あなたはキッチンにどんな食器棚を置きたいですか?
家づくりを考えるとき、食器の置き場や調理家電の置き場というのはかなり重要な場所になってきます。
キッチンで料理をするというのはほぼ毎日のことなので、キッチンの使いやすさというのが日々の生活のしやすさに直結するからなんですね。
また、いまでは対面キッチンにするケースが多くなっていますが、言い換えればその分だけ食器棚がリビングやダイニングからよく見えるという事です。
そのため、そんな食器や家電を置くための食器棚をどうするかというのは毎日使うキッチンの使い勝手を左右するのはもちろん、キッチンだけでなくLDKのインテリアや見た目にも影響してくるんですね。
間違ってヘンテコな食器棚を置いてしまうと、使い勝手だけでなく見た目も悪いキッチンやLDKになってしまうなんてことも。
日常生活でそこまで意識することはありませんが、実は家づくりでは食器棚というのはかなり重要な項目なんですね。
そして食器棚は別名でカップボードとも呼ばれ、大きく分けると、
- キッチンメーカーの食器棚
- 造作で作る食器棚
- インテリアショップの食器棚
- 収納の中に食器棚を隠す
という4種類に分けることができます。
今回はそんな食器棚について詳しく見ていきたいと思います。
あなたのお好みの食器棚をぜひ見つけてくださいね。
キッチンメーカーの食器棚
日本には大小合わせて沢山のキッチンメーカーがあります。
大きいところだと、LIXILやTOTO、パナソニックなどが有名ですね。
キッチンメーカーの規模によって強みも違いがあり、大手のキッチンメーカーの強みとしては日本全国にショールームを持っているので、いつでも気軽にサイズや質感を簡単に確認することができるというのは大手ならではです。
一方、小さなキッチンメーカーは個性がキラリと光るこだわりのキッチンが多いといった特徴があります。
そしてそれぞれのメーカーは、ハイグレードなキッチンから、お手頃価格のキッチンまでいくつもキッチンを用意しており、予算や好みに合わせてキッチンを選ぶことができます。
もちろん、キッチンメーカーにはキッチンだけではなくキッチンと同じ面材を使った食器棚もあります。
食器棚をキッチンと合わせられるようになっているんですね。
では、そんなキッチンメーカーの食器棚にはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
まず、キッチンメーカーの食器棚はキッチンメーカーが出すものなので使い勝手がいいことが挙げられます。
たとえば、キッチンメーカーの食器棚は炊飯器を使うときに出る蒸気に対応した物など、実際のユーザーが欲しいなと思う機能が標準的についていたり、オプションとして用意されていることがほとんどです。
また、幅が60センチや90センチのユニットを組み合わせて1つの食器棚にしていくので、お手持ちの家電の量や食器の数に合わせて好きな大きさや形の食器棚にすることができます。
家電が多いなら家電を置くカウンターが広い組み合わせに。食器が多いなら、食器を入れられる収納を多めにといった感じですね。
最近では色んなパーツを組み合わせることができる食器棚も増えているので、あまり既製品には見えない食器棚にすることも可能です。
その他、色や素材もキッチンと合わせられるので、キッチン全体で色やインテリアをコーディーネートすることができるのも魅力の1つと言えます。
一方、食器棚をキッチンに合わせた場合のデメリットとして、見た目が単調に見えてしまうケースもあります。
一般的な住宅では大手キッチンメーカーの食器棚が使われることも多く、どちらかというと当たり障りのない見た目になることが多いんですね。
そのため、キッチンに個性を求める人や、インテリアにかなりこだわりたいという人には、キッチンと同じ食器棚を入れと、「無難すぎてちょっと物足りないなぁ」と思うことがある点は注意が必要です。
ちなみにキッチンメーカーのキッチンは同じ機能の物でも扉の面材によって価格がかなり変わってきます。
機能は変わらなくても、高級感のある面材は価格が上がり、数がよく出る面材は価格も抑え気味という感じですね。
もし価格を抑えた面材を使うなら、中途半端に色がついた物よりも面材の見た目で差がつきにくい白を選ぶと失敗が少なくなりますよ。
食器棚を造作でつくる
Photo:https://www.reposhouse.com/
キッチンの食器棚の場合、キッチンメーカーの既製品の物を入れるのではなく、造作で作ってしまうという方法もあります。
造作キッチンとは、オーダーメードで大工さんや建具屋さんが作るキッチンのこと。
たとえばキッチンはキッチンメーカーにして食器棚は造作で作るというケースもありますし、キッチンも食器棚も造作で作るという場合もあります。
どちらの場合でも自由に作ることができるので、あなたオリジナルの食器棚にすることができるんですね。
特に木のフローリングを使っている家の場合だと、木製の食器棚なんかはとてもよく似合います。
→おしゃれな家は皆使っている!おすすめ無垢フローリング12選【保存版】
そんな食器棚を造作でつくったときのメリットとしては、造作でつくるので自分が「こうしたい」と思う食器棚にすることができますし、使う素材や見た目も好きに選ぶことができます。
食器棚のサイズはもちろん、引出しにするのか開き戸にするのかといった扉の種類や配置、さらには使う材料、色味まで自由に決めることができるんですね。
その結果、自分の使いやすい食器棚にすることができますし、見た目も素敵でおしゃれな食器棚になるケースがほとんどです。
もちろん、全くゼロから考えるのは大変なので、ベースとなる食器棚の案は建築士が作ってくれます。
それに対して、あなたに合うようにアレンジしていくという感じなんですね。
一方、造作の食器棚にもデメリットはあります。
それは、メーカー品の食器棚を使うよりも割高になってしまうこと。
造作の食器棚はオーダーメイドになるので、どうしても価格が高くなってしまうんですね。
そのため造作の食器棚は、こだわればこだわるほど費用が掛かるようになってしまいます。
また、造作の食器棚の場合、どのような食器棚にするか明確な場合は造作の食器棚がベストですが、あまりこだわりが無い場合は建築士にある程度お任せで作ってもらうことになります。
そのため、あまり料理や家事をしない建築士が担当の場合、提案が物足りない場合もあるので、誰が造作の食器棚をデザインするかで仕上がり具合が変わるという点も注意が必要です。
このようなメリットとデメリットがある造作食器棚ですが、ここで造作の食器棚を安くつくるためのヒントを少し。
扉や引出しなどは、大工さんではなく建具屋さんという建具専門の職人が工事をすることが多く、その分だけ価格も高くなる要因となってきます。
そのため扉を極力減らすなど、大工工事だけで食器棚をつくることができれば費用を抑えて食器棚をつくる事ができるようになりますよ。
インテリアショップの食器棚
Photo:https://www.truck-furniture.co.jp/home/
食器棚をあえてキッチンに合わせずに、インテリアショップや家具屋で販売している食器棚を入れるという方法もあります。
好きなインテリアショップなんかがある人は、インテリアショップの食器棚を入れてみたいと思う方も結構いらっしゃいます。
中には販売するだけでなく、オーダーで作ってくれる実力派の家具屋なんかも。
そんな家具屋の食器棚を入れるメリットは、インテリア性の高い食器棚が多いことが挙げられます。
独特のデザインは、食器棚という生活感が出やすい物でも、その人の個性に変えてくれるんですね。
インテリアにこだわりがある人にはインテリアショップや家具屋の食器棚はおすすめと言えます。
一方、家具屋の食器棚を入れるデメリットは、サイズのバリエーションが少ないことです。
やはりコンパクトな家具を置いているインテリアショップは小さめの食器棚を置いている事が多いですし、大型な家具がウリのショップは大きい食器棚がメインとなってきます。
サイズにも家具屋やインテリアショップの個性が出てくるんですね。
そのため、間取りの打合せ段階でどの食器棚を入れるかある程度決めておけるとベストと言えます。
また、食器棚は受注生産というケースも多く、注文してから意外と時間が掛かるものです。
そのため、できるだけ早めに納期の確認をしておくとベストなんですね。
ちなみに、家具屋やインテリアショップで食器棚を入れる場合に注意点が1つ。
家具の量販店で販売されている安い食器棚を検討する場合、本当にその食器棚でいいかぜひ一度検証を。
食器棚というのは家の中でも結構目立つことが多く、安いっぽいのを置いてしまうと家全体が一気に安っぽく見えてしまうので注意してくださいね。
→お洒落な家具や雑貨が見つかるおススメのインテリアショップ14選
収納の中に食器棚を入れる
Photo:https://www.muji.net/ie/kinoie/
キッチンのうしろに収納をつくって、食器棚をその中に入れてしまう。
もしくは可動棚やカウンターを付けて食器棚を置かないという方法もあります。
さらには収納の奥行きを広くしておけば、食器棚だけでなく冷蔵庫も収納の中に入れてしまうなんて事も可能です。
あまり色んな物を見せたくない場合によく使われる食器や家電の収納方法で、シンプルに見せるのが得意な無印良品の家などでよく見かけます。
そんな食器棚を隠してしまう場合のメリットは、やはり部屋がスッキリ見えるということです。
食器棚の出っ張り感や、調理家電などが視界に入りづらくなるんで、部屋をシンプルでスッキリさせたい時なんかは最適ですね。
また、急な来客の場合にキッチンの上にある物を食器棚に置いて目隠しすることもできるので、アイランドキッチンやペニンシュラキッチンなどのオープンキッチンと相性が良いのも大きな特徴です。
→アイランドキッチンで後悔しないために知っておきたいメリットとデメリット
→ペニンシュラキッチンで後悔しないために知っておきたいメリットとデメリット
一方、収納を食器棚にする方法は、意外に奥行きが必要になります。
扉を付ける分だけ、スペースも余分に必要となるんですね。
また、冷蔵庫も入れるとなると、結構な広さが必要となってきます。
そのため、広いLDKの場合だと大丈夫ですが、コンパクトなLDKだと食器棚を収納することで部屋が狭くなってしまうなんてことが起こってしまうことも。
そのため、収納の中に食器棚を入れる場合は、部屋のスッキリさを取るのか、LDKの広さを取るのか。
どちらを優先させるのか、優先順位をつけてあげることが重要なんですね。
まとめ
今回は食器棚(カップボード)の種類と、そのメリット、デメリットについてお伝えしました。
食器棚は毎日使う物ですので、やはり使い勝手は重視したいですね。
また、対面キッチンの場合だと食器棚は意外と目立つのでLDKの見た目に大きな影響を持つようになります。
それだけ食器棚は家に大きな影響を与えるんですね。
まずは食器棚にどんな選択肢があるのか頭に入れる。
その上で、ぜひあなたに合った素敵な食器棚をキッチンに入れて、快適でお洒落な生活を送ってくださいね。
では。
キッチンについてはこちらも参考にしてください。
→対面キッチンはどれがおすすめ?5つの対面キッチンとメリット、デメリット
→対面式キッチン VS 壁付けキッチン どっちにする?あなたに合うキッチンの選び方
→キッチンに吊り戸棚は必要?吊り戸棚が合うキッチンと使いやすい吊り戸棚にする方法
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家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。
→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】
→家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】
→注文住宅を建てる前に必ず知っておきたい!注文住宅のメリットとデメリット
家づくりで失敗したくない!そんな方こそ、間取りが重要です。
建築士が教える今日の問題解決
食器棚ってどんな種類があるの?
- 「キッチンに合わせる」、「造作でつくる」、「家具屋の食器棚を使う」、「収納を食器棚にする」の4つがメイン。
- それぞれのメリットとデメリットを把握した上で、食器棚を選ぶのがポイント。