建築士が解説します

2020年3月12日

「家の屋根を片流れ屋根で予定しているのですが、イマイチ家の外観がスッキリしません。片流れ屋根にする時のポイントがあれば記事にしてもらえないでしょうか?」

読者の方からこのような質問をもらいました。

家の外観では家の形、窓、素材の3つの要素が大きく影響してきますが、屋根は家の形の中でも影響が大きい部分になり、そんな屋根の中でも片流れ屋根というのはよく使われる屋根の1つとなります。

それだけよく使われる分、今回の読者さんのように片流れ屋根の外観がイマイチしっくり来ないというケースも多く耳にします。

 

では、片流れ屋根をうまく使うにはどのような部分を意識すればいいのでしょうか?また、片流れ屋根にはどんな特徴やメリット、デメリットがあるのでしょうか?

今回はそんな片流れ屋根について詳しく見ていきたいと思います。

特に家の外観が気になる方はぜひご覧ください。

片流れ屋根の特徴

それではまず、片流れ屋根の特徴について見ていきましょう。

片流れ屋根とは名前の通り、一方向に屋根が流れているので片流れ屋根と呼ばれています。

こんな感じですね。

片流れ屋根

片流れ屋根は屋根の形がシンプルなので昔から根強い人気がありましたが、太陽光発電の普及期に片流れ屋根の家はグッと増えるようになりました。

片流れ屋根にすることで太陽光パネルを日当たりの良い方角にたくさん載せることができるからなんですね。

また、片流れ屋根は外観もシャープな印象になるのでモダンな外観を目指す場合はもちろん、軒を出して和モダンな印象にすることもできるなど使い勝手が良い屋根と言えます。

その他には屋根を片流れにすることで小屋裏のスペースも作りやすいので、ロフトや小屋裏収納を作る時にも片流れ屋根にするケースが多く見られます。

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その一方で片流れ屋根のデメリットを見てみると、大雨が降ると雨樋が溢れてしまいやすいという事が挙げられます。

屋根が一方向に流れているので雨水も全て屋根の低い場所へ向かって流れていくため、雨樋の許容範囲を超えた雨は溢れてしまうことがあるんですね。

その結果、溢れた雨が地面に直接落ちてしまい外壁に汚れが飛んでしまったり劣化する原因となってしまうこともあります。

そのため片流れ屋根にする場合は雨樋の掃除などメンテナンスのことも頭に入れておく事が大切となります。

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また、片流れ屋根では屋根が片方に流れているため屋根の高い部分ではかなりの高さになるケースもあります。

その結果、周りの家の日当たりに大きな影響を与えてしまうこともあり、お隣の家がすぐ側にある場合なんかは何かしら配慮が必要なケースが有ることも。

特に家の北側が高くなる場合は、お隣の家の南側の日当たりに大きな影響が出てくる可能性が高いので、近隣トラブルにならないよう北側の高さは低くするなどの配慮も時には必要となってくるんですね。

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片流れ屋根にはこのような特徴がありますが、では実際に片流れ屋根にする場合はどのように使えば効果的なのでしょうか?

次に外観を意識した片流れ屋根の使い方について見ていきたいと思います。

片流れ屋根の外観のポイント

片流れ屋根にする場合、まずは屋根の勾配によって家の見た目というのは大きく変わってきます。

たとえば下の絵をご覧ください。

片流れ屋根 角度の違い

屋根の勾配が違う3つの家が並んでいますが、この状態ではどれを見ても特に変な印象は受けません。

では、さっきの3つの家に窓を付けてみるとどうなるでしょうか?

片流れ屋根 角度の違い2

このように家の窓が付くと屋根の勾配が緩いほど落ち着いた雰囲気の外観に、屋根の勾配がきついほど見た目のバランスが悪い事が分かります。

家ではどこでも好きな場所に窓を付けられるという訳ではなく、構造の邪魔にならない場所に、また1階、2階というように生活の役に立つ場所に窓を付けることになります。

そうなると片流れ屋根で勾配がきつくなるほど家の上部に余分な壁が増えてしまい、その結果外観のバランスも悪くなってしまうんですね。

 

また、片流れ屋根では家の側面もどう見えるかというのも結構重要なポイントになってきます。

(側面とは下の矢印の部分です)

片流れ屋根の側面

それでは実験として、先ほどの勾配のゆるい片流れ屋根と勾配のきつい片流れ屋根の側面を比べてみることにしましょう。

2つを並べてみると・・。

片流れ屋根の側面2

勾配が緩い家と勾配がきつい家では側面の見た目のバランスは相当違ってくることが分かりますね。

窓と屋根までの間の壁のことを業界用語で「おでこ」と呼ぶことがありますが、勾配がきついと「おでこ」がかなり広い家になってしまい、外観のバランスが悪くなる大きな原因となってしまいます。

 

また、「おでこ」が広いということはそれだけ外壁材や構造材も必要になるのでコストアップにつながりますし、台風などの風を受けやすくなったりお隣の家に威圧感を与えるなど見た目以外のデメリットも大きくなってきます。

そのため、片流れ屋根にする場合はできるだけ勾配を緩くした方がバランスの良い家にすることができるんですね。

(ちなみに屋根の勾配を緩くする場合はガルバリウム鋼板など金属製の屋根の方が融通が効きやすいです)

屋根材の種類と、コスト、メンテナンス、デザインの違いを解説します

 

ただ、ロフトや勾配天井にするために屋根の勾配をきつくする場合も出てきます。

そのような場合は「おでこ」部分をいかに無駄に見せないかがポイントになり、たとえばおでこ部分にも大きな窓を設けてバランスを取るという方法が考えられます。

こんな感じですね。

片流れ屋根

先程の「おでこ」部分に窓が無い家と比べるとバランスが良くなり、違和感を和らげる事ができるんですね。

 

その他、片流れ屋根は間口が広ければ広いほど難易度が上がるという側面もあります。

片流れ屋根の間口

ここで言う間口とは家の幅になりますが、この部分が広いほど片流れ屋根を使う時の難易度が上がるんですね。

たとえば間口が広いと屋根の勾配を緩くしても見た目の重たさは出やすくなってしまいますし、「おでこ」に大きな窓を設けてもそこまで効果は期待できなくなってしまいます。

ダメな片流れ屋根の例

このように間口が広い家の場合は全て片流れ屋根にするのではなく一部を片流れ屋根にするなど重さを減らすようにしたり、切妻屋根など他の屋根を使った方が家の形は整いやすいんですね。

また、その他の対策としては間口の広い片流れ屋根の場合は家の重心を低くすると言う方法が考えられます。

総二階ではなく1階を広く、2階を小さくするなど大屋根の片流れ屋根とすることで家の重心が低くなり、重さが消えて全体のバランスが綺麗に見えるようになるんですね。

おしゃれな片流れ屋根

Photo:https://www.nagasakizaimokuten.co.jp/ga_mu/大きな片流れ屋根の家/

上記の例はとてもうまく片流れ屋根を使っている好例となりますが、間口の広い家で片流れ屋根にする場合は間取りの段階でどのような見え方の家にするかしっかり検討しておくのが外観の整った片流れ屋根の家にする時のポイントと言えます。

(言い換えると、あとで外観を大きく変えるには間取り自体を変更する必要が出てくるため、外観も整える場合は間取りと同時に外観も確認するのがベストです)

 

最後に片流れ屋根の家では軒を出すか、それとも軒を出さないかでも見た目はかなり変わってきます。

片流れ屋根は他の屋根と比べて屋根が特徴的で目立ちやすく、軒の出次第で家の雰囲気を変える事ができるんですね。

片流れ屋根の軒の出

たとえば軒を大きく出すことで見た目のアクセントにすることもできますし、雨や紫外線による劣化を防いだり夏の日差しを遮るという効果や、軒の下を縁側のように使うなどいろんな活用方法が考えられます。

また、軒が大きいと言うことはそれだけ軒裏が見えることになるので軒裏に木材を使ってより落ち着いた雰囲気の家を目指すのもいいですね。

 

一方、軒を出さない場合はモダンな印象がかなり強く出るようになります。

軒が少ないのでシャープな印象になるんですね。

さらには破風と呼ばれる屋根の側面を小さくすることでよりスッキリとした見た目にすることができるので、モダンな家を目指すならこのような細かい部分も意識してみるのも効果的ですよ。

破風

まとめ

今回は片流れ屋根について詳しく見てきました。

片流れ屋根は屋根の中でも個性が強い屋根となり、屋根の作り方次第で家の印象はかなり変わってくるんですね。

特に片流れ屋根の場合は、屋根の勾配と窓を上手く使う事でバランスを整えやすくなります。

また、間口が広い家など場合によっては片流れにするのではなく他の屋根にしたり屋根の掛け方を変えた方がシックリくる場合や、間取り自体がその片流れ屋根に合っていない場合もあるので、イマイチ片流れ屋根がフィットしていないなと感じる場合は他の屋根を検討したり間取りを変更して外観の重心を下げてみるのも効果的ですよ。

ぜひ今回の内容を参考にして、見た目のバランスが取れた街に馴染む家を目指してくださいね。

では。

 

外観についてはこちらも参考にしてください。

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