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エアコンで失敗しないために知っておきたいこと10選

今では様々な冷暖房器具が発売されていますが、そんな冷暖房器具の代表格がエアコンです。

以前はエアコンと言うと電気代が高いというイメージがありましたが、現在では技術の発達により最も効率の良い冷暖房器具の1つになっています。

私が小さい頃はエアコンが家に付くというだけで大興奮したものですが、今では学校にもエアコンが付くように、家にも当たり前にエアコンがつく時代になったんですね。(ちなみに私は30代後半です)

 

そんな部屋を快適にしてくれるエアコンですが、家づくりをする時に気をつけておきたいこともあります。

エアコンを適当に配置してしまうと、後であんまり効かなかったり、「こんなはずでは無かったのに!」と後悔してしまうことがあるんですね。

しかも、エアコンは壁に穴を開けるので、家ができてから変更するのは家にとってかなりのダメージとなってしまいます。

そこで今回は、家を建てる時に知っておきたいエアコンの配置についてお伝えしたいと思います。

図面を見るだけでは適切か分かりづらいエアコンの配置ですが、ポイントさえ押さえておけば快適な部屋にできるので、ぜひ覚えておいてくださいね。

エアコンを取り付ける場所

まず、部屋にエアコンを取り付ける時、部屋のどこにエアコンを取り付けるのがいいのでしょうか?

答えは、部屋の長手方向へ風が出るようにエアコンを取り付けるが正解です。

エアコンの効果的な設置場所

 

長手方向に風が出るようにエアコンを取り付けることで、部屋全体に風が届きやすくなるんですね。

そのため家の設計をする時は長手方向に向かってエアコンを計画するのが基本となります。

 

ただ、長手方向が良いからと言って、何も考えずにエアコンを取り付けると失敗の原因にもなってしまいます。

エアコンは天井に近い位置に取り付ける必要があるので、部屋にある色んな物と干渉してしまう事もよくあるんですね。

家ができ上がってからエアコンが付かないなんてことにならないように、次はよく見かけるエアコンの失敗例を見てみましょう。

エアコン配置の失敗例

エアコンが窓と干渉する

一般的な家の「天井の高さ」と「窓の配置高さ」はどれくらいか、あなたはご存知でしょうか?

特に指定をしない場合、部屋の天井高さは2.4m、窓は上端が床から2mの位置に付くことが一般的です。

天井高はどれくらいがいい?最適な天井高を決める方法

 

そして、窓の上の上にエアコンを設置しようとする場合は要注意。

エアコンの高さは大体30㎝くらいの物が多く、さらには天井とは一定のスペースを開ける必要もあります。

ましてや窓の上にカーテンレールが付くと、エアコンを付けるスペースが無くなってしまうんですね。

 

そのため、窓の上にエアコンを取り付ける必要がある場合は、窓の高さやサイズを調整するか、あらかじめ天井の高さを少し上げておく必要があるんですね。

これは家が完成してからでは大工事になってしまうので、家の設計段階で対応しておきたいポイントです。

(一部で高さを押さえたエアコンも発売されていますが、高さが無い分、前に飛び出しているので見た目の点であまり良くないことが多いです。)

 

ちなみに、一般的な部屋の窓とエアコンの高さ関係はこんな感じです。

エアコンを設置した部屋普通の天井高さの部屋で、窓がある位置にエアコンを付けるのが難しいのが分かりますね。

 

クローゼットの折れ戸に注意

クローゼットの扉もエアコンを配置する時の要注意ポイントです。

 

一般的なドアや引き戸は高さが2mくらいに設定されていますが、クローゼットの折れ戸は高さが2.3mくらいが標準となっていて、かなり高さがあるんですね。クローゼット

 

そのため、折れ戸が開く部分にエアコンを取り付けてしまうと、折れ戸がエアコンにぶつかってしまうなんてことも。

エアコンとクローゼットの失敗

 

実際に家が出来た時に折れ戸が開かなくなるのでエアコンが取り付けられないというトラブルが発生してしまうんですね。

折れ戸はエアコンと同じようにカーテンレールなどとも干渉するので、要注意な建具と言えます。

 

風が直接当たる

エアコンで冷房するときも暖房するときも、エアコンからは風が吹いてきます。

その風が不快という方は多いですし、風に常に当たっていると寒過ぎて風邪を引いてしまったりと、あまりいいことはありません。

 

そのため、ソファやベッドの枕元などは、エアコンの風邪が直接当たらないようにエアコンを配置するのがポイントになってきます。

 

また、エアコンの風というのは意外と強いこともあり、紙など軽い物を置いていると飛ばされることもあります。

特に最近の高性能のエアコンは自動運転で温度を制御してくれますが、最初は一気に暖めたり冷やしたりするために自動で強風となることが多くあります。

エアコンを付けるたびに紙が飛ばされないよう、書斎などにエアコンを取り付けるときは机に風が当たらないなどの工夫をしたいですね。

 

エアコンの室外機置き場

エアコン室外機

エアコンの設置で意外と忘れがちなのが、室外機の置き場について。

室外機はある程度の大きさがある上に結構目立つので、基本的には道路側といった目立つ位置に持ってこないのが基本となります。

また、配管も雨樋と同じように目立つ要素になるので、できるかぎり配管を短くしたり目立たせなくするのも重要です。

家の外観が気になるなら知っておきたい「雨樋」の話

 

そんな家の見た目に悪影響を及ぼしやすい室外機ですが、エアコンの性能は室外機が左右すると言っても過言ではありません。

とりあえず目立たない場所に室外機を置いたけども、室外機の目の前に塀があったりするとエアコンの性能はかなり落ちてしまうんですね。

そのため、家の見た目と室外機への影響を考慮しながら、室外機置き場を決める必要があります。

特に狭小地では要注意と言えます。

狭小地や小さな敷地に家を建てる時に注意する5つの事

 

ちなみに、道路側等どうしても目立つ場所に室外機が来てしまうというケースも有ります。

そんな時は目立つ位置に室外機を設置するのではなく、家の中に配管の一部を通して目立たない場所へ室外機を設置するという方法もあります。

 

この場合の注意点として、エアコンの配管は基本的にエアコンより高い場所には持って来れず、また、ゆるい下り勾配をつける必要があります。

そのためエアコンを付ける部屋の天井を高くしたり、勾配天井にすることでエアコンの取り付け位置をできるだけ高くして、できる限り天井裏に配管が納まるよう工夫する必要が出てきます。

また、天井裏に隠す距離が長いと家電量販店などでエアコンを購入しても取り付けられない場合もあり建築工事と一緒にエアコンを取り付ける必要がある場合もあるので、この辺りの手間と室外機の場所、どちらを優先するかをよく考えてから家の中に配管を通すか決めたいですね。

 

エアコンの影ができる

これは家ができるまでかなり気付きづらいのですが、ダウンライトや間接照明の明かりにエアコンの影が映り込んでしまうことがあります。

特に壁を照らして雰囲気をつくる照明計画の場合、エアコンの影に入ってしまう可能性が高くなってしまいます。

 

ダウンライトや間接照明をつくる場所は家の中でも見せ場となることが多いので、できるだけ近くにエアコンを持ってこないようにしたいですね。

このようなエアコンの影ができるケースは意外と多いので、照明の打ち合わせの際は「照明とエアコンが干渉することはないですか?」と一言聞いてみるだけでも失敗を防ぐことができるようになります。

間接照明を上手くつくるコツと、必ず避けたい7つの失敗例

 

エアコンが浮く

エアコンは基本的に白い色が多いですね。

家の壁も基本は白のご家庭が多いので、普通はそんなに違和感なくエアコンを取り付けることができます。

同じ白なので、エアコン存在感はあまり出てこないんですね。

 

一方、白い壁ではなくアクセント壁など色の濃い壁をつくることもあり、濃い壁にエアコンを取り付けないといけないというケースも。

そんな時、白いエアコンは逆に目立ってしまって雰囲気が台無しになってしまうこともあります。

 

このようにどうしても色の濃い壁にエアコンが付くという場合は、いっそのことエアコンの色を変えてあげたり、スタイリッシュなエアコンを使うのもいいですね。

 

エアコンを目立たせない方法

エアコンを収納する

エアコン収納

Photo:https://itsuki-kobo.co.jp/

エアコンを目立たせたくない場合、エアコンを隠すための収納をつくるという方法があります。

格子状にして、その中にエアコンを収納、格子を通して風を送ると言う訳ですね。

 

この方法を使うと、エアコンの存在感はかなり消すことができるので、エアコンを目立たせたくない場合はかなり有効です。

エアコン収納単品だけでなく他の収納と組み合わせると、より目立たなくなるので造作家具として一体で考えたいですね。

 

一方、エアコンを収納する場合の注意点としては、収納している分、やはりエアコンの空調効率は落ちてしまいます。

そのため少しでも効率を上げるため、格子部分もただ四角い木にするのでは無く、少しでも風の抵抗を少なくするためにエアコン側は三角形にするなど、何かしら対策はとっておきたいですね。

 

エアコンを天井付けにする

天井付けエアコン

エアコンは壁付けの他に、天井付けのエアコンというのもあります。

お店やオフィスで天井付けのエアコンはよく見かけますね。

天井にエアコンを埋め込めるので、壁にエアコンを付けたくない場合は有効な方法です。

 

エアコンを天井付けにするデメリットを挙げるとすると、価格が壁付けエアコンより高くなりやすいのと、風の当たる場所、当たりにくい場所は発生しやすいです。

オフィスで寒い席と風がこない席があるのと同じですね。

エアコンを天井付けにする場合、このあたりのデメリットも考慮しながら決めたいですね。

また、天井付けのエアコンにもデザインの種類があるので、目立たせたく無い場合はよりシンプルなものを選ぶとベストです。

 

全館空調にする

一カ所で冷やしたり暖めたりして、その空気を家中に送る方法を取れば、各部屋にエアコンは必要で無くなります。

家中が一定の温度になる、いわゆる全館空調の家にするですね。

エアコンが無くても各部屋で温度調整をする機能が付いている物もあるので、部屋にエアコンをどこに付けるとか、室外機置き場で悩む必要はなくなります。

 

全館空調にはいくつか種類があり、たとえばエアコン2台だとこんな感じに。

エアコン2台の家

天井裏と床下にエアコンを設置して、家全体の温度をコントロールするという感じですね。

 

そしてエアコン1台の場合だとこんな感じに。

エアコン1台の家

エアコンで暖めたり冷やしたりした空気をダクトを通して各部屋に送るというわけですね。

こうすることでエアコンが目立たず、またエネルギー効率の高い家にすることができます。

 

その一方、全館空調は色んなシステムがあるので、選ぶ際は迷いやすい部分です。

そして基本的に全館空調を選ぶ場合は仕組みがシンプルな物を選ぶのがベストになります。

複雑な仕組みだと、十数年後に故障した時に同じ部材があるかどうかも分からないなど、リスクが大きいからなんですね。

また、家中に風を送り込むためにファンを付けることも多く、その掃除の手間もどれくらい必要かも見ておきたい部分です。

全館空調を選ぶ場合、快適でメンテナンスが少なくて済むものを選びたいですね。

あなたの家にエアコンは何台ある?快適でランニングコストを抑えた家にする方法

エアコンを付ける場所は家の計画時に

エアコンを取り付ける時、必要な物は主に2つ。

エアコンと室外機を繋ぐダクトを通すための開口と、電源です。

こんなのですね。

エアコンの開口

普通はエアコンが付く場所にエアコン電源用のコンセント設置するのと、ダクトが通る開口をつくってフタをしておきます。

電源は家が完成してから引いてくるのは大変ですし、ダクトは家が完成してから穴をあけると家の性能が落ちてしまうので、家の工事中にエアコンの対応をしておくという訳ですね。

 

このように、エアコンは家が完成してから付ける場所を変えるのは、工事も大掛かりになりやすいですし、何より家の性能を落とすことに繋がってしまいます。

間違っても、家が出来てからエアコンの場所を変えるのは避けたいですね。

そのため、エアコンの配置計画を家が着工する前にしっかり考えておくのが重要になるんですね。

まとめ

今回はエアコンを付けるときの注意点をまとめました。

家で快適に過ごすためにエアコンは必要になるものですが、エアコンの付け方を一歩間違えればそれだけ暮らしづらくなってしまう何てことも起こり得ます。

ぜひ、エアコンの配置のポイントを頭に入れて快適な空間を作ってださいね。

では。

 

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家を建てる時、エアコンで注意することって何?

  • エアコンは基本的に部屋の長手方向に配置する。
  • エアコンと部屋の中の物が干渉しないように配置する。
  • 室外機置き場を意識した間取りがベスト。
  • エアコンを目立たせたくない場合、エアコンを収納したり全館空調などの方法がある。
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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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