2階リビング

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2階リビングってどうなの?メリット、デメリットをプロの建築士がまとめました【絶対保存版】

家の間取りの中でも1番気になるのがリビングの場所について。

やはり家族が集まるリビングは快適なリビングにしたいですよね。

 

そんなリビングですが、リビングを配置する場合は大きく分けて2つあります。

1階にリビングを配置する「1階リビング」と、2階にリビングを配置する「2階リビング」の2つです。

 

その中でも今回スポットを当てるのは、リビングを2階に持ってくるという発想の「2階リビングの家」。

2階リビングのメリットとデメリットを、家を設計する建築士の立場と実際に2階リビングの家を建てた方の体験を元にまとめました。

2階リビングについてかなり濃い内容になっているので、2階リビングにするかどうか迷っている人だけでなく、これから家づくりをしようと考えている人も、知っていると家づくりがより深く楽しめる内容ですので、ぜひ参考にしてくださいね。

2階リビングとは

2階リビング2

2階リビングはその名の通り、リビングを2階に配置する間取りのことを言います。

一般的にリビングは1階に配置する事が多いですが、敷地条件などによって1階にリビングを配置するよりも2階にリビングがある方が快適な生活を送れるという場合、2階リビングの出番となってくるんですね。

では、リビングを2階に配置することで、どんな効果があるのでしょうか。

まずは2階リビングの家を建てるメリットを見ていきましょう。

 

 

2階リビングのメリット

リビングの日当りが良くなる

2階リビングの日当たり

2階リビングの家にした時の一番のメリットがリビングの日当りが良くなるという事です。

リビングが2階に配置されるので、1階にリビングがある時よりも陽の光が入るようになるんですね。

 

私は今まで100件以上の注文住宅を設計してきましたが、その中でリビングの居心地に無関心な人と出会った事はありません。

それだけ、リビングは居心地の良い場所にしたいと全ての方が思っているんですね。

リビングは寝る時間を除いて家の中で一番長く過ごす場所であり、人が集まる場所がリビングなのですから、そう思うのも納得です。

2階リビングはそんなリビングを明るく開放的にしてくれる。

これはやはり2階リビングの大きなメリットと言えます。

 

プライバシー性の高いリビングになる

2階リビングにすることでプライバシー性の高いリビングにする事ができるのも2階リビングの魅力です。

例えばリビングが1階にある場合、窓の配置や視線対策をしていないと「リビングの窓を開けたら隣の家の窓がすぐ側で窓が開けられない」、とか「道を歩く人から丸見えだから、カーテンを閉めっぱなしで生活している」なんていうことも有ります。

 

一方、2階リビングだと道路よりリビングの位置が高くなるので道を歩く人の視線はかなりカットできます。

さらには窓の位置もお隣に合わないように意識しておけば、周りの視線も気にならず、カーテンを使うのは最低限にする事もできるようになります。

そのため、リビングのプライバシー性を高めたい場合は2階リビングは効果的な方法と言えます。

家を建てるなら必ず知っておきたい窓の話

 

リビングからの眺めが良くなる

2階リビングにすることでリビングからの眺めが良くなるのも2階リビングのメリットです。

1階リビングでは隣の家しか見えなかったのに、2階リビングでは家の前が抜けて空が広く見えるリビングにすることも可能になるんですね。

そのため、眺めが良い所が好きな方は2階リビングと相性が良いケースが多いです。

余談ですが、私も眺めがいい所が好きなので、2階リビングは結構好きです。

2階リビングは天井を高くしやすい

2階リビング

これは2階建ての家の場合になりますが、2階リビングにした場合、リビングの上には屋根しかないので屋根の形状を調整する事で天井の高さを高くしたり、屋根に合わせた勾配天井にしたりなど、天井高さを自由に設定できるようになります。

そのため、2階リビングにすることで天井が高いより開放的なリビングにする事ができるんですね。

また、天井が高くなった場所に窓を設けることで、より光が入るリビングにすることもできますし、空まで視線が抜けて家の中がより広く見えるようにするなど、リビングをアレンジできるようになるのも2階リビングのメリットです。

屋根の形状次第で、家の外観はかなり変わるんです。

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ロフトとの相性が良い

2階リビングとロフト

2階リビングとロフトは相性がとても良いです。

2階リビングから見える場所にロフトを作ることでリビングとロフトを緩やかにつなぐ事ができるようになるんですね。

 

ロフトを作った場合、一番もったいないケースが使わないロフトと物であふれたロフトになってしまうこと。

一方、2階リビングにロフトを設けた場合はリビングと繋がっているので使わないロフトになる可能性も低く、さらにはリビングから見えるので物があふれてグチャグチャのロフトになる可能性も低くなります。

2階リビングにロフトを作ることでロフトを有効活用できる可能性がグンと上がるんですね。

リビングに奥行き感が出て広く見えるというのも2階リビングにロフトを設けた時の魅力の1つです。

ロフトのある家って実際どうなの?100棟以上見てきた正解がコチラです。

 

家のバランスが良くなる

これは耐震性のお話しになります。

一般的にリビングは視覚上できるだけ広く見えるようにつくります。

そのため、リビングには柱や壁という構造材が少なくなりやすい傾向があります。

その分だけ耐震性能を確保するのが難しくなるんですね。

(リビングが1階にある場合、構造をどうするかが設計者の腕の見せ所とも言えます)

 

でも、2階リビングであれば1階は寝室や子供部屋など個室が集まるので1階の柱や壁が増える事になり、壁が増えることで家の耐震性能が向上します。

1階に構造材が多い方が、建物の構造は安定するんですね。

そのため、2階リビングにすることで家のバランスは良くなり耐震性を高めることができるようになります。

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狭小地との相性が高い

2階リビングと狭小地

2階リビングの家は、車の駐車スペースを除いて庭をつくる必要がありません。

リビングが2階にあるので、庭があっても使われる事が少なく手入れの手間が増えてしまうからなんですね。

その結果、2階リビングにした場合は敷地を目一杯使って家を建てることができるようになります。

 

また、2階リビングの家はリビングが2階にあるので隣の家が近くてもリビングに光を取り入れやすいので、狭小地の場合は特に威力を発揮するようになります。

そのため、2階リビングは隣の家との距離があまり取れない狭小地と相性が良いんですね。

家の間取りをつくる時の考え方を、狭小地を例にご紹介します

 

バルコニーを庭代わりに使える

2階リビングとバルコニー

2階リビングにすると、バルコニーをより活用しやすくなるのも2階リビングのメリットです。

リビングが1階にある場合、バルコニーとリビングはどうしても離れた位置になってしまいますが、2階リビングの場合はリビングの横にバルコニーを配置できるので、よりバルコニーを活用できるようになるんですね。

広いバルコニーを配置すれば、ソファやテーブルを置いてセカンドリビングのようなスペースに使ったり、お子さんの遊び場に使ったりなど、庭代わりに使うことも可能となります。

また、バルコニーの手すりを高めに作ったり目隠しをすることで、外から中が見えないプライベートな空間にするのも良いですね。

バルコニーの活用方法が広がるというのは、やはり2階リビングの大きな魅力です。

 

例えばそれほど広いバルコニーを取れない場合でも、例えば駐車場の上にバルコニーを設けるなど敷地を目一杯使って快適な2階リビングにするという方法もあります。

2階リビングとウッドバルコニー

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2階リビングのデメリット

ここまで沢山の2階リビングのメリットを見てきましたが、2階リビングにもデメリットはあります。

それでは次に2階リビングのデメリットを見ていきましょう。

 

子供がいつ帰ってきたか分からない

2階リビングのデメリット

最近の住宅では、リビング階段というものが多く採用されています。

リビング階段とは、リビングを通って2階の部屋に行くように、リビングの中に階段が配置された間取りのことを言います。

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リビング階段は、「子供がいつ帰ってきたか分かるようにしたい」、「必ず家族と顔を合わせるようにしたい」という理由で採用されることが多く、子育てに熱心な方に人気です。

その一方、2階リビングの家の弱点として、このリビング階段がつくりにくいことがあげられます。

2階リビングでは個室が1階に来る事が多く、子供はリビングを通らずに自分の部屋に行く事ができてしまうので、リビング階段をつくろうと思っていた人にとって一番気になるところなんですね。

 

ただ、2階リビングを採用する方は、「2階に上がって来るようにしつける」とか「2階リビングを居心地の良い所にして自然に人が集まるようにする」など、リビング階段以外で子供とコミュニケーションをとることで、このデメリットを前向きに対応している方が多くいらっしゃいます。

さらには吹き抜けなどを設けて、いつ子供が帰ってきたか分かるようにする設計方法もありますし、2階リビングでもリビングに階段をつくる事もできます。

そのため、最終的にはどこまでこの部分をこだわるか、またどれだけ間取りで対応するか。

この部分のこだわり次第と言えそうですね。

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1階の部屋は暗くなる

2階リビングの家は環境の良い2階にリビングを持っていっているので、1階の部屋は暗くなりがちです。

そのため、土地の環境によっては1階を完全に寝るため部屋と割り切るケースも出てきます。

2階リビングにした場合の1階の明るさに関してはケースバイケースということも多く、ある程度割り切った使い方になる場合もあります。

 

庭の無い生活になる

2階リビングにした場合、1階の庭は駐車場など実用性のあるもの以外、ほとんど使わないようになるケースがほとんどです。

そのため、庭(土の庭)が好きかどうかが2階リビングにするかどうかの重要なポイントとなります。

一方、2階リビングの場合はバルコニーを庭代わりにすることもできので、どれだけ土のある庭にしたいかどうか。

この部分で2階リビングが合うか合わないかが分かれてくるんですね。

 

階段の上り下りをすることが増える

2階リビングと階段

2階リビングの場合、家族が集まるリビングが2階にあるので、どうしても階段の登りをすることが増えるようになります。

例えば、買い物をして帰ってくると、あなたもまずは冷蔵庫やパントリーなどに買ったものを仕舞うことが多いのではないでしょうか。

2階リビングだと、買い物したものを両手に持って毎回階段を登ってキッチンに行く事になるんですね。

ネットスーパーなど宅配便を利用した場合も、同じように1階で受け取り2階に持っていくのが当たり前となってきます。

 

これは特に、今はマンション住まいの方は日常生活に段差が無い生活に慣れているので手間に感じられる傾向があります。

また、アパートに住んでいる方は階段を登って自分の部屋に行く方も多く、現在の生活が大変と感じているか、それともそれほど気にならないと感じているかで2階リビングの印象がかなり変わってきます。

日々の階段を運動と捉えるか、それとも負担と捉えるか。

このあたりの捉え方次第でも2階リビングの評価は変わってくるんですね。

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歳をとった時の不安

2階リビングと老後

2階リビングでは生活でメインの場所が2階にあるので、歳をとって足腰が弱くなってきた時に負担になる可能性があります。

そのため、将来歳を取った時、場合によっては将来大型リフォームをしたり、ホームエレベーターをつけたりする必要が出てくることもあるんですね。

そのため、将来が気になる方はあらかじめホームエレベーターを取り付ける場所を想定しておくと安心です。

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また、最近では階段が辛くなったらマンションなどへの住み替えや、動けなくなったら介護施設に行くと割り切って2階リビングにされる方も増えています。

将来の生活スタイルに合わせて柔軟な対応が取れるかどうか。

これが2階リビングにして後悔するか、それとも後悔しないのかの大きな判断材料になります。

 

水廻りを1階、2階のどちらに持っていくかが難しい

2階リビングの場合、洗面やお風呂をリビングと同じ2階に配置するのか、それともリビングの広さを重視して1階に配置するのかというのは、なかなか判断が難しい部分となります。

同じ階に水まわりがあると家事動線を楽にすることができますし、1階に水まわりを配置すれば広々とした2階リビングにしやすくなるなど、それぞれのメリットがあるからなんですね。

そのような場合、特に意識したいのが家のバランスについて。

そのため2階リビングの場合、絶対に2階に水まわりと決めるのではなく、ある程度は設計者におまかせしてしまうのも1つの方法です。

家全体の要望を見つつ、水まわりをどちらに配置した方がバランスが良い家になるかは設計者の腕の見せ所となりますし、結果的に良い家になりやすいんですね。

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広い土地との相性は良くない

2階リビングの場合、駐車場以外の庭はほとんど使わず、手入れだけが必要な庭になる可能性がとても高くなります。

そのため、広い土地で2階リビングにする場合は、雑草が生えないようにする等、庭に手間がかからないように対策が必要となってきます。

除草するのって結構大変、家の雑草対策を教えます。

 

まとめ

今回は「2階リビング」のメリット、デメリットをあげました。

これらは、今まで私が「2階リビング」について経験した話をまとめたものです。

今回のメリット・デメリットを頭の中に入れておけば、いざ「2階リビング」の家となった時も失敗する事はほとんど無くなります。

ぜひ「2階リビング」を味方につけて、家の楽しみを広げてみて下さいね。

では。

 

リビングについてはこちらも参考にしてください。

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2階リビングの家のメリット、デメリットって何?

メリット

  • リビングの日当りが良くなる。
  • プライバシー性の高いリビングになる。
  • リビングからの眺めが良くなる。
  • 天井を高くしやすい。
  • ロフトとの相性が良い。
  • 家のバランスが良くなる。
  • 狭小地との相性が高い。
  • バルコニーをプライベートな庭代わりに使える。

デメリット

  • 子供がいつ帰ってきたか分からない。
  • 1階の部屋は暗くなる。
  • 庭の無い生活になる。
  • 階段の上り下りが大変。
  • 歳をとった時の不安。
  • 水廻りを1階、2階のどちらに持っていくかが難しい。
  • 広い土地との相性は良くない。
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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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