「洗面所の広さで質問があります。私が家を建てるビルダーでは洗面所の大きさは1坪のサイズが標準となっているんですが、この大きさで問題ないでしょうか?今の家(賃貸)よりも広くはなるんですが、今の家の洗面が狭くて物の置き場も無いので、どのくらいの広さが良いのか分からなくて。」
読者さんよりこのような質問をもらいました。
確かに家を建てる時、1坪サイズ(畳2帖分)の洗面所って多いですよね。
ちなみに1坪の洗面所を図面で見るとこれくらいの大きさになります。
寸法的にも納まりやすいのも1坪サイズの洗面が多い理由の1つですが、確かによく見かける1坪サイズの洗面書で大丈夫か心配になる気持ちもよく分かります。
そこで今回は、1坪の洗面所をつくる時に注意したいポイントと、おしゃれで使いやすい洗面所にするためのポイントについてお話したいと思います。
それではどうぞご覧下さい。
洗面所にあると便利な物
あなたにとって理想的な洗面所っていうのはどんな洗面所でしょうか?
理想的な洗面所にするためには、少なくとも洗面所で必要な物がすべて揃っていて使いやすい洗面所である必要があります。
そこで、まずは洗面所で使う物や洗面所に置いておきたい物にはどんな物があるのか見てみましょう。
洗面所で使うもの
洗面所で使うものと言えば、歯ブラシやドライアーなど洗面台で使うものがまず挙げられます。
さらに、お化粧や髪のセットも洗面所でする場合は、化粧用品やドライヤーなど身だしなみを整えるに使うもの一式を洗面所に置いておく必要がありますね。
また、洗面所には顔や手を拭くためのタオルやタオル掛けも必要となるので、タオルのストックも置いあると便利です。
このように見てみると細かい物が多いものの、洗面所を洗面専用に使う場合はそこまで多くの物が必要とならない事が分かります。
洗面台の収納を上手く使えば何とかなるくらいの物の量ですね。
でも、一般的には洗面所が脱衣所を兼ねる場合がほとんど。
脱衣所を設けられるとベストではありますが、スペースの関係で脱衣所を設けられなかったり、脱衣所を作るよりもLDKなど他の部屋の広さを優先するということもよくあります。
そうなると、洗面所において置きたい物が一気に増えてきます。
それでは、洗面所が脱衣室を兼ねるとどうなるか見てみましょう。
洗面所が脱衣所も兼ねると・・
洗面所が脱衣所を兼ねる場合、まずはお風呂に入る時に脱いだ服を入れておくカゴなどの入れ物が必要になりますし、同じように洗濯したものを干すまでに運ぶためのカゴなども必要となってきます。
(脱いだ物はそのまま洗濯機に入れるという方法もありますが、タオルや服など汚れによって分けて洗濯したり、オシャレ着などは分けて洗濯することがほとんどなので、脱いだ物は別にしておいた方がやはり便利です)
さらには洗濯後にすぐにハンガーに掛けるという人はハンガーを置いておく場所も必要ですし、すぐにハンガーを引っ掛けられるようにランドリーパイプなんかもあると良いですね。
また、お風呂に入る時に使うタオルや下着などの着替え類、バスタオルあたりも洗面所に置いておけるとやはり便利です。
その他に、お風呂の清掃道具なども洗面所に置いておく事になりますし、バブなど入浴剤をよく使うという方は使いやすい位置に入浴剤も置いておく必要がでてきます。
さらにはお風呂から上がった時に使うバスタオル掛けなんかも欲しいですね。
ざっと脱衣所も兼ねた洗面所で必要な物を挙げましたが、洗面所が脱衣所も兼ねると置いておきたい物は物すごく増えてしまうんですね。
おしゃれな洗面所の必須条件
おしゃれな洗面所をつくる場合、今まで挙げてきた物をまずはキレイに収納する必要が出てきます。
脱衣所も兼ねた洗面所をつくる場合、収納がないと物が溢れ変えるようになってしまからなんですね。
そうなってくると、いくら見せ方を工夫してもキャパシティーオーバーとなり、おしゃれな洗面所にするのは至難の業となってきます。(見せる収納という方法もありますが、洗面所は雑多な物が多いので見せる収納にするのはかなり難しく、また洗面所に置くものは生活感が出やすい物が多いので難易度が見せる収納は難易度が高くなってしまいます)
そのため、洗面所をおしゃれにスッキリさせるなら、間取りをつくる段階で洗面所に収納を作っておくのが必須となってくるんですね。
洗面化粧台は造作もおすすめ
最近では洗面化粧台も既製品の物を使わずに造作でつくる人も多くいらっしゃいます。
洗面化粧台を造作でつくると洗面所の雰囲気が大分変わるので、おしゃれな洗面にしたい方は造作の洗面はオススメです。
また、来客が多く洗面の手洗いをよく使う事が有るという場合なんかにも、造作洗面だと洗面所全体の生活感も抑えやすいなります。
さらには造作の洗面はキッチンやお風呂と比べると造作にした時の金額アップも少ないので、お金をあまり掛けずに家に手を加えられるので、コストパフォーマンスは高いと言えます。
自分の好きな洗面ボウルを使ったりしてホテルライクな洗面所をつくるのも可能ですし、タイルを貼って雰囲気をつくるなんていうのも造作洗面だとお手の物なんですね。
一方、洗面を造作にする時に注意するポイントもいくつかあります。
何を注意すればいいのでしょうか?
一番の注意点は、洗面ボウルの大きさと深さを確認することなんです。
洗面ボウルの深さが浅いと水はねする事も多くなってしまうので、洗面ボウルをおしゃれな見た目だけで判断せず、実際の使い勝手まで想定することが重要なんですね。
ちなみに、この洗面ボウルは大きいですが深さが浅いので、見た目とはウラハラに水跳ねがしやすいです。
水跳ねが気になる場合は、壁をタイルなど水に強い素材にしておくのも大切なポイントになります。
また、既製品の洗面化粧台は蛇口が伸びるようになっているのがほとんどですが、造作だと蛇口が伸びるタイプの水栓はほとんどないので、毎朝洗面台のシャワーで寝癖を直したいという人は注意が必要です。
あとは、洗面の下の収納を引出しにしない事。(これはデザインする設計者の判断ですが)
引出しがあるとタオル掛けが付けられなかったり、排水管が邪魔で意外と物が入らなかったりと、洗面台と引出しの相性はあまり良くないんですね。
その他、最近では洗面化粧台は既製品の物を使っても、鏡は既製品の物でなく自分の好きな物を付けたいという方も多くいらっしゃいます。
その場合、鏡に収納がついていないことが多く、歯ブラシやコップなどを置いておく場所を考える必要が出てきます。
洗面所では、濡れた小物をどこに置いておくかも重要なポイントとなるんですね。
洗面ボウルを2ボウルにするという方法も
造作で洗面をつくる場合、洗面ボウルを2ボウルにするという方法もあります。(少し広めの洗面にする必要もあります)
ボウルが2つあれば、朝の洗面渋滞を緩和するのにとても効果的なんですね。
特に家族が5人以上の家庭や、4人家族でも旦那さん以外みんな女性という場合は2ボウルを検討してみてもいいですね。
洗面ボウルを2つにする場合、1度振り返ってみたいのが実際に洗面ボウルが2つある事で洗面が使いやすくなるのかどうかということ。
本当は洗面ボウルが2つ必要な訳ではなく、幅の広い鏡があれば十分であったり、ボウルは1つで物をしっかり置けるスペースが沢山ある方が良いというケースもあります。
例えば、今の住まいの洗面台で旦那さんと奥さんの朝の身支度で洗面ボウルを使う時間が被ってしまっているなど実際に不便がある場合や、さらにはこれからお子さんが大きくなって洗面ボウルの使用時間が被る可能性が高いと言う場合は洗面ボウルを2つにするのは効果的です。
一方、実際に洗面ボウルを使うケースとしては顔を洗った時や歯を磨いた時くらいで、その他は鏡の前で身支度しているという場合は、洗面ボウルを2つにするよりも広いカウンターと大きな鏡が有る方が良いケースもあります。
このように、1度しっかりと洗面所を使うときのシミュレーションしてみると、よりあなたの家族に合った洗面台にすることができますよ。
1坪サイズの洗面所
ここまで洗面所についてイロイロ見てきましたが、では最後に読者さんの質問に立ち返り、1坪サイズの洗面所の使い勝手について見ていきましょう。
まずは1坪の洗面所をつくる時のポイントをいくつかご紹介します。
洗面所は引き戸
洗面所の出入り口は引き戸がオススメ。
理由は、ドアの場合だと洗面所の中に人がいる状態でドアを開けると、ドアと人がぶつかる恐れがあるからなんです。
特に、朝の身支度を洗面所でする場合、少なくとも洗面所で数分間は身支度することになります。
女性なら鍵をかける事もありますが、男性でわざわざ洗面所に鍵をかける人はあまりいませんね。
そんな朝の込み合う時間に誰かが勢いよく洗面所に入ってくると、身支度している人とドアがぶつかる何てことが起こりえます。
人の動線とドアが重なってしまうんですね。
→その間取りは動線が考えられていますか?家の間取りと動線について
さらに洗面所に入ってすぐお風呂がある場合、出入り口がドアだとバスマットとドアが干渉してバスマットがぶつかってしまうことがあります。
そうなると使いにくくて仕方がないですね。
(同じように、お風呂の近くに収納がある場合は扉がバスマットと被らないかどうかもチェックしておきたいポイントです)
このように洗面所とドアは相性があまりよくありません。
コスト削減で引き戸ではなくドアばかり使っている会社では使い勝手関係なくドアを使用し、実際に住んでからドアではなく引き戸にすれば良かったというケースもよくあるので注意してくださいね。
引き戸の裏を収納に
洗面所ではタオルやバスタオルを掛けるのに壁が必要となるので、どれだけ壁があるかが重要になってきます。
でも収納をつくったり、出入り口を引き戸にしたりしていると、壁がどんどん無くなっていきますよね。
そこで、引き戸の裏に収納をつくるのもおすすめです。
こんな感じですね。
こうすれば、収納に扉をつける必要はありませんね。
収納の中は見せても大丈夫なようにキレイに整えておくか、カゴにタオルや小物などを入れておくとすっきりしてキレイに見えます。
さらにはバスタオルを掛ける場所がなければ、バスタオル掛けを引き戸に取り付けてしまう方法もあります。(タオル掛けを付けるのに下地がいるので、どんな引き戸でも大丈夫な訳ではありませんが)
こうすれば、少ない壁でも問題なくタオル掛けを取り付ける事ができるようになります。
収納スペースが無い場合
それでも「洗面所に収納スペースが取れないよ」というケースも出てきます。
そんな場合は、洗濯機まわりに置けるランドリーラックを活用するという方法もあります。
ランドリーラックは様々な種類が販売されていて、なかにはハンガーを掛けれるものや、脱いだ物を入れておけるカゴ付きの物も出ています。
例えば、上の画像はアイリスオーヤマの商品です。
さすがアイリスオーヤマ。何でもありますね。
このようなラックを使って洗濯機の上を有効活用する方法もあります。
(画像の洗濯物を入れるカゴは布製ですが、洗濯物など水気がある物を入れるカゴは布製以外を選ぶのが鉄則です。布だといつかカビが生えてきます。)
このように、ランドリーラックを活用すると洗濯機の上を有効活用できるので収納量はアップするのですが、注意点が1つあります。
それは洗面所の窓です。
洗面所は洗面化粧台の前に鏡がくるので、洗濯機の後ろに窓があることが多いんですが、ランドリーラックに物を置きすぎると窓がメチャメチャ空けづらくなってしまうんですね。
図面でいうとこんな感じです。
そのためランドリーセットを置く場合は、あらかじめ窓の位置を天井一杯の高窓にしておいてチェーンで窓を開け閉めするなど、洗面所をどう使うか家を建てる前に考えておくのが重要となります。
開けられない、また物で被って光が入らない窓ほどもったいない物はありません。
ただ家の熱を奪ってしまって寒くなるだけの窓になってしまうんですね。
洗面所は特に生活に密接に関係してくる部分なので、家ができてから考えるのではなく、あらかじめ間取りの段階でストレスが少なくなるよう配慮しておくのが大切なポイントとなってくるんですね。
まとめ
今回は洗面所をテーマに、理想の洗面所のつくり方についてお伝えしてきました。
洗面所は家族が毎日使う場所ですし、家族の物も多く集まる場所です。
それだけ使い勝手が日常生活に直結してくる場所なんですね。
家をつくる前に、洗面所に何を置いてどんな使い方をするか考えてみる。
これが使いやすくておしゃれな洗面所をつくるためのポイントとなります。
あなたもぜひ、使いやすくて快適な洗面所をつくってくださいね。
では。
水まわりはこちらも参考にしてください。
→対面キッチンはどれがおすすめ?5つの対面キッチンとメリット、デメリット
→キッチンの床をタイルにした時のメリットとデメリットを解説します
→おすすめの食器棚やカップボード、4選。あなたはどれがお好みですか?
→階段下収納や階段下トイレってどうなの?効果的な階段下の使い方
→玄関の側にトイレってどうなの?トイレで間取りの善し悪しが分かります。
→水回りはレイアウトで使い勝手が変わる!水回りの間取りで知っておきたい7つのこと
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家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。
→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】
→家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】
→注文住宅を建てる前に必ず知っておきたい!注文住宅のメリットとデメリット
家づくりで失敗したくない!そんな方こそ、間取りが重要です。
建築士が教える今日の問題解決
おしゃれで使いやすい洗面所をつくる時のポイントって何?
- 洗面所で使うものがどれだけあるか書き出してみる。
- 書き出したものをどこに収納するか想定してみる。
- 洗面所には収納をもうける。
- 洗面所の出入り口は引き戸がおすすめ。
- 洗面台を造作にすると雰囲気が大きく変わる。