2階の洗面台

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家の2階にも手洗いや洗面台はあった方がいいの?

「家の間取りを決めているのですが、2階に手洗いを付けるかどうか迷っています。2階にも手洗いはあった方が良いでしょうか?」

読者の方からこのような質問をもらいました。

たしかに1階に洗面などの水回りがあったとしても、「2階にも手洗いがある方が便利かな」と迷うことがありますよね。

 

そこで今回は、2階に手洗いや水栓など水を使える場所を設けた方が良いのかどうかについて見ていきたいと思います。

水まわりが気になる方はぜひご覧ください。

2階で水が使えるとかなり便利

まず最初に今回の読者さんの質問に答えておきたいと思います。

2階に手洗いがあった方が良いかどうかについては、

「2階に手洗いや水栓などを設置できるのであれば、設置しておいた方が生活が便利になる」

という回答になります。

 

私はこれまで建築士として数多くの注文住宅を建て、また多くの家を建てた方の声を聞いてきましたが、「2階で水を使えるようにして良かった」という方はかなり多く、反対に「2階に手洗いなどの水場はいらなかった」という声はほとんど聞かれません。

それだけ2階に水栓や洗面台を設けた方は満足されているケースが多いんですね。

 

では、実際に2階で水を使えることに何を魅力に感じている人が多いのでしょうか?

次に2階で水が使えるメリットについて見ていきたいと思います。

2階で水が使えるメリット

2階で水が使えるメリットとして代表的な物を挙げるとすると、

  • 朝の身支度を2ヶ所でできる。
  • 2階を拭き掃除する時に便利。
  • 加湿器を使う時や観葉植物に水をあげる時の動線が短くなる。

この辺りが2階で水が使える主なメリットとなります。

それでは、それぞれのメリットを具体的に見ていきましょう。

 

朝の身支度を2ヶ所でできる

1階だけでなく2階にも洗面を設けることで、1階、2階の洗面台を2ヶ所同時に使えるようになります。

洗面台を2ヶ所使えるというのはかなり便利で、朝に出かける時間が家族で被ってしまっても、洗面台が2ヶ所あることで解決することができます。

特に家族が多かったり、女性が多い家庭なんかでは朝の時間に洗面台が渋滞してしまうなんてこともあるので、複数の洗面台があるというのはかなり便利です。

このようにメインの洗面台以外にもう1つ洗面があるというのは、朝の無用な順番待ちを解消する効果的な方法になってくれるんですね。

 

その他にも家がリビング階段の場合も2階に洗面台があると便利です。

例えばリビングに来客がある場合は寝室から洗面へ行くのもリビングを通る必要が出てきますが、2階に洗面台があると身支度を整えてから1階に降りて行くことも可能になります。

これは休日朝ゆっくりしている時やシフト勤務で起きる時間が不規則な方の場合は特にありがたいですよね。

2階から洗面へ行くまでの動線がどのようになっているのか。

この部分を考えてみる事も、2階に洗面台を設けるかどうかの大きな判断材料になります。

リビング階段は寒い?後悔しないオシャレなリビング階段を作る方法

 

2階を拭き掃除する時に便利

最近では掃除ロボットのルンバを使うなど掃除をするのが昔に比べて楽になってきていますが、掃除機だけで掃除しきれない部分はやはり拭き掃除をすることになります。

そして、拭き掃除をする場合は汚れた雑巾を洗うなど近くに水場があるとやはり便利です。

雑巾を洗うためにわざわざ1階と2階を行き来するというのはどうしても手間に感じてしまいますよね。

 

また、子供が小さい時はどうしても色々と汚しがちになってしまうもの。

子供が2階で飲み物などをこぼしてしまった場合など、2階で水が使えればサッと拭いてサッと洗えるというメリットもあります。

 

その他、バルコニーを掃除する場合も2階で水が使えるとかなり便利です。

たとえば布団を外に干す場合はバルコニーの手すりに干す事が多いですが、その場合も近くで水が使える事でサッと手すりを拭くことも可能になりますし、バルコニー自体が外にあるので土埃などが溜まって意外とすぐに汚れてしまうからなんですね。

バルコニーの手すり次第で布団の干しやすさは変わります

 

このように2階で水が使えるということは、掃除の面でも大きなメリットとなります。

 

2階で水を使う時の動線が短くなる

掃除以外で2階で水を使うケースとしては、冬場の乾燥する時期に加湿器を使ったり、部屋やバルコニーに観葉植物を飾っている場合など、わざわざ1階まで水を汲みにいく必要がないというのはやはり便利です。

 

例えば部屋に飾ってある観葉植物の水やりを忘れていたことに気づいたけども、水をあげるために1階まで水を取りに行かないといけない場合と、すぐ近くで水を汲める場合では後者の方が断然ハードルが低いですし、寝る時に加湿器の水が切れていた場合も下まで降りるのは億劫だけども、すぐに水が汲めるのであればそれほど面倒に感じることもありません。

 

このように、2階で水が使えるようにすることで水を使う時の動線を短くでき、水が必要な時に手間だと感じることを減らす事ができるんですね。

その間取りは動線が考えられていますか?家の間取りと動線について

水場は2階のどこに設ける?

2階の手洗い

ここまで2階にも手洗いを設置するメリットを見てきました。

では、2階に手洗いを設置する場合はどこに配置するのがいいのでしょうか?

2階で水を使えるようにする場合、考えられる場所は大きく分けて3つになります。

  • トイレ近くに独立した洗面台を設ける。
  • トイレの中に手洗いを付ける。
  • バルコニーに水栓を設置する。

以上の3つのパターンです。

それでは、それぞれのメリット、デメリットについて見てみましょう。

 

独立した洗面台を設ける

2階で水が使えるようにする場合、独立した洗面台を設けるというのは一番使い勝手が良い方法となります。

洗面台なので身支度にも使う事もできますし、トイレの近くに配置する事でトイレの手洗いにも使う事ができるのはやはり便利ですよね。

また、洗面ボウルも大きいので水を汲む時にも不便はありません。

そのため、設置できるのであれば独立した洗面台を2階に設けておくと、後で不便を感じる事はほとんどなくなります。

 

一方、洗面台を設けるにはスペースが必要になりますし、それなりの洗面台を設ける場合は費用も必要になってきます。

また、洗面台を設置する場所が吹き抜けを通して1階から見える場所であったり、2階の廊下やホールの雰囲気にもこだわる場合、既製品の洗面台を設置すると生活感がかなり強く出てしまう事がよくあります。

そのため、設置場所によっては既製品の洗面台を使うのではなく造作の洗面台にするなど、洗面台の選び方にも気を配っておきたいですね。

造作洗面台と既製品洗面台のメリットとデメリット

 

トイレの中に手洗いを設ける

トイレ

2階で水を使えるようにする場合、トイレの中に手洗いを設けるという方法もあります。

トイレの中に手洗いを設ける事でトイレの後に手を洗うだけでなく、2階で水が必要になった場合も手洗いの水を使うこともできます。

トイレ用の手洗いは省スペースの物が多いので広い場所がなくても設置できますし、比較的安価な物が多いのでそれほど予算を掛けずに設置する事ができるというのも魅力の1つです。

 

その一方、トイレ用の手洗いだと身支度に使うには少し厳しいですし、ボウル自体が小さいので雑巾などを使う時に勢いよく洗うと水がボウルから跳ねやすく使いにくいなんてことも。

また、加湿器のタンクなど水を入れる物の形によっては水が汲めなかったり汲みにくくなってしまうこともあります。

トイレの手洗いはあくまで「手洗い」なので、独立した洗面台のように万能という訳ではないんですね。

そのため、トイレの手洗いをしっかり使う場合は少し広めのトイレにして大きめの洗面台を設け、洗面室とトイレを兼ねたスペースにするという方法もあります。

トイレその後に!!どうする?手洗いの方法

 

バルコニーに水栓を設置する

家の中に洗面台や手洗いを設けるのではなく、バルコニーに水栓を設けることもできます。

バルコニーというのは意外と雨や砂などの汚れが付きやすく、放っておくとバルコニーの劣化にもつながります。

家のメンテナンス費用はどれくらい必要?家の修繕積立金について

 

そんな時に便利なのがバルコニーの水栓なんですね。

ホースに繋ぐ事で簡単にバルコニーを掃除する事ができますし、ホースでなくてもバケツに水を溜めて一気に流したり、洗濯物を干す時にサッと手すりを拭く時にも重宝します。

 

バルコニーに水栓というと大層な物のように感じますし、金額もかなりするように感じてしまいますが、蛇口だけを設けるだとこれまで見てきた独立した洗面台やトイレの手洗いよりも安く設置する事ができます。

蛇口だけというとこんな感じですね。

バルコニーの水栓

蛇口と水を2階に通す工事費用だけで良いので、1番コストを抑えて2階に水場を設ける事ができるんですね。

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こんなのアリ!?家にあると笑えるオモシロ水栓をご紹介します

 

一方、バルコニーに水栓を設ける場合のデメリットとしては、やはり水が使える場所が外になるので冬場の寒い時期はどうしても寒くなりますし、バルコニーに出るためにサンダルに履き替えるなどの一手間が必要になってきます。

そのため、屋内で頻繁に水を使う場合は物足りなく感じてしまう場合もあります。

 

バルコニーに水栓を設置するケースとしては、広いバルコニーにする場合や、バルコニーをよく使うという場合はこのように水栓があると使い勝手が向上しますし(コンセントもあるとベストです)、とにかく2階に安く水栓を設置したいという場合に魅力的な選択肢となってくるんですね。

 

ここまで見てきたように、2階で水が使えるようにすると言っても、その設置の仕方は様々です。

予算、間取り、生活スタイルなど、あなたに合った水場を設けたいですね。

まとめ

今回は2階に洗面台や水栓を設けた方が良いかどうかについて見てきました。

2階で水が使えた方が良いのかどうかについては、予算が許すのであれば2階でも水が使えた方がやはり便利になります。

水というものは生活に必ず必要となる物なので、水が使える動線が短いというのはそれだけ価値があるんですね。

 

今回のように1階に水まわりがあるケースだけなく、例えば2階リビングで水まわりも2階に配置されているというケースでも、1階で水が使えるようになっていると便利です。

水を使う動線を考えると、各階で1ヶ所は水が使えるようになっているとベストなんですね。

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もちろん、これは動線の話になるので、必ずしも各階で水が使えるようにする必要はありませんし、人によっては水が使えるよりも他に予算を掛けた方が価値が高いと感じる方もいます。

大切なのは、各階で水が使えるようにするという選択肢があるということを頭に入れた上で、要望の優先順位をつけならが採用、不採用を決める。

そうすることで、後悔することのない家にすることができるんですね。

では。

 

水まわりについてはこちらも参考にしてください。

おしゃれで使いやすい洗面所をつくるための5つのポイント

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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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