玄関横のトイレ

間取りでお悩みの方はコチラ 読者さんからの相談

玄関の側にトイレってどうなの?トイレの位置で間取りの善し悪しが分かります。

「作ってもらった間取りでトイレが玄関の側にあるのですが、玄関近くにトイレがあっても大丈夫でしょうか?ちょっと心配です」

読者さんよりこのような質問をもらいました。

 

玄関の近くにトイレがある間取りというのも意外とよく見かけますよね。

トイレがあまりに目立つところにあると落ち着かないトイレになるので、トイレはどちらかというと家の目立たない場所に配置されることが多くなります。

その結果、玄関付近にトイレが配置されるという訳ですね。

 

このように家の間取りでは脇役となりがちなトイレですが、実はトイレに注目すると間取りの善し悪しというのが見えてきます。

そこで今回は玄関側のトイレだけでなく、トイレの位置と間取りの善し悪しの関係についてもご紹介していきたいと思います。

それではどうぞご覧下さい。

トイレの位置で間取りの善し悪しが分かる

トイレの場所

「トイレを家のどこに配置するのか」

意外かもしれませんが、私たち建築士にとってトイレの位置を決めるっていうのは間取りの中でも結構難しい項目の1つです。

たとえば、よく目立つ場所や部屋から丸見えの場所に配置してしまうと落ち着かないトイレになってしまいますし、かといってあまりに家の片隅にトイレを配置してしまうとトイレを使うのに毎回遠くまで移動するというのも手間に感じてしまいます。

その間取りは動線が考えられていますか?家の間取りと動線について

 

そのためトイレは見え過ぎず、また日常生活で使いやすいバランスの良い場所にトイレを配置できるのがベストとなるんですね。

その分だけトイレの位置を見れば間取りの質というのも分かりますし、トイレの配置が微妙な間取りは実際に住み始めると間違いなく不便さを感じます。

それほど間取りの中でトイレの位置というのはキーポイントとなってくるんですね。

トイレで1番避けたい場所

では、1番ダメな配置のトイレってどんなトイレなんでしょうか?

 

それは、リビング(LDK)から丸見えのトイレです。

トイレのドアを開けると、ソファが真ん前にあって座っている人と目が合ってしまう・・。

こんなトイレは嫌ですよね。

トイレは音も気になる場所なので、LDKのすぐ側だとあまり落ち着かないトイレになりがちですし、くつろいでいたり食事をしているのにトイレの中がしょっちゅう見えたり音が聞こえるというのは気分の良い物ではないですよね。

 

そのため、少なくともトイレはLDKから中が直接見えないように、またどうしてもLDKの側にトイレをつくる場合なんかでも目隠しを造ってトイレが丸見えにならないようにしたりと、何かしらワンクッションを挟むなどの配慮が必要になってくるんですね。

トイレ配置のバリエーション

洗面室を通るトイレ

洗面横のトイレ

では次に、トイレの配置のバリエーションについて見てみましょう。

トイレをLDKの外に配置する場合、洗面所を通ってトイレに行くというような間取りもあます。(上の図面参照)

このような間取りは30坪に満たないようなコンパクトな家の場合によく見かけます。

 

洗面を通ってトイレに行く場合のメリットとしては、洗面台を手洗いとして使える事が挙げられます。

また、トイレを限られたスペースに配置できたり、あまり人目につかない場所にトイレを配置できるので、コンパクトな住宅の場合は洗面所を通ってトイレに行くのがOKかNGかで間取りの自由度というのは大きく変わってきます。

 

一方、洗面を通ってトイレに行く場合のデメリットは、洗面やお風呂を使う人とトイレを使う人のタイミングが同じになった場合に発生します。

洗面とお風呂は繋がっている事が多いので、誰かがお風呂に入っている時にトイレに行きづらいですし、その逆もあり得てしまうんですね。

そのため、トイレが1つだけだとストレスになりやすいので、洗面を通って行くトイレをつくる場合、やはりトイレは2つ欲しいところです。

 

また、洗面を通って行くトイレの派生バージョンとして、扉でトイレと洗面所を分けずに一体の空間にして、ホテルライクなオシャレなトイレと洗面にすることもあります。

普通は狭くなりがちなトイレを洗面と一体でつくることでスペースを広く取れますし、明るくオシャレな水まわりにしやすいんですね。

洗面と一体のトイレ

この場合のポイントは、トイレと洗面を2人同時に使うことができないので、別の階にトイレと身だしなみの整えられる洗面(手洗い)を設けるのが必須となってきます。

例えば、1階にLDKと手洗いがあり、2階に水まわりがある間取りの時などは、このようなトイレと洗面が一体の水まわりを造りやすいといえます。

玄関近くのトイレ

トイレの位置

では最後に、読者さんの質問にあった玄関近くのトイレについて見ていきましょう。

 

まず、玄関の側のトイレというのは、昔は結構避けられる事が多くありました。

その大きな理由は2つ。

それは「昔の家には廊下が多かった」ことと「近所付き合い」が理由です。

 

まずは「昔の家には廊下が多かった」ことについて見てみましょう。

 

先ほどのリビング近くのトイレのケースも同じですが、最近の家は昔と比べて「廊下」というものを極力つくらない事が増えました。

「廊下」をつくると空間が細切れになりやすいですし、「廊下」は移動だけの無駄なスペースという扱いを受ける事が多いんですね。

もちろん、大きくて広い家では廊下が必要ですが、30坪前後の家だと廊下のスペースはすごくもったいなく感じる人も多いですし、実際に廊下の長い家は変な間取りであることが多いです。

ツッコミどころ満載の住宅チラシが入っていたので、ツッコミを入れます。

廊下のない間取りにするための5つのポイント

 

ただ、廊下が無くなった事で、トイレをつくる場所が難しくなったのも事実です。

廊下があると部屋とワンクッション挟む事ができたので、トイレなど部屋と分けたい物は廊下に持ってくれば良かったからなんですね。

そのため、わざわざ玄関にトイレをつくる必要が無かったというのが1つ目の理由です。

 

次に近所付き合いについてですが、昔の家は来客が来ても玄関で話し込む事が多く、玄関のすぐ近くにトイレがあるとトイレに行きたくても行きづらいというのも、玄関側のトイレが嫌われた理由です。

また、今ではインターホンにカメラが付いていてモニターを見ながら通話できるのが当たり前になりましたが、昔は音しかならないインターホンが多く玄関先で人と合うことが今より多いのが普通でした。

さらに昔は、トイレが2つある家なんかもそんなに無かったので、なおさら不便だったんですね。

 

一方、これらの理由を現代に当てはめてみると、廊下をつくる事がほとんど無くなったので廊下にトイレをつくるとい事自体激減しましたし、近所付き合いも昔と比べて少なくなりました。

さらにはインターホンが発達して会話だけではなくモニターで顔も確認できるようになり、ある程度の事は玄関に招き入れなくてもインターホン越しで完結するようになりましたし、最近では親しい人が来たら玄関で話し込むのではなくリビングまで案内するのが一般的になり、昔と比べて玄関の使い方自体が変わるようになりました。

 

そのため、今では玄関の近くのトイレを嫌う人は昔程多くありませんし、生活習慣を考えてみてほとんど影響が無いのであれば、玄関の側にトイレをつくっても問題はほとんど起こりません。

 

ただ、トイレのドアが玄関にいる人にぶつかったりすると危ないですし、トイレの中が玄関から丸見えというのはどうかなと思うので、安全性やトイレの見え方には気をつけたいですね。

玄関にトイレをつくる場合にも、やはり一定の配慮が必要となってきます。

まとめ

今回はトイレの位置について見てきました。

読者さんの質問にあったように、玄関にトイレをつくる場合もそうですし、その他の場所につくる場合でも、トイレをつくる位置や見え方というのは細心の注意が必要となってきます。

それだけトイレというのは配置する場所が難しく、間取りの善し悪しや設計者の気配りなどはトイレを見ると見えてくるんですね。

 

皆さんも間取りを見る時にはトイレの位置に注目して見てみてはいかがでしょうか。

間取りを見る目がきっと鍛えられてくるはずですよ。

では。

 

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  • 落ち着いたトイレになっているかどうか。
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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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