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家の間取りをつくる時の考え方を、狭小地を例にご紹介します

家の間取りってどうやって作られているんでしょうか?

家をつくる時に間取りは当たり前のように出てきますが、家の間取りというのは数限りなくありますし、家の形も同じように家によって違います。

しかも、間取り次第で家の使い勝手は物凄く変わってきますよね。

 

そんな家づくりで重要な間取りですが、実は間取りをつくるスタート時点の考え方次第で良い間取りかどうかの8割くらいは決まってしまいます。

スタートでおかしな方向に進んでしまうと、後で修正するのが大変になってしまうんですね。

今回は、そんな間取りをつくる時の基本的な考え方を、具体例を交えながらご紹介していきたいと思います。

家の間取りをつくる

家の間取りを考える時にまず最初に考えることが、家を建てる土地のどこにどんな部屋を持っていくとベストかを考えるというゾーニングという作業です。

土地の良さを活かして、土地の不利な部分を補うにはどうすると良いかを考えるんですね。

まずはこのゾーニングが良いか悪いかで家の間取りはほとんど決まってきます。

間取りが上手く行かないのはゾーニングが原因かもしれません

 

このゾーニングを家の間取りとして形にしていく時に家の外観も一緒に考えるのですが、家の形というのも家の無限にあります。

では、家の形はどうやって決めれば良い家になるんでしょうか?

 

それは複雑なことを考えず、まずはどれだけシンプルにできるかがポイントになってきます。

 

家の形を決めるときの基本的な考え方として、まずはシンプルな四角い家からスタートして、要望や土地の形に合わせて四角い家の形を変えることで家の形を調整していきます。

特に、外観を考慮したりして意図的に最初から家の形を凸凹させるのであればいいですが、行き当たりバッタリで間取りをつくってしまい家を凸凹させてしまうと、ヘンテコな間取りや外観の家になってしまうことがとても多くなってしまいます。

下屋が多い家なんていうのは、正にそういう家ですね。

家の外観ですごく気になること(下屋編)

 

四角い家はコストパフォーマンスが1番良いのですし基本のベースともなる形なので、まずはシンプルな家にしてバルコニーが必要なら四角い家にバルコニーをプラス、インナーバルコニーが必要なら四角い家の一部を削ってインナーバルコニーをつくるといった感じで考えるという訳ですね。

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まずはシンプルに考えてみる。

これが間取りのスタートになるんですね。

 

ただ、いつでもどこでも四角い家をベースにすればいうと実はそういう訳でもありません。

例外もあるんですね。

では、それはどういうケースで当てはまるんでしょうか?

 

答えは土地の影響を大きく受ける場合です。

それではコンパクトな狭小地に家を建てる場合を例に見てみましょう。

 

狭小地と言っても人によって大きさが違いますが、ここで言う狭小地とは30坪(約100㎡)をきって20坪半ば〜後半くらいの大きさの土地を狭小地ということにします。都市部ではこのくらいの大きさの土地は結構見かけますね。

 

では、狭小地に四角い家を入れてみるとどうなるでしょうか?

四角い家

このように、四角い家でも問題なく土地におさめる事はできます。

ただ、ここでよ〜く家と土地を眺めてみると、何か不便を感じないでしょうか?

 

そう、車を置くスペースが無いんですね。

家を建てる場合、最低でも車1台分の駐車スペースを確保することがほとんどです。

都市部だと駐車場代もバカにならないですし、マンションと違い戸建ての場合は家のすぐ近くに車を停めてすぐに車に乗れるのが大きなメリットなので、コンパクトな土地に家を建てる場合でも車1台分の駐車スペースを希望される方がほとんどです。

 

このように駐車スペースを考慮に入れると、狭小地に四角い家を建てることで駐車スペースが非常に取りづらくなってしまうんですね。

玄関の前に横付けで停めるという方法も無いとは言えませんが、狭小地は間口が狭いことが多いので、車を停めるのがかなり至難の業になってしまうんですね。(たまに、これ車を停めれるかと思う間取りを見かける事もありますが・・)

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その車、ほんとに家の敷地に駐車できますか?

 

では、コンパクトな土地に家を建てる場合、どんな形の家にすればいいでしょうか?

そんな狭小地で活躍するのが、L字型の家です。

それでは、狭小地にL字型の家を入れてみましょう。

L house

こんな感じですね。

そしてこの中に車を配置するとこのようになります。

L house2

L字型になっているので、駐車スペースを確保しつつ土地を最大限使うことができるんですね。

 

それではここでクイズを1つ。

このようなL字型の家の場合、どこに玄関をつくればいいでしょうか?

 

その答えはこちらです。L house3

道路側ではなくて、奥まった部分に玄関を持ってくると良いんですね。

その理由は、家の真ん中に玄関がくるので廊下などの無駄なスペースをほとんどつくらずに間取りをつくることができるようになるからです。

廊下となってしまう部分はアプローチとして外を歩くので、家の面積を最大限使うことができるんですね。

階段も家の中心にあるほうが無駄な廊下を減らすことができるので、玄関の近くに階段も配置できれば一石二鳥です。

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狭小地に家を建てる場合は家自体が大きい物ではないことが多いので、少しの無駄なスペースが間取りに大きな影響を与えてしまうんですね。

 

そして、このようなL字型の家にする場合、LDKはできるだけ広く取れるようなゾーニングにするのがポイント。

玄関の近くに水まわりをもってくると、上手いこと間取りが纏まりやすいです。

L house4

また、L字型の家と相性がいいのが2階リビングとウッドバルコニーという組み合わせ。

駐車スペースの上にウッドバルコニーを造ってあげれば、広い庭のように使えるウッドバルコニーの完成です。

ウッドバルコニー

ウッドバルコニーは基本的には建ぺい率や容積率に入らないのでコンパクトな土地をギリギリまで活用する事ができますし、庭がつくれないコンパクトな土地のデメリットを補ってくれるんですね。

 

間取りを見るときは、まずはシンプルにできているのかどうか。

そして土地に合った形状になっているのかどうか。

この辺りを見てみると、良い間取りなのかどうかが見えてくるんですね。

まとめ

今回は、家の間取りをつくる時の基本的な考え方と、狭小地を例に家の形を決める時のコツをご紹介しました。

家というのは無限と言っていいほどの間取りの選択肢がありますが、良い家は間取りが上手くまとまるための選択をしていますし、変な家は間取りが上手くまとまらない選択肢を選んでいることがほとんどです。

 

私の行っている間取り診断でも、間取りに不満や不安を持たれている方の間取りというのは、家の形自体が間違っていることが多くあります。

根本的な部分が間違っているのに、家の中をチョコチョコ動かしても良い間取りにはなりませんよね。

 

基本はシンプルに考えながら、土地や要望に合わせて正しい家の形をつくる。

これが良い家をつくるための第一歩なんですね。

では。

 

間取りについてはこちらも参考にしてください。

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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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