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家の断熱性能を上げるのに1番簡単な方法

家を建てるなら、冬は暖かく、夏は涼しい家にしたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

やはり家の中では快適に過ごしたいですよね。

 

そんな快適な家にするために重要になってくるのが、家の断熱性能です。

断熱性能とは簡単に言うと、家の中の暖かい空気がどれだけ外に出ていくかを数値化したものになります。

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では、家の断熱性能を上げるにはどうするといいのでしょうか?

もちろん予算をいくらでも掛ければ断熱性能は上げることができますが、どうせなら1番効果的でコストパフォーマンスの高い方法を使って断熱性能を上げれるとベストですよね。

そこで今回は、断熱性能を上げるために1番簡単な方法についてご紹介したいと思います。

断熱性能を簡単に上げるには

「家の断熱性能を上げるなら、断熱材を良い物にすればいいんじゃない?」

確かに断熱性能を上げると言うと、家の壁に入っている断熱材を良い物にすれば断熱性能が上がると思いますよね。

でも実は、断熱材で家の性能を上げるのは結構大変なことなんです。

 

理由は、すでに最近の新築住宅はある程度の性能をもつ断熱材を入れているので、そこからさらに断熱性能を上げるにはかなりの手間とコストが掛かってしまうようになるんですね。

断熱性能を上げる目的は家の中の温度を快適にすることなので、高いコストを払って断熱材を良くするよりも他に断熱性のを上げる効果的な方法があるのであれば、そちらを採用したほうがメリットは大きくなります。

 

では断熱材以外に、家のどの部分の性能を上げれば断熱性能が上がりやすいのでしょうか?

 

答えは家の「窓」です。

 

実は、一般的な窓は壁の1/10くらいの断熱性能しか無く、せっかく家の中の暖めたり冷やした熱が窓からどんどん逃げていってしまうんですね。

冬の暖房時に窓から逃げる熱は約50%、夏では70%の熱が窓から入ってくると言われています。(一方、壁から逃げる熱や入ってくる熱は10〜20%ほどです)

それだけ窓は家の断熱性能の弱点となりやすい場所と言えるんですね。

 

さらに窓は、断熱材のようにすでにある程度高性能の物がどの家にも入っている訳ではなく、性能の振れ幅が大きい部分でもあります。

ちなみに、窓次第で3倍ほど性能に差がつくことになります。

これほど差がある部分は、家の中を見渡してもそうはありません。

 

このように、窓は家の断熱性能の弱点となる部分なので、極端な話をすれば窓を無くしたり極力小さくすることで、家の断熱性能は大きく上げることができます。

 

でも、窓の無い家は暗くて風も入らず圧迫感の強い家になってしまいますし、窓を小さくしただけの家も同じことが言えます。

窓は光や風などをコントロールする役割があるので、窓次第で家の住み心地が大きく変わってくるんですね。

そのため、窓の性能を確保しつつ、いかに効果的な窓の選択と配置を行うかが重要になってきます。

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窓の性能を上げる

家の窓3

家の断熱性能だけでなく様々な部分に影響してくる窓ですが、使用する窓の性能次第で断熱性能は3倍ほど違ってくると先ほどお伝えしました。

窓の性能次第で、家から逃げる熱や入ってくる熱を劇的に変えることができるんですね。

性能が低い窓を使うと、結露の原因になってしまうことも・・。

 

では、窓をどのようにグレードアップすれば断熱性能がアップするのでしょうか?

窓の性能はサッシ(窓枠)部分とガラス部分の2つに分けられ、それぞれ効果的な物を選ぶのがポイントになってきます。

それではまず、サッシの性能について見ていきましょう。

 

サッシの性能

サーモスⅡサッシ一覧Photo:http://webcatalog.lixil.co.jp/

サッシは使われている素材次第で断熱性能が決まってきます。

代表的なサッシを性能が低い順から挙げていくと、

  • アルミサッシ
  • アルミ樹脂複合サッシ
  • 樹脂サッシ
  • 木製サッシ

このような順番になります。

(ちなみに、アルミは樹脂や木材の1000倍以上も熱を通しやすい材料ですが、価格の安さと耐久性、気密性の良さから木材ではなくアルミサッシが普及するようになったという経緯があります)

 

10年ほど前はアルミサッシが使われている家をよく見かけましたが、最近ではアルミサッシを見かけることはかなり少なくなりました。

やはりアルミサッシは結露の原因になることも多く、省エネ住宅が必須となってきた最近では使われなくなっているんですね。

その一方、ここ最近で標準的に見るようになったのがアルミ樹脂複合サッシです。

アルミ樹脂複合サッシというのは、室外側に耐久性耐久性の高いアルミを使い、室内側に熱が伝わりにくい樹脂を使ったサッシのことを言います。

アルミ樹脂複合サッシの断面を簡単に描くとこんな感じです。

アルミ樹脂複合サッシ

熱が伝わりやすいというアルミの弱点を樹脂で補っているんですね。

一方、樹脂サッシや木製サッシになると、枠がすべて熱を通しにくい樹脂や木で作られているサッシということになるので、窓の断熱性能はより高くなります。

 

このように窓は家の断熱性能を大きく左右するので、やはりアルミサッシを使うのではなく少なくともアルミ樹脂複合サッシを使いたいですね。

これは、これから家を建てるなら最低限おさえておきたいポイントと言えます。

 

また、サッシの種類は家の中の見た目にも意外と大きな影響があります。(サッシの色、質感、枠の細さ、太さなど)

インテリアに関心がある方は、デザイン面も含めてサッシを選びたいですね。

アルミ樹脂複合サッシに比べて樹脂サッシや木製サッシは性能が良い一方、デザインの幅は限られてくるので、デザインと性能のバランスを見ながらサッシを選ぶと間違いがありません。

ちなみに、価格は基本的に断熱性能と同じでアルミサッシが一番安く、樹脂や木製サッシの方が高くなります。

 

ガラスの性能

窓の性能について見る場合、サッシだけでなくガラスの性能も重要になってきます。

 

昔は「単板ガラス」と言ってガラスが1枚のものが多く使われていましたが、今ではガラスを2枚使った「複層ガラス」が主流となっています。

「ペアガラス」と呼ばれるガラスですね。(さらにガラスを増やした「トリプルガラス」というのもあります)

また、通常はガラスの間のには乾燥した空気層が入っていますが、より断熱性能が高いアルゴンガスを入れたものや真空タイプのガラスもあります。

 

ガラスは新築の住宅で単板ガラスを使うことはほとんど見ないので、基本は複層ガラスとなり、性能を高めたい場合や寒い地域ではトリプルガラスやアルゴンガス入りのガラスを使うということが多いです。

 

その他ではLow-Eガラスと言われるガラスが標準仕様になることも多くなりました。

Low-Eガラスとは、サッシのガラスの中に特殊金属膜を設けた物のことで、金属膜を設けた位置によって断熱性能が高いガラス、遮熱性能が高いガラスというように2種類に分けることができます。

(そのため、Low-Eガラスは薄らと緑や青といった色がガラスに付いているように見えます)

 

Low-Eガラスを使う場合、基本的には高断熱ガラスでいいですが、西側など西日が厳しい場所は遮熱タイプのLow-Eガラスにしておくのがオススメです。

Low-Eガラスにするのにそこまで費用が掛かることはないので、家を建てるなら取り入れておきたいですね。

 

窓の選び方

これまで、窓を構成するサッシとガラスを見てきました。

サッシ単体、ガラス単体という形でこれまで見てきましたが、窓はサッシとガラスの組み合わせ次第で性能が決まってきます。

 

では、窓の性能をどのように判断すればいいのでしょうか?

カタログに記載されている数値を見れば性能を比べることができますが、それ以外の簡単な見分け方としては、サッシに付いている省エネ建材等級というのを見れば分かりやすいです。

raberu

Photo:http://tostem.lixil.co.jp/iedukuri/dannetsu/

星マークが多いほど性能がよくなるんですね。

昔はガラス、サッシと別々に記載されていましたが、今は窓としての性能で★の数が決まるので分かりやすくなりました。

 

ちなみに窓について実際に選ぶ場合、工務店や住宅会社の標準の窓に対して性能を重視する場合に窓のグレードを上げていくという流れが一般的です。

家の性能に力を入れている会社は標準の窓も性能の高い窓が多く、デザイン重視やローコストが売りの家は標準の窓の性能も低い傾向があります。

 

また、窓の種類は断熱性能が上がるごとにバリエーションが少なくなるという傾向もあり、デザインと家の性能、価格のバランスに合った窓を選ぶのがベストになってきます。

 

窓のグレードが高ければ、それだけ家の本体価格に影響してきますし、デザインと性能のバランスを上手く見ながら標準仕様を決めている会社も多くあります。

パッと見で価格が安く見えても、このような性能に影響する窓などのグレードが低く、後々オプションで金額がどんどん上がっていくケースも見受けられるので、どの窓を使っているかは最初にしっかり確認しておいてくださいね。

まとめ

今回は家の断熱性能を上げる方法として、窓についてお伝えしてきました。

断熱材の厚みやグレードをアップさせるよりも、窓の断熱性能を上げることが一番簡単に断熱性能を上げる方法になります。

家の性能が気になる方は、ぜひ窓のグレードを意識してみてくださいね。

 

※余談となりますが、窓は風通しや家の外観にも影響してくる部分ですし、窓だけでなくカーテンや軒などを上手くつかうことで窓の性能を補うこともできるようにもなります。

そのため意外に重要なのが、窓を上手く使える会社、設計士なのかというのも結構重要なポイントになってきます。

窓を活かすかどうかも家の設計次第になってくるんですね。

 

では。

 

窓についてはこちらを参考にしてくださいね。

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  • 窓の断熱性能を上げるのが一番効果的。
  • 窓にはサッシ性能、ガラス性能があり、予算とデザインを見ながら選ぶと効果的。
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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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