家の間取りを見ていてよく思うことですが、良い家は必ず「家のバランス」がとても良いことが多いです。
家全体のバランスがいいので、間取りに無理が無くキレイにまとまっているんですね。
一方、「う〜ん・・」と思うような間取りは、家のバランスが悪いことが多いです。
バランスの悪い家は、何となく要望に沿って部屋を取って付けた感が漂っていて、何ともスッキリせず中途半端ん感じがしてしまいます。
間取りがしっくりこない場合というのは、大体このバランスがおかしい場合が多いんですね。
そこで今回は、間取りの善し悪しを左右する家のバランスを簡単に整える方法についてご紹介したいと思います。
それではどうぞご覧下さい。
家の1、2階のバランス
2階建ての家をつくる場合、1階にLDKなどの家族が使うスペースをつくって、2階をプライベートな各自の部屋にするというケースが多く見られます。
具体的な配置としては、
1階にLDK + 水まわり、さらにはリビングと一体の和室、こんな感じの要望になることが多いですね。
一方の2階は寝室に子供部屋、プラスαで吹抜けという感じです。
2階建ての王道のような家ですが、実はこのような家は1階のボリュームが2階と比べてかなり大きくなってしまうことがほとんどです。
1階と2階のボリュームが違う家を絵で表すと、こんな感じです。
一昔前はこんな感じの家が多かったですよね。(分かりやすいように多少ボリュームの違いが際立つような描き方をしています)
もちろん、このような形の家でも問題はありませんが、場合によってはデメリットとなることもあります。
デメリットとなるケースとしては、予算を抑えたいケースと、土地が広くない場合に影響が大きくなることがほとんど。
まず、予算の面では総二階の家が一番効率の良い建て方になるので、1、2階が不揃いの家は割高になりがちです。
→家を一番安く建てる方法をお教えします。安く家を建てるためのコツ
予算を抑えたい場合は、できるだけ1階と2階のバランスを整えてあげるのが重要なんですね。
次に、土地が広くない場合は、1階を大きくしてしまうと駐車場のスペースを確保するのも難しくなってきます。
狭小地に車を止める場合なんかは、いかに1階をコンパクトにつくるかがポイントとなってくるんですね。
特に土地が広くない場合は、1、2階のバランスが悪いと生活がしづらくなってしまう事が多いです。
細切れの部屋が沢山できてしまって、その中で窮屈に生活するということにもなりかねません。
→家の間取り。4人家族の場合、最低限どれくらいの広さがあれば生活できますか?
また、さきほどの絵のように1階が大きく2階が小さい場合は1階の部屋の上に下屋という屋根を付けることになりますが、この下屋は上手く配置しないと家の外観にも大きく影響する部分です。
下屋の形や場所が悪いと、ゴチャゴチャした外観の家になってしまいやすいんですね。
そのため、間取りの段階から下屋の位置を意識した間取りにする必要が出てきます。
→家の外観ですごく気になること(知っておきたい下屋のポイント)
このように、家のバランスというのは間取りへの影響がとても大きいので、土地や予算などの状況に応じて1階のボリュームに気をつける必要が出てくるんですね。
特に、土地と間取りのバランスというのは、良い間取りには必須の項目となってきます。
家のバランスが崩れた時の対応方法
では、意図せず1階のボリュームが大きくなってしまった場合、どうすればいいでしょうか。
土地が広い場合は下屋などで調整すれば問題ありませんが、コンパクトな土地の場合は家のバランスを整える必要が出てきます。
そんな家のバランスを整える時に有効なのが、2階に水まわりを持っていくという方法です。
では、その理由を見てみましょう。
LDKは一体になっているのでダイニングだけ2階にもっていくことはできませんし、和室もLDKと一体で使うなら2階に上げる訳にはいきません。
そこで2階にあげても影響が少ない水まわりを2階にあげる訳ですが、これは結構効果的です。
まず、当然ですが1階と2階のバランスが良くなります。
大きかった1階の一部を2階に持っていくので、1、2階のバランスが整いやすくなるんですね。
水まわりの移動は、2階リビングの場合でも同じように効果的です。
2階リビングでは1階に部屋と水まわり、2階にLDKという構成が多いですが、部屋を広く取りたい場合やキッチンの側に水まわりが欲しい場合なんかは、水まわりを2階に持ってくることもできます。
2階リビングに水まわりがあると、こんな感じですね。
一方、水まわりが2階になければ、畳コーナーや和室を2階に持ってきてもゆとりがあります。
場合によっては、ほとんど壁がないワンルームのような大空間をつくることも可能になります。
オープンな大空間の間取りにする場合にはいくつか気をつけたいこともありますが、うまく作れば開放的で広々とした空間にすることができます。
このように、水まわりをどこに配置するか次第で家のバランスに大きな影響が出てくるんですね。
水まわりが2階にあるメリットとデメリット
では、水まわりを2階にもってくると、どのような影響があるんでしょうか。
水まわりが2階にあるときのメリットとデメリットを見てみましょう。
まず、2階に水まわりがある場合、1階に水まわりがある時よりもバルコニーに洗濯を干すのが便利になります。
洗濯は濡れると重くなるので、1階から濡れた洗濯物を2階に運ぶよりも楽なんですね。
また、2階のお風呂は1階よりも明るくなるので気持ちいいお風呂になることが多いです。
窓の配置次第では、周りを気にせず空を見ながらお風呂に入るということも可能となります。
特に男性は開放感のあるお風呂が好きですよね。
日当りや風通しも1階よりよくなる事が多いので、カビが生える事も少なくなります。
一方、2階に水まわりがあるデメリットを見てみると、1階で生活を完結できないので、将来歳をとった時に1階だけで生活することはできなくなります。
この場合、将来1階ですべてを完結しようとすれば、1階の一部をリフォームして水まわりを1階に移すことも頭の片隅に置いておく必要があります。
また、庭に洗濯物を干すという場合、水まわりを2階にもっていくという選択肢はあまりオススメではなくなります。
毎回毎回、洗濯機を回すために2階に行って、洗濯物を持って降りるのは大変ですよね。
間取りのバランス上、2階に水まわりを持ってく場合は2階に洗濯物を干すのが基本となってきます。
このように、水まわりが2階にあることでメリットとデメリットもありますが、家のバランスを整える効果というのはかなり大きくなります。
特にコンパクトな土地で1階リビングにするなら、2階に水まわりをもってくるメリットは大きいので、どうしても間取りがしっくりこないなら水まわりを調整して家全体のバランスを良くしてあげるのもいいですね。
まとめ
今回は、家のバランスと水まわりについて見てきました。
家の間取りの善し悪しは、家のバランスが大きな部分を占めています。
特に、土地と間取りのバランスというのは特に重要です。
もし、あなたの家の間取りがしっくりきていないなら、水まわりの位置を柔軟に考えてみるのもいいですね。
思い切って水まわりの位置を大きく変更してあげると、意外にすんなりと良い間取りになる場合がありますよ。
では。
2階リビングについてはこちらを参考にしてください。
間取りについてはこちらも参考にしてください。
→一軒家の間取りで失敗しないために気をつけたい7つチェックポイント
→リビングの間取りを見る前に知っておきたい!代表的なリビングの間取り5選
水まわりについてはこちらもご覧ください
→階段下収納や階段下トイレってどうなの?効果的な階段下の使い方
→玄関の側にトイレってどうなの?トイレで間取りの善し悪しが分かります。
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家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。
→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】
→家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】
→注文住宅を建てる前に必ず知っておきたい!注文住宅のメリットとデメリット
建築士が教える今日の問題解決
間取りが上手く行かないときはどうすればいい?
- 家のバランスを見てみる。
- 家のバランスがおかしい時は、水まわりの場所を大きく変えてみる。