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土地購入の注意点がたくさん載っている!土地の販売図面の見方を解説します。

こんにちは、O型建築士です。

皆さん、土地の販売図面というものをご存知でしょうか?

土地の販売図面というのは、不動産屋が土地の売却を依頼された時につくる土地の基本情報を載せた図面のことです。実はこの販売図面、土地の情報がぎっしり詰まっているものなので、土地購入の注意点がたくさん載っています。

 

土地購入の注意点が載っていると言うことは、この販売図面の見方を知っているか知っていないかで、土地の購入で成功するか失敗するかは大きく違ってきます。

今回は、この販売図面の見方のポイントをお伝えします。土地を購入しようと思っている人は、ぜひ参考にしてください。それではどうぞご覧ください。

土地の販売図面

販売図面

なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
こんにちは。今日は土地の販売図面の見方について勉強していくわよ。
家を建てたい 田中さん
こんにちは!よろしくお願いします!
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
前にやった、建ぺい率と容積率の説明の時に土地の販売図面が出てきたの覚えているかしら?
家を建てたい 田中さん
もちろんです!これですよね。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
よく覚えてるじゃないの。
家を建てたい 田中さん
ボクだって、そんなすぐに記憶を無くさないですよ!
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
田中君の記憶力の事はおいといて、販売図面ていうのは土地情報の塊と言えるものなの。
家を建てたい 田中さん
だから、土地購入の注意点もたくさん載っているっていう事ですね。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
そういうことね。

土地のセールスポイントを鵜呑みにしない

販売図面2

なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
上の図を見てもらえるかしら。土地の販売図面の情報は大きく2つに分けられるの。
家を建てたい 田中さん
左側は土地の図面ですね。右は細かい項目がいっぱい書いてある。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
簡単に言うと、左側は土地の図面とセールスポイント。右側が土地の概要ね。あとは価格ものせてあるけど、今回はサンプルなので消してあるわ。
家を建てたい 田中さん
たしかに、左側は角地の整形地とか日当り良好とか書いてありますね。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
今回のケースであれば、土地の図面と建築条件なしと書いてあるところが必要な情報ね。日当り良好とか基準の無い物は無視しちゃっていいわ。不動産屋が目立つように書いてるだけだから、実際とは違うこともよくあるの。
家を建てたい 田中さん
図面はどう見ればいいですか?
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
土地の形と道路がどこにあるかを見ればいいわ。この図面はきっちり造ってるけど、土地の形は何となく似せて造っていることも多いから、図面は参考程度ってところね。
家を建てたい 田中さん
他にどんな事が載ってるんですか?
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
土地の写真が載ってる事が多いわね。あとは、スーパーとか学校まで〇〇mとか〇〇分って情報が多いかしら。
家を建てたい 田中さん
いろいろ載ってるんですね。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
そうね。特に左側のセールスポイントはみんな売りたくてつくってるから、必要な情報だけ抜き出す事が大事ね。
家を建てたい 田中さん
もう1つ教えて欲しいんですけど、土地の形で気をつけたほうがいい事ってありますか?
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
旗竿地なんかは特殊な土地だから注意した方がいいわね。

注意点が満載の土地の概要

なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
今度は右側の土地の概要について見ていくわよ。
家を建てたい 田中さん
なんか細かい情報がいっぱい載ってますね。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
まずは上から見ていきましょう。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
まず一番上に載ってるのが土地の権利ね。ここでは所有権になってるわ。田中君がこの土地を買えば、この土地は田中君の物ってことね。
家を建てたい 田中さん
所有権以外の事なんてあるんですか?
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
借地権っていうこともたまにあるわ。土地を借りる権利ってことね。妙に安い土地だなと思ってよく見ると、実は権利が借地権だったなんてオチもたまにあるわね。
家を建てたい 田中さん
そんなのがあるんですね。権利の下の面積に書いてある公簿ってなんですか?
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
登記簿上の面積のことね。ただ、古い登記簿だと実際の面積と違う事がよくあるから注意が必要ね。まぁ、何㎡も変わることは無いから、この土地だと100㎡くらいの土地って覚えておけば良いわ。
家を建てたい 田中さん
その下の私道負担面積って何ですか?
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
道路の一部が自分の土地っていう事よ。ここは道路として使われているから、家の敷地として利用できないわ。この敷地だと、北側の道路が私道の可能性が高いわね。
家を建てたい 田中さん
いろいろあるんですね。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
私道負担はけっこう重要な内容だから、私道負担有りの土地は必ず不動産会社に確認して欲しいポイントね。不動産会社に確認せずに土地購入を決めるなんてことはしてはダメよ。

 

なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
どんどん行くわよ。次に書いてあるのは地目ね。家を建てるなら地目は「宅地」が基本ね。
家を建てたい 田中さん
地目で注意する事はありますか?
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
地目で注意するのは「田」や「畑」の時ね。このままだと家が建てられないから、地目を変更する必要があるの。だから家を建てるなら地目を「宅地」に変えてあげないとダメね。あと、この時の地目の変更は誰がするのかは確認しといた方がいいわね。
家を建てたい 田中さん
地目の下は道路のことですか?
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
そうよ、ここでは道路の幅と接面幅を見た方がいいわね。道路の幅は車の出入りに関わってくるので重要ね。接面幅は2m以上無いと家は建てられないから2m以上有る事を必ず確認が必要ね。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
あとは敷地の前の道路が狭いと「セットバック有」と書いてある物件があるからセットバックについても注意が必要ね。

→あなたの土地が狭くなる?道路のセットバックについて解説します

 

なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
次は土地の制限を見ていくわよ。
家を建てたい 田中さん
建ぺい率と容積率の注意点は前にやりましたね。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
まだ見てない人はこちらをご覧ください。
家を建てたい 田中さん
次の用途地域って何ですか?
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
地域によって建てられる物が決まっているの。家の隣にいきなり工場ができたら嫌でしょ。
家を建てたい 田中さん
すごく嫌です。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
そういったのを防ぐために、用途地域ってものがあるのよ。
家を建てたい 田中さん
何に注意すればいいですか?
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
低層住居専用地域っていうのに注目すればいいわ。今回のケースだと、一種低層って書いてあるから第1種低層住居専用地域ってことね。
家を建てたい 田中さん
用途地域はこのあたりの記事を参考にしてください。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
・・・。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
次いくわよ。高度地区っていうのは、一種の高さ制限のことね。第一種っていうとかなり制限が厳しいから、高い家を建てたりするのは難しいわね。あとは北側斜線っていう規制よりも厳しい場合があるから、ここは特に注意したほうがいいわね。どんな家になるか気になる人は、こちらをご覧ください。

 

 

家を建てたい 田中さん
次の防火地域って何ですか?
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
火事の時に燃え広がらないように規制している地域の事ね。防火地域と準防火地域っていうのがあるわ。
家を建てたい 田中さん
防火地域だとどうなるんですか?
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
家に防火性能が求められるから、家にお金がかかるって思っておけば良いわ。家の大きさや階数にもよるけど木造住宅なら少なくとも100〜200万円くらいは高くなるわね。
家を建てたい 田中さん
そんなに上がっちゃうんですか!?
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
そうなの。でも防火地域は街中や都内が中心だから、それ以外の地域であれば防火地域の土地にあたることはそんなに無いわね。
家を建てたい 田中さん
次の都市計画の市街化区域って何ですか?
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
基本的に家を建てられる場所が「市街化区域」。家を建てられない場所なら「市街化調整区域」って書かれてるわ。家を建てるなら市街化区域であれば問題ないわね。市街化調整区域でも条件をクリアすれば家をたてられるから、不動産会社に必ず家が建てられるか確認したほうがいいわね。
家を建てたい 田中さん
いろんな地域があるんですね。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
最後の区画整理と都市計画道路について説明するわね。これは街や道路の整備区域にはいっているかどうかってことなの。入っていると、家を建てるのに制限が出てくるわ。
家を建てたい 田中さん
整備するのに家を建てたら邪魔になってしまうということですね。

 

家を建てたい 田中さん
いよいよ最後の項目ですね。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
施設の項目では、都市ガスかプロパンガスか。下水道が通っているのか浄化槽なのか確認が必要ね。インフラが通っているかどうかで必要なお金が全然違うから、ここは重要なポイントよ。
家を建てたい 田中さん
その下の古屋有りっていうのは家が建っていることですか?
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
そうよ。家を建てるなら古屋を解体する必要があるわね。規模にもよるけど、100万〜200万くらい予算を見ておいたほうがいいわね。
家を建てたい 田中さん
土地の状況次第で必要なお金って随分違うんですね。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
結構分かってきたみたいね。だから、土地の販売図面から土地情報を読み取れるようになるのが大切なの。お金がかかる土地なのかお金があまりかからない土地なのか。他には家を建てるのにどれだけ制限がかかるか分かるでしょ。
家を建てたい 田中さん
はい、建てられる家の制限についても沢山のっているんですね。これをよく知らずに土地を買うのって怖過ぎますね。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
そういう事ね。土地の良いところと悪いところを説明してくれる親切な不動産屋もいるけど、みんなが皆そういう訳ではないわ。自分で判断できることがとても大切なの。
家を建てたい 田中さん
土地の販売図面は、土地購入の注意点が満載っていうのが納得です。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
田中君も、これで土地を買えるわね。
家を建てたい 田中さん
ボクは喜瀬川さんに土地を選んでもらうんで大丈夫です。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
・・・。
なぜか建築に詳しい 喜瀬川さん
田中君、今回の内容まったく覚えてないわね。

まとめ

土地と自転車

土地の販売図面の見方いかがだったでしょうか?土地情報の見方が分かる事で、土地購入の注意点がどこにあるか一目瞭然で分かるようになります。特に、建てられる家の制限などはどういう物かは名前は知っていても、実際に家を建てる時にどれだけ影響が出てくるかというのを知っている不動産会社の人間はそうはいません。不動産会社だけでなく、住宅会社の営業マンでも実際にどれだけ影響がでるのか分かっている人間は半分もいないのではないでしょうか。土地が家にどれだけ影響するか実際に分かっているのは、設計士か設計経験者以外ではごく一部しかいないのが現状です。

そのため、最低限の注意点を知っていることはとても大切なことです。注意点を知る事で土地購入の失敗をかなり防ぐ事ができますし、「あとで制限が厳しくて小さい家しか建てられなくて後悔した。」なんて事も防ぐ事ができます。家づくりの前に土地購入で後悔なんてしたく無いですよね。

ぜひ今回の内容を頭に入れて、良い土地探し、良い家づくりをしてくださいね。

では。

 

土地の探しの失敗例が載っていますので、こちらも参考にしてください。

→土地探しの失敗例① 一番多い失敗とは

家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。

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建築士が教える今日の問題解決

土地購入の注意点がのっている土地の販売図面ってどんなもの?

  • 土地のセールスポイントと土地の概要が載っている。
  • 土地のセールスポイントは数値など確かなものを参考にして、曖昧な表現は参考にしない方がいい。
  • 同じ形の土地でも、土地の概要次第で建てられる家や後々必要になるお金が違う。
  • 家が気になるなら、用途地域や高度地区、防火地域をチェック。
  • 土地にかかるお金が気になるなら、古屋の有無やインフラをチェック。
  • 土地の注意点を知る事で土地購入の失敗をかなり防ぐ事ができるようになります。
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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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