「オシャレで使いやすい玄関にするにはどうすればいいの?」
これは家づくりをされている多くの方からよくいただく質問です。
玄関は毎日使う場所ですし、外から家に最初に入る場所となるので家の顔とも言えるものです。
では、そんな玄関をオシャレで使いやすくするにはどうすればいいのでしょうか?
今回は玄関の間取りを見ながらオシャレで使いやすい玄関について見ていきたいと思います。
家づくり中の方や間取りが気になる方はぜひご覧ください。
間取りで玄関を使いやすくする
どっちの玄関の方が使いやすい?
使いやすい玄関の話を始める前に、まずは簡単なクイズを1つ。
たとえば下のような2つの同じ面積の玄関があるとします。
では、どちらの玄関の方が実際に住み始めてから使いやすいと感じるでしょうか?
答えは横長の玄関。
玄関は横幅が広い方が使い勝手がいいんですね。
たとえば横長の玄関であれば家族で出かける時に何人も同時に靴を履くことができるようになりますし、来客時など靴を並べる場合も横一列に並べることができるのでキレイに揃えることができます。
また、玄関の框(かまち)は横に広い方がキレイに見えるので玄関に入ったときの印象も良くなる効果があります。
→上がり框(あがりかまち)って何?玄関の印象が大きく変わる上がり框の話
その反対に、玄関の幅が狭ければ狭いほど同時に靴を履ける人の数は限られるため出かける際に渋滞が起こる原因となります。(ブーツなど履くのに時間が掛かる靴だと尚更です)
また靴を並べる時も2列や3列になるなど靴の数が多ければ多いほど玄関が使いにくくなりますし見た目もあまり良くありません。
縦長の玄関は賃貸アパートや賃貸マンションの玄関を思い浮かべると分かりやすく、賃貸アパートや賃貸マンションでは廊下の幅がそのまま玄関の幅になっていることも多いですし、玄関がいつもゴチャゴチャしているので家を建てるならスッキリした玄関にしたいという要望をよく耳にします。
(実際に家の要望を伺う時、このような悩みを持っている方はかなりいらっしゃいます)
そして、そのような散らかった玄関になってしまう原因として、玄関の幅というのが大きく関係しているんですね。
そのため、玄関の間取りを見る時は玄関の幅がどれだけ確保できているかというのが最初のチェックポイントとなってきます。
ちなみに、玄関ドアの位置でも玄関の使い勝手は変わってきます。
たとえば、先ほどの玄関ドアの位置を下ような配置にするとどうなるでしょうか?
玄関ドアの配置が変わることで玄関ホールからドアノブに手が届くので、宅配便の受け取りなどがよりスムーズにできるようになります。
そのため、玄関の間取りを見るときはより使いやすい玄関とドアの配置があるかどうか。
この部分にも注目しておきたいですね。
玄関収納はどこに置く?
玄関をスッキリ見せるためには靴が散らからない玄関にすることが大切なので、下駄箱や玄関収納など靴を入れるための収納も玄関に必要となってきます。
では、下駄箱や玄関収納は玄関のどこに置くと良いのでしょうか?
玄関収納の置き場は3つのパターンに分けられるので、どれが使いやすいか見ていきましょう。
まず1つは玄関の土間に収納を置くパターンです。
このような配置の場合、汚れた靴を出し入れするのに土間の上で完結できるというメリットがある反面、靴を取り出すのに土間に降りる必要があるというのはネックとなってきます。
2つ目のケースとしては玄関のホールに収納を置くという方法があります。
この場合は先程とは打って変わって靴の出し入れはホールで完結できるようになりますが、泥のついた靴を出し入れする場合はちょっと抵抗がありますね。
使い勝手を取るか、ホールが汚れやすいのを取るか悩ましい部分です。
最後が土間と玄関ホールの間に置くケース。
玄関の真ん中に収納があるので汚れた靴は土間側に置くことで汚れの心配はかなり少なくなりますし、玄関ホールから手を伸ばせば大体の靴は取り出せるようになります。
先程の2パターンの良いと取りといった感じですね。
そのため下駄箱や玄関収納はホールと土間両方から使えるようにすると一番バランスが良くなります。
ただ、先程の図面のように玄関の真ん中に玄関収納が有るというのは見た目的にはあまりキレイなものではありません。
玄関が凸凹してしまい、あまりオシャレに見えなくなってしまうんですね。
→新築の内装はどうすればオシャレに見える?内装を決める時の6つのポイント
そのため、スペースに余裕があるなら玄関全体に収納を配置できるとベストです。
こんな感じですね。
もちろん、すべて収納ではなく傘立てを土間に置きたいという場合は傘立てスペースを作るのもOKです。
覚えて置きたいのは下駄箱や玄関収納はできるだけ凸凹感を減らすためどちらかの端は壁に付けるということ。
そうすることでスッキリ見えやすくなるんですね。
使いやすい土間収納にするにはどうすればいい?
玄関の間取りについて考える時、下駄箱や玄関収納を置かずに土間収納を作ってスッキリさせたいという方もいらっしゃいます。
では、どうすれば使いやすい土間収納にできるのでしょうか?
良く見かける1帖サイズの土間収納を例に見ていきましょう。
1帖サイズの土間収納を作る場合、下のような2つの間取りが考えられます。
1つは土間から出入りできる土間収納、もう1つは引違い戸で土間、玄関ホールの両方からアクセスできるケースです。
基本的に使いやすいのは引違い戸にした場合で、玄関のどこからでもすぐに収納している物を取り出せるというのが大きな魅力となります。
また。扉を開けて全体を見渡すことができるので、視認性という点でも優れています。
一方、土間から出入りする場合のメリットとしては、あまり使わない大きな物を収納しやすいということです。
手前は良く使う物、奥まった場所はあまり使わない物というようにメリハリをつけやすいんですね。
このようにどのような物を土間に収納するかを意識して見ると、より使いやすい収納にすることができます。
その他のケースとしては、土間収納を広くして家族用の玄関にしてしまうというケースもあります。
こんな感じですね。
靴は家族用の玄関で脱げばいいので、メインの玄関はいつもキレイにしておけるというのは大きな魅力です。
そのため家族用の玄関が欲しいという方も多くいらっしゃいます。
このような家族用玄関が有る間取りにする場合のポイントとしては、メインの玄関、家族用の玄関それぞれの幅がしっかり確保できているかというのが最大のポイントになります。
たとえば一番残念なのは家族用の玄関を作るためにメインの玄関、家族用の玄関両方の幅が窮屈になっているというケースです。
無理に家族用玄関を作ろうとしたために、狭くて使いにくい玄関が2つできる結果となってしまうんですね。
それであればメインの玄関を広く作るか、ウォークスルーでない土間収納を作った方がはるかに見た目もキレイで使い勝手のよい玄関にすることができます。
この点は家族用の玄関を作る場合は必ず確認しておきたいですね。
(家族用玄関では通路スペースとして最低でも70㎝以上は欲しいところです)
間取りで玄関をオシャレにする
玄関は使いやすくて収納が確保できていればそれでOK・・・というのは少し寂しいですよね。
玄関は家の顔となるのでスッキリと見せつつ見せ場も欲しいものです。
それでは次に、玄関をスッキリとオシャレに見せる方法について見ていきましょう。
オシャレな玄関にする場合、玄関に見せ場を作るのが一番の近道となり、玄関ドアの正面に壁があるとかなり重宝します。
そこに絵画を掛けたり飾り棚を作ることができ、それだけで華やかな雰囲気の玄関になってくれるんですね。
一方、玄関ドアの正面に壁を作ることが難しいというケースも多くあります。
そんな時は窓から見える景色など、他に見せ場を作ることで印象的な玄関にすることができます。
たとえばこんな感じの玄関ですね。
上の絵では外の庭と玄関を繋げて広がりを持たせていますが、中庭や坪庭がある場合は玄関に入って中庭や坪庭が見えるようにするのもいいですね。
外を見せる場合は時間や季節によって表情が変わりますし、ライトアップして夜も楽しめるなど演出としても秀逸です。
このように玄関に飾る場所を作ったり見せ場を設けることで玄関の雰囲気はグッと良くなりますし、出かける時や帰ってきた時に気持ちの切り替えができるようになります。
たとえば良いホテルや旅館のロビーが心地良いように、我が家の玄関も心地よく感じるような玄関を目指したいですね。
ただ、ホテルや旅館と違い、家の玄関は物が増えがちな場所なので、収納をどう見せるかという問題も出てきます。
それでは次に玄関収納に視点を移してみましょう。
玄関収納はどうすればオシャレに見えるでしょうか。
まず、玄関収納を置く場合は天井までの玄関収納より腰高の玄関収納の方が圧迫感も少なく玄関に広がりが出ます。
そのため、玄関収納を置く場合は縦長よりも横長を意識するとキレイでオシャレに見えるようになります。
Photo:https://www.kagura.co.jp/blog/howtochoose/8311/
玄関収納では軽さが出れば出るほど良いですが、収納が足りずに玄関に物が溢れては意味がなくなってしまいますので、手持ちの靴の数を見ながら程よいバランスを取りたいですね。
(1人あたり10足ほどの靴を収納できるかどうかが1つの目安となります)
ちなみに、玄関で身だしなみチェックをするために鏡を付けたいという要望も多くあります。
では、玄関に鏡を付けるとすればどこが良いのでしょうか?
玄関に鏡を付ける場合は土間部分に付けるのが基本となります。
その理由は、土間だと靴も含めて姿を確認できるからです。
服にどんな靴を合わせるかで全体のコーディネートはかなり変わってきます。
特に女性の方は靴も含めて鏡で確認したいという方がほとんどですので、鏡を取り付ける場合は全身が見れる場所に鏡を設置したいですね。
最後に、玄関を出入りだけでなく趣味のスペースを兼ねるなど個性を持たせるというのもオシャレな玄関にするための1つの方法となります。
その家の個性が出るのでオンリーワンの玄関となりますし、見た目だけでなく実益も兼ねることができるんですね。
必要な分だけ土間スペースを広くとる必要はありますが、土間で作業するような趣味がある場合は趣味スペースも兼ねた玄関にするのも楽しいですよ。
まとめ
今回はオシャレで使いやすい玄関にする方法について詳しく見てきました。
間取りの中で玄関を見る時は何となくどこが家の入り口になるのか、また収納はどれくらい有るかという点に目が行ってしまいますが、同じ広さの玄関でも作り方1つで使い勝手が変わってきますし、収納も作る場所やアプローチの仕方で使い勝手だけでなく玄関の見え方というのも変わってきます。
玄関の間取りで大切なのはまずは玄関の幅がしっかり確保できているかどうか。(狭かったり意味もなく縦長の玄関になっていないかどうか)
次にスッキリした玄関にするためには物が溢れないようにすることなので、必要な量が入る使いやすい収納を作ること。
そして、できれば見せ場をどこかに作るという3つがポイントになってくるんですね。
今回の内容を参考に、あなたの家の玄関が上の3つに当てはまっているか確認してみてくださいね。
では。
玄関についてはこちらも参考にしてください。
→広い玄関土間のある家ってどうなの?土間の使い方と3つの注意点
→暮らしやすい玄関ポーチのつくり方。家の外観も高級感が出ます。
→シューズクロークで失敗しないために絶対に知っておきたい5つのこと
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