「玄関タイルを選んでいるんですが、玄関タイルの汚れが心配です。玄関タイルの色で汚れ方の違いや汚れが目立ちやすい色、目立ちにくい色というのはあるのでしょうか」
このような質問を読者の方よりいただきました。
玄関タイルの色を決める時って結構悩みますよね。
玄関ポーチと玄関はタイルで仕上げるケースが多く、タイルの色によって家の外観や玄関ホールの印象が変わってきます。
それと同時に玄関は家の中でも特に目立つ部分でもあるので、あまり汚れやすい色のタイルを使ってしまうと汚れるたびに印象が悪くなり、場合によっては「頻繁にタイルの掃除が必要」なんてケースもあるんですね。
今回はそんな玄関タイルの汚れとを選ぶポイントについてご紹介します。
それではどうぞご覧ください。
タイルの色による見え方の違い
玄関タイルの汚れを見る前に、まずは玄関タイルによる家の見え方の違いについて見てみましょう。
玄関タイルの色によって、家の外観や玄関の雰囲気はかなり違ってきます。
例えば、南欧風の外観の家の場合はテラコッタ調の赤みがかった玄関タイルが良く似合います。
こんな感じですね。
一方、和風の家や和モダンの家の場合は、黒やグレーといった落ち着いた色の玄関タイルが似合います。
(ちなみに、黒いタイルは家に高級感が出やすいという特徴もあります)
このように玄関タイルの色は外観のアクセントとして大きな影響力があるんですね。
そして意外と使い方が難しいのが白い玄関タイル。
白い玄関タイルはどんな家にも合うんですが、白はタイルによって質感がかなり違い、タイルによっては安っぽく見える玄関タイルもあるので注意が必要となってきます。
マットな質感のタイルもあれば、少しツヤのあるタイルもあったりと、白のタイルはシンプルな反面、質感が表に出やすいんですね。
そのため白いタイルにする場合は、実物を使った玄関ポーチを見てみるか、タイルのサンプルはしっかり確認しておくのが失敗しないポイントになります。
ここで一言、経験上のアドバイスを。
私は建築士として間取りのプレゼンの時とか家の外観の打合せの時にはCGのパースをつくります。
そこでどんな色が良いかイロイロ試しているんですが、どんな家にも合うのがグレーの玄関タイルです。
グレーの玄関タイルは家の外観を問わずにどんな家にも合うので、迷った場合はグレーにしておけば玄関タイルの色味で失敗するというのを防ぐことができます。
(グレーと言っても微妙な色の違いはあるので、何となくグレーかなって感じのタイルであればOKです)
ちなみにタイルとタイルをつなぎ止めている目地の色も選ぶ事ができます。
タイルの目地とはこの部分ですね。
タイルの目地も意外と目立つ部分なので、目地もちょっと気になるという場合は住宅会社に聞いてみるのもいいですね。
(例えば、タイルを真っ黒にしたから、目地も黒っぽい色がいいなど)
汚れやすい玄関タイルの色とは
では次に汚れやすい玄関タイルについて見てみましょう。
汚れが目立ちやすい玄関タイルは何色なんでしょうか?
その答えは、白と黒です。
白は何でも汚れが付きやすいので分かりやすいですが、黒も結構汚れが目立つんですね。
そして、そんな玄関タイルの汚れで一番目立つのは土の汚れです。
靴で土の上を歩くと、靴の裏に土汚れがつきます。
雨が降った日なんかは泥水の上を歩くと、靴の裏に汚れがかなり付いてしまいます。
そんな状態で家に帰ってくると、汚れた靴で玄関タイルの上を歩くことに。
そして最初は気にしていなくても、雨がやんでしばらくすると水が乾きと土の茶色い汚れが目立ってくるようになります。
そうなんです、玄関タイルの上に土の汚れがついてしまうんですね。
家のショールームを造る時に毎回違う色のタイルを使って実験しているんですが、白と黒の玄関タイルを使った時は、玄関タイルを掃除する回数がどうしても多くなってしまいます。
反対に、黄色やテラコッタ、グレーといった玄関タイルは、土の色に近いために玄関の汚れが目立ちにくいタイルと言えるんですね。
ちなみに、玄関タイルにしつこい汚れが付くと意外と大変です。
その理由は、玄関タイルの表面というのは基本的にザラザラしているからです。
ザラザラにすることで雨の日でもタイルで滑らないようになっているんですね。
このように玄関タイルの表面が加工されているのは滑り防止のためとても重要なのですが、その分、ザラザラ部分に汚れが引っかかってしまって汚れも取りにくくなってしまうので、玄関タイルの汚れが目立ちやすいかどうかは日々のメンテナンスで結構重要なポイントになってきます。
玄関タイルを選ぶポイント
それでは最後に、玄関タイルを選ぶ時のポイントについても見ておきましょう。
玄関タイルというと家の外のイメージが強いですが、家の内装にも意外と大きな影響があります。
基本的に玄関ポーチと玄関ホールは同じタイルを使うので、たとえばグレーのタイルを選んだ時は玄関ホールの床もグレーで仕上げることになるからなんですね。
そのため、家の外観だけでなくインテリアとも上手く馴染むタイルを選ぶというのが大切な要素になります。
そう考えると、グレー系のタイルは家の内外ともに合わせやすく、ベージュ系のタイルを使うなら家の内部もナチュラルをベースとした雰囲気に、白と黒系のタイルは目立ちやすいので全体的にうるさくなりすぎない玄関を目指したいですね。
次に玄関タイルの大きさについて。
玄関タイルのサイズは30㎝ × 30㎝の正方形のタイルが使われている事が一番多くなります。
中にはもっと大判のタイルや長方形の玄関タイルなんかもあるので、ちょっと変わった雰囲気を出したい時に使用してみるのも面白いですね。
実はこの玄関タイルのサイズというのは意外と重要で、玄関ポーチの「タイル割」がキレイかどうかで住宅会社の腕を見る事ができます。
どういう事かと言うと、先ほどタイルは30㎝角が多いと言いましたが、30㎝のタイルを順番に並べていくと最後に少し残りが出てきます。
その場合は玄関タイルを切って貼っていくのですが、端っこに5㎝とか10㎝だけのタイルが貼ってあるとあまりカッコ良くなくなってしまいます。
中途半端なサイズの玄関タイルは見た上あまりいいものではないですよね。
それならもう少し玄関ポーチを広くするか、玄関ポーチを縮めてキリのいいタイル割りにできるとベストと言えます。
細かいところまで行き届いている住宅会社や工務店は、タイル割りと言ってキレイに並べられるように考えて玄関ポーチをつくるので、細切れのタイルが出てくる事はあまりなく、何も意識していない会社はタイル割りがバラバラになっているのをよく見かけます。
このように、玄関ポーチのタイル割りを見る事で仕事の丁寧さが分かるようになるんですね。
まとめ
今回は玄関タイルについて見てきました。
玄関タイルは色によって家の雰囲気が凄く変わりますが、雰囲気だけでなく汚れのことも考えた上で選ぶのがベストなんですね。
(ちなみに、男性は外観が気になる方が多いのですが、「自分が掃除するから好きなタイルを選ばせて」って旦那さんも結構います)
そして玄関タイル選びで迷った場合、見た目とメンテナンス、どちらを優先するかを考えてみると決めやすくなります。
また玄関タイルで迷ってしまう時は、グレー系の玄関タイルを選べばどんな家にも合わせやすくなりますよ。
ぜひ、あなたも素敵な玄関をつくってくださいね。
では。
玄関についてはこちらも参考にしてください。
→広い玄関土間のある家ってどうなの?土間の使い方と3つの注意点
→暮らしやすい玄関ポーチのつくり方。家の外観も高級感が出ます。
外観が気になる人はこちらも参考にしてください。
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→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】
→家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】
→注文住宅を建てる前に必ず知っておきたい!注文住宅のメリットとデメリット
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建築士が教える今日の問題解決
玄関タイルを選ぶ時の注意点て何?
- 白と黒の玄関タイルは汚れが目立つ。
- タイルの色は家の雰囲気に合わせて。グレーはどんな家にも合います。
- タイル割りで住宅会社や工務店の腕が分かる。