今回のテーマは「巾木」について。
巾木の読み方は「はばき」と言って、「幅木」という漢字を書く事もあります。
この巾木とは家の内装に使う部材なのですが、実は名前があまり知られていないけども家で重要な役割を担っています。
今回は、そんな巾木について詳しく見ていきたいと思います。
巾木って何?
家の打合せ中、「巾木って何ですか?」と聞かれることがよくあります。
それだけ巾木と言う言葉は、一般的にはあまりよく知られていない言葉かも知れません。
でも、あなたも1度は必ず目にされた事があるのが巾木です。
ちなみに巾木とはこんな物。
何となく巾木を見た事があるという方もいらっしゃると思いますし、「こんなの家にあったっけ???」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このままだと何だかよく分からないので、部屋の写真を見ながらどれが巾木か見てみましょう。
部屋の下側に巾木が付いています。
巾木とは、床と壁がぶつかる部分に設置される建築部材のことを巾木と呼ぶんですね。
巾木を日常生活で意識する事はほとんど無いと思いますが、よくよく部屋の中を見てみると巾木がついていることが分かります。
では、どうして壁の下の辺りに巾木が付いているのでしょうか?
この巾木、ただの飾りではなく役割があって付いているのですが、部屋のデザインにも大きな影響力を持っています。
それでは巾木の役割を見てみましょう。
巾木の役割
部屋の中に付いている巾木の役割は大きく分けて2つあります。
1つは、壁を守る役割。
床と壁がぶつかる部分というのは、実はかなり酷使される場所です。
掃除機を掛ける時に壁に当たってしまう事もありますし、お子さんが走り回って壁に足をぶつけてしまう事もありますよね。
それだけ、巾木が付いている場所と言うのは汚れたり破損しやすい部分になります。
そんな汚れや破損に堪えれるように、巾木が付けられています。
壁の下側に何かぶつかるたびに壁が破損して毎回修理するとなると大変ですよね。
壁が破損しなくても、壁紙がはがれたり塗り壁がポロポロ取れたりしてしまうのはストレスになります。
そうならないように巾木が取り付けられているんですね。
そして巾木はもう1つ、壁と床との緩衝材という役割を持っています。
下の図をご覧ください。
この図は一般的な壁と床、巾木の取り合いの断面図なのですが、壁と床の間に隙間があるのがお分かりになるでしょうか?
この隙間がある事で、床や壁が多少動いたとしても力を逃がす事ができる上に、工事の施工性が向上します。
内装の壁は全部床にぴったりくっついている訳ではなく、遊びの「隙間」が取られているんですね。
でも、巾木でその遊びの部分の「隙間」を埋めずにそのまま隙間にしているとゴミが溜まるし見かけも良くありません。
なので、巾木を緩衝材として取り付けているという訳なんですね。
建築では、このような「遊び」を持たせる手法がよく出てきます。
「遊び」を持たせる事で、家に柔軟性を持たせているんですね。
まとめ
今回は巾木とはどういう物かについて詳しく見てきました。
巾木は何となく付いているように見えて、実はしっかりした役割があったんですね。
また、実は巾木のデザイン次第で部屋の見え方というのは大きく違ってきます。
巾木は壁を守るために付いているものですが、意外と巾木は目立つものです。
そのため、でどんな巾木を付けるかというのはインテリアの重要な要素になるんですね。
巾木のデザインについては下の記事にまとめているので、巾木を使っておしゃれな部屋にする場合は参考にしてみてくださいね。
では。
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