家の間取りを見る時、リビングや寝室と言った目立つ場所についつい目が行ってしまいますが、間取りを見る時に必ず確認しておきたいのがトイレの位置について。
トイレは毎日何度も使う場所なので、トイレの位置次第で生活のしやすさというのは変わってくるんですね。
また、トイレは音やニオイなど、他の部屋にも影響が出やすいデリケートな場所でもあります。
では、そんなトイレの場所は家のどこだとベストなのでしょうか?
今回はトイレの避けたい場所と理想的なトイレの場所について見ていきたいと思います。
間取りが気になる方はぜひご覧ください。
トイレの位置で避けたい場所
それではまず、トイレの位置で避けたい場所から具体的に見ていきましょう。
トイレはどんな場所を避けた方が良いのでしょうか?
LDKから丸見えのトイレ
トイレの位置で一番避けたいのが、リビングやダイニングから丸見えのトイレです。
トイレのドアを開けると目の前にソファに座っている人がいたり、ダイニングテーブルでご飯を食べている人と目が合ってしまうトイレというのはやはり嫌ですよね。
特にトイレは音やニオイも気になる場所なので、LDKのすぐ側にトイレがあるとあまり落ち着かないトイレになってしまいますし、くつろいでいたり食事をしている時にトイレの音が聞こえたりニオイがするというのも気持ちの良いものではありません。
そのため、トイレの場所としてはLDKのすぐ側というのは避けたい場所なんですね。
ただ、間取り的にどうしてもLDKの側にトイレをつくる必要がある場合もあります。
そんな場合もトイレとLDKの間に目隠しを作ってトイレの中が丸見えにならないようにするなど、トイレとLDKの間に何かしらワンクッション挟んでおくなどの配慮をしておきたいですね。
玄関からよく見えるトイレ
トイレの場所を見てみると、玄関の近くにトイレを配置するケースというのもよくあります。
LDKともある程度離すこともできますし、トイレにちょうど良いスペースも確保しやすいので、玄関近くにトイレがある間取りも多いんですね。
では、玄関近くのトイレって実際どうなのでしょうか?
まず、玄関近くのトイレというと昔は避けられるケースが多くありました。
昔の家は近所の人が来て玄関で話し込む事も多く、玄関のすぐ近くにトイレがあるとトイレに行きたくても行きづらいというのも、玄関側のトイレが嫌われた理由の1つです。
また、今ではインターホンにモニターが付いているのは当たり前となっていますが、昔はモニターが無く音しかならないインターホンが付いている家が多く、玄関先で人と会うことが今より多くありました。
さらに昔は家の中にトイレが2つある家なんかもそんなに無かったので、なおさら不便だったんですね。
一方、今ではインターホンが発達して会話だけではなくモニターで顔も確認できるので、ある程度の事は玄関に招き入れなくてもインターホン越しで完結するようになりましたし、最近では親しい人が来たら玄関で話し込むのではなくリビングまで案内するケースが増えているので、昔と比べて玄関の使い方自体が変わるようになりました。
このような理由と、トイレを配置しやすいという理由から玄関近くのトイレというのは最近ではよく見かけるようになってきたんですね。
ただ、玄関の近くにトイレを配置する場合でも、トイレを開けると玄関から丸見えのトイレというのは避けたいところです。
トイレが終わって出てきた時に玄関にいる人と鉢合わせというのはやはり気まずいものですよね。
そのため、玄関の近くにトイレを配置する場合でも、トイレの中が玄関から丸見えにならないよう配慮が必要になってきます。
階段近くのトイレは扉に注意
階段からすぐ側の場所にトイレを配置するのも避けた方が無難です。
その理由としては、トイレのドアが階段を上がって来た人とぶつかってしまうなど、トイレが階段近くにあるせいで怪我をする危険性が増えてしまうというのが大きな理由です。
ただ、間取りの関係で階段近くにトイレを配置するケースもあります。
そんな時は、トイレの扉を引き戸にして階段を通る人の邪魔にならないようにするなど、安全面で配慮しておきたいですね。
扉の位置も階段を上り降りする人が突然扉が開いてビックリしないように、できるだけ階段から離すというのが基本になります。
トイレは寝室の上、横は避ける
寝室の上や横というのもトイレの位置としては避けたい場所になります。
たとえば2階にトイレを作る場合、特に避けたいのが1階の寝室の上にトイレを作るというケースです。
夜中に2階のトイレの音で目が覚めてしまう寝室というのはやはり避けたいですよね。
そのため1階に寝室や和室を作る場合、その上にはトイレを配置しないというのが基本となってきます。
また、寝室のすぐ横のトイレというのもできる限り避けたいものです。
寝室の隣にトイレがあると音が聞こえやすくなりますし、トイレを使う場合も落ち着かないトイレになってしまいます。
できれば子供部屋などの隣も避けられるとベストですですね。
そのためトイレと部屋の間には収納を設けてワンクション挟むなど、寝ている人、トイレを使う人それぞれに配慮した場所にトイレを配置するというのがマストな選択となります。
寝室から遠いトイレ
トイレと寝室は隣り合わせにしない方が良いですが、寝室からトイレがあまりに遠いのも考えものです。
例えば2階建ての家でトイレを1階に1つだけ配置した場合はどうでしょうか?
寝室が2階だと夜中にトイレに行く場合は寝室から階段まで移動して階段を降り、そして1階のトイレに行くという流れになってきます。
寝ている時に、トイレのために遠くまで移動するのはできるだけ避けたいですよね。
そのため上記のケースでは階段近くにトイレを配置してできるだけ動線を短くするというのが正解となります。
トイレと寝室は、近すぎず遠すぎない。
これくらいの距離感がベストなんですね。
その他には、平屋の間取りもトイレの位置は要注意です。
たとえば寝室とトイレがかなり離れていて、トイレに行くのに家の端から端まで移動しないという間取りも時々見かけます。
平屋の場合は全てワンフロアで完結できる反面、それだけ平面的な移動距離が長くなってしまいがちです。
そのため、平屋の場合も寝室の位置とトイレの位置をしっかり確認しておくことが大切になってくるんですね。
トイレの理想の場所
ここまでトイレで避けたい場所について見てきましたが、それでは次にトイレの理想の場所について見ていきましょう。
トイレのベストな場所は間取りや要望次第で変わってくるのでベストの場所はケースバイケースになってきますが、基本的な考え方としては家族が一番長く過ごすLDKとつかず離れず、またLDKから中が直接見えない場所がトイレの理想の場所と言えます。
トイレの扉を開けた時に誰かいたら気まずくないかどうか、また音も含めてゆっくりトイレが使えるかどうかというのがチェックポイントになってくるんですね。
また、2階のトイレを見てみると、トイレの場所としては部屋と直接隣合わない場所に、さらには1階の水回りや収納など音が気にならない場所の上に配置できるとベストと言えます。
ただ、水回りや収納などの上にトイレを配置するとなると、かなりトイレの場所が限られてきてしまいます。
そのため、まずはトイレと部屋を隣り合わせにせず、またできるだけトイレの音が部屋に聞こえにくいようにするというのがトイレの基本的な考え方となってくるんですね。
まとめ
今回はトイレの場所について詳しく見てきました。
トイレというのは間取りの中でも目立ちにくいものですが、トイレの位置をどこにするかで生活のしやすさというのはかなり変わってきます。
そのため、間取りを見る時はトイレの位置が使いやすいかどうか、また音を含めて生活に配慮されているかどうか見てみることで間取りのクオリティを測る「物差し」にもなってくれるんですね。
たかがトイレ、されどトイレ。
間取りを見る時にはトイレにも一度注目してみてくださいね。
では。
トイレについてはこちらも参考にしてください。
→タンクレストイレのメリットとデメリットをプロの建築士が解説します
→玄関の側にトイレってどうなの?トイレで間取りの善し悪しが分かります。
→階段下収納や階段下トイレってどうなの?効果的な階段下の使い方
→トイレの位置はどこがいい?避けたい場所と理想的なトイレの場所
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→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】
→家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】
→注文住宅を建てる前に必ず知っておきたい!注文住宅のメリットとデメリット
建築士が教える今日の問題解決
トイレの位置はどこがいい?避けたいトイレの場所はどこ?
- 玄関、LDKはトイレの中が直接見えない方が良い。
- トイレは音が気になる場所でもあるので、部屋に音が響かないよう配慮。
- 部屋やLDKとつかず離れずの場所にトイレがあるとベスト。
- トイレを見ることで間取りのクオリティも見ることができる。