家づくりをする時、「新しい家はどんな間取りの家にしようかな」「インテリアはどんな感じにしようかな」など、家のことを考えるのはとても楽しいものですよね。
どんな家に住むのか色々と考えたり選べるというのは、家づくりの醍醐味とも言えます。
そんな夢がある家づくりですが、家づくりは人生の中でも1度あるか無いかの大きなイベントです。
そのため、何となくの家づくりのイメージは有っても実際に家づくりをどうすればあなたに合った家が建てられるかは中々分からないもの。
ほとんどの人にとって家づくりは一度きりの経験なので、初めての事の連続なんですね。
そのため、「家づくりをする時に何が大切なポイントかを知っているかどうか」。
これが家づくりが成功するか失敗するかの分かれ道となってくるんですね。
今回は家づくりをする前に必ず知っておきたい7つの事についてご紹介したいと思います。
これから家づくりをする方だけでなく、家づくり中の方もぜひご覧ください。
家づくりは会社選びで決まる
家づくりをする時に絶対知っておいて欲しいこと。
それは家づくりが成功するかどうかは住宅会社選びで8割が決まるということです。
家づくりの中で間取りを考えるのは楽しいものですし、予算内でコストパフォーマンスの高い家を建てるというのも大事なことです。
でも、その間取りを作るのもコストパフォーマンスの高い家になるかどうかも住宅会社次第。
そうなんです。
あなたが建てたい家を建ててくれる住宅会社に出会うことができるか、また選ぶことができるかが家づくりを成功させるためにはとても大切なんですね。
家づくりというのは人によって様々です。
家の間取りやデザインを重視する人もいれば家の性能を重視するという方もいますし、さらには人によって予算にも違いがあります。
そのため、例えば性能を重視する人がデザイン優先の住宅会社を選んでしまうとミスマッチが起こってしまいますし、反対にデザインを重視する人が性能重視の会社を選んでしまい、家の提案に物足りなく感じてしまうケースも多くあります。
まずはあなたの建てたい家を建ててくれる住宅会社を選べるかどうか。
これが家づくりの中で1番重要なんですね。
また、住宅会社というのは腕の良い会社から、「こんな家を建てるの?」という会社まで、本当に千差万別の世界です。
会社選びで間違った選択をしてしまうと、後でどうしても埋められないくらいの差が出てしまうんですね。
まずは住宅会社選びで家づくりが成功するかは大きく変わってくる。
このことを頭に入れておくことが、成功する家づくりの一番の近道となります。
家づくりにはどんな家があるかを知る
家づくりというと、あなたはどんな家が思い浮かびますか?
多くの方は間取りが自由に決められたり内装にこだわった家をイメージされると思います。
いわゆる「注文住宅」を思い浮かべる方が多いんですね。
ただ、ここも家づくりで失敗しやすいポイント。
実は、家は注文住宅だけではないんからなんです。
家づくりには大きく分けて「規格型住宅」、「セミオーダー住宅」、「注文住宅」という3つの住宅があり、あなたがどの家を建てたいかをハッキリさせることも家づくりではとても大切なことになります。
ちなみに、この3つの住宅の違いとしては、
- 規格型住宅は間取りがある程度規格化されていて、気に入った間取りを選ぶ住宅。
- セミオーダー住宅は間取りはある程度自由だけでも、仕様に制限がある住宅。
- 注文住宅は間取りも仕様も自由な住宅。
このような違いがあります。
例えば、「注文住宅」と「セミオーダー住宅」の具体的な違いについて見てみましょう。
「注文住宅」は家の間取りから内装、設備までほぼ自由に作ることができます。
フルオーダーで家を建てることができるのが注文住宅なんですね。
一方、「セミオーダー住宅」は間取りは比較的自由に作ることができますが、インテリアや設備などの内装で選べるものは限られてくるという違いがあります。
そのため、家づくりにかなりこだわりたい方は「注文住宅」が合っていると言えますし、家づくりにそこまで強いこだわりが無い場合や、それほど家づくりに時間を掛けられないという方には「セミオーダー住宅」が合っていると言えます。
反対に、何でも自由にできる「注文住宅」だと思っていたのに、実は仕様があまり選べない「セミオーダー住宅」で家の契約してしまうと大きな不満が残ってしまいますよね。
そうならないためにも、家の種類の違いを知った上で、まずはあなたに合っている住宅はどの家なのかを考えてみることがとても大切になります。
また、住宅会社は自社で建てている家が「セミオーダー住宅」、「注文住宅」とハッキリと言ってくれないというケースも多くあります。
その理由は何が「セミオーダー住宅」で、何が「注文住宅」かというのは住宅会社によって認識がかなり違うからです。
そのため住宅会社で契約する前に、何を決めることができて何を決めることができないかをハッキリさせた上で住宅会社を選ぶことが大切なんですね。
そうすることで、後で思っていたのと違ったというケースを避けることができるようになります。
(この「後で思っていたと違う」という失敗は家づくりで本当に多いケースです)
→あなたに合っている家はどれ?家は注文住宅だけでは無いんです
→建築条件付きの土地で失敗しないために気をつけたい3つのこと
家づくりの予算は総額で見る
家づくりをする時は間取りや仕様など、ついつい楽しい部分に目がいってしまいがちですが、忘れてはいけないのが家の予算について。
家を建てる場合は間取りや内装、外装などを自分好みで選んでいけるので予算配分がしやすい反面、建売住宅やマンションのように〇〇万円というようにいくら必要なのかが分かりにくいので、家づくりに予算がどれくらい必要なのか、またどれくらいの家が建てられるのか気になる方も多いと思います。
そこで次に、家づくりで切り離せない家の予算についても見ていきたいと思います。
家づくりに必要な費用は大きく分けて3つあります。
- 注文住宅の本体工事の金額
- 諸費用
- 土地にかかる費用
の3つです。
この3つを把握する事で、家づくりで必要なお金の全体像が見えてくるようになります。
それでは、この3つの費用について見ていきましょう。
注文住宅の本体工事の金額
注文住宅の本体工事金額とはその名のとおり、家本体の工事に必要な費用のことを言います。
更地の状態から家が完成して住めるような状態になるまでに必要となる家の金額が本体工事の金額と言う訳ですね。
住宅会社で間取りを作ってもらうと家の見積書を必ずもらうことになりますが、その見積書に書かれてある金額は家を建てるための総額ではなく、家の本体工事の価格である事がほとんど。
一般的によく言われる坪単価というのも、この家の本体工事の価格を坪数で割って坪単価を出すのが一般的です。
ただ、家を建てる場合、実は家の本体工事だけでは家に住む事はできません。
家を建てるのには「諸費用」と呼ばれる物も必要になってくるんですね。
(CMや広告で「〇〇万円の家」、「〇〇万円で家が建てられる」というのは実際は家の本体価格であることがほとんどで、実際には諸費用が入っていないので注意してくださいね)
それでは次に、家の諸費用について見てみましょう。
家の諸費用
家の諸費用というのは聞き慣れないかもしれませんが、簡単に言うと家以外にかかる費用を全部ひとまとめにして「諸費用」と呼びます。
例えば暮らしに直接関わる部分を見てみると、ダイニングテーブルやソファといった家具やカーテン、家電の費用も生活をするためには必要になってきますし、庭や駐車場を作るための外構工事や引越し費用も必要になってきます。
このような費用は家の本体価格には入っていないので、「諸費用」の中に入れるのが一般的なんですね。
→お洒落な家具や雑貨が見つかるおススメのインテリアショップ15選「2018年版」
→転居の手続き一覧。新しい家に引越しする時に必要な8つの事。
諸費用の目安としては、家の本体価格の1割〜2割くらいが諸費用の1つの目安となります。
例えば家の予算として2,000万円の注文住宅を建てようと思っている場合は、ざっくりと諸経費で300万円、家の本体工事で1,700万円くらいで見ておけば予算内に納まりやすいという訳ですね。
家の本体価格だけを見て予算を組み立てるのでなく、諸費用のこともしっかり頭に入れておく事があとでお金に困らないため、ひいては良い家を建てるための秘訣となります。
土地に必要な費用
家を建てるには家を建てるための土地が必ず必要になりますが、土地も家を建てる時と同じようにいくつかの費用が必要となってきます。
土地を購入してから注文住宅を建てる場合はもちろん、元から所有している土地に注文住宅を建てる場合も何かしらの費用が掛かってくるんですね。
では、土地にはどのような費用が必要になってくるのでしょうか?
例えば、土地を購入すればすぐに注文住宅を建てられるという訳ではなく、ガスや給排水の引き込みといったインフラがなければインフラを引き込むための工事をしたり、古屋があるなら古屋の解体工事を、土地に高低差があり造成工事が必要な土地であれば造成工事をするなど、土地によって必要な費用は変わってきます。
土地は表面だけを見るとすぐに家が建てられそうですが、意外と費用が掛かってきてしまう物なんですね。
そのため、家を建てる前にどれだけ手間や費用が掛かる土地かを知るのが重要となってきます。
よくあるケースとしては、安く土地を手に入れられたと思ったら、土地の諸費用が思いのほか必要なことが分かり返って割高になってしまったというケースや、実家の敷地の一部に家を建てようと思ったらインフラを整備する必要があり土地を買うのとあまり変わらないくらい費用が掛かったというケースもよく見かけます。
土地で思いがけず費用が掛かってしまうと、注文住宅の本体の価格を抑えるか予算を増やす必要が出てきて計画自体を見直すことになってしまいます。
そうならないためには、早めに住宅会社に土地を確認してもらうということ。
土地を手に入れてから住宅会社を探し始めてるのではなく、土地探しと並行して住宅会社を決めるのが正解なんですね。
住宅会社と一緒に早めに土地を確認しながら家づくりを進めていく。
これが家づくりで失敗しないポイントになってきます。
→広い道路沿いの土地ってどうなの?知っておきたい5つのポイント
ここまで、
- 注文住宅の本体工事の金額
- 諸費用
- 土地にかかる費用
という家づくりで必要な費用について見てきました。
ただ、このように項目がいくつかあると家づくりの総額というのは中々分かりにくいものです。
そんな時に大いに役立ってくれるのが家づくりの資金計画書。
こんな感じの物ですね。
資金計画書には家の本体はもちろん、水道やガスといったインフラの引き込みや地盤改良、外構工事(庭の工事)といった敷地に関することや、家具や家電、家を建てるための申請費、登記費用など、家を建てるために必要な項目が書かれているんですね。
また、土地も購入する場合は土地購入に必要な金額も資金計画書に記載されます。
資金計画書を見る事で、家に必要なお金が全て分かるようになるんですね。
このような資金計画書は家を建てる予定の工務店や住宅会社が作ってくれるので、早い段階で資金計画書を見る事で家本体にどれくらいの予算が使えるのか、また月々の支払いはどれくらいになるのかを把握することができ、お金の面で明確になるというのはとても大きなメリットがあります。
そのため、できるだけ早い段階で資金計画書を作ってもらうというのも、家づくりの大きなポイントなんですね。
→家の資金計画はどうすればいい?資金計画書の見方と押さえておきたいポイント
ちなみに、実際に家づくりでどのくらいの費用が必要になるのかも、30坪の家を例に見ておきましょう。
ローコストの住宅の場合(総額2,000万円前後)
『家の本体価格(1,000万円前半〜中盤)』+『諸経費』=『総額(1,000万円台後半〜2,000万円前後)』
そこまで多くの予算はないけども注文住宅を建てたい場合や、家以外に使うお金も考えて予算を抑えて注文住宅を建てる場合、このくらいの価格帯の住宅を選ばれる事が多いです。
一般にローコスト住宅と呼ばれるのもこの辺りになります。
また、この価格帯では規格型住宅やセミオーダー住宅が中心となってきます。
中グレードの住宅の場合(総額2,000万円代)
『家の本体価格(1,000万円後半〜2,000万円中盤)』+『諸経費』=『総額(2,000万円台)』
ある程度こだわりをもった住宅を建てる場合、これくらいの予算があるとかなり選択肢が広がります。
無垢のフローリングにしたり壁に塗り壁を使ったり、キッチンのグレードを上げたりとこだわりたい部分に予算が掛けられるようになるんですね。
また、家の性能にこだわりたい場合なんかも、この辺りのグレードの住宅になると標準装備していることも増えてきます。
一方、アレもコレもと採用してしまうと一気に予算オーバーしてしまいやすい価格帯でもあるので、何を家に取り入れるかメリハリを付けた選択が家づくりの成功の鍵となります。
高級注文住宅の場合(総額3,000万円〜)
『家の本体価格(3,000万円〜)』+『諸経費』=『総額(3,000万円〜)』
この辺りの価格帯の住宅になると間取り、仕様はかなり自由に選べるようになり、予算が増えれば増えるほど選べる選択肢は増えていきます。
家へのこだわりがかなり強い方であっても、このくらいになると満足いく注文住宅が建てられる可能性がグッと高くなるんですね。
ここまで、上記のように大きく3つの価格帯に区切って見てきましたが、記載した総額が家を建てる時の費用の1つの目安となってきます。
上の例は30坪の注文住宅の例なので、もう少し大きな家にする場合は、ローコスト住宅で坪30〜40万円。
中グレードの住宅で坪50万円。
高級住宅で坪70万円くらいをプラスすれば、ある程度の目安となってくれます。
→注文住宅で失敗しない!後悔しない注文住宅を作るために知っておきたい4つの事
家づくりで必要な期間と流れを知る
家づくりで必ず頭の片隅に入れておきたいのが、家づくりの流れと家づくりにはどれくらいの期間が必要なのかということ。
私は建築士としてこれまで100件を超える方の家を担当し、日々多くの方から家づくりの相談をいただいていますが、良い家を建てられた方というのは最初に「家づくりの流れ」を把握した上で家を建てた方がほとんどです。
では、どうして家を建てる流れを知る事が良い家を建てることに繋がるのでしょうか?
それは、人にとって家づくりは一生に1度あるか無いかの物だからです。
例えば、初めて行った街で美味しいお店の情報をあらかじめ知っているのと、その場で一から探すのとでは美味しいご飯を食べられる可能性はかなり違ってきますよね。
同じように、まずは家づくりではどういう事をするのかという全体像を知ることが、良い家を建てるための道しるべになってくれます。
また、すでに完成した家を買う「建売住宅」なら購入してすぐに住むことができますが、家づくりをして家を建てる場合は相応の期間が必要となってきます。
例えば家づくりを始めてから住宅会社選びに3ヶ月掛かったとすると、その後の打ち合わせはセミオーダー住宅で約1ヶ月〜約2ヶ月、注文住宅で3ヶ月くらい掛かるケースが多く、さらには家の工事で約3ヶ月〜5ヶ月ほど掛かるのが一般的なので、家が建つまで一年弱ほどの期間が掛かるんですね。
そのため、学校の入学など希望の引越しの時期が明確な場合は、引越日から逆算して家づくりをしていくのも効果的です。
このように、家づくりは楽しいものですが、その分だけ時間も労力も使います。
そのため、家づくりをずっと全力疾走するというのはかなり大変ですし、せっかくの一生に有るか無いかの家づくりなので、やはり楽しみたいものですよね。
家づくりの全体像をつかむ事で上手くペース配分を行い、重要な場所に時間と力を使う。
このようなメリハリを付けることが、最後まで家づくりを楽しむポイントとなってくるんですね。
家づくりは信頼できる担当者と
住宅会社へ行くと、普通は住宅会社の担当者があなたに付くようになります。
よくあるケースとしては始めに話をした営業マンがあなたの担当者となることが多く、家を建てる場合は営業担当者だけでなく設計担当者や工事担当者、会社によってはインテリアコーディネーターなど、家に関わるエキスパートがチームを組んであなたの家づくりのお手伝いをしていくことになります。
最初は営業マンだけですが、打合せが進むごとに専門の担当者が登場してくるんですね。
家づくりには時間が掛かるもの。
そのため住宅会社だけではなく、どんな人が担当者になるかも理想の家を建てるためには重要なファクターとなってきます。
そんな担当者の中で重要な要素が「人間性」「実力」「相性」の3つ。
人間性については当たり前のことですが、誠実で約束をしっかり守る担当者の方が確実に満足度の高い家が完成します。
例えばお施主さんを自分の収入源や成績としか思っていない担当者なんて嫌ですよね。
また、家づくりには何度も打合せを重ねることになるので、時間や連絡事項などの約束がルーズであったりすると、当初思っていたよりもストレスになることもよくあります。
(これは本当によくある話です)
やはり基本的な人間性がしっかりしていて信用できる担当者。
これが1番になります。
次に実力。
経験ではなく実力と書きましたが、経験が長いから良い担当者とも一概に言えないので、このような表現をしています。
たとえば、普通の住宅会社であれば担当者が新人であっても周りのフォローが付くので、意外とトラブルになることは少ない傾向があります。
その一方で、経験が長くてもあまり実力のない担当者というケースもたまに見かけます。
やはり実力が付くかはどのように家づくりに取り組んできたかで変わってくるからなんですね。
また、担当者の職種によっても必要な実力は大きく変わってきます。
営業マンであれば、実力があまりなくても段取りが悪いくらいで何とか納まることもありますが、設計担当者の実力が低い場合は結構辛いケースになりがちです。
本当は家づくりのプロに提案して欲しいのに、例えばカウンターを付けたいと言ったらただ図面にカウンターを描くだけで、カウンターを付けるメリットやデメリット、その他に考えられる代替案の提案がほとんどなければ何のために設計士と打合せしてるのか分からなくなりますよね。
このように家づくりでは設計者の実力というのはとても大きな要素となります。
しっかりした腕を持っている設計士に間取りを作ってもらうのも、家づくりではとても大切なんですね。
→危険な間取りの3つの特徴。あなたの設計担当者はこんな人ではないですか?
最後に、担当者との相性が良いと家づくりがとても楽しくなります。
家づくりは時間がかかるものなので家を通して人との繋がりができるようになりますが、やはり相性が良いと打ち合わせもスムーズですし、家づくりもより楽しくなります。
また、家を建てた後も家はアフターメンテナンスなどが必要になりますが、そんな時も安心感を持てるようになります。
一生で一度あるか無いかの家づくり。
せっかくなら人との出会いも楽しみながら、あなたに合った家を建てていきたいですね。
→家の打合せは楽しいですか?打合せの楽しさで家の完成度は大きく変わります
家づくりで成功する間取りの法則
家づくりでのハイライトとも言える家の間取り。
家の間取りで成功するためには、
- どんな家を建てたいかイメージづくりをする。
- 優先順位を考えて、本当に欲しいものが入った家にする。
- プロに間取りを設計してもらう。
以上の3つがポイントとなってきます。
それでは具体的に見ていきましょう。
どんな家を建てたいかイメージづくりをすること
良い間取りを作るために大切なこと。
それは、「どんな家に住みたいか」「家で何がしたいのか」をイメージすることから始まります。
例えば、家と同じように大きなお金が必要となる車を買う時の場合でも、車を何のために使うかでも選ぶ車は変わってきますよね。
とりあえず買い物や通勤などに使う足が必要というのであれば軽自動車でも十分ですし、大人数で遊びに出かけるのが目的であれば何人も乗れる大きな車を、アウトドアが好きで遊びに車を使うのであれば物が多く乗せられてパワフルな走りをするSUVにするなど、「あなたが何がしたいのか」次第であなたに合う車は変わってきます。
家づくりも同じなんですね。
家の間取りを考える前に、まずはあなたがどんな家に住みたいのか、そしてどんな生活を送りたいのかをイメージすることで、あなたの家づくりの目指す方向が見えてくるようになります。
もちろん、〇LDKの家とかオシャレなキッチンを入れたいなど具体的なところは曖昧でもかまいません。
「どんな家に住みたいか」や、「どんな暮らしをしたいか」など、ざっくりとしたイメージでも十分です。
細かな要望はあとで家のプロがアドバイスを受けながら色々と検討できるからなんですね。
どうしてこのような事が大切なのかというと、「どんな家に住みたいか」や「どんな暮らしをしたいか」が家づくりで「あなたが本当に手に入れたいコト」だからです。
「あなたが本当に手に入れたいコト」が明確になっていれば、長い家づくりの中で迷った時でも家づくりの方向性が合っているのかどうかという判断ができるようになるんですね。
これらの手順を省略してしまうと、例えば家の要望を伝える時に何だかアヤフヤな事を伝えてしまったり、住宅展示場などで見た「何となく良さそう」という物に振り回されてしまう可能性が出てきてしまうんですね。
家づくりは、「選ぶ事」の連続です。
最初の段階でブレない軸を持っておくことで、あなたが納得する家を建てることができるようになります。
そして、家づくりでどれだけ納得できたのか。
これが家ができて住み始めてからの満足度に大きく影響してくるんですね。
優先順位を考えて、本当に欲しいものが入った家づくりをする
家の間取りを考えていると、ついついアレもコレもと入れてしまいたくなるものです。
でも、それは家づくりで本当に必要なものなのかは別問題。
実はそれほど必要で無いものも間取りの中に入っている場合もあるんですね。
もちろん予算が無限にある場合は全て入れることも可能かもしれませんが、家の予算には限りがあります。
要望の優先順位をつけることで、家に必要なことが詰まった密度の濃い、コストパフォーマンスの高い家にすることができるようになるんですね。
そのため、まずは「家づくりで絶対に欲しいもの」、「できれば欲しいもの」をしっかり仕分けした上で優先順位をつけることが良い間取りにするための必須項目となります。
優先順位を付けると言うと少し難しく感じるかもしれませんが、どうすれば優先順位が付けられるようになるかは下の記事に書いてあるので参考にしてみてくださいね。
→それはモチベーションが上がるものですか?家の優先順位で迷った時に考えたいこと
プロに間取りを設計してもらう
家の間取りを打合せする場合、あなたの要望を設計士(または営業マン)がヒアリングして、その要望を元に間取りを作成し、その間取りを元に何度か打合せすることで間取りが確定するというのが基本的な流れになります。
そして、この間取りのクオリティは間取り作る人によって大きく変わってきます。
例えば、設計士がヒアリングをして間取りを作ることもあれば、営業マンがヒアリングをして間取りを作ることもあります。
でもよく考えてみてください。
設計士は間取りを作るプロですが、営業マンは家づくり全体を見ることに関してはプロですが、間取りに関してはプロではありません。
(中には間取りのセンスがとてもある営業マンもいますが、10人に1人か2人くらいです)
この時点で出てくる間取りのクオリティが違ってくるのがお分かりになるのではないでしょうか?
その他には営業マンがヒアリングをして設計士が間取りを作るというケースも有ります。
その場合、営業マンがただ要望をメモして設計士に伝えるのか、それとも要望を詳しく聞いた上で設計士に伝えるのかでも間取りの質は違ってきます。
どちらが良いかは簡単に分かりますよね。
家の要望はただの伝言ゲームではありません。
「〇〇したい」という要望の背景にある本当の目的が設計士まで伝わることが大切なんですね。
→間取りで失敗しないために知っておきたい後悔しない間取りの作り方
ただのご用聞きなのか、それともあなたの理想の家のことを詳しくヒアリングしてくれるのか。
ヒアリング次第でもその会社の設計力を計る事もできます。
また、同じ設計士でも提案をしてくれる設計士と、あなたが言った事しかしてくれない設計士というように、設計担当者次第でかなり違いが出てきます。
例えば、間取りが出てきて「次回に変更点を言ってください。その変更をして間取りを確定します」と言われても困りますよね。
「変更が無ければそれで間取りが確定」と言われても何が良くて悪いのかはよく分からないものです。
やはりプロとしての提案が有るか無いかは、家を建てるのに大きな分かれ道となります。
プロが作る間取りと、そうでは無い人が作る間取りというのは明確に違いがあります。
本当は間取りの中で気になる点を聞いた上で、その問題を解決するための提案や、変更した場合のデメリットの方が大きいのであればデメリットを踏まえてどうするかなど、しっかりした対話があった上で納得した間取りができあがります。
あなたの打合せしている会社が間取りに対してどんなスタイルなのか。
この辺りも踏まえながら住宅会社選びを行いたいですね。
→危険な間取りの3つの特徴。あなたの設計担当者はこんな人ではないですか?
家づくりは住んでからが本当のスタート
家づくりをしているとついつい間取りや予算と言ったものに意識が行ってしまいますが、家づくりは「家を建てること」が目的ではなく、「できた家で家族楽しく暮らすこと」が本当の目的となります。
家は完成してからが本当のスタートなんですね。
そのため、無理な家づくりは絶対にしないようにしてください。
例えば、予算を無理して家を建てたばっかりに新しい生活で生活費がカツカツになってしまっては楽しい生活を送ることは難しくなってしまいますし、それでは何のために家を建てたか分からなくなってしまいますよね。
同じように、何となく急かされて家の契約をしてしまい、何かモヤモヤしながら家づくりを進めてしまうというケースもよくあります。
でも、それで本当に良いのでしょうか?
家づくりはどれだけ自分たちの選択に納得できたかで住んでからの満足度は変わってきます。
納得できていれば、もし建てた家で何か使い勝手に少し不満があった場合でも、いろいろ検討して納得して答えを出しているのでそれほど不満に感じることはありません。
一方、納得せずに家づくりを進めてしまった場合は、後になってもその事がずっと心の中に引っかかってしまう可能性が高くなってしまいます。
家は完成してから何十年も一緒に暮らす場所です。
それなのにそんな気持ちでは、とてももったいないですよね。
そのため、家づくりでモヤモヤした場合は一度足を止めてモヤモヤの原因を考えてみるというのがとても大切になります。
そのモヤモヤが解消されれば良い家づくりに一歩近くことになりますし、もしそのモヤモヤが解消されないのであれば、もう一度スタート地点に戻ったり、しばらく家づくりはお休みするのも1つの方法です。
もちろん、住宅会社は家づくりをする方の背中を押すことも仕事なので、家づくりをストップするとは言いにくいことも事実です。
でも、家づくりはあなたのための、あなたの家族のための家づくりです。
無理に家づくりを進めるのではなく、時には一休みすることもできる。
そんな気持ちに余裕を持った上で家づくりをすることが、最終的に本当に良い家を建てることに繋がってくるんですね。
まとめ
今回は家づくりで失敗しないための7つの法則について見てきました。
家づくりで必要な知識というのは数多く有りますが、まずは今回ご紹介した7つのことを頭に入れておくことで、あなたの家づくりが失敗する可能性はとても低くなりますし、あなたに合った家ができる可能性はグッと高くなります。
家づくりはほとんどの方にとって一生に一度あるか無いかのライフイベントです。
せっかくのそんな大イベントなので成功させたいですし、ぜひ楽しみたいですよね。
今回の内容を参考に、家づくりを楽しんで見てくださいね。
では。
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→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】