家をつくるとき、意外に忘れがちなのが自転車の置き場所。
駐車場は必要な台数だけ確保しますが、自転車を何台置くか想定していない事も多いんですね。
確かにわざわざ駐輪スペースをとらずに、「なんとなく余った場所に自転車を置く」。
こんな感じで自転車を止めるという方は多いのではないでしょうか。
でも、お子さんが小さい家庭では自転車は必要ないことも多いですが、子供が大きくなってくると移動手段として自転車はかなりの確率で必要となってきます。
さらには自転車の止め方ひとつで家の外観はかなり変わってきます。どんなにかっこいい家や外構をつくっても、自転車が無造作に置かれていたら何か締まらないですよね。
そこで今回は、自転車置き場のつくり方について詳しく見ていきましょう。
自転車のサイズってどれくらい?
「自転車のサイズってどれくらい?」と聞かれてすぐに答えられる方は意外と少ないもの。
自転車の大きさは何となくイメージはできるけども、意外と数字に表すのって難しいですよね。
大人用の自転車はJIS規格でサイズというのが決まっています。
そして家を設計するときは、自転車1台につき「幅60センチ、長さ180センチ」のスペースを取るのが基本となります。
1台だとそんなに大きく感じないかも知れませんが、たとえば4人家族で1人1台の自転車があると、2m40㎝四方ほどのスペースが必要になってくるんですね。
これは約3.5畳の広さで、小さな部屋1つ分くらいが駐輪スペースとして必要になります。
自転車って結構場所を取るんですね。
また、都市部だと自転車を置くスペースがあんまりなくて、ちょっとした隙間に詰め込んだり、道路にちょっとはみ出したりなんて事もよく見かけます。
ちょっとした隙間に置けるなら良いですが、道路に置くのは格好悪いですし盗難の恐れも高くなるので避けたいですね。
そうならないためにも、今はそれほど自転車を置くスペースがいらなくても、実際に自転車が必要になった時や増えた時にどの辺りに自転車を置くかは家の設計の段階で想定しておくのが大切になります。
自転車の天敵
自転車の天敵。
それは「雨」です。
自転車が濡れれば錆びていきますし、雨が止んだあとに自転車に乗ろうとしてもサドルがビショビショですね。
それだけ自転車にとって雨に濡れるというのはできるだけ避けたいものです。
そのため、頻繁に自転車を使う場合や良い自転車に乗る場合はできるだけ雨がかからないところに自転車置き場をつくる。
これが重要になってきます。
また、自転車を置く場合に気をつけたいのが車の駐車場です。
駐車場と自転車置き場が近かったり、自転車を止めるのに車のすぐ側を通る場合、自転車が車をこすって傷をつけてしまう場合があるんですね。
特にお子さんが小さい時なんかは、傷がつく可能性も高くなってしまいます。
そのため、自転車置き場と車が干渉しないように配置するのもポイントです。
駐車場が家のアプローチになりやすい旗竿地なんかは特に要注意ですね。
自転車を雨から守る方法
自転車を雨から守る方法は、大きく分けて3つあります。
1つは家の軒や庇を大きく出して、その下に自転車を置くという方法。
もう1つは、外構工事で屋根付きのサイクルポートをつくってあげる方法。
そして最後が家の中に自転車を収納するスペースを作るという方法です。
例えば1つめの軒を作る場合はこんな感じです。
玄関ポーチは雨に濡れないように作りますが、そこに自転車を置けるようにするという訳ですね。
軒がこれくらいあれば自転車を置いてあげるのも楽ちんです。
また、玄関ポーチに階段だけでなくスロープを作ることで、自転車の出し入れをする時もスムーズに出し入れすることができるというのも便利ですね。
先程のケースでは玄関近くに自転車を置いていますが、下屋の作り方次第で好きな場所に自転車置き場を作れるるようになるというのも魅力の1つです。
→下屋(げや)って何?下屋の作り方次第で家の外観はすごく変わるんです
次に、自転車用の庇をつけてあげるとこんな感じです。
これならちょっとした場所しか無くても、自転車置き場をつくれそうですね。
ただ自転車用の庇だとそこまでサイズは大きくないので、雨の日に横風が吹くと自転車が濡れてしまうという点はデメリットと言えます。
また、見た目が野暮ったくならないように庇はシャープに作るのもポイントとなってきます。
また、外構でサイクルポートをつくるとこんな感じです。
サイクルポートは色んな形があるので、家のデザインにあったサイクルポートを選びたいですね。
また、サイクルポートは大きさも様々です。
雨の影響をできる限り防ぎたい場合は少し大きめのサイクルポートを選んでおくと安心です。
その他には大きなカーポートを作って一部を自転車置き場にするという方法もあります。
最後に、家の中に自転車を置くというケースも見ておきましょう。
最近では高級な自転車も多いので、広い玄関土間をつくってそこに自転車を置く方は年々増えているように感じます。
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このように自転車を家の中に置く場合のポイントとしては、自転車をいかにスムーズに出し入れできるかどうかということ。
自転車置き場まで何度も切り返しが必要な場合などは壁に自転車のタイヤをぶつけてしまう可能性が高くなり、壁紙が黒く汚れてしまうケースが多いんですね。
特に土間収納やシューズクロークといった収納内に自転車を置く場合は何度も切り返す必要が出てくることも多いので要注意です。
そのため、自転車を出し入れする時の動線がどうなるかを確認しておくことで失敗を防ぐことができるんですね。
自転車を出し入れする動線がイマイチ良くない場合、いっそのこと土間を広くとって自転車は土間に置いてしまうのも1つの方法と言えます。
→シューズクロークで失敗しないために絶対に知っておきたい5つのこと
→その間取りは動線が考えられていますか?家の間取りと動線について
このように、自転車を雨から守る方法はいろいろあります。
自転車をどのように止めて置くのがあなたにとってベストなのか。
また、自転車置き場に屋根を付けるのは意外に費用が必要となってくるので、全体の予算の中からどれだけ自転車置き場に予算を使うのかも踏まえながら自転車置き場を決めたいですね。
まとめ
今回は、意外に忘れがちな自転車置き場について詳しく見てきました。
自転車は意外に場所を取りますし、自転車をどんな風に置くかで家の見た目は変わってきます。
さらには、今は誰も自転車に乗っていなくても、お子さんがいれば将来必ず自転車に乗るようになります。
そのため家の設計段階で、何台の自転車をどこに置くか想定しておく事が重要なんですね。
自転車は便利な乗り物ですが、置き場所も必要になる物です。
あなたも将来、自転車置き場に悩まされない家づくりをしてくださいね。
では。
駐車場についてはこちらも参考にしてください。
庭についてはこちらも参考にしてください。
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家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。
→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】
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→注文住宅を建てる前に必ず知っておきたい!注文住宅のメリットとデメリット
家づくりで失敗したくない!そんな方こそ、間取りが重要です。
建築士が教える今日の問題解決
自転車置き場で注意する事って何?
- 自転車は1台につき「60㎝ × 180㎝」スペースが必要。
- 自転車の天敵は雨。
- できれば、雨に濡れないような自転車置き場をつくるのがベスト。
- 家の設計段階で将来の自転車置き場を想定して置く。