家のスペースには限りがあるけども、その中でもやはりできるだけ快適に暮らしたいもの。
特にリビングは生活の中心になる場所なので、リビングが快適かどうかで生活のクオリティというのは大きく変わってきます。
ただ、一言でリビングと言っても、コンパクトなリビングの家に住む場合も場合もありますし、家を建てる場合でもどうしてもリビングの広さがそれ程取れないというケースもありますよね。
では、そんな場合はどうすれば快適なリビングにすることができるのでしょうか?
今回はコンパクトなリビングや狭いリビングを快適にするレイアウトや間取りについて詳しく見ていきたいと思います。
家のリビングが気になる方はぜひご覧ください。
狭いリビングを快適にするには?
それではまず、実際に狭いリビングを快適にする方法について見ていきましょう。
リビングを快適にする具体的な方法としては次の3つ
- 家具の配置を工夫する
- 家の間取りを工夫する
- 部屋が広く見える法則を知る
この3つを組み合わせることで、面積的には狭くても快適なリビングにすることができるんですね。
では、まずは家具の配置はどんな配置にするといいのでしょうか?
家具の配置で工夫する
ダイニングとリビングを兼ねる
LDKというと、キッチンの近くにダイニングテーブルを置いてリビングにはソファを置くもの。
こんな感じについつい思ってしまいますが、狭いリビングにダイニングテーブルとソファを置くとさらに狭く見えてしまうというケースもよくあります。
リビングいっぱいに家具があると、リビングに余裕が無くどうしても狭く見えてしまうんですね。
もちろん、コンパクトなダイニングテーブルに軽さのあるソファという組み合わせであればOKなのですが、サイズ感を上手くつかむというのは中々難しいもの。
そんな時にオススメなのが、リビングとダイニングを兼ねた家具選びをするという方法です。
たとえば、高さの低いローテーブルをリビングの中心に配置し、その周りに高さの低いソファやクッションを組み合わせれば、食事はもちろん、団らんやくつろぎも兼ねたマルチなスペースに早変わり。
家具の配置にも余裕があるので、たとえ狭いリビングであったとしても落ち着いた空間を演出できるんですね。
特に丸テーブルにすれば人が集まった時にも詰めれば何人も座れるので、よく人が集まる場合や家族が多い場合にはマストな選択肢となります。
→丸テーブルってどうなの?丸テーブルの魅力とメリット、デメリット
また、キッチンの前はカウンターにしてちょっとした食事ができるようにしておくのもオススメです。
朝食など短時間で済ませたい場合はキッチンの近くで簡単に食事ができるというのは、忙しい毎日ではやはり便利なもの。
くつろいで食事をする時はリビングで、パッと済ませたい時はカウンターというようにメリハリをつけられるようにすることで、より生活に馴染みやすいLDKにすることができるんですね。
一方、歳を取ると床に座る生活というのは少し億劫に感じてしまうこともありますし、床座があまり好みでないという方もいると思います。
そのような場合は、少し高さを抑えたダイニングテーブルをリビングの中心に置いて、そのダイニングテーブルを囲みながらソファや椅子に座るというアレンジするのも1つの方法です。
低めのダイニングテーブルにすることでソファに座っても高さが高くなりすぎず、食事だけでなくサイドテーブルの代わりにしたりなど、多目的に使いやすいテーブルにすることができるんですね。
二世帯住宅で親御さん世帯のリビングにこのような配置を採用すると言うのも足腰の負担を考えると効果的です。
ちなみに、この場合のソファはあまり沈み込みずぎず、ある程度硬さのあるソファがベター。
柔らかいソファはくつろぐにはいいのですが、食事や作業などにはあまり向かないからなんですね。
長く座る場所ほど、ある程度硬さがある方が疲れにくくなります。
このように狭いリビングではダイニングとリビングを兼ねた家具を配置する。
また、それに合った家具を選定するというのはとても効果的な方法なんですね。
家族が自由に過ごせる家具の配置にする
狭いLDKの場合、ダイニングスペースを長居ができるような作りにして、残りの空いたスペースは自由にゴロゴロできる空間にするというのも楽しいものです。
ダイニングでくつろげるよう椅子だけでなくソファーベンチを設けて快適性を上げつつ、残りのスペースは自由に使えるようにするという訳ですね。
空いたスペースにワークスペースも欲しいという場合はカウンターの一部をデスクにしたりリビングの一部をワークスペースにするのも良し、リビングは子供の遊び場にしたりゴロゴロできるように広々取っておくのも良し、ダイニングを快適にしておけば後は自由にアレンジできるので日々の生活に欲しいなという物に組み合わせてアレンジするのもいいですね。
ちなみにワークスペースと言うと、ダイニングの横のスペースに作るというケースが良くあります。
こんな感じですね。
ただ、この場所にワークスペースを作るのが難しい場合や、収納をもう少し増やしたいということも。
そんな場合はソファの後ろをワークスペースにするのも1つの方法です。
家全体が見渡せるのでお子さんの様子を見ながら家で仕事をする場合にも便利ですし、ソファとサイズを合わせればスッキリと綺麗なワークスペースにすることができるんですね。
背面が壁なのでTV会議の際も背景が気になることはありませんし、壁に向かって仕事をした方が集中できる場合はデスクの位置を上下反転させるのも可能など、ワークスタイルに合わせてアレンジして自分だけのスモールオフィスを作るのも楽しそうです。
一方、ソファの後ろにワークスペースを作る場合はソファとTVの位置が近くなりやすいので、ソファは奥行きを抑えた物をチョイスしたり、TVも壁掛けにするなどTVまでの距離を考えた家具選びを行うのがポイントとなってきます。
在宅ワークも一般的になってきているので、どこかスペースが作れそうならワークスペースとして使える場所も積極的に作っていきたいですね。
→在宅ワークしやすい家はどうすれば作れる?快適で楽しく仕事ができる場所を作る方法
間取りで工夫する
壁付けキッチンは狭いリビングの味方
Photo:http://www.woodone.co.jp/product/kitchen/suiji/
家の広さの関係でリビングが広く取れない。
そんな時は壁付けキッチンを検討してみるのも効果的です。
一般的にキッチンは対面キッチンと壁付けキッチンの2パターンに分かれることになりますが、実は壁付けキッチンの方がスペースがコンパクトになるからなんですね。
例えば対面キッチンの場合、リビングやダイニングに向いているので部屋が広く見えそうに感じますが、キッチンの中の空間はキッチンで作業することだけに使われることがほとんどです。
対面キッチンの中は料理をするためスペースなので、ある意味料理をすることに特化したスペースとも言えます。
一方、壁付けキッチンの場合、キッチンのすぐ後ろにダイニングテーブルを置くことが多く、キッチンスペース兼ダイニングスペースというように、料理だけのスペース以外にもキッチンを使うことができるようになります。
そのため、壁付けキッチンにすることで家の面積を有効活用できるんですね。
ちなみにワンルームマンションやアパート、賃貸マンションで壁付けキッチンが多いのも、対面キッチンにするとより広い面積が必要となってしまうので壁付けキッチンにしているケースがほとんどです。
また、壁付けキッチンは部屋の壁際にキッチンが来るので、対面キッチンのようにキッチンで空間が区切られることがなく、部屋の中が広く見えると言う効果もあります。
(部屋が広く見えるには視界が遮られずにどれだけ視線が抜けるかどうかが重要というのが大きな理由です)
特に狭いリビングだと、下手に対面キッチンにするよりも壁付けキッチンにした方がスペースを有効活用できますし、見た目も広く見えるという効果も期待できます。
実際に、名作と呼ばれる小さな家や狭小住宅では壁付けキッチンを上手く使っていることがほとんどです。
リビングが狭くなりそうなら壁付けキッチンを一度検討してみる。
これは覚えておきたいですね。
→対面キッチンはどれがおすすめ?対面キッチンのメリット、デメリットと後悔しない選び方
→壁付けキッチンのメリットとデメリットって何?失敗しない壁付けキッチンの作り方
スペースを兼ねる
Photo:https://www.homify.jp/professionals/95530/shu
狭いリビングになる場合、家具でもリビングとダイニングを兼ねるというのは効果的な方法でしたが、間取りでもリビングとダイニングを兼ねるというのは効果的な方法です。
たとえば畳リビングにしてダイニングとリビングを兼ねたスペースにすることであまりスペースがなくても落ち着く快適な空間にするのも良いですね。
小上がりにすることでキッチンとの高さの違いも上手く解消されるなど、広さを広くできないのであれば高さを上手く使って部屋をより快適にすることができます。
→畳リビングはこんな人にオススメ!畳リビングの魅力と失敗しない作り方
また、家は居心地いい場所をどれだけ作れるかで暮らしの楽しさと言うのは大きく変わってきます。
ちょっとした空いたスペースに作り付けの落ち着くソファを作るなど、この場所にいれば楽しいだろうな。
そんな場所をしっかり作っておくことで、狭いリビングも気にならない快適な家を作ることができます。
狭いリビングで気をつけたいこと
ここまで小さいリビングを快適にする方法を見てきましたが、最後に小さなリビングで気をつけておきたいことも見ておきましょう。
気をつける場所を知っておくことで、間取りや家具選びの失敗を減らすことができるからなんですね。
まず間取りから見てみると、そのリビングの視線がどれだけ抜けるかどうかはとても重要になります。
部屋は物理的に広くできなくても、視線が抜けることで実際に感じる広さと言うのは大きく違ってくるからなんですね。
(たとえば窓の全くない狭い個室と窓がある個室では、広さの感じ方は全く違うものになります)
そのため、視線が抜けるよう窓が配置されているか。
これは必ずチェックしておきたいとても重要な項目になります。
ちなみに、同じ広さで正方形の真四角な部屋と長方形の部屋ではどちらの方が広く見えるでしょうか?
答えは長方形の部屋。
長方形の方が部屋の対角が長くなるので視覚的に広く見えるんですね。
そのため、対角に家の中がどれだけ抜けるかと言うのも押さえておきたいポイントと言えます。
同じように、リビング階段にして視覚的に広く見えるようにするなども効果的です。
→一軒家の間取りで失敗しないために気をつけたい7つチェックポイント
→リビング階段は寒い?プロが教えるリビング階段のメリットとデメリット。
では次に、家具についての注意点も見てみましょう。
狭いリビングに家具を置く時のポイントとして、まずはリビングに入って一番目につく場所に重く見える家具は置かないということ。
目につく場所に家具が有ることで部屋の印象が重たく見えてしまうんですね。
そのため一番目につく場所には観葉植物など部屋の印象が明るく軽やかに見えるような物を置くのが基本となります。
また、狭いリビングでは家具や家電もできるだけ高さを抑えた軽く見える物を置くのがセオリー。
背の高い家具は圧迫感を出してしまうので、できるだけ目線よりも低いものを、ソファやテーブルなどの脚もスチールや細めの脚の物を選びたいですね。
大きさも少し小ぶりくらいな方がリビングに上手く馴染みます。
その他、絶対に避けたいのは散らかったリビングになるということ。
物が床に散らかった部屋はどうしても部屋は狭く感じますよね。
それは視覚的にゴチャゴチャしていると、情報過多で落ち着かなくなってしまうのが原因です。
そのため、特にリビングで増えがちな小物などを収納できる奥行きの浅い収納は必ずリビング近くに設ける。
これは必須項目となってきます。
ちなみに、よく「鏡を置くと広く見える」という話も耳にしますが、実際に狭いリビングに鏡を置くと誰かが移動するたびにチラチラと鏡に姿が映るので、あまり落ち着かないリビングになってしまうというケースもよくあります。
散らかった部屋が情報過多で落ち着かないのと似ていますね。
そのため、わざわざリビングに鏡を置くのではなく、できる限りストレスなくスッキリ見えるようにする。
特に狭いリビングではこれがとても重要になってくるんですね。
まとめ
今回は狭いリビングを快適にする方法について詳しく見てきました。
家の広さと言うのは変えられない物ですが、家具の配置次第で部屋の印象は大きく変わってきますし、間取りもどれだけ工夫するかで生活のしやすさ、楽しさと言うのは大きく変わってきます。
リビングは毎日暮らす場所。
少しでも快適に、また楽しく暮らせるようなリビングを目指してくださいね。
では。
リビングについてはこちらも参考にしてください。
リビングの間取りを見る前に知っておきたい!代表的なリビングの間取り5選
リビングの広さはどれくらい必要?16帖、18帖、20帖で比べて見ました
2階リビングのメリット、デメリットをプロの建築士がまとめました【絶対保存版】
家具についてはこちらも参考にしてください。
お洒落な家具や雑貨が見つかるおススメのインテリアショップ20選「2021年版」
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