最近では洋風なつくりの家が多くなりましたが、床に座ったり寝転んだりできる畳の部屋は相変わらず根強い人気があります。
やはり家に畳があると落ち着くことが多いですよね。
そんな畳がある部屋を作る場合に出てくる選択肢が「畳コーナー」と「和室」。
LDKの片隅など小さな畳スペースをつくる場合は畳コーナー、個室としても使える畳の部屋が必要な場合は和室にするというように、どれくらいの広さが必要かによって畳コーナーが正解なのか、それとも和室がベストなのかは違ってきます。
もちろん、畳コーナーや和室を広く取れるなら取るに越したことはありませんが、家の広さには限りがありますし、何よりLDKなど他の部屋の広さとバランスが取れていることが、快適な家にするポイントとなります。
そのため、畳コーナーや和室に必要な広さは確保しつつ、無駄に広くしすぎないことも大切なんですね。
そこで今回は畳コーナーや和室の広さについて2畳の畳コーナーから8畳の和室まで比べて見ました。
畳コーナーや和室を検討されている方はぜひご覧ください。
畳コーナーと和室
それではまず、畳コーナーと和室の違いを少し見てみましょう。
畳コーナーはコーナーと言う名前が付くとおり、LDKや部屋などの一角に設けた畳スペースのことを畳コーナーと呼びます。
そんな畳コーナーは、LDKなどのスペースにちょっとした畳が欲しい時にとても便利です。
畳コーナーはお子さんの昼寝スペースや書斎代わりに使うこともできますし、畳コーナーで洗濯物をたたんだりと、いろんな使い道があります。
畳コーナーを小上がりにしてベンチ代わりに使うのも楽しいですね。
また、畳コーナーは和室ほど広いスペースを必要としないので、無理に家を大きくせずに畳スペースが作れるのも畳コーナーの魅力です。
→小上がりの和室ってどうなの?小上がり和室のメリットとデメリット
→リビングの広さはどれくらい必要?16帖、18帖、20帖で比べて見ました
そして畳コーナーは扉など仕切れる物がついてないケースが多いですが、これを部屋としてしっかり区切ったものが和室となります。
将来寝室として使う、客間として使うといったプライバシー性の高い使い方をする場合は、部屋の一角として使う畳コーナーよりも和室にした方がやはり便利です。
このように、畳コーナーと和室では用途面で相性があるんですね。
それでは、この事を踏まえてまずは畳コーナーの広さから見てみましょう。
畳コーナーの広さ
畳コーナーは個室ではなく、あくまで「コーナー」となるので独立した部屋としては少し狭くなります。
そのため、2畳ほどのコンパクトなスペースから4畳くらいの大きさで作られるケースがほとんどです。
一方、畳コーナーの大きさで気をつけたいのが、
「来客が来た時に泊まれるようにと思って畳コーナーを設置したけども、実際に布団を敷いたら布団がはみ出してしまった」
というケースです。
畳コーナーに布団も敷くことを想定する場合、必要な布団の数に合った最適なサイズの畳コーナーにする必要があるんですね。
では、布団の大きさも踏まえながら、具体的な畳コーナーの大きさについて見てみましょう。
2畳の畳コーナー
Photo:https://oirt.info/archives/2065
畳コーナーと呼ぶ場合、1畳ではやはり小さすぎますし使い方も限定されてしまうので、やはり少なくとも2畳は欲しいところ。
2畳あることで子供の昼寝スペースにも使うことができるようになりますし、見た目もしっかりした畳コーナーに見えるようになるんですね。
一方、やはり2畳という広さでは子供が寝るにはちょうど良くても、大人が寝るのは少し厳しくなります。
そのため、2畳の畳コーナーにする場合は小上がりの畳コーナーにするのではなくフラットな畳コーナーにしておくのも1つの方法です。
フラットな畳コーナーにしておけば多少はみ出しても問題ないので、数字以上の広さで使うことができるようになるんですね。
3畳の畳コーナー
Photo:https://hacokuro.exblog.jp/12818550/
畳コーナーを作る場合、3畳くらいの広さを確保できると畳コーナーの用途はグッと広がってきます。
3畳あれば小さな座卓を置いて向かい合って座ることができるようになりますし、大人1人分であれば布団を敷いても問題ない広さとなるからなんですね。
ちなみに、3畳の畳コーナーに布団を敷いた場合は次のようなサイズ感になります。
短手方向に布団を敷くとはみ出してしまうので、長手方向に布団を敷くことになるんですね。
そのため、3畳の畳コーナーを来客の寝室としても使う場合は1人用の寝室ということになります。
3畳の畳コーナー + 板間
畳コーナーを作る時、必ずしも畳の形に合わせるのではなく、板間を設けて広い畳コーナーにするという方法もあります。
そして、3畳の畳コーナーに板間を設けた時の一番のメリットは、畳コーナーを2人用の寝室にできるようになるということです。
下図のように畳コーナーに布団を2枚敷けるようになるんですね。
板間部分が増えることで縦に布団が敷けるようになり、畳コーナーを寝室や客間代わりに使うことができるようになります。
そのため、例えば両親が泊まりにくることがたまにある場合など、1人ではなく2人泊まる場合は畳コーナーに板間を設けると効果的です。
また、板間部分はカウンターを作ってちょっとした作業ができるようにしたりなど、畳コーナーならではの多目的なスペースにしやすいというのもこれくらいの大きさになります。
4畳の畳コーナー
畳コーナーで4畳くらい確保できると、かなりゆったりした畳コーナーとなります。
座卓を置いてもゆったり対面することができますし、洗濯物をたたんでいる横で子供を寝かせるなど、同時にいくつかの作業をこなすこともできるようになるんですね。
その一方、畳コーナーが3畳から4畳に広がっても布団を敷けるのは1枚のみという点は注意しておきたい部分です。
そのため、2人以上泊まれる畳コーナーにする場合は、4畳の畳コーナーよりも3畳の畳コーナーに板間を設けた方が効果的ということになるんですね。
畳コーナーを何の用途に使うのか。
4畳前後の広さの畳コーナーにする場合は、用途を明確にした上でベストな畳コーナーを設けたいですね。
4畳の畳コーナー + 板間
畳コーナーの大きさは4畳以内にするケースが多いですがですが、4畳の畳コーナーにさらに板間を設けてゆったりとしたスペースにするという方法もあります。
これくらいの広さがあると、畳コーナーとしてだけでなく独立した部屋としても使うことができるようになります。
また、寝室や客間として使う場合は2人が眠れるの部屋として使うことができますが、少し窮屈ですが布団を3枚敷くことも可能なのは心強いところです。
ちなみに、4.5畳の和室に布団を敷くと2枚が限界となるので、4畳+板間というのは3人泊まるケースも考えると、意外と使いやすいんですね。
そのため、誰かが泊まる客間としての用途を考えると、4.5畳の和室にせずに、4畳の畳コーナーと板間にするという選択肢も。
引き込めるように扉を付けておくと、必要な時だけ部屋のように使えるので使い勝手がグッとアップします。
和室の広さ
それでは次に、和室の広さについても見てみましょう。
気軽に使えるという点で畳コーナーは人気ですが、しっかり和室を作るケースも多くあります。
たとえば、和室だと床の間や仏間などを作っても合いますし、LDKの横に和室を設けてLDKと一体で使える和室や、独立した書院のような格式高い和室、さらには寝室を和室にするなど、和室の用途は畳コーナー以上に広がります。
また、最近多いのが将来は1階で生活を完結したいので和室を設けるというケースです。
1階にLDKと水周り、和室を設けることで、将来階段の上り下りが辛く感じるようになっても和室を寝室として使うことで、1階で生活の全てを完結できるようになるんですね。
このように、和室はニーズよっていろんな用途に使えるのは大きな魅力と言えます。
その一方、和室を設ける場合は部屋として使うことがほとんどとなるので、収納など部屋として使うのに必要な物を備えておく必要があります。
そのため畳コーナーと比べると、和室を作る方が広いスペースが必要となり、家全体の広さのバランスを見ながら和室の広さを決めるのが大切になってきます。
では、和室は広さによって使い勝手はどのように変わるのでしょうか?
それではまず、4.5畳の和室のから見ていきましょう。
4.5畳の和室
和室を設ける場合、やはり4.5畳くらいは有ると便利です。
4.5畳あることで部屋として使えるので、使い勝手の幅はグッと広がってくるんですね。
また、4.5畳の和室を客間として使う場合は2人用の寝室として使うことができます。
その他、座卓を置いてちょっとした茶の間にしたり、応接室としては座卓を囲んで4人くらいまで対応が可能となります。
一方、4.5畳の和室の場合は完全に独立した和室にすると少し狭く感じるので、LDKと一体で使えるような配置すると、狭さという弱点を補うことができます。
6畳の和室
Photo:http://www.sekisuihouse.co.jp/liaison/05/7082410010/
和室というと一番思い浮かべる人が多いのが6畳の和室です。
6畳というのは和室として普遍的な大きさで馴染み深い大きさなんですね。
和室が6畳あると個室としても十分な広さがありますし、客間として使う場合は布団を詰めれば3枚敷くことも可能となります。
そのため、使い勝手の良い6畳の和室が1つあると、さまざまな使い方ができるので便利なんですね。
8畳の和室
Photo:http://tagle.jp/house/sks00000070021
8畳の広さの和室になると、部屋の見た目もグッと格式高い雰囲気に変わってきます。
このくらいの広さの和室になると、床の間や窓の見えせ方など、和室の作り方にも個性が見られるようになり、見栄えがする和室も作りやすくなります。
また、最近では少なくなってきましたが、法事で親戚が集まる場合なんかでも、和室が8畳くらいあるとかなりの人数が集まれるようになるので、親戚の集まりがよくある場合はこれくらいの広さがあると重宝するんですね。
その他、8畳くらいあればリビングとしても十分な広さとなるので、畳が好きな方は畳のリビングにするのも面白いですね。
→家の間取りは4人家族の場合、最低限どれくらいの広さがあれば生活できますか?
→畳リビングはこんな人にオススメ!畳リビングの魅力と失敗しない作り方
まとめ
今回は畳コーナーと和室の広さ別の使い方について見てきました。
畳コーナーや和室の広さを考えるときにまず意識しておきたいのが、畳コーナーや和室で布団を敷いて寝ることがあるかということ。
何人分の布団を敷く必要があるかで畳コーナーや和室の広さというのは変わってくるんですね。
あとは畳コーナーや和室で同時に何人くらい座る必要があるのかを考慮すると、最適な広さの判断がしやすくなります。
一番もったいないのは、せっかく畳コーナーや和室を作ったのに広さが足りなかったり、畳コーナーや和室を広くしすぎてLDKなど他のスペースが窮屈になってしまうということ。
そのため、必要なスペースを見極めた上で最適なバランスの広さにするのが一番大切になります。
ぜひ今回の内容を参考に、使いやすくて快適な畳コーナーや和室を作ってくださいね。
では。
和室についてはこちらも参考にしてください。
→小上がりの和室ってどうなの?小上がり和室のメリットとデメリット
家の広さについてはこちらも参考にしてください。
→住宅の坪数はどれくらいがベスト?理想の広さを知る方法を建築士がご紹介します
家の内装が気になる方はこちらも参考にしてください。
→新築の内装はどうすればオシャレに見える?内装を決める時の6つのポイント
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