2階リビングの間取りは何をチェックすればいい?建築士が2階リビングの間取りを解説します

「2階リビングの間取りを検討しています。2階リビングの間取りではどんな点に気をつけて見ればよいでしょうか?」

このような質問を読者の方からもらいました。

2階リビングとはその名のとおり、2階にリビングがある間取りのことを言います。

一般的には1階にリビングを配置することが多いですが、あえて2階にリビングを配置したのが2階リビングの間取りなんですね。

リビングが2階に配置されることで1階リビングの間取りとは個性がかなり違う間取りとなってきます。

そこで今回は、2階リビングの間取りを見ながら2階リビングの間取りのどこに注目すれば良いのか見ていきたいと思います。

間取りが気になる方や2階リビングを検討されている方はぜひご覧ください。

2階リビングの間取りの特徴

普通の間取りと2階リビングの間取りではどのような違いがあるのでしょうか?

まずは2階リビングの間取りの特徴について見てみたいと思います。

 

2階リビングの間取りの場合、基本的な構成は1階に寝室や子供部屋などの個室を配置し、2階にLDKを配置すると言うのが間取りの基本構成となります。

そして、リビングが2階にあるため日当たりの良い明るいリビングにしやすいというのが2階リビングの間取りの一番大きなメリットとなってきます。

特に住宅街で周りが家で囲まれている敷地であったり、敷地の南側に庭スペースを作ることができず1階リビングだと日当たりがあまり期待できない場合では、2階にリビングを配置する事で明るいリビングにできるようになるんですね。

 

また、1階リビングの間取りでは玄関の位置次第でリビングの広さや形に制約が出てしまうケースもありますが、2階リビングの場合は最低限ワンフロアにLDKと階段があれば間取りが成り立つのでLDKの形や広さに制約が出ることが少なく、大空間のLDKにしやすいという特徴もあります。

 

その一方、2階リビングの場合は生活の中心が2階になるので階段の上り下りが増えることになりますし、1階リビングで十分な光が入る場合は2階リビングにする必要性はかなり低くなってきます。

このように2階リビングの間取りというのはどんな状況でも合うという訳ではなく、2階リビングが合う、合わない敷地があったり間取りの好みが人によって分かれやすいという特徴もあるんですね。

では、2階リビングの間取りを見る時、どのような点を意識して間取りを見ると良いのでしょうか?

それでは次に、2階リビングの間取りを具体的に見ていきましょう。

2階リビングの3つの間取り

2階リビングの間取りを見る時、大きく分けて3つの間取りに分類することができます。

  • 水回りを1階に配置した2階リビングの間取り
  • 水回りを2階に配置した2階リビングの間取り
  • 2階にLDK以外の部屋を配置した2階リビングの間取り

以上の3つの間取りです。

 

それでは、それぞれの2階リビングの間取りにどのような特徴があるのかを具体的に見ていたいと思います。

 

水回りを1階に配置した間取り

2階リビングの間取りの場合、水回りを1階に配置した間取りか、それとも2階に配置した間取りかで間取りの性質はかなり違ってきます。

では、どのような違いが出てくるのでしょうか?

まずは水回りを1階に配置した2階リビングの間取りを見てみたいと思います。

2階リビングの間取り

上の間取りは水回りを1階に配置した2階リビングの間取りになります。

2階を見てみると、広さに余裕のあるゆったりとしたリビングになっているのが分かりますね。

 

このように、2階リビングの間取りで水回りを1階に配置した時のメリットとしては2階のLDKをゆったり取れるという事が挙げられます。

水回りが1階にあるので、2階のスペースの自由度が高くなるんですね。

そのためLDKだけでなく畳コーナーや広めのパントリーを作ってみたりなど、LDK以外の場所も充実させることができるようになります。

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その一方、水回りが1階にあるためキッチンで料理をしながら洗濯も同時にこなしたい場合や2階でも手を洗いたい場合など、生活スタイルによっては不便に感じてしまうこともあります。

そのようなケースでは洗濯機を2階の目立たない場所に置くようにしたり、2階でも簡単に身だしなみが整えられるように手洗いを設置するなど、生活スタイルに合わせたアレンジをすると効果的です。

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また、水回りが1階にあると生活を1階で完結することができるので、場合によっては子供がLDKにほとんど顔を出さなくても生活ができてしまうことも考えられます。

特に子育て世代であれば、これは気になる部分ですよね。

そうならないよう、LDK内にスタディーコーナーを設けるなど、LDKに人が集まる仕組みを作ることも重要なポイントになってきます。

 

水回りを2階に配置した間取り

先ほどは水回りを1階に配置した間取りでしたが、2階リビングの間取りでは水回りを2階に配置するというケースもあります。

こんな感じの間取りですね。

2階リビングの間取り2

先ほどの2階リビングの間取りと比べて2階にかなり違う印象を受ける方も多いのではないでしょうか。

水回りを2階に配置する間取りのメリットとしては、やはり家事の動線をコンパクトにまとめられるということが挙げられます。

リビングと水回りが近くなるので、家事の効率という点では便利になるんですね。

また、洗濯物をバルコニーに干す場合は洗濯の動線も短くなるというのも魅力の1つです。

さらには水回りが2階にあるので家族が2階に集まりやすいという効果も見込めます。

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その他、2階リビングの間取りの場合は水回りを2階に配置することで1階、2階の大きさが揃いやすいというメリットも有ります。

たとえば、同じ部屋数の間取りでも1階リビングの場合は1階にLDKと水回りがあると1階の方が大きくなってしまうケースがほとんどですが、2階リビングの場合は玄関が1階に配置される分だけ1、2階の大きさのバランスが揃いやすくなるんですね。

特に家をあまり大きくできないコンパクトな敷地の場合や予算に合わせてコストパフォーマンスの高い家にしたい場合、1、2階の大きさのバランスが取れた家というのは大きな武器になってきます。

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その一方、LDKの広さを重視する場合は水回りが2階にあることで希望のLDKの広さを確保できないというケースも出てくることがあります。

そのため、ある程度広さが限られた敷地で2階リビングにする場合、LDKの広さを重視するか、それとも水回りとLDKが同じフロアにある方を重視するのか、どちらの優先順位が高いかを一度考えて優先順位の高い方を採用すると言うのも1つの方法になってきます。

家は住んでからどれだけ快適に暮らせるかが重要なので、とにかく希望を詰め込んだ間取りにするのでなく、時にはバランスの取れた間取りを目指した方が結果的に良い家になると言うことも多いんですね。

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2階にLDK以外の部屋を配置した間取り

ここまで2階リビングで水回りを1階に配置したケースと2階に配置したケースを見てきましたが、もうひとつ、2階リビングで頭に入れておきたい間取りがあります。

それは2階にLDKだけでなく部屋を配置するという間取りです。

こんな感じですね。

2階リビングの間取り3

上の間取りはLDK以外に2階に部屋を配置した間取りの一例となります。

部屋の用途としては、LDKと一体で使える和室にして来客時は客間にしたり、寝室や子供部屋に使うケースが多く有ります。

このようにLDKと同じ2階に部屋を配置した場合にどのようなメリットが有るかと言うと、例えばリビングの横に子供部屋を作って子供が小さい時はリビングと一体の遊び場に、子供が成長したら子供の個室というように生活スタイルに合わせて部屋の使い方を変えることもできますし、子供が必ずリビングを通る間取りにすることができます。

また、2階にLDK、水回り、寝室を作ることで将来足腰が弱くなって階段が辛くなった場合もホームエレベーターを付けるなど対応策を取ることで2階で生活を完結できるようにもなるんですね。

あまり動けなくなった時は移動するのが大変なので行動範囲は狭くなってしまいますが、常にいる場所は可能なら日当たりの良い場所にしたいものです。

1階だとあまり陽の当たらない部屋になってしまう場合でも、2階だと常に明るい部屋に居れるというのも魅力の1つなんですね。

このように2階リビングの間取りの場合、2階に部屋を設けることで色んな生活パターンに対応しやすくなります。

 

ただ、2階に部屋を作るということはその分だけスペースが必要となってくるので、1、2階のバランスという点では間取りの難易度は上がってきます。

そのため、LDKが中途半端な広さになってしまう場合は畳コーナーにしたり、いっそのこと部屋を無くしてしまうなど、部屋にこだわりすぎないというのも住みやすい2階リビングの家を建てるための1つの方法となってきます。

2階リビングの間取りのチェックポイント

それでは次に、2階リビングの間取りを見る時の簡単なチェックポイントについて見てみましょう。

2階リビングの間取りを見る時にまず注目したいのが、「玄関から階段までの距離について」。

玄関と階段が離れるほど1階の通路部分が長くなってしまう傾向がありますし、玄関と階段が離れているとリビングへの動線も長くなってきます。

このように、2階リビングの間取りはできるだけ玄関と階段の位置が近い方が生活がしやすく、また廊下も少なくできるようになります。

そのため、2階リビングの間取りを見る時はまずは玄関と階段に注目して間取りを見たいですね。

 

次に注目したいのが、「LDKの広さと形について」です。

2階リビングの場合、これまで見てきたようにLDKの広さや形の自由度が高いというのが大きな魅力です。

そのため満足いくLDKになっているのであれば、その間取りは2階リビングの魅力を上手く取り入れて作られた間取りと言えます。

一方、LDKの広さや形がイマイチしっくり来ない場合、階段の位置や水回りの配置などが影響しているためしっくり来ないことがほとんどです。

たとえば、LDKの形がしっくり来ない場合は階段の位置が間取りの邪魔をしていることがほとんどですし、広さが気になる場合は水回りを違うフロアに移動させるなど、LDKを見ることで階段や水回りが最適なのかが分かるようになるんですね。

このように2階リビングの間取りを見る場合、玄関、階段、LDKに注目して見ると、あなたに合った間取りなのかの判断がしやすくなります。

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2階リビングの間取りと相性の良いもの

それでは最後に、2階リビングの間取りと相性の良いものを見てみましょう。

相性が良いということは、有ればより間取りを魅力的にしてくれる物ということになります。

もちろん全部採用するのは難しいケースもあるので、魅力に感じるものがあれば間取りに取り入れていくというスタンスで見ていきたいですね。

それでは1つ目を見ていきましょう。

 

勾配天井やロフト、スキップフロア

2階リビング

2階リビングの場合、勾配天井やロフトといった縦の空間を使う手法を取り入れることで、間取りの魅力をグッとあげる事ができるようになります。

たとえば2階リビングにした場合、リビングの上には屋根しかないケースが多いので、屋根に合わせて勾配天井にしたり天井を高くしたりなど天井高さを自由に設定できるようになります。

そのため、2階リビングに勾配天井もプラスすることで天井も高くなり、より開放的なリビングにする事ができるんですね。

また、天井が高くなった場所に窓を設けることで、より光が入るリビングにすることもできますし、空まで視線が抜けて家の中がより広く見えるようにするなど様々な効果が見込めます。

このように2階リビングの間取りと勾配天井との相性は抜群なんですね。

屋根の形状次第で、家の外観はかなり変わるんです。

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また、同じように2階リビングとロフトもとても相性が良い組み合わせとなります。

2階リビングから見える場所にロフトを作ることでリビングとロフトを緩やかにつなぐ事ができるようになるからなんですね。

 

ロフトを作った場合、一番もったいないケースが使わないロフトと物であふれたロフトになってしまうことです。

一方、2階リビングにロフトを設けた場合はリビングと繋がっているので使わないロフトになる可能性も低く、さらにはリビングから見えるので物があふれてグチャグチャのロフトになる可能性も低くなります。

2階リビングにロフトを作ることでロフトを有効活用できる可能性がグンと上がるんですね。

また、リビングに奥行き感が出て広く見えるというのも2階リビングにロフトを設けた時の魅力の1つです。

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その他、2階リビングにスキップフロアを組み合わせてみるのもいいですね。

もともと2階リビングは縦の空間を活かす手法と相性が良いので、スキップフロアも使い方次第で2階リビングをより魅力的なものにしてくれます。

2階リビング スキップフロア

このように2階リビングは縦の空間の使い方次第で間取りは大きく変わってきます。

2階リビングの間取りを見る時は縦の空間もどうなっているのかチェックして見ると楽しいですよ。

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階段を工夫する

2階リビングの場合は階段を上り下りすることが増えるため、階段の作り方次第で生活がしやすいかどうか変わってきます。

たとえば階段の段差は少しゆるやかにしておいた方が階段が登りやすくなりますし、歳を取った時にも負担が少なくなります。

 

また、階段の幅を通常よりも少し広めにするのも効果的です。

2階に大きな家具や家電を運ぶ場合は階段が狭いとクレーンで吊り上げて家に搬入するというケースもよくありますが、階段が広いと家具や家電の持ち運びもクレーンを使わずに搬入できるようになりますし、何より買い物袋や宅配便を持って2階に上がる時も上り下りが楽になります。

その他、階段に踊り場を設けておく事で足を滑らせてしまっても途中で止まるようにして大きな怪我を防ぐなど、安全面にも配慮しておくと何か有った時も安心です。

このように、2階リビングの場合は階段の使い勝手というのは生活に直結してくる部分となり、少し手を加えることで生活がしやすくなるんですね。

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広いバルコニー

2階リビングの間取りと広いバルコニーはとても高相性の良い組み合わせになります。

2階リビングの場合は庭は駐車スペース以外に使わないというケースも多いですが、リビングに面したバルコニーがあることで庭代わりに使える空間にすることができるんですね。

 

たとえば、LDKも視線の抜けができるので広く見えるようになりますし、手すりの高さや作り方を調整する事で外からの視線も気にならないプライベートなスペースにすることも可能になります。

また、バルコニーの上に屋根を掛けて家具を置きアウトドアリビングのように使うなど、2階リビングと広いバルコニーというのは様々な使い方が考えられるんですね。

 

もちろん、広いバルコニーを作るだけのスペースがないというケースも考えられます。

そんな時に重宝するのが、家の面積に入らないウッドバルコニーを作るという方法です。

ウッドバルコニー

駐車スペースの上部分をバルコニーに有効活用するという訳ですね。

ウッドバルコニーというと「木なので腐るのでは?」と思う方もいらっしゃると思いますが、バルコニーを支える柱や梁を耐久力の高い鉄骨で作っておけば、将来、床や手すりなどで弱くなった部分があれば取り替えるのも簡単ですし、イペやウリンなどの強い木材でウッドバルコニーを作ったり、腐らない樹脂性のバルコニーにするという方法もあります。

(このあたりはイニシャルコスト、ランニングコストのどちらを優先するかで考えると、何で作るか決めやすくなります)

2階リビングの間取りを考える場合、このような敷地の余剰空間も活かせるかどうか考えて見るのも楽しいものなんですね。

 

将来の生活の変化への対応策

2階リビングの間取りで生活する場合、やはり気になるのが「将来歳を取った時に生活ができるのかどうか」という点です。

もちろん、将来どうなっているかはその時まで分からない部分でもありますが、2階リビングにする場合は歳を取った時に一抹の不安を感じるという方も多くいらっしゃいます。

そんな場合、将来の生活の変化に対応できるよう、ホームエレベーターを付けられるスペースをあらかじめ間取りに確保しておくという方法が考えられます。

たとえば、下の間取りの場合、階段横の「物入」になっているスペースが将来ホームエレベーターが必要になった時にホームエレベーターを設置することを想定しています。

2階リビング間取り4

そして2階の間取りも同じようにスペースを取っておく事で、間取りに手を加えずにホームエレベーターを付けることが可能になるんですね。

(スペースが確保できない場合、階段に取り付けられるホームエレベーターも有ります)

 

また、反対に1階で生活を完結できるよう準備しておくという方法もあります。

たとえば、1階を簡単なミニLDKにリフォームできるように間取りを作っておいたり、2階に水回りがある場合もいざとなったら1階に水回りを移動できるよう、水回りを想定した場所を決めておいたりあらかじめ配管を通しておくと言う方法もあります。

ホームエレベーターとは逆に、いざとなったら1階での生活に切り替えられるようにした間取りにするという訳ですね。

 

このように将来の生活の変化に対応した2階リビングの間取りにする事も可能です。

万が一に備えて間取りを作っておくことで、間取りの不安を取り除く事もできるんですね。

まとめ

今回は2階リビングの間取りについて詳しく見てきました。

2階リビングには1階リビングの間取りには無い魅力がいくつもありますが、その分、間取りの個性も強く、好みが分かれるという特徴があります。

簡単に言うと、1階リビングは誰にでも合わせやすく、2階リビングは人によって合う、合わないが分かれてくるんですね。

 

そのため2階リビングの間取りの場合、あなたに合った間取りなのかどうかというのがより重要になってきます。

 

そう言われると何だか難易度が高いように感じてしまうかも知れませんが、2階リビングの間取りも見るべきポイントを押さえておけば、あなたに合った間取りなのかどうかは簡単に判断することができるようになります。

今回の内容を参考に、ぜひあなたに合った間取りにしてくださいね。

では。

 

2階リビングについてはこちらも参考にしてください。

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