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屋根材の種類と、コスト、メンテナンス、デザインの違いを解説します

時にはゲリラ豪雨と呼ばれる雨や嵐から家を守り、さらには真夏の照りかえる日射や冬の風雪から家を守る。

屋根は様々な自然環境から、家を守ってくれます。

そんな一番過酷とも言える状況で使われる屋根材ですが、実は外壁と同じようにいろんな種類の屋根材が使われています。

 

今回はそんな屋根材の中でも、家を建てるなら必ず知っておきたい代表的な屋根材を、デザイン、メンテナンス、コストの面でご紹介したいと思います。

家を建てようと思う方はぜひご覧ください。

化粧スレート屋根

化粧スレート屋根って言っても何だかピンとこないか方も多いのではないでしょうか?(私も設計士をしていなければ、「スレート屋根??」となっていたと思います)

化粧スレート屋根とはセメントと繊維を混ぜてつくる屋根のことで、現在ではかなりの数の家で化粧スレート屋根が使われています。

こんな感じの屋根ですね。

コロニアル

Photo:http://www.kmew.co.jp/jirei/jirei_shosai.jsp?id=1034&pageNo=0

化粧スレート屋根は街中でもよく見かけるので、見たことがある方も多いのではではないでしょうか。

「カラーベスト」とか「コロニアル」という名前がついた屋根は、だいたい化粧スレート屋根に該当します。

 

そんな化粧スレート屋根の特徴としては、選べる色の数が豊富なのが大きな特徴です。

化粧スレート屋根は表面の塗装次第でいろんな色を選べるので、デザインのラインナップが豊富なんですね。

 

モダンな外観や和モダンの外観を目指す場合は黒やグレーといったモノトーン系の色を、洋風の家を目指すなら明るい色味のものを使うのが基本的な化粧スレート屋根の選び方となります。

 

また、化粧スレート屋根は価格も金属屋根や瓦屋根と比べると安価なことが多く、さらにはパーツが少なく取り付け作業も合理化されているので、施工費も比較的安価にでき、屋根にコストを掛けたくない場合は化粧スレート屋根というのは魅力的な選択肢となってきます。

 

一方、化粧スレート屋根のデメリットを見てみると、屋根の寿命は30年前後のものが多く定期的な再塗装が必要になってきます。

また、セメントの強化版のような素材なので、台風などで物が当たると割れてしまうケースもあります。

その他、化粧スレート屋根は価格が安めの物から高めの物まで幅広いですが、安い物のほうが劣化するのが早く再塗装が必要になりやすい傾向があります。(反対に高価な物は、時間による劣化が少なくメンテナンスが少ない傾向があります)

場合によっては10年ほどで定期的な塗り替えが必要なことも多いので、化粧スレート屋根を選ぶならメンテナンス性と価格を見ながら選びたいですね。

金属板屋根

roof2

金属板の屋根というと、やはり「ガルバリウム鋼板」の屋根が有名です。

金属板屋根の場合、昔のトタン屋根のイメージが強くて「金属の屋根で大丈夫?錆ない?」という印象を持つ方も昔はありましたが、今ではガルバリウム鋼板の屋根は30年くらいはメンテナンス不要とも言われており、耐久性の高い屋根材と言えます。

外壁材でもガルバリウム鋼板を使うことがありますが、ガルバリウム鋼板は家の外装材として人気の材料なんですね。

 

ガルバリウム鋼板の屋根は耐久性の他に、そのデザイン性の自由度が大きな特徴です。

外観の面でこだわりたい場合は、ガルバリウム鋼板の屋根は強い味方になってくれるんですね。

理由は、化粧スレート屋根や瓦屋根は施工の関係上ある程度の屋根勾配が必要となりますが、ガルバリウム鋼板は緩い屋根勾配でも使用可能なのでデザインの幅が広く、特にシャープさを出したい時などモダンな雰囲気の住宅をつくるときにはベストの選択と言えます。

 

ガルバリウム鋼板の場合、色味の種類はありますが基本的には単色になるので、シルバーから濃いめの落ち着いた色の方が発色がキレイな傾向があります。

また、ツヤ有りかマットなツヤ無しを選ぶことができますが、近隣に高い建物が有って屋根がよく見える場合はツヤ有り(特にシルバー色)だと眩しく感じる人もいるので、周辺環境に合わせて使い分けたいですね。

 

金属屋根は重さが非常に軽いので、ガルバリウム鋼板の屋根は地震の時には有利な屋根材という側面も持ち合わせています。

 

一方、ガルバリウム鋼板の屋根は耐久性は高いですが、表面に傷が付くとそこから錆が発生する原因ともなるので、長く性能を保つためには定期的なチェックは欠かせません。

特に海沿いなどでは錆が広がる前に張り替えを行いたいですね。

 

また、金属なので雨音が気になる場合もあるので、寝室が2階にあって「静かな場所で眠りたい」という場合や物音を気にするタイプな人の場合は、あらかじめ雨の日の音を聞いておく、または屋根の断熱材の厚みを厚くして音が少しでも聞こえにくくするなどの対策を取ってときたいですね。

 

価格の面では、ガルバリウム鋼板の屋根を使った場合は、一般的な化粧スレート屋根よりは高く、瓦屋根よりは安いといった感じで、中〜高価格帯の工務店で標準仕様となっていることが多いです。

また、金属板屋根はガルバリウム鋼板の屋根が一番ポピュラーですが、さらに錆に強いステンレス製の金属屋根なんかもあります。(価格は高くなりますが、錆びないのでより耐久性は高くなります)

屋根のメンテナンス性をどこまでこだわるかで金属の種類を選んでみるのも良いですね。

瓦屋根

瓦

Photo:http://www.try110.com/case/entry-393.html

日本で昔から高級屋根材として使われてきた瓦。

今では日本の和瓦だけでなく洋風デザインの家にかかせない洋瓦など、家のデザインに合わせた瓦を選ぶことが可能です。

 

瓦のメリットは、メンテナンス不要で高寿命と言う点がやはり一番魅力と言えます。

瓦は長期間の使用に耐えることができ、50年から100年ほど保つので、瓦を支える屋根の下地材の方が必要に応じてやり替えが必要になるくらい瓦自体は耐久性があります。

 

また、見た目も屋根材として特徴的で、大屋根のある家なんかでは瓦屋根があると見栄えがしますし、南欧風の家なんかではオレンジ掛かった色の瓦を使うのが一番マッチします。

このように瓦を使った家にする場合、瓦の持つ重厚感と家のデザインのバランスが重要になってくるんですね。

 

一方、瓦自体はかなりの重さがあるため、地震に強いとはお世辞にも言えないのがデメリットと言えます。

重い物が上に載っていると、地震で揺れた時にバランスがよくないんですね。

地震で家が倒壊しないために気をつけたい3つのこと

 

そのため、強い地震が起こりそうな地域の場合は、瓦屋根を避けるというのも1つの選択肢となります。

 

また、屋根材としては瓦屋根は高価な部類に入るので、それだけ屋根にコストをかけるかどうかも考慮しながら、瓦屋根を採用するかどうか決めたいですね。

番外編:陸屋根

陸屋根

代表的な屋根材を3種類ご紹介してきましたが、番外編として陸屋根をご紹介しておきたいと思います。

陸屋根とは簡単に言うと屋上のように平になっている屋根のことで、「ろくやね」もしくは「りくやね」と呼びます。

屋根の形状次第で、家の外観はかなり変わるんです。

 

陸屋根はRC造に向いている屋根なので、木造住宅ではあまり多く採用することはありませんが、屋上をつくる場合や外観が四角い形の家にする場合は陸屋根にすることがあります。

 

陸屋根の一番のメリットは、屋根部分が平なので屋上などに活用できることが挙げられます。

特に都市部で庭がとれない住宅では、屋上を庭代わりにするなどスペースを有効活用することができます。

また、屋根が見えないのでモダンな外観となりやすく、四角い形の家を目指すときは陸屋根は効果的な方法となります。

(ただ、見た目を四角にするためだけに陸屋根にするのは、価格の面でも陸屋根は費用がかかるので結構贅沢な使い方とも言えます)

 

一方、陸屋根も立派な屋根なので、これまで見てきた屋根と同じようにメンテナンスも必要になってきます。

一番簡単な仕上げは、バルコニーでよく使われる仕上げと同じFRP仕上げですが、10年くらいで塗り直しが必要なので、あまりに陸屋根の面積が広いとメンテナンスコストの部分で負担が大きくなってしまうので注意が必要です。

また、屋根に溜まった雨水は雨樋を通して地面に落とすことになりますが、屋根の上に飛んできた葉っぱなどが雨樋に詰まってしまうということもよくあります。

そのため、簡単に点検できるようにしておくのも、陸屋根にした時には大切なポイントとなります。

 

陸屋根の仕上げ方はFRP防水の他に金属防水仕上げという方法もあり、施工法によっては30年保証がついていたりとFRP仕上げよりも耐久性が高い仕上げもあるので、屋上に芝を植えたいなど庭のように使う場合は、価格は高くなりますが金属防水を検討してみるのもいいですね。

金属防水独特の仕上がりになりますが(個人的にはFRPより汚れがつきやすいように感じます)、メンテナンスの心配がいらないのは大きなメリットです。

まとめ

今回は屋根材についてご紹介してきました。

屋根材は実際には中々見えにくい部分ですが、外観のファサードであったり雰囲気を出すのに重要な部分ですし、何より雨や日差しから家を守ってくれる部分になるので、家の部材としてはかなり重要な部材となります。

 

また、一般的には住宅会社や工務店が標準仕様として何かしらの屋根材を最初から決めているものですが、その設定によっても、見た目の価格を重視しているのか、それともメンテナンスや外観を重視している会社なのかというのを読み取る材料となってくれます。

そういった事も含め、価格、外観、メンテナンス性など何を重視した家にしたいのか考慮してみると、あなたの家にあった屋根材が見えてきます。

ぜひあなたの家にあった屋根材をえらんで、満足する家にしてくださいね。

では。

 

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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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