吹き抜けは明るく開放感のある家にしてくれるので人気がありますが、実は吹き抜けの作り方次第で印象は大きく変わります。
それだけ家の中でも吹き抜けは個性が強い部分となりますが、そんな個性が強い吹き抜けと相性が良いのが「階段」です。
吹き抜けに上手く階段を組み合わせることで、吹き抜けも階段もより引き立つようになるんですね。
では、吹き抜けと階段はどう組み合わせればいいのでしょうか?
今回は吹き抜け階段について詳しく見て行きたいと思います。
吹き抜けやオシャレな空間が気になる方はぜひご覧ください。
吹き抜けと階段の相性が良い理由とは
それではまず、吹き抜けと階段の相性はなぜ抜群なのか見ていきましょう。
その大きな理由は、吹き抜けと階段が組み合わさることで階段も吹き抜けの一部のようになり、吹き抜けが大きく開放的に見えるようになるから。
特に吹き抜けを作る場合は広さ重要で、小さな吹き抜けだと天井に少し穴が空いているくらいにしか見えず、吹き抜けで期待したい明るさや開放感をほとんど感じないというケースもよく見かけます。
そのため吹き抜けにはある程度の広さというのは必須となるのですが、吹き抜けを広くすればその分だけ2階の床面積は小さくなってしまうという悩ましい問題も出てきます。
そして、それを上手く補ってくれるのが吹き抜け階段という訳なんですね。
また、吹き抜けだけでなく階段にとってもメリットがあります。
それは、階段を綺麗に見せてくれるということ。
たとえば普通の階段の場合、日常生活では上り下りする部分など階段の一部を見ることはあっても、階段全体を見ることはまずありません。
階段が天井や壁の中に隠れてしまうからですね。
その一方、吹き抜け階段にした場合は階段の隣が吹き抜けなので階段の全体像を見ることができるようになります。
階段がよく見えるということは、階段がインテリアの一部になるということ。
そして吹き抜けに合う階段にすることで、部屋全体がオシャレで綺麗に見えるようになります。
このように、吹き抜け階段はお互いの魅力をより引き出すとても相性の良い関係なんですね。
吹き抜け階段のデザイン
それでは次に、吹き抜け階段にした時にはどんなデザインがあるのかも見てみましょう。
まずは1番の王道。
それは吹き抜けにスチールの造作で作った階段を合わせるという方法です。
このようなスチール階段を吹き抜けに合わせた時のメリットは、その見た目の軽さ。
スチールで作った階段は薄くても強度が出せるので、吹き抜けにも軽さを出してくれるんですね。
見た目の軽さが吹き抜けの開放感をより出してくれるので、スチール階段と吹き抜けは迷った時は選んでおいて間違いのない組み合わせと言えます。
また、スチールの造作階段はデザインの自由度が高いというのも魅力の1つです。
たとえば「イナズマ階段」とも呼ばれる階段も、その特徴的なデザインから人気の階段。
Photo:https://www.isoda-kensetsu.jp/works.html
階段がシャープな印象になるのに合わせて、程よい緊張感のある吹き抜けになっていますね。
空間を引き締めたい時に効果的な組み合わせとなります。
その他、階段を木材で作るというのも人気があります。
たとえば木製階段と手すりの無駄をそぎ落とすとこんな感じに。
https://i-works-project.jp/i-works1.html
木の柔らかい雰囲気が部屋と吹き抜けに上手くマッチしていますね。
階段の手すりも強度を出すのに必要な部分以外はオープンなデザインにしているのも綺麗に見える理由の1つです。
スチールの場合はモダンな印象が強くなりますが、木の階段を吹き抜けに合わせると柔らかくナチュラルな印象の空間にすることができます。
また、木製階段の支える位置を変えるとこんな感じに。
階段を支える桁(けた)が横ではなく下にあるので、より力強い印象になっていますね。
強度的にも強いので、木製の吹き抜け階段でよく見かけるスタイルになります。
この場合のポイントは階段の桁の存在感が強いので、手すりはできるだけ軽さを出すということ。
先ほどの例では、手すりはスチールの造作にすることで軽さを出してバランスを取っているんですね。
ちなみに階段の形はシンプルな方が綺麗に見えますが、最初に3段の周り階段を作るぐらいであれば、吹き抜け、階段共に見た目への影響も大きくありません。
その他では、箱型階段にして階段下を利用するという方法も。
吹き抜け階段なので階段下を飾り棚にするなど、アイデア次第で楽しめるというのが大きな魅力です。
飾り棚以外にTVを置くのもいいですね。
この場合も手すりに軽さを出すのがオシャレに見せるためのポイントになります。
ここまでは直線階段を中心に見てきましたが、吹き抜け階段にらせん階段を使うという方法もあります。
https://sumika.me/works/e8e02aa9fe351e15c57d5aab8f2728b80df9cdb2
特に木製階段の場合は階段の回り場合はゴチャゴチャ見えがちなので、オープンな回り階段にしたい時はほぼ「らせん階段」の独壇場です。
また、らせん階段は見た目のインパクトに目が行きがちですが、実は階段の面積をコンパクトにまとめられるというメリットもあるなど、開放感を出したい吹き抜けと高相性です。
らせん階段の曲線と吹き抜けが綺麗に見えるような作りにしたいですね。
ちなみに、吹き抜け階段の場合はできる限り階段の形はシンプルにした方が無難です。
その理由は、複雑な形になればなるほどゴタゴタして見えるから。
Photo:https://www.homify.jp/projects/530976
上の事例は階段の回り部分もすごく綺麗に作っていますが、実際に階段を作る場合、回り部分は階段を支えるための部材が色々出がちです。
そのため吹き抜け階段にする場合、間取りを階段が綺麗に見えるように整えるというのが基本で、間取り上難しい場合はどんなデザインの吹き抜け階段になるかは必ず確認しておきたいですね。
玄関に階段と吹き抜けを作る場合
これまで見てきたように吹き抜け階段にする場合、1番相性が良いのはリビング階段。
吹き抜け階段の開放感や明るさ、オシャレさというのがリビングと上手くマッチするからです。
でも、他の場所に吹き抜け階段を作りたいというケースもありますよね。
吹き抜け階段にする場合、1番気をつけたいのが玄関に階段と吹き抜けを配置するケースです。
玄関に吹き抜け階段があれば家に入った時に広がりを感じることができる反面、吹き抜け階段にすることで寒さを感じやすいというのがその大きな理由です。
玄関の土間というのは家の中で一番寒さを感じやすい部分であると同時に、玄関ドアの開け閉めの際に外の空気が入ってきてしまい、階段と吹き抜けを通して家の中の温度が下がってしまうんですね。
そうならないためにも、吹き抜け階段を玄関に作る場合はたとえば全館空調を取り入れた家にしたり、断熱性能の高い家にするというのは必須となってきます。
また、玄関に階段と吹き抜けを作る場合は、ある程度広さがないと中途半端な印象になるケースがほとんどです。
そのため、たとえば下のような家のように吹き抜けの広さを広く取ったり、土間やリビングとの一体感を強く出すなど、開放感や明るさ以外にプラスαの効果が見込めるようにするという点が重要になってくるんですね。
Photo:https://www.homify.jp/ideabooks/46101/
玄関に階段と吹き抜けを作る場合は、間取り、性能含めて難易度が上がるので、それに対応できるだけの住宅会社に依頼する。
これが必須となってくるんですね。
まとめ
今回は吹き抜けと階段について詳しく見てきました。
吹き抜けを作る場合、階段と一緒に吹き抜けを作るというのはマストな選択になります。
もちろん、間取りや要望を踏まえると吹き抜けと階段を別々にした方が良いケースもありますが、開放感や明るさをメインに考えるなら吹き抜けと階段のセットはベストな組み合わせになるんですね。
そして階段にも少しデザインを加えてみると、とてもオシャレで素敵な空間にすることができます。
ぜひ、今回の内容を参考に素敵な吹き抜け階段を作ってくださいね。
では。
吹き抜けについてはこちらも参考にしてください。
階段についてはこちらもどうぞ。
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