よもやま話

地震で家が倒壊しないために気をつけたい3つのこと

こんにちは、O型建築士です。

私は現在、九州に住んでいるのですが、昨日、久しぶりに地震警報のアラームを耳にしました。

以前、関東に住んでいた時は震災以降たまに地震警報のアラームを耳にすることがありましたが、九州で地震警報のアラームを聞いたのは初めてです。

まだ余震が続いていますので、十分にお気をつけください。

 

TVの報道を見たところ、倒壊している家屋も多く見受けられました。

本来は自分や家族を守ってくれるための家なのに、その下敷きになってしまうのは辛いものです。

そこで今回は、地震が起きる前に、家が倒壊しないために気をつけておきたいことについてお話したいと思います。

家のバランスを良くする

総二階の家

まず、地震の時に大きな影響を受けるのが家のバランスです。

バランスが良い家というのを簡単に言うと、家に満遍なく壁があって耐力壁を設けている家。

反対にバランスが悪い家というのは、壁に偏りがある家のことを指します。

 

昔の家屋を見てみると、南側はほぼ全面開口部(窓)になっていて、北側はあまり窓がなくて閉じているという家を多く見かけます。

このような形は、日光を活用するためには理にかなっているのですが、地震への備えと言う点では大きく劣ってしまうのが弱点になってしまいます。

壁が多い北側の方が地震の揺れに強く、開口部の多い南側の方が地震の揺れに弱いので、地震の力により家がねじれてしまい家の倒壊に繋がってしまうんですね。

 

そのため、南側が大きく開いている家は南側に耐力壁をつくってバランスの良い家に変えることで、地震の時に家が倒壊するのをかなり未然に防ぐ事ができるようになります。

 

  • リフォームでバランスの良い家にするための費用:大(耐震工事が必要。自治体で補助金のある所も)
  • 新築の時にバランスの良い家にするための費用:無し

構造材をチェックする

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次に、家を支える構造材がしっかりと役目を果たしていることを確認するのも重要です。

柱や土台がシロアリに喰われていたり腐っていると、本来の強さを発揮することができなくなりますし、場合によっては細い柱や梁を使っている家も見受けられます。

腐った構造材や、ヒョロヒョロの構造材を使っている家に大きな地震が起きるとどうなるか、すぐに分かりますね。

 

地震が起きた時に、家を支え切ることができなくなってしまう可能性が高くなってしまいます。

 

家の定期的なチェックとメンテナンスは必ずしてくださいね。

特に古い家はシロアリに喰われやすかったり、雨漏れや湿気によって構造材が腐りやすい環境の家が多いので注意が必要です。

 

  • リフォームの構造材のチェック費用:小(構造材の取り替えが必要な場合:中〜大)
  • 新築時の構造材のチェック費用:無し(安い構造材を使っていて、良い構造材にグレードアップした場合:中〜大)

瓦屋根を軽くする

kawaraPhoto:http://www.kawabatakawara.com/200/2020/20390/

地震で倒壊している家の映像をよく見てみると、瓦屋根の家が多いことが分かります。

昔の家では、屋根に瓦を使った家が多くありますが、なぜ瓦屋根の家は地震での被害が多いのでしょうか。

 

瓦は耐久性が高く、火事にも強いので、昔だけでなく今でも高級屋根材に位置づけられますが、瓦の1番のネックは瓦の重さです。

思い瓦が家の屋根にあることで、地震の時の揺れが大きくなってしまうんですね。

赤ちゃんは頭が1番重いため、バランスが取りづらいのと同じです。

 

建築基準法でも、瓦屋根かその他の軽い屋根の時に必要な耐力壁の量は違っていて、瓦屋根の時の方がより耐力壁が必要になるように規定されています。

 

  • リフォームで瓦屋根を軽い屋根に変える費用:小〜中(屋根材による)
  • 新築で屋根を軽い材料にする費用・無し(標準仕様で軽い屋根が多いです)

 

余談として、太陽光発電を屋根に載せると、瓦と同じように屋根にかなりの重量がかかります。

最近の家は耐震性が向上していたり、屋根の重さを計算して構造設計していることが多いのでそこまで大きな影響はありませんが、古い家に太陽光発電を載せるのは、自分から地震に弱い家にするのと同じになってしまいます。

特に、古い家は太陽光発電の寿命よりも家の寿命の方が先にくる可能性が高いので、太陽光発電を載せる経済的価値はほとんどありません。

古い家の瓦屋根の上に太陽光発電を載せるのは最悪のパターンなので、必ず避けてくださいね。

 

これまで見てきたように、バランスの悪い家や構造材が弱っている家に瓦屋根があると、大きな地震がくれば倒れても全くおかしい話では無いことがお分かりいただけると思います。

でも、身近な危険は家だけではないんです。

その他 ブロック塀の補強

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地震の時の映像でよく見るのが、ブロック塀が倒れている映像です。

TVの地震報道では被害の大きな所を放送するので、ブロック塀の倒壊映像はよく見かけます。

ブロック塀ってそんなに崩れやすいんでしょうか。

 

最近作られたブロック塀は中に鉄筋が入っていて、さらに倒れないように控え壁をつけているブロック塀が多く、ちょっとの地震ではビクともしません。

でも昔のブロック塀は鉄筋が入っていなかったり、控え壁もついていないことが多く、さらに高さも2mくらいの高いブロック塀が多いので、地震が起きた時に非常に危険なんですね。

 

歩いている人に倒れてきたり、家にぶつかってくる恐れもあり、古いブロック塀は非常に危険と言えます。

平常時はブロック塀など気にも止めない事が多いですが、弱いブロック塀は災害時に凶器となってしまうんですね。

 

ちなみに、新築の家を建てる際、敷地にあるブロック塀は必ず確認する必要があるのですが、昔からある古いブロック塀が敷地内にあると、ほぼ確実に補強する必要があるほどモロくなっています。

高さが40センチなど低いブロックはそのままでも大きな問題ありませんが、高さがある程度あるブロックは何かしら対応しないと家が建てられないんですね。

 

古いブロック塀がある場合、補強できれば1番ですが、ブロックの上部をカットし高さを低くして、代わりにフェンスにするだけでも危険度は大きく下がるので、少し斜めに傾いているブロック塀などは地震が起こる前に対応しておきたいですね。

あなたの敷地にブロック塀はありますか?ブロック塀で必ず注意しておきたいこと

まとめ

今回は地震が起こる前に気をつけておきたいことについてお話しました。

田舎のご両親が住んでる家で、「自分たちが死ねば住む人がいなくなるから」というようなケースでも、耐震工事までお金をかけずに屋根工事だけでも倒壊の可能性を低くすることができます。

 

自分がこれまで住んできて、さらに身を守ってくれるはずの家の下敷きになるのは、体だけでなく心も重く苦しいものです。

地震が起きた時にこそ、それを教訓にして対策をとっておきたいですね。

では。

 

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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地震で家が倒壊しないためには何をしておけばいい?

  • 家のバランスを良くする。
  • 構造材が腐っていないかチェックしておく。
  • 重い屋根をやめる。
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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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