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ウォークインクローゼットに窓は必要?収納の換気の話

「ウォークインクローゼットをつくるとき、窓は付けるべきなんでしょうか?それとも窓は特に必要ないでしょうか?教えていただけるとありがたいです」

読者さんからこのような質問をもらいました。

確かに、ウォークインクローゼットは空気が籠りがちになるので窓を付けるかどうかは迷いますよね。

また、「明るくするために窓は必要かも」と思うこともあります。

では、実際にウォークインクローゼットに窓は必要なのでしょうか?

今回は、ウォークインクローゼットに窓は必要かなのか、またウォークインクローゼットの換気について詳しく見ていきたいと思います。

ウォークインクローゼットに窓は付ける?

家の窓3

窓の話の前にまず根本的な話として、ウォークインクローゼットをつくる場合は換気がとても重要になってきます。

 

ウォークインクローゼットは人の出入りが少なく空気がこもりがちになってしまうので、換気されないと湿気が溜まってしまったり収納した物に臭いが染み付いてしまったりしてしまうことがあるからなんですね。

ウォークインクローゼットに服を収納していたら、臭いがついてしまって気になるなんてことになってしまうと、せっかくのウォークインクローゼットが台無しです。

そのため、ウォークインクローゼットでは換気や空気の入れ替えができるかというのが重要になってくるんですね。

 

では、ウォークインクローゼットに窓は付けるべきなのでしょうか?

建築士の私の経験から言うと、「ウォークインクローゼットに基本的に窓は必要なく、収納の邪魔にならない場所に窓を付けられるなら付けるのも有り」というのが正直な感想です。

その理由は、ウォークインクローゼットに窓を付けた時のメリット、デメリットを見るとよく分かるので、窓を付けた時のメリットとデメリットについても見ていきましょう。

ウォークインクローゼットに窓を付けるメリット

ウォークインクローゼットの窓

ウォークインクローゼットに窓をつけたときのメリットは、やはり窓を開けて換気ができること。

特にほこりっぽい空間が苦手な方や、掃除機を掛けるときは空気を入れ替えたいという方にとっては、ウォークインクローゼットに窓があるというのはやはり便利です。

 

その他にもウォークインクローゼットに窓があるメリットとしては、日中でも真っ暗になることがなく、電気を付けなくてもウォークインクローゼットの中を見る事ができるようになります。

このようにウォークインクローゼットに窓があると、換気と明かりの面でのメリットが大きいんですね。

ウォークインクローゼットに窓を付けるデメリット

それでは次に、ウォークインクローゼットに窓をつける場合のデメリットを見てみましょう。

 

まず、ウォークインクローゼットに窓を付けるという事は、それだけ物を置くスペースが少なくなるということになります。

やはり窓がある場所には物を置くのが難しくなりますし、窓が物で塞がれてしまっては何のために窓を付けたのか分からなくなってしまいますよね。

そのため、ウォークインクローゼットの収納力という点では窓はマイナスとなってきます。

 

また、ウォークインクローゼットの場合は日が入りすぎるというのも考えものです。

たとえば日当りの良い場所に窓をつけてしまうと、服など中においてある物が日焼けしてしまう恐れが出てきてしまいます。

いざ服を着ようと思ったら日焼けしていたというのは避けたいですよね。

自然光が入るウォークインクローゼットは日中も使いやすいですが、日が入りすぎるとマイナスになってしまうという点は注意したいところです。

一方、1階のウォークインクローゼットの場合、すぐお隣に家が建っている場合などはほとんど光が入らず、灯り取りの役割を果たしてくれないケースもあります。

ウォークインクローゼットに最適な窓の条件は、「直射日光が入らず一定の明るさは入る」という窓になりますが、「お隣と少し離れた2階の北側」など条件は限られてくるんですね。

そのため、ウォークインクローゼットの配置によっては、窓を付けない方がいいというケースもあります。

 

その他、窓は家の断熱性能で一番の弱点となる場所です。

極端な話、家で穴の空いた部分を窓で塞いでいる形になるので、外壁と比べてどうしても断熱性能が落ちてしまうんですね。

そのため、同じ窓を付けるなら南側の冬の暖かい光が入る場所など、もっと効果の高い場所があるならそちらに窓を付けた方がベターというケースもあります。

 

このように、ウォークインクローゼットの窓は配置するのが難しく、また効果もそこまで大きくないため、無理に窓をつける必要性というのはかなり低いんですね。

もしウォークインクローゼットに窓を付ける場合は、その場所に窓があることで邪魔にならないか、また費用を掛けて窓を付けるだけ費用対効果を発揮してくれるかを間取りの段階で考慮しておく事が大切になります。

 

ちなみに、物をたくさん置きたいけども、どうしてもウォークインクローゼットに窓をつけたいという場合、天井一杯の高窓にした上で、チェーンなどのオペレーターを使って開けるような窓をつけてあげると物の邪魔になりにくいですよ。

家を建てるなら必ず知っておきたい窓の話

ウォークインクローゼットの換気方法

ウォークインクローゼットの窓は無理につける必要はありませんが、中の空気の入れ替えや換気はやはりしたいものです。

それでは次に、ウォークインクローゼットの換気方法についても見ていきましょう。

 

ウォークインクローゼットに換気扇をつける

ウォークインクローゼットの換気で役に立ってくれるのが換気扇。

ウォークインクローゼットに換気扇があることで、空気がこもったり湿気がこもるのを防ぐのと同時に、収納の中にニオイがこもるのも防いでくれるようになるんですね。

 

一気に換気したい時は窓の方が効果的ですが、窓は雨や防犯の面でずっと開けておくというのは中々難しいもの。

その点、換気扇は一気に換気するには向きませんが、換気扇を回している間は常にウォークインクローゼットの空気を動かしてくれるという点がとても重宝されるんですね。

そのためウォークインクローゼットに窓を付けないなら、換気扇は候補に入れておきたいですね。

 

また、最近は全館空調を取り入れている家も増えてきていますが、その場合はウォークインクローゼットの中もしっかり換気できるような空気の流れにしておくと一石二鳥です。

 

ウォークスルークローゼットにする

ウォークスルークローゼット

Photo:https://www.takanohome.co.jp

換気という視点で考えた時、通り抜けることができる「ウォークスルークローゼット」にするというのも効果的な方法です。

 

ウォークインクローゼットで行き止まりになるのでなく、ウォークスルーで回遊できるようになるので空気がこもる事が少なくなりますし、色んな場所からクローゼットを使えるようになります。

そのため、ウォークスルークローゼットは使い勝手だけでなく換気面でも優れた収納となるんですね。

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ちなみに、ウォークスルークローゼットの入口には建具をつけても建具をつけなくてもどちらでもかまいませんが、洗面など水まわりの横にウォークスルークローゼットをつくる場合は、湿気が流れてこないように建具をつけたり湿気が入ってこないよう換気扇の位置に注意しておくのがポイントになります。

 

調湿効果のある素材を使う

調湿ウォークインクローゼット

ウォークインクローゼットの湿気やニオイが気になる場合、調湿効果のある素材を使うというのも効果的です。

 

たとえば、桐材を使ったウォークインクローゼット。

桐材は昔から着物箪笥に使われているように、調湿効果や防虫効果にすぐれた材料です。

そんな桐材をウォークインクローゼット全体に使用することで、桐タンスと同じような効果を持った空間にすることもできるんですね。

また、棚などにも桐材を使ったり、布団を置くならスノコ状の桐材を使うとより効果的です。

桐の床は柔らかいので暖かく足腰にもやさしいので、桐材の調湿、防虫効果だけでなく肌触りも楽しむことができるのもいいですね。

 

少し価格は上がってしまいますが、大切な服や物がある方は桐材のウォークインクローゼットを検討してみるのもオススメですよ。

 

扉にルーバーを使う

ウォークインクローゼットの換気方法

ウォークインクローゼットを換気する場合、ルーバー状の扉を使うという方法もあります。

格子状に隙間が開いているので、空気が篭りにくくなるんですね。

デザインも悪く無いので、空間のアクセントにすることもできます。

 

また、ウォークインクローゼットの入口に扉を付けず、ロールスクリーンや暖簾といったタペストリーを付けるという方法も。

扉無しでも中の収納物が見えない場合は扉無しでもいいですが、収納物がよく見える場合は軽く目隠しできる物があると、部屋全体がスッキリ見えるようになります。

このように、扉やパーテンションなどで工夫するという方法も、ウォークインの換気という面で効果的なんですね。

まとめ

今回はウォークインクローゼットについて、窓が必要かどうか、また換気という点で詳しく見てきました。

ウォークインクローゼットを作るという方は多いですし、家の収納の要となってきます。

そのため、いかに使いやすくて使っていて快適に使えるかというのがとても大切なんですね。

 

そして、「収納力」「換気」「明るさ」どれを重視するかでウォークインクローゼットに窓を付けるか換気扇を付けるか、それとも他の方法を取るのがベストなのかは変わってきます。

できるだけ家の間取りの段階でウォークインクローゼットをどのように使うかイメージしておくことで、最適な方法が見えてくるんですね。

ぜひ部屋はもちろん、ウォークインクローゼットの中も快適な空間にしてくださいね。

では。

 

収納についてはこちらも参考にしてください。

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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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