住宅の坪数はどれくらいがベスト?理想の家の広さを知る方法を建築士がご紹介します

「家を建てるのを検討しているのですが、どれくらいの坪数の家を建てると良いのか迷っています。住宅のベストの坪数というのがあれば教えてもらえないでしょうか?」

読者の方からこのような質問をいただきました。

 

家を建てる時、どれくらいの大きさの住宅にすれば良いのかというのは確かに判断しにくいですよね。

そんな家の大きさを判断するのに役に立つのが住宅の「坪数」。

よく誰かが家を建てたり建てていたりすると「建坪はどれくらい?」というような話も耳にしますよね。

それだけ坪数は住宅の大きさを判断するのに分かりやすい指標となります。

 

では、実際に家を建てる時、どのくらいの坪数にするとベストなのでしょうか?

今回は実際の間取りを見ながら、あなたに合った坪数がどれくらいか見ていきたいと思います。

住宅の坪数が気になる方はぜひご覧ください。

住宅の平均坪数ってどれくらい?

どれくらいの坪数の住宅を建てるのが良いか見る前に、まずは日本ではどのくらいの坪数の家が建てられているのか見てみましょう。

あなたは最近建っている住宅の平均坪数がどれくらいかイメージがつきますか?

 

フラット35などの住宅ローンを提供している住宅金融支援機構による2018年度の調査によると、日本全体で建てられた注文住宅の平均面積は「126.8㎡」。

地域別で見てみると、首都圏では「125.3㎡」、近畿圏で「127.5㎡」、東海圏で「128.1㎡」というように多少ばらつきは有りますが、坪数でみると約38坪となります。

注文住宅の面積

Photo:https://www.jhf.go.jp/files/400350205.pdf

一方、建売住宅の平均的な広さを見てみると全校平均で「100.8㎡」となっており、坪数で見ると約30坪の住宅が平均的な広さなっています。

建売住宅の面積

Photo:https://www.jhf.go.jp/files/400350205.pdf

注文住宅の方が坪数は大きめで、建売住宅の方が坪数は少なめになっているんですね。

また、10年前と比べて見ると、注文住宅で約3坪、建売住宅で約1坪ほど坪数が小さくなっており、住宅面積が小さくなっているという傾向が見て取れます。

 

その一方、家を建てるための建築費は10年前と比べるとゆるやかに上昇しています。

Photo:https://www.jhf.go.jp/files/400350205.pdf

住宅の平均坪数は小さくなっているけども、建築費は上がっているんですね。

景気や物価、人件費などの違いもありますが、最近のトレンドとしては家の広さよりも質が重視されるようになっており、実際の家づくりの現場でも、広さよりも質を優先する方が増えているのは肌で感じます。

 

一方、住宅の坪数については土地の影響も強く受けてきます。

例えば30坪ほどの土地に2階建ての家を建てる場合は、家と駐車場を確保すると30坪ほどの広さの住宅になることが多いなど土地の広さと住宅の坪数は比例しやすいため、土地の価格が高い地域ほど住宅の坪数は小さく、土地にゆとりのある地域ほど住宅の坪数が大きくなるという傾向があります。

(建売住宅の平均坪数が30坪ほどなのも、4LDKの家が建てやすい広さ30坪の土地(約100㎡)に設定して販売している所が多いというのも理由の1つです)

 

こうして見てみると住宅の坪数としては30坪くらいから40坪くらいまでの家が多く建てられていることが分かります。

住宅の理想の坪数は何坪?

では、日本の平均的な住宅の坪数を踏まえた上で、理想の坪数はどれくらいなのでしょうか?

これは、家族の人数と要望による部分が大きく「人それぞれによって最適な坪数というのは違ってくる」というのが答えになりますが、これでは理想の坪数は判断できなくなってしまいますよね。

それでは、あなたの理想の坪数がどれくらいか判断しやすいよう、まずは最低限必要な住宅の坪数から見てみましょう。

 

例えば、4人家族で生活する場合、生活するのに必要な部屋と広さを並べて行くと下のような感じになります。

  • LDK   :8坪(16帖)      4人家族ならコレくらい欲しいですね。
  • 寝室   :3坪(6帖)       ベッド置いて寝るだけなら6帖で十分。
  • 子供部屋 :4.5坪(4.5帖 × 2) 子供2人用。最低でも4帖は欲しい。
  • 玄関   :1坪(2帖)       玄関とホールで最低限これくらい。
  • 階段   :1.5坪(3帖)      階段下を利用してこれくらい。
  • お風呂  :1坪(2帖)       標準的な広さ。これくらい欲しい。
  • 洗面室  :1坪(2帖)       標準的な広さ。洗面室もこれくらい欲しい。
  • トイレ  :1坪(1帖 × 2)   1、2階にトイレ。トイレは1つという手も。
  • 2階ホール:1坪(2帖)       各部屋に行くためのホール。
  • 収納   :2坪(4帖)       最低これくらいは欲しい。
  • 合計   :24坪(48帖)

※1坪=畳2帖になります。

 

4人家族の場合、最低でも24坪くらいは欲しい計算になるんですね。

具体的に24坪の間取りの一例としては下のような広さになります。

24坪

詳しくは下の記事に記載しているのでここでは細かい話は省きますが、決して広いとは言えないけども24坪で生活に必要な物は入った間取りにできるという感じなんですね。

家の間取りは4人家族の場合、最低限どれくらいの広さがあれば生活できますか?

 

一方、1人当たりの坪数を先ほどの間取りから1坪ほど増やせば間取りにゆとりが出てくるようになります。

例えば先ほどの間取りを左右に広げて27坪にするとこのような感じです。

27坪

先ほどの家よりLDKや2階の部屋の広さにゆとりが出ているのが分かりますね。

この住宅には4人家族に必ず欲しい物しか入っていないので、例えばシューズクロークが必要な場合はシューズクロークを追加したり、和室や畳コーナーを設ける場合はプラスアルファで広さが必要になるので、4人家族の家であれば約30坪くらいの広さが有ると要望をいろいろと入れる事ができるようになってきます。

ちなみに4人家族で30坪の家になるとこのような感じになります。

30坪

吹き抜けは坪数には入らないので、2階部分は通常の30坪の家より少し広くなりますが、このくらいの広さが30坪の家の広さの目安となってきます。

吹き抜けのメリット、デメリットと失敗しない吹き抜けの作り方

 

このように最低限必要な住宅の広さから逆算していくと、ベストな住宅の坪数というのが計算しやすくなるんですね。

「1坪=2帖」なので、子供部屋や寝室の広さを広くしたい場合はその広げたい坪数をプラスすればいいですし、玄関を広くとったりLDKをゆったりさせたい場合も同じように坪数をプラスすると目安となる坪数が見えてくるようになります。

 

例えば4人家族の住宅の目安としては、

最低限の物を入れた住宅の場合 = 24坪。

ある程度の広さの住宅の場合  = 28坪。

余裕のある広さの住宅の場合  = 32坪。

というように1人当たり4坪を足していくのが1つの目安となり、28坪の家に「シューズクローク1坪、和室6帖(3坪)、ウォークインクローゼット2坪欲しいな」となった場合は

28+1+3+2=34坪というのがあなたに合った住宅の坪数の目安となってくるんですね。

 

また、これは4人家族の一例となってくるので、5人家族の場合は1人あたり4坪〜5坪程を目処に追加していくと、どれくらいの坪数が必要か判断が付きやすくなります。

こう考えると、建売住宅の平均坪数が30坪、注文住宅の平均坪数が38坪というのも納得の広さになりますね。

ちなみに、平均坪数の38坪の住宅の一例となると、これくらいの広さの住宅になります。

38坪

先ほどの30坪の間取りの例では総2階に近い形でしたが、38坪くらいあると1階の方が大きめの間取りになるのが一般的です。(5人家族など2階の部屋が増える場合は総2階に近い形になります)

間取りが上手くいかない場合の効果的な対処方法

 

ただ、ここで注意点が1つ。

先ほどの間取りは38坪の住宅になりますが、実はそれを広いと感じるか、狭いと感じるかは人それぞれなんです。

その大きな理由は育ってきた環境が人それぞれ違うからです。

そして、これが原因で人によって理想の坪数というのは違いが出てきます。

人によって欲しい坪数は違う

人は育ってきた環境次第で広さの感覚が違ってきます。

例えば、広い子供部屋で小さい頃から育ってきた場合は4.5帖の子供部屋を見ると狭いと感じてしまいますし、反対にコンパクトな部屋で育ってきた場合は6帖の子供部屋は広くてもったいないので他にスペースを使いたいと感じてしまうなど、これまで経験してきた広さの感覚次第で広さの捉え方というのは変わってくるからなんですね。

部屋の広さの感覚が人によって違うのはなぜ?

 

ドラマなどでお金持ちの登場人物が普通の家に行った時に「狭い」というのと似ていますね。

 

また、予算が多く有る方は大きめの住宅になることが多いですし、予算を抑える場合は家の広さを抑えるケースもよく有ります。

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一例をあげると、人によってはコンパクトな空間を上手く使って広く開放的に見えるようにしたり、アイデアがたくさん入っている家をとても魅力に感じる人もいれば、純粋に広い面積がある家が欲しいという方もいらっしゃいます。

前者の方は坪数という広さにあまりこだわりは無く、後者の方は物理的に広い面積を求めているので家は大きくなる傾向があるんですね。

 

このように、理想の坪数というのは人によって違いが出てきます。

特に家は一人で建てるのではなく、家族で家を建てることになります。

そのため、あらかじめ夫婦でお互いの広さの感覚を一度すり合わせすることで理想の住宅の広さに近づける事ができるようになるんですね。

理想の広さを手に入れるために

新しい住宅のことや間取りを考えるとワクワクしますし、夢も膨らんできます。

人に家づくりをしている話をすると、住宅の坪数はひとつの目安となりやすいので「建坪はどのくらい?」などの会話をするケースも出てきます。

このように住宅の坪数というのは分かりやすく説明もしやすいのでついつい目が行ってしまうところではあります。

でも、住宅の坪数にあまりにもこだわりすぎるのはチョット危険です。

坪数はあくまで住宅の広さの目安であって、住宅の快適性の目安では無いからなんですね。

 

どのような家を目指すのかは人によって違いますし、住宅を建てるには必ず予算が必要にもなってきます。

まずは家を建てるための優先順位を決めた上で、何に優先して予算を割り振るのか。

それが家の広さであれば坪数というのは分かりやすい指標となってくれますし、逆にそれほど広さが必要ない場合でも例えば「30坪以内に家の大きさは抑えて家のインテリアや内装にこだわる」など、坪数ありきの家づくりではなく、良い家を建てるためのツールとして坪数を使うのが正解なんですね。

(実際に〇〇坪の家を建てたいと最初に言っていた方でも、間取りを見ると坪数へのこだわりはほとんど無くなるケースがほとんどです)

どんな家に住みたいかが分かる方法

 

また、家は大きいけども廊下や通路ばかりが多くて生活で使う場所が少ない場合では、坪数を見る事でどれだけ無駄に広さが使われているかを判断する材料ともなります。

特に注文住宅であれば実際の坪数よりも広い空間にすることはそんなに難しいことではありませんし、家事を楽にできるように動線を作るなど、実際の広さ以外の使い勝手というのもアレンジする事ができます。

 

その他に坪数は住宅会社や工務店探しの際に役立てるという方法もあります。

坪単価から住宅の価格の目安をつけることができるからなんですね。

住宅会社では目安で坪単価がどれくらいなのかホームページやスーモなどの雑誌に書いてあったり、実際に話を聞いた時に目安の坪単価を教えてくれることがあります。

そこから予算内で希望の広さの家を建てられるのかどうか、または予算内で家を建てるとすればどれくらいの坪数の家なら建てられるかの判断をすることができるんですね。

坪単価の計算方法とプロでも知らない注意点

 

もっとも、坪単価はあくまで目安ですし、延べ床面積ではなく施工面積という実際に工事をした時の面積で坪単価を計算していたり、家以外の諸費用が含まれていないなど、実際には坪単価よりも高くなるケースがほとんどな点は注意が必要となります。

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ただ、住宅の坪数は家の価格を大きく左右する部分なので、それだけでも頭に入れておくと家づくりのいろんな場面で役に立ってきます。

 

良い家を建てるために上手く坪数を使う。

これが理想の家を建てるために大切なことなんですね。

まとめ

今回は住宅の坪数について詳しく見てきました。

住宅の坪数というのは家を建てる人にとって気になる部分になりますが、実際に家を建てるのにどれくらいの坪数になりそうなのかは意外と分かりにくい物なので、今回の内容をぜひ参考にしてみてくださいね。

そして、坪数はあくまで目安の数値だということを頭に入れておくと、家づくりの際に柔軟に対応する事ができるようになります。

例えば坪数は大きくないけども大きな吹き抜けがあるなど空間を縦に上手く使うことで実際以上の広さを感じることができますし、LDKに庭や外の景色を取り込むなど、間取りの作り方次第で感じる空間の広さというのは大きく変わってきます。

 

坪数というのはあなたに合った良い家をつくるための1つのツールだということ。

この部分を忘れずに家づくりをしてくださいね。

では。

 

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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建築士が教える今日の問題解決

住宅の坪数はどれくらいが1番良い?

  • 理想の住宅の坪数は人によって違ってくる。
  • どれくらいの坪数が必要か判断する場合、最低限の家の広さから足し算をしていくと判断しやすくなる。
  • 理想の坪数を知る事で、家に必要な予算がつかみやすくなる。
  • 住宅の坪数というのは良い家を建てるためのツール。坪数にこだわりすぎないことも大切です。