太陽光発電を家に載せるなら知っておきたい問題点と対策方法

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屋根にパネルを載せることで電気を発電してくれる太陽光発電。

技術と優遇措置により数年前から人気が出始め、今では新築住宅を建てる人の半分とまではいかなくても3〜4割の人は太陽光パネルを載せています。

 

このようにかなり一般的になった太陽光発電ですが、太陽光発電を載せた新築住宅をつくる場合、注意しないとあとで困る可能性がある大きな問題点があります。

しかも、これを太陽光発電を載せる前に教えてくれる人はほとんどいません。

今回は、太陽光発電をこれから載せる、またはいつか載せたいという人は必ず知っていて欲しい、太陽光発電を載せる家の知られざる問題点について見ていきましょう。

太陽光発電が注目される前の屋根の形

太陽光発電が世間の注目を集めるようになったのは、2009年に太陽光発電で発電した余剰電力を1KWあたり48円で買い取るという固定買い取り制度が始まった頃からです。

この制度は、2009年に48円で買い取りを適用された人の場合、2019年までの10年間、家で使いきらなかった余剰電力を、電力会社に48円で売却できるというものです。

この制度を利用して太陽光を載せれば、太陽光発電の設置費用の元を取れるだけでなく、利益を得る事も可能になったため、エコに興味がある人だけでなく、一般消費者にも太陽光発電の普及が進みました。

 

私もこの太陽光発電の普及期をずっと見てきましたが、太陽光発電が普及する前と普及した後で、家の設計で大きな変化があることを感じてきました。

それは屋根の形状が劇的に変わったということです。

 

太陽光発電が普及する前は、屋根の南側を高くする家が多くありました。

南側の高い位置に窓を設けて、家の中をより明るくするという手法ですね。

この方法は周辺の家にもメリットがあり、基本的に南側の屋根が高くなるので、反対の北側の屋根が低くなる事です。

北側が低いという1番のメリットは、北側の隣家にも南からの光が入りやすくなるんですね。

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この事を踏まえて、では次に太陽光が普及してから増えた家を見てみましょう。

 

太陽光発電を重視した屋根の形

太陽光発電で電気を発電するためには、太陽光パネルにより多くの日の光を当てる必要が出てきます。

太陽光パネルに一番日が当たる方向は南向きで、東西向きだと10〜20%発電効率が落ち、北側だと半分ほどになってしまいます。

そのため、太陽光発電で発電効率を上げるなら、南側に載せられるだけ太陽光パネルを載せる必要がでてきます。

こうして出来上がった太陽光パネルの効率を重視した家は、このような屋根の形になります。

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南側が低く、北側が高い屋根になるんですね。

一般的には片流れ屋根と呼ばれる屋根の形です。

屋根の形状次第で、家の外観はかなり変わるんです。

 

実はこの屋根の形に太陽光発電の隠れた問題点があります。

もし、あなたの家のすぐ南側に太陽光発電を重視した形の家が建ったらどうなるでしょうか?

北側が高いので、家に入ってくる光は激減してしまいます。

さらには家の前に高くそびえる壁が出現します。

 

住宅地であれば南側に家が建つのはもちろん仕方が無い事ですが、太陽光発電を重視して近隣に配慮していない家が建つのが歓迎の人などいないはずです。

さらには、このような家をすぐ南側に建てる人に良い印象を持つのは難しくなります。

場合によっては近隣トラブルになってしまう危険性をはらんでいるんですね。

 

太陽光発電の効率ばかり考えてしまうと、このような問題を引き起こしてしまうことがあります

太陽光発電と近隣に配慮した屋根の形

では、太陽光発電の発電効率を重視しつつ、近隣にも配慮するにはどのような方法があるでしょうか?

そのような場合、下の絵のような方法があります。

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太陽光発電を載せるために北側が高くなっていますが、一番北側の部分が低くなっています。

これは、一番北側の屋根を低くする事で、近隣の太陽の光を遮りすぎないように配慮している屋根の形の1つです。

もちろん、北側の家が暗くならない訳ではありませんが、近隣に少しでも配慮された家である事が分かると思います。

 

北側部分には太陽光パネルは載せられないので、載せられる太陽光パネルは少し減りますが、その分、近隣トラブルの可能性はかなり低くなんですね。

近隣の家が近いけども太陽光発電を載せたい場合、私はまずこの形を提案しています。(問題が起こりそうな敷地かどうかは私が判断した上で提案しています。)

そして、太陽光発電を重視するなら、片流れという方法もあることを説明した上で、近隣からいい感情をもたれない可能性がある事をお話し、必要に応じて日当りのシミュレーションを見てもらっています。

こうして、今まで9割以上の方が、片流れの屋根でなく北側に配慮した屋根の形で家を建てることを選ばれました。(問題が起こりそうな場合はこうしますが、問題なさそうなら屋根の形は外観や太陽光に一番合う形にしています)

 

皆さんやはり、これから長く暮らす場所で近隣の人とも良い関係を築く方が、太陽光パネルよりも大切だと考えているんですね。

片流れを選んだ残り1割の方の理由は、「家の外観を重視したい」「家の建替えで、近隣との関係もすでに良好なので、片流れにしても問題無し」という理由からです。

 

意外にも、太陽光発電のこの問題点を説明してくれる住宅会社はあまりなく、太陽光パネルを載せるので片流れ屋根を当たり前のように採用する会社が多くあります。

その結果、片流れで家を建てたためにトラブルになったという話もちょくちょく耳にします。

トラブルにはならないまでも、快く思っていない近隣の人の数はもっと大勢にのぼるでしょう。

 

これからも太陽光発電を載せる人は多くいると思いますし、いずれ太陽光パネルを載せたいから、太陽光パネルが多く載せられる家にしておきたいという人も多いと思います。

太陽光発電にはこのような問題点があることを頭に入れながら家づくりを進めていけば、近隣との関係は良好なものになっていくはずです。

狭い日本で家を建てる場合、まわりの家に大きな影響を与えそうな場合は、自分の事ばかり考えずに近隣にも配慮する事が家づくりでは重要です。

もちろん、私たち設計者が肝に命じておかなければいけない事でもありますし、もし、そんなの気にしたくないというならば、まわりに何も無い場所で家を建てるというのがベストな判断となるんですね。

まとめ

屋根の形と太陽光

10年ほど前の家は、屋根の南側が高い家が多かったけども、太陽光発電の普及とともに屋根の北側が高い家が多くなりました。

ただ、住宅街で太陽光パネルを多く載せる事だけ考えた家にすると、近隣とのトラブルに発展するケースもあります。

太陽光発電でいくらかの利益を得るために、近隣との関係が悪くなって済みづらくなっては、何のために家を建てたか分からなくなってしまいますね。

太陽光発電を検討するときは、このような問題点がある事も頭に入れておくと、無用なトラブルは避けることができますし、このように素人の方では分からない問題点を教えてくれたり、配慮してくれる住宅会社で家を建てることも重要なんですね。

 

最後に余談を1つ。

街中のど真ん中で家を建てる場合、今回のような事は逆に気にしなくて大丈夫です。

少し配慮した所で、隣が近すぎるのでほとんど効果が無いんですね。

では。

 

 

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今日の問題解決

太陽光発電を検討する時に配慮しておくべき問題点とは?

  • 住宅街で太陽光パネルを多く載せる事だけ考えると、北側の家の日当りがとても悪くなる上に見た目にも威圧感がある。
  • 場合によっては近隣トラブルになり、住みづらくなる事がある。
  • 太陽光パネルを多く載せる事だけを考えるのではなく、近隣に配慮した建物にすれば近隣トラブルは防げる。