玄関は家の顔とも言える場所。
そのためおしゃれでスッキリ片付いた玄関にしたいものですし、毎日使う場所なので使い勝手も良くしたものです。
今回は、そんなおしゃれで使いやすい玄関にする方法についてまとめました。
家の玄関が気になる方はぜひご覧ください。
おしゃれで使いやすい玄関にする方法
おしゃれで使いやすい玄関にするには、
- 玄関の間取り
- 玄関の広さ
- 玄関の収納
- 玄関の場所
- 玄関に有ると良い物、必要ない物
この5つをうまく組み合わせるのがポイントになります。
たとえば、玄関が広くても収納が使いにくければ意味がありませんし、ただ必要な物を詰め込んだだけの玄関というのも寂しい物ですよね。
そうならないためにも、まずは使いやすい玄関の間取りから見ていきましょう。
使いやすい玄関の間取り
使いやすい玄関の間取りを見て行く前に、ここでクイズを1つ。
たとえば下のような同じ面積の「縦長の玄関」と「横長の玄関」がある場合、どちらの方が住み始めてから使いやすいと感じるでしょうか?
答えは横長の玄関です。
たとえば、横長の玄関であれば家族で出かける時に何人も同時に靴を履くことができるようになりますし、来客時など靴を並べる場合も横一列に並べることができるのでキレイに揃えることができます。
その反対に、玄関の幅が狭ければ狭いほど同時に靴を履ける人の数は限られるため出かける際に渋滞が起こる原因となります。(ブーツなど履くのに時間が掛かる靴だと尚更です)
また靴を並べる時も2列や3列になるなど靴の数が多ければ多いほど玄関が使いにくくなりますし見た目もあまり良くありません。
このように、玄関は縦長よりも横幅が広い方が使い勝手が良いんですね。
物を置くなど縦長である理由がある場合は別ですが、そうでない場合は玄関の横幅に注目するというのが使いやすい玄関にするための第一歩となります。
玄関の広さ
それでは次に、玄関の広さについても見ていきましょう。
一戸建ての住宅の場合、玄関の広さは最低でも2畳は欲しいところ。
都心部の3階建ての住宅などでは2畳取れない場合もありますが、そうでない場合はこの2畳という広さが玄関の大きさの基本となってくるんですね。
実際に2畳の玄関というのはどれくらいの大きさかというと、大人2人が横に並んで靴が履けるくらいのサイズ感になります。
これくらいあれば生活に支障はなさそうですね。
もちろん、2畳の玄関は決して広い訳ではありませんが、必要な機能は備えた玄関の大きさとなります。
その一方で同じ2畳の玄関でも玄関収納が有るか無いかでサイズ感というのは大きく変わってきます。
玄関収納がある場合の実際の広さというのは2畳を切る広さとなり、また収納に合わせて玄関の幅というのも狭くなってしまうんですね。
そして実際には、大人1人、子供1人が一緒に靴を履くくらいの幅になります。
このように玄関の広さは玄関収納の有無でかなり変わってきます。
そのため、たとえば同じ2畳の玄関でもシューズクロークがある玄関ではゆとりがありますし、大きな玄関収納を置いた場合は圧迫感が出やすくなります。
玄関の広さを見る場合、玄関の数字上の広さではなく実際に使える場所がどれくらいの広さなのか、そして同時に何人が横並びできるのかという点を確認するのがポイントなんですね。
また、一戸建ての玄関は作り方次第で見え方というのも変わってきます。
たとえば玄関は窓が有るのと無いのとでは広さの感じ方はかなり違いが出ます。
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窓が無いと壁に囲まれた空間になりますが、窓があることで外とのつながりのある空間に変わるんですね。
そして窓があることで玄関が広く見えるだけでなく、光が入って玄関の印象というのも変わるという効果も期待できるので、できるだけ効果の高い場所に窓を配置しておきたいですね。
また、玄関の先に何が見えるかというのも広さを感じるための重要な要素になります。
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玄関からの視線が壁で止まるのか、それとも抜けているかでも感じる広さは全く違うものになるんですね。
その他にも、玄関の隣がリビングであれば扉を開け放てばリビングの奥まで視線が抜けるようになっていれば玄関の広さ以上の開放感を感じることができるなど、広さ以上に広く見える玄関にする方法は色々あるので、間取りの中で上手く採用していきたいですね。
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玄関の収納
玄関で絶対に忘れてはならない場所。
それが収納です。
玄関がスッキリおしゃれに見えるのか。それともゴチャゴチャ見えるのかというのは「収納次第」と言っても過言ではないからなんですね。
そしてそんな玄関の収納は、「置き型の玄関収納」と「シューズクローク」という2つ分けることができます。
たとえば置き型の玄関収納であれば「トールタイプ」や「コの時型」のように、必要量に応じて形やサイズを選んだり、
造作で家に合わせて玄関収納を作るというのも可能です。
どれくらいの靴が有るのか、また傘などのスペースがどれくらい必要か見ながら、必要な分のスペースを確保したいですね。
また、玄関の広さとのバランスを見ながらサイズを選ぶというのも、おしゃれな玄関にするための大切なポイントになります。
シューズクロークを作る場合
次に、シューズクロークについても見てみましょう。
シューズクロークとは玄関の横に作った収納のこと。
Photo:https://www.yamaguchi-co.co.jp/
シューズクロークはその名前のとおり靴をメインに収納する場所ですが、靴だけでなく傘やアウトドア用品など外で使う物全般を入れておけるのもシューズクロークの特徴です。
そして使いやすいシューズクロークにする場合、
- シューズクロークの大きさ
- 扉の付け方
- シューズクロークの配置
- 棚の配置
この4つがポイントになってきます。
ただシューズクロークを作るのは簡単ですが、使いやすい片付くシューズクロークにするには上の4点を意識する必要があるんですね。
そうでないと、ただの物置スペースになってしまうことも。
そしてその中でも一番注目したいのが「シューズクローク」の大きさです。
たとえばよくあるシューズクロークに棚を付けると下のようなサイズ感に。
通路部分が少し窮屈になってしまうんですね。
そのため、できれば少し余裕をもった広さにできるとベストです。
また、シューズクロークを広げるのが難しい場合は、シューズクロークの入口を真ん中付近に配置して通路を無くしてしまうという方法もあります。
こうすることで、狭い通路を通らずに中の物を取り出すことができるようになるんですね。
シューズクロークをつくる場合は、ただ図面にシューズクロークが入っているから安心というのではなく、シューズクロークを使う時に不便が無いかどうかを検討してみることで使いやすさというのは大きく変わってくるんですね。
→シューズクロークで失敗しないために絶対に知っておきたい5つのこと
家族用玄関を作る場合
玄関の収納では、シューズクロークを兼ねた家族用玄関を作るというケースもあります。
こんな感じですね。
この場合の1番のポイントとしては、「それぞれに十分な広さが確保できているか」という部分です。
たとえば家族用玄関で多い失敗が下のような失敗。
どちらも中途半端な玄関になってしまい、その結果残念な玄関になるというケースは結構多いんですね。
家族用玄関を作る場合は、通路スペースの幅もしっかり確保した間取りになっているかというのがとても重要になります。
そのため家族用玄関を作る場合、それぞれ十分な広さが確保できる場合は良いのですが、もし中途半端な大きさになってしまうなら思い切ってウォークスルーを止めるというのも価値のある選択と言えます。
その他、家族用玄関を作るのであれば、家族用玄関があるから生活動線が便利になるような間取りにしたいもの。
ただ家族用玄関を作るだけだと、下のように家の中の生活動線が長くなるだけということもよくあるからなんですね。
そうならないためにも、たとえば家族用玄関からキッチンへの裏動線を作って動線をショートカットをできるようにするなど、せっかくの家族用玄関を活かせるような間取りにできるとベストです。
家族用玄関を作る場合、より間取りの重要度というのが高くなるんですね。
玄関の場所
玄関はその作りだけでなく、場所というのも日々の生活に大きな影響があります。
たとえば敷地のどの位置に玄関があるかで家の間取りは大きく変わってきますし、駐車場の使いやすさ、家の見た目なども変わってきます。
ベストな位置に玄関があるかどうかというはかなり重要なんですね。
また道路からすぐ玄関ではなく、少し奥まった位置に玄関を作る方がベターです。
たとえば、玄関を開けてすぐ道路だと子供が飛び出してしまった時にも危ないですし、家の外観の面でも玄関と道路が離れている方が家に奥行き感、高級感が出るようになるからなんですね。
また、家の間取りでも玄関と階段の距離感というのは確認しておきたいところ。
玄関と階段が離れていればいる程、家の中の移動距離が長くなりやすいからなんですね。
出かける時、家に帰ってきた時の動線が便利なのか、それとも不便なのか。
玄関の位置の良し悪しを見るには、毎日の生活をシミュレーションしてみる。
そうすることで、ベストな玄関の位置かどうかが分かるんですね。
玄関にあると良い物、無くていい物。
それでは最後に、玄関に「あると良いもの」、「無くてよい物」、また設置する時のポイントについて見てみましょう。
たとえば玄関にはぜひ窓を設置したいもの。
窓があることで明るさだけで無く、玄関に視線の抜けができるので広さを感じることができるようになるからなんですね。
また、窓の見せ方というのも色々考えられます。
たとえば、地窓などを使って眺めも楽しめる玄関を目指すのもいいですね。
玄関に合わせて色々と窓をアレンジしてみるのも楽しいですよ。
→玄関に窓は必要?玄関をオシャレに明るくするための窓の使い方
その他、玄関に鏡を付けたいという方も多くいらっしゃいます。
Photo:https://www.homify.jp/
靴も含めた全身の確認というのは玄関の鏡でないと難しいので、有ればやはり便利です。
その一方、玄関のどこに鏡を付けるかで使い勝手は変わってくるので、一番効果的な場所に設置したいですね。
また、玄関にベンチというのも好相性です。
Photo:https://kasha.link/
座って靴を履けるのはもちろん、飾り棚のように使ったり玄関インテリアのアクセントになったりと、玄関をおしゃれに見せてくれるんですね。
もちろん場所も必要になるので、迷った場合は住んでからもアレンジしやすい置き型のベンチを置くというのも効果的です。
見た目も軽やかなベンチにすれば玄関の邪魔にならないだけでなく、玄関のインテリアとしても活躍してくれます。
その他、お気に入りのベンチを探してみるのも楽しいですよ。
→玄関ベンチはどれがいい?おしゃれで使いやすい玄関ベンチを選ぶ方法
その他には、玄関の手洗いというのも新型コロナ以降、特にニーズが高くなっています。
そして玄関近くに手洗いを設置する場合は、場所も含めた作り方次第で使い勝手、玄関の印象というのがかなり違ってきます。
おしゃれに見えるかどうかはもちろん、水はねなども含めて用途に合う物を選ぶというのがポイントなんですね。
場所を作るのが難しい場合は、消毒液をおしゃれなボトルに入れて玄関に置いておくというのも1つの方法と言えます。
また、玄関に広い土間がある家というのも根強い人気があります。
自転車を飾ったりアウトドア用品の手入れをしたり趣味に使うなど、人によって様々な楽しみ方があるというのが土間の面白いところです。
その一方、玄関土間は家の中でもかなり寒さを感じやすい場所でもあるので、扉を付けて土間と家の中を区切ったり全館空調にするなど寒さ対策をしっかりした上で土間を楽しみたいですね。
→広い玄関土間のある家ってどうなの?土間の使い方と3つの注意点
そして土間が広いと特に目立ちやすいのが、玄関の上がり框(かまち)。
上がり框とはこの部分ですね。
靴を脱ぐ段差についている横木が上がり框と呼ばれます。
そしてこの上がり框の作り方は様々で、素材や高さ、デザインは色々と変えることができます。
おしゃれな玄関を目指す場合、上がり框の作りに注目してみるのも楽しいですよ。
→上がり框(あがりかまち)って何?玄関の印象が大きく変わる上がり框の話
その他では、玄関近くにトイレがある間取りというのもよく見かけます。
今は廊下のない間取りが主流なので、LDKから一歩離れた位置ということで玄関付近にトイレが配置されることも多いんですね。
実際、一昔前は近所の人などを玄関に招くこともよくありましたが、今はインターホン越しで要件が終わり、親しい人はLDKまで招くというのが主流なので玄関付近にトイレがあって困ることはほぼありません。
ただ、玄関からトイレがよく見えるいうのだけは避けておきたいですね。
→玄関の側にトイレってどうなの?トイレで間取りの善し悪しが分かります。
あとは、玄関に吹き抜けを作るというケースも時々見かけます。
ただ、建築士の立場から言うと、玄関の吹き抜けは基本的に必要ないというのが本音です。
土間の所でもお伝えしたように、玄関は扉の開け閉めなど家の中でも冷えやすい場所となります。
そして下手に吹き抜けを作ってしまうと、吹き抜けを通して冷たい空気が家の中に入ってきてしまうんですね。
また、吹き抜けを作る場合はある程度の広さが欲しいこと、またLDKなどより効果の高い場所に吹き抜けを作った方が価値が高いことを考えると、玄関に吹き抜けを作る優先順位はかなり低いということになるんですね。
一方、もし玄関に吹き抜けを作るという場合は、たとえば階段と一体にして大きな吹き抜けを作るなど何かしらプラスαが欲しいところです。
Photo:https://www.homify.jp/ideabooks/46101/
玄関に吹き抜けがあることで家の魅力が大きく増す間取りにするなど、ただ玄関の上にスペースがあるから吹き抜けを作るのではなく、吹き抜けがあることでより家の魅力が出る間取りを目指したいですね。
→玄関に階段ってどうなの?玄関近くに階段を作るメリットと魅力的な空間の作り方
最後に、玄関の外についても見てみましょう。
玄関ポーチも玄関をおしゃれに見せるためのポイントの1つです。
玄関ポーチにはタイルや石を使うケースが多いですが、玄関も同じ素材で仕上げることがほとんどで、玄関の印象を左右するからなんですね。
また、玄関は土の汚れが目立ちやすい場所なので、色によっても汚れ具合は変わってきます。
→玄関ポーチをおしゃれで使いやすい玄関ポーチにする3つの方法
同じように、玄関ドアも家の外側だけでなく中も同じ色の仕上げとなります。
外観に似合うドアを選ぶのはもちろん、玄関から見た時の雰囲気に合うかどうかも確認しておけるとベストなんですね。
まとめ
今回は一戸建ての玄関をおしゃれで使いやすくする方法について詳しく見てきました。
玄関と言っても、いろんな要素があるんですね。
そして、その1つ1つを上手く組み合わせることで、あなたに合ったおしゃれで使いやすい玄関にすることができます。
玄関は家の顔となる場所です。
ぜひあなたに合ったおしゃれで使いやすい玄関を作ってくださいね。
では。
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家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。
→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】