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2階リビングやロフトをつくるなら知っておきたい断熱の話

家を建てるなら、夏涼しく冬は暖かい家を建てたいと思っている方は多いのではないでしょうか。

やはり、家の中では快適に過ごしたいですね。

せっかく新しい家を建てるなら蒸し風呂のような暑さになってしまう家は避けたい物です。

 

今回は、そのような夏涼しい家にするために避けては通れない断熱についての話をご紹介したいと思います。

2階リビングを考えていたり、ロフトを作ろうと考えている方は特にご覧ください。

意外と知らない屋根の断熱材の話

家を夏の暑さや冬の寒さから守ってくれる断熱材。

基本的に断熱材は家の壁、屋根、床(もしくは基礎)に入っていて、外の空気が直接家の中に伝わらないように家はできています。

断熱材で家全体をくるんでしまうんですね。

1分で分かる!家づくりで大事な断熱と気密の話

家の断熱

Photo:http://www.murayama-co.jp/kodate/technique/tech001/

そのため、断熱材がしっかり入っている家かどうかとうのは、家の性能を考えるときの1つの目安となってきます。

 

このように、家の性能を考えるのに重要な役割を果たす断熱材ですが、どちらかというと家の断熱で注目されるのは断熱材の種類と性能いった部分が多く、どれだけの厚みの断熱材をいれるのかというのは後回しにされがちです。

たとえば住宅会社のホームページでも、どんな断熱材を使っているかは書かれていますが、どれだけの厚みを入れているかはあまり書いていないことは多くあります。

そのため、どんな断熱材を使っているのかという部分についつい目が行ってしまいやすいですが、基本的には断熱材は厚みがあればあるほど断熱効果を発揮してくれます。

どれだけの厚みの断熱材を入れるかどうかで家の断熱性能は違ってくるんですね。

 

このように中々注目されることの無い断熱材の厚みについてですが、実は断熱材の厚みを厚くすると家の断熱効果がかなりアップする場所があります。

それは屋根です。

 

では、なぜ屋根の断熱材の厚みを厚くすると効果が高いのでしょうか?

詳しく見てみましょう。

断熱材のトレードオフ

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屋根の断熱材について見る前に、そもそも屋根の断熱材の厚みというのはどのようにして決めているのでしょうか?

これには省エネ基準の歴史を読み解く必要があります。

 

今では外皮計算という計算方式で壁や屋根の断熱材の必要な厚みを弾き出すようになりましたが、以前は次世代省エネ基準で規定された厚みの断熱材を入れる必要がありました。

例えば、「断熱性能の良い断熱材なら80ミリ以上の厚さに」とか「断熱性能の悪い断熱材なら120ミリ以上の厚さに」というように決まっていたんですね。

このような規定をクリアすることで省エネ基準が達成されていることになるのですが、実はこれには抜け道のような基準もありました。

 

それがトレードオフという仕組みです。

 

トレードオフとは、例えば窓の断熱性能を上げることで屋根の断熱材を本来の1/2にまで減らせるというように、本来の基準とは違う方法で省エネ基準をクリアする手法のことを言います。

屋根は家の構造的に厚みのある断熱材を入れづらい場所なので、他の場所の性能を上げることでトータルの数字上の断熱性能は変わらないようにするという救済を目的とした制度なんですね。

トレードオフは今では使うことができなくなりましたが、ほんの数年前まで一般的にはこのトレードオフが使われることがかなり多く、あらかじめある程度のサッシ性能があれば何も手を加えなくても基準をクリアできるようになっていました。

 

そのため、トレードオフが使われていた時の次世代省エネ基準の家と言っても、屋根の断熱材の厚みは本来規定されている厚みの1/2となっている家が多く存在しているんですね。

 

もちろん、トレードオフという仕組みを使っているので違反でも何でもありませんが、屋根というのは直射日光が当たるので太陽熱がドンドン入って来る場所でもあります。

そんな場所の断熱材の厚みが薄いとどうなるでしょうか。

特に小屋裏やロフトが暑い場合なんていうのは、この断熱材の厚みというのが大きく影響しており、数字上は問題なくても住み心地と言う点ではトレードオフを使った住宅というのはあまり良くないんですね。

 

その後、トレードオフという仕組みは無くなりましたが、今でも、以前の基準を元に断熱材を最低限必要な厚みで決めていている会社も多くあります。

以前のトレードオフと言う、住み心地を考えるとあまりオススメではない基準を元に屋根の断熱材の厚みが決められたままになっている住宅会社や工務店がいくつも存在するんですね。

 

2階リビングは夏暑いと言われますが、あらかじめ規定されている断熱材の厚みが半分しかないので屋根の断熱性能も半分になり、暑く感じてしまうのも当たり前といえば当たり前になってしまいます。

どうしても屋根に近い部分は屋根の断熱材の影響を受けることが多く、断熱材の厚み次第で、暑く感じるかどうかが決まってくる場所でもあるんですね。

 

そのため2階リビングにする時や頻繁に使うロフトや小屋裏収納を造る場合なんかは、屋根の断熱材の厚みを多くしてあげることでかなり快適な空間にすることができるようになります。

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屋根の断熱材については、以前はポリスチレンフォームという発泡スチロールが板状になっているような断熱材やグラスウールが使われることが多かったので屋根の断熱材を厚くするのは工法などの関係でハードルが高かったですが、現場で吹付けられる発泡ウレタンフォームがかなり普及している現在では、かなり簡単に屋根の断熱材の厚みを厚くすることができます。(多く断熱材を吹き付ければいいだけなので)

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Photo:http://www.hinokiya.jp/eco/index.php

そのため夏の暑さが気になる方は、ぜひ1度屋根の断熱材の厚さがどれくらい入っているのかを確認してみてくださいね。

屋根の断熱材の厚みを厚くすると、夏の暑さがかなり楽になりますよ。

まとめ

今回は屋根の断熱について、一般の方は意外と知らない落とし穴についてご紹介しました。

屋根の断熱は、家の住み心地にダイレクトに影響してくる所なので、断熱材の厚みや仕様については1度確認されてみるのがオススメです。

特に2階リビングやロフトをつくるなど屋根に近い場所で過ごす時間が長い間取りにする場合は、屋根の断熱材は必ず確認してくださいね。

屋根裏はそんなに金額を上げずに断熱材を増やせる部分でもあるので、2階を生活の中心にする場合は高い費用対効果が期待できますよ。

では。

 

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屋根の断熱材で注意することって何?

  • 屋根の断熱材の厚み次第で、小屋裏や2階リビングの暑さは変わってくる。
  • トレードオフのように、本来の省エネ基準と比べて断熱材が薄くなっていないか確認する。
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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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