間取り診断など、これまで多くの間取りを見てきた中で気になるのが「玄関の明るさ」について。
玄関に窓が全く無かったり、窓があっても全く光が入らない間取りなど、「玄関の明るさ」という点に配慮されていない間取りが意外と多くあるんですね。
やはり玄関は家の顔となる部分なので、できるだけ明るい印象の玄関にしたいもの。
人は第一印象で9割が決まると言いますが、家も玄関に入った時の印象というのは強く残るからなんですね。
そして、印象の良い玄関にするために一番効果的なのは窓をうまく使ってということです。
このうまく使うというのが重要で、ただ窓を付けただけでは明るい玄関にならないことも多いですし、見た目もオシャレな玄関にする場合は窓の使い方や配置も意識しておく必要があるんですね。
今回はそんな玄関と窓について詳しく見ていきたいと思います。
明るくてオシャレな玄関にしたい方はぜひご覧ください。
玄関に窓は必要?
明るい雰囲気の玄関にする場合、1番効果的なのは窓から光を入れるという方法です。
たとえば玄関に窓が全くない場合であれば、玄関を明るくするには照明を使って明るくする、もしくは他の場所から光が玄関まで届くようにする以外方法は無くなってしまいます。
もちろん、照明を上手く使えばオシャレな雰囲気を作ることはできますが、日中も照明に頼るというのは戸建ての住宅としては少し寂しいものです。
照明だけではどうしても自然な雰囲気が出ず、味気ない印象の玄関になってしまうからなんですね。
そのため基本的に玄関には光が入る窓をつける、もしどうしても窓が取れない場合でも、リビングなど日の入る場所から玄関に光が入るように工夫するなど、家づくりの中で玄関の明るさというのは意識しておきたい部分となります。
窓が付けやすい玄関、付けにくい玄関
それでは次に、玄関の窓について見ていきましょう。
玄関に窓と言っても、「窓が付けやすい玄関」と「窓が付けにくい玄関」という2つのパターンが存在します。
窓は外に面した場所に付けることになりますが、場合によっては外に面した場所があまり無い場所に玄関が配置されることもあるからなんですね。
たとえば、下のような2つの玄関がある場合、どちらの玄関の方が窓が付けやすいでしょうか?
1つめの玄関は部屋に囲まれているため窓を付ける場所があまり無く、2つめの玄関の方が外に面した部分が多いので窓が付けやすい玄関となっていることが分かります。
このように玄関が間取りのどこに有るかでも、窓が付けやすいかどうかは結構変わってくるんですね。
ただ、部屋に囲まれた玄関の場合でも窓を付けるのは可能です。
たとえば玄関ドアを端に設置することで、窓のスペースを確保することができます。
このように、玄関ドアの位置を調整することで窓を付けることはできますが、意外と多いのが玄関ドアを真ん中に配置して窓を付けないというケースです。
こういったケースは「玄関ドアは玄関の真ん中に付ける物」という固定観念が強くなり、実際に玄関の明るさまで意識されずにドアの位置を決めているケースがほとんどなので、窓が無い場合は玄関ドアの位置を調整して窓を設置しておきたいですね。
その他、窓を付けやすい玄関でも注意点はあります。
たとえば下図のように窓を付けた場合、一見なんの問題も内容に見えます。
でも、すぐ側にお隣の家が建っているとどうなるでしょうか?
玄関に窓があってもほとんど光の入らない暗い玄関となってしまうんですね。
そのため、このような場合は光が入る道路側に窓を付けるのが正解となってきます。
このように、まずは光の入るところに窓を設置する。
明るい玄関を目指す場合はこの部分はしっかりチェックしておきたいですね。
効果的な玄関の窓
ここまで玄関の窓の重要性や付ける場所について見てきましたが、それでは実際に玄関にはどのような窓を付ければ効果的なのか見ていきましょう。
まず、一番多い玄関ドアの横に窓を付けるケースを見てみましょう。
玄関の横に窓を付ける場合、玄関ドアと窓の高さを合わせるというのが基本となります。
Photo:https://mukuri.themedia.jp/posts/7674382/
ドアのラインと窓が揃うことで綺麗に見えるようになり、スッキリとした印象の玄関になるんですね。
特に玄関ドアは道路側のよく見える位置に設置することが多く、どんな窓を使うかで家の外観もかなり変わってきます。
たとえば玄関ドアと高さが大きく違う窓を付けると、チグハグな印象になってしまうケースが多くなります。
そうならないためにも、玄関ドアの横に窓を付ける場合、家の内観、外観含めて、できる限りドアと高さが合うようにすると間違いがないんですね。
また玄関の窓で意識しておきたいのが、中途半端なサイズの窓はできるだけ避けるということ。
玄関に広いスペースを取るのは難しく一般的な部屋よりも小さくなり、その分だけ窓も目立ちやすいからなんですね。
そのため、少し大胆な窓の使い方をする方が返って自然に見えるようになります。
Photo:https://www.pinterest.jp/pin/611363718149580671/?nic_v2=1a3QXezJb
その他、玄関の窓から何かを見えるようにするというのも効果的な方法です。
たとえば玄関の横に庭を作って玄関から見えるようにすれば印象はグッと変わってきます。
玄関の横に庭を作れるスペースがあれば、積極的に見せる庭を作っていきたいですね。
Photo:https://www.sekisuihouse.co.jp/kodate/works/detail/0089/
ちなみに、それほどスペースが無い場合でも庭は作ることができますし、見せ方というのも色々考えられます。
たとえば、坪庭であればちょっとしたスペースがあれば作れるので、地窓などを使って眺めも楽しめる庭を目指すのもいいですね。
また、玄関自体に窓はなくても、玄関ドアを開けてすぐ目に入る場所に窓を付けるというのも効果的です。
遠くまで視線が抜けるので開放感を出すことができますし、実際の広さ以上に広く見える玄関にすることができます。
Photo:https://www.pinterest.jp/pin/851672979501837978/?nic_v2=1a3QXezJb
玄関に入ったときに何が見えるのか。
この部分を上手く意識して窓を付けることで、玄関は明るく、また綺麗で印象的な玄関にすることができるんですね。
その一方、どうしても玄関に窓が取れないというケースも。
そのような時はガラス入りの玄関ドアを付けるという方法もあります。
玄関ドア自体にガラスが入っているので、窓を付けるスペースが無くても光を入れることができます。
ただ、ガラスの面積はデザインによってマチマチなので、どれくらいガラスの面積があるかは確認しておきたいですね。
また、玄関ドアは装飾が多くなるほどうるさく見えるケースも多くなるので、個人的にはドア本体にガラスを入れるのではなく、袖にガラスがついた玄関ドアを選ぶという方が綺麗に見えるのでオススメですよ。
その他、断熱性能の良いサッシを使った場合、玄関ドアのガラス部分の性能差によって玄関ドアのガラスが結露する原因となることもあります。
そのため、玄関ドアのガラス部分の性能についても建築士に確認してから使いたいですね。
まとめ
今回は玄関の窓について詳しく見てきました。
玄関は窓を付けるかどうか、またどんな窓を付けるかによって雰囲気というのはかなり変わってきます。
基本はどれだけ光を入れられるか、また外観も含めていかに綺麗に見えるように窓を付けられているか。
この部分がチェックポイントとなるんですね。
そのため玄関も図面上で見るだけでなく、パースなど実際にどのように見えるかも確認するのがベストと言えます。
玄関は家の第一印象を大きく左右する場所となります。
ぜひ、明るくてオシャレな玄関を目指してくださいね。
では。
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