家づくり中のみなさま、こんにちは。江戸小紋空間デザイン小林です。
最近では気軽に和室空間を間取りに取り入れたいという家が増えてきています。
そんな和室空間ですが、ちょっとした床の間飾りを入れるだけで空間がおしゃれになったりお客様をお迎えする空間に早変わりします。
でも床の間には何を飾ったらセンスよくモダンになるか分からない部分もありますよね。
そこで今日はちょっとした和空間を1ランクモダンにアップさせる床の間飾りをご紹介したいと思います。
床の間を作る方はもちろん、床の間を作る予定が無いという方も家のちょっとした飾りの参考にしてくださいね。
床の間の意味って何?
ところで床の間ってなんのためにあるのでしょうか。
その昔、「床(とこ)」とは、座る場所、寝る場所という意味がありました。
奈良時代の頃には貴族など身分の高い人が座る「床」を置き畳のように一段高くしていたようです。
時代は進み、室町時代に始まった書院造りと言われる現在の和室の原型となる住宅様式の中にもこの「床」の風習は残されており、武士がお客様をもてなす上座として、またその家の格をあらわす空間として、床框(とこがまち)、床柱(とこばしら)や違い棚(ちがいだな)といった装飾を床の間空間に施したり、花や掛け軸、美術品などを飾るようになりました。
そして江戸時代から明治時代にかけて、一般庶民の住宅にも「お客様や目上の方をお招きする場」として床の間が定着してきたという歴史があります。
おすすめ床の間飾り
さて、現代の住宅事情では、限られた間取りの中で伝統的な床の間空間を作ることは難しくなってきています。
本格的な和室ではなく、リビングからの続きの空間に2〜3畳ほどの畳コーナーを設けるケースも多々あります。
それでは、具体的に床の間の飾りについて見ていきましょう。
床の間に掛ける
床の間の壁に掛けるというのは伝統的な和室の床の間でも「掛け軸」といった手法がありました。
でも伝統的な毛筆の書だと書いてあることがよくわからなかったり、ちょっと空間に重すぎてしまうかなと心配もありますよね。
そんな時は、こんなアイデアがおすすめです。
銅板飾り
出典:http://www.shop-orii.com/cargo/goodsprev.cgi?gno=onthewallmini
モダンな雰囲気の床の間にする場合、銅板を使った花飾りを床の間に飾るというのも効果的です。
シンプルな壁にこうした存在感のある銅板の花飾りをかけるだけで空間がぐっと華やいでくるんですね。
銅板の落ち着いた雰囲気が花飾りを一層キレイに見せてくれます。
竹飾り
出典:https://item.rakuten.co.jp/kohchosai/5365/
竹を細かく割いて作った飾り竹飾りも床の間との相性が良い飾りになります。
自然な風合いの竹で構成された放射状の幾何学的な飾りは、モダンで洗練された空間を演出してくれるんですね。
竹飾りの色はナチュラルな色とブラックが用意されている事が多く、竹飾りはナチュラルな空間にもモダンな空間にも使う事ができる万能の床の間飾りと言えます。
手ぬぐい額縁
出典:http://www.noren-net.jp/fs/noren/ym-001002
床の間にアートな手ぬぐいを飾るのも素敵です。
たとえば手ぬぐいを縦に半分に折ったサイズが入る額縁をかけると、折った位置によって個性的な手ぬぐい額縁ができあがります。
空間によっては、複数の額縁をかけてみるのもオシャレですね。
(複数掛ける場合は、2本よりも3本飾る方がキレイに見えます)
床の間に置く
床の間を飾るとき、今まで見てきた壁に飾る方法の他に「床の間に置く」という方法もあります。
床の間スペースや、畳寄せとよばれる畳以外の板の間空間にさりげないオブジェを置いて飾るのもオシャレですね。
3畳ほどのミニ空間で、床の間スペースを作ることが難しいという方は、壁に作り付けの棚を造作で作ってみるのもおすすめですよ。
錫(すず)の器 能作KAGO
出典:https://japan-design.imazy.net/jp/crafts/nousaku/kago/
錫は高級な素材で、酒器にも使われる素材です。
そんな素材を使って見栄えのする床の間飾りになるのが「能作KAGO」というインテリア雑貨です。
この能作KAGOは、錫を手でやわらかく自在に曲げられるようになっているので、自由な形にアレンジできるのが魅力です。
自由に曲げられることを活かし、器状にしたり丸めてみたりとオブジェとして楽みたいですね。
一輪挿し
木でできた一輪挿しも床の間を飾るときに魅力的な選択肢となります。
一輪挿しは縦長の物が多いため、小さな床の間スペースでも使いやすいというのも良いですね。
また、木でできているのでナチュラルなインテリアにも、とても似合います。
一輪挿しを飾る時は、ボリュームをおさえてさりげなく草花を挿すのがコツです。
床の間を照らす
床の間をどんな感じで照らすかによっても、部屋の雰囲気というのはかなり変わってきます。
そんな照明の使い方の中でも、和の空間には間接照明がよく似合います。
特に和紙でつくった行灯型のフロアライトを床の間空間で照らすだけでもとっても素敵な空間ができあがります。
和紙のフロアライトの場合は、イサムノグチあたりはとても有名ですね。
電源コードがあるので、床の間空間でなくてもコンセントに近い畳の上に転がして置いても絵になります。
その他に、東京の下町にある行灯ワークショップでは、自分でつくるオリジナル行灯にもチャレンジできます。
この際、新居のオブジェに自分でオリジナル行灯を作ってみるのもいいかもしれませんね。
電源コードが見えてしまうのはちょっと・・という方には、間接照明風に床の間を照らすのも素敵です。
出典:https://www.garageland.jp/lighting-images/daining02/SF352C.html
このような置き型照明もあるので、飾りと明かりを両方楽しむのも良いですね。
床の間部分だけでも普通の壁紙ではなく、塗り壁などにすると陰影がよく出てよりキレイに見えます。
まとめ
今回は床の間の飾りについて詳しく見てきました。
床の間空間は、もともとお客様や目上の方をお迎えする「おもてなし空間」として発達してきました。
現代の限られた和空間ではできることも限られてきますが、ちょっと工夫するだけでもすてきな空間を演出することができます。
ぜひ今回の内容を参考に素敵な床の間にチャレンジしてみてくださいね。
和室についてはこちらも参考にしてください。
→小上がりの和室ってどうなの?小上がり和室のメリットとデメリット
→和室、畳コーナーの広さはどれくらい必要?2畳から8畳まで比べてみました
建築士が実際に見てきた全国の優良工務店を掲載。
家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。