「家に郵便ポストを設置する位置で迷っています。郵便ポストを設置する時にオススメの場所はありませんか?」
今回はこのような質問を読者さんから頂きました。
確かに家の郵便ポストっていうと、何となく「玄関の近くにあればいいかな」とか「外構工事(庭の工事)の時に決めればいいかな」というように後回しにされがちな物ですが、実は家の工事が着工するまでにポストの位置を決めておくのが上手く外構がまとまるためのポイントになります。
家の設計段階で郵便ポストの位置を決めておくことで、一番使いやすい場所に設置できるからなんですね。
また郵便ポストの位置を早めに決めることで、「最後に空いていた場所に郵便ポストを設置したけども郵便物が取りにくい」といったケースや、車を停めるのにポストが邪魔というような事を防ぐこともできます。
それではまず、家の郵便ポストの代表的な設置場所について見てみましょう。
家の郵便ポストを道路の近くに設置する
それではまず、一番ポピュラーな道路の側に郵便ポストを設置した時のメリットとデメリットを見てみましょう。
道路側の郵便ポストのメリット
家の郵便ポストを道路のそばに設置した場合のメリットは、配達の人など見知らぬ人が家の敷地の中に入ってこないことが一番に挙げられます。
これは、敷地の中に知らない人が入ってくるのに抵抗がある方には、かなり魅力に感じるポイントになります。
言い換えれば、郵便ポストが道路の側にあるのに玄関まで入ってくる人は不審者の可能性があるなど、防犯面で気になる場合に特に有効なんですね。
また、庭と駐車場が一体になっている場合も、郵便ポストは道路近くの方がベターです。
家の庭を宅配便や郵便物のたびにが通ってはなんだか落ち着かないですよね。
このように道路側に郵便ポストを設置すると、プライバシーを重視した家にすることができるんですね。
防犯を気にされる場合は道路の近くにポストを配置すると効果が高くなります。
道路側の郵便ポストのデメリット
では次に、家の郵便ポストを道路側に造った時のデメリットを見てみましょう。
まず、郵便ポストが道路の側にあると、郵便物を取るのに道路の側まで行かないといけないので、新聞を取りに行ったり家の中から郵便ポストに行く場合に手間を感じることがあります。
雨が降っている日やすごく寒い日なんかは道路近くのポストまで郵便物を取りに行くのを大変に感じてしまう人も多いのではないでしょうか。
(ただ最近は新聞を取る家庭も減っており、以前と比べてそこまで大きなデメリットを感じることは少なくなっています)
その他、家に帰ってきた時に郵便ポストをのぞくという方にとっては道路付近の郵便ポストは使いづらいことも。
たとえば、郵便ポストに郵便物があれば取り出して家に持っていきますが、雨の日や荷物が多い日などは荷物と傘、郵便物で手が一杯になり、家の鍵を開けるのが大変なんてケースも出てきます。
そうなると郵便物が雨に濡れると見づらくなってしまいますし、鍵を取り出すのに郵便物が地面に落ちたりすると大変ですよね。
このように、道路の側に郵便ポストを設置した場合のデメリットは、雨が降ったり荷物が多い時は急に使いづらくなることが挙げられます。
そうならないように玄関の鍵を電子キーにしたり、玄関ポーチにちょっと物が置ける場所を作ってあげるとかない使い勝手がよくなるので、設計の段階で配慮しておけるとベストなんですね。
家の郵便ポストを玄関の近くに設置する
先ほどは道路の側に郵便ポストを設置しましたが、今度はもっと家の近く、玄関ポーチの側に郵便ポストを配置したときのメリット、デメリットを見てみましょう。
郵便ポストが玄関に近いメリット
玄関の近くに郵便ポストがある一番のメリットは、家から郵便物を取りやすいことが挙げられます。
ポストと玄関の位置が近いので、玄関を開けてすぐに郵便物が取ることができるんですね。
特に、玄関の庇の下にポストを設置すると雨に濡れずに郵便物が取れるのでかなり便利になります。
また、玄関の側にポストがあると、車を駐車する時に邪魔になりづらく車を止めやすいというメリットも出てきます。
(道路の近くにポストがある場合、車の出入りの邪魔になる場合もあります)
そのため、敷地が狭い時なんかは玄関の近くに郵便ポストを設置すると敷地を有効活用しやすくなります。
家に帰ってきた時も、郵便ポストから玄関までが近いので、郵便物をたくさん持ちながら移動する距離も短く済むのもメリットですし、一度荷物を置いてからポストに郵便物を取りに行っても大した手間にはなりません。
このように玄関のすぐ近くに郵便ポストというのは、かなり使い勝手の良い郵便ポストとなるんですね。
郵便ポストが玄関に近いデメリット
道路の近くに郵便ポストを配置した時とは違い、郵便ポストが玄関の側にあるので、配達する人が敷地の中に入って玄関の側まで来ることはデメリットとなってきます。
ここにストレスを感じるのかどうか。
これが玄関近くにポストを配置するときのポイントとなってくるんですね。
また、一般的にポストの側に表札やインターホンをつけることも多く、郵便物の場合だけでなく来訪者が玄関の側まで入ってくるというデメリットもあります。
この辺りが気になる場合は、表札とインターホンは道路の側に設置するというのも一つの方法です。
また、玄関の近くに大きな窓があると配達の際に気になることが多いので、北側道路など玄関にあまり大きな窓をつけないケースと相性がいいと言えます。
郵便ポストを玄関に埋め込む
家の郵便ポストは庭やアプローチに設置するだけでなく、家の壁に埋込むこともできます。
それでは次に郵便ポストを埋込んだ場合のメリット、デメリットを見てみましょう。
郵便ポストを玄関に埋め込んだ時のメリット
郵便ポストを玄関に埋め込んだ場合、雨に濡れず、また外気に直接ふれることなく郵便物を取ることができるようになるというのは大きなメリットです。
冬場の寒い日や雨が降っている日なんかは特に重宝できそうですね。
また、郵便物を取るのに外に出ないので、パジャマ姿でも全く問題ありません。
このように郵便ポストを玄関に埋め込んだ場合、かなり使い勝手がよくなり便利になるので埋め込みのポストがベストのようにも感じますが、その一方でかなり大きなデメリットもあります。
では、どんなデメリットがあるかについても見てみましょう。
郵便ポストを玄関に埋め込んだ時のデメリット
郵便ポストを玄関に埋め込む場合、の一番のデメリット。
それは家の断熱、気密性能が落ちてしまうということ。
家の一部に穴を開けることと同じなので、家の断熱、気密性能はかなり落ちてしまうんですね。
その結果、どれだけ断熱性能を考えた家を作ったとしても、一気に性能が下がってしまいます。
そのため郵便ポストを玄関に埋め込むと使い勝手は良くなりますが、反対に家の性能面を犠牲にしてしまうため、これからより家の省エネ性能が求められる時代になることを考えると、ちょっと採用しづらいポストと言えます。
すごく家の性能にこだわる会社なんかでは、既製品の埋め込みポストを使うのではなく造作で作って気密性能をできる限り落とさないようにする住宅会社もありますが、ただ便利だからと性能のことを考えたりデメリットを伝えずに提案する設計者もいたりする点は注意が必要です。
家が建ってから玄関がスースーすると思ったらポストが原因だったということは避けたいですよね。
アパートなんかでも玄関とポストが一体になった物をよく目にしますが、玄関付近が寒く感じるのも外気が家の中に入ってきているのが原因です。
そのため玄関に埋め込み型のポストを設置する場合、家の断熱性能を重視するのか、それとも性能は落ちても利便性を重視するのか、このあたりを考えた上で埋め込みポストを採用するのかどうかを決めたいですね。
郵便ポストの種類
ここまでは郵便ポストの位置について見てきましたが、郵便ポストと一言で言っても形状によっていくつかの種類に分けられます。
それでは、代表的な郵便ポストの種類を見てみましょう。
前から入れて前から取るポスト
Photo:https://item.onlyoneclub.jp/onlyone/DispDetail.do?volumeName=00003
郵便物を前から入れて前から取り出すポストは設置しやすいため、よく見かけるポピュラーな郵便ポストです。
郵便物の出し方は前が開いたり上が開いたりといくつかのパターンがありますが、基本的には郵便ポストの前に行って郵便物を取り出します。
家の外壁に取り付けることもできてデザインも豊富というのも大きな魅力です。
前から入れて後ろから取るポスト
Photo:https://www.postshoponline.jp/mefa/05.html
郵便ポストの後ろ側が開くようになっていて、郵便ポストの前にまわらなくても郵便物が取れる便利なポストもあります。
ポストと玄関が近い場合なんかは雨に濡れずに郵便物を取れるので便利ですし、門などと一緒にポストをつけるなら、わざわざ門を開けなくて良いので前入れ後ろ出しのポストが便利です。
ポストの位置によって、このような後ろから取り出すのか、先ほどのように前から取り出すのかを上手く使い分けていきたいですね。
多機能なポスト
Photo:https://item.onlyoneclub.jp/onlyone/DispDetail.do?volumeName=00003
門柱に表札とポストがついた多機能なポストで機能門柱とも呼ばれるポストもあります。
これ1つを家に設置すればポストとインターホンという庭に必要なものすべて揃うので、まとめて設置したい場合に重宝するポストとなります。
一方、価格を抑えながら必要な機能を盛り込めるので建売住宅などでもよく使われているため、場合によっては安っぽく見えてしまうことも。
そのため、機能門柱を選ぶときはデザインの選定には気をつけておきたいですね。
郵便ポストはサイズも重要
郵便ポストを選ぶ場合、ついついデザインに目がいってしまいますが、郵便ポストのサイズというのも確認しておきたいポイントです。
たとえば、郵便ポストの奥行きは結構重要。
奥行きが浅いと、少し大きなサイズの郵便が入らなくなってしまうからなんですね。
今はひと昔前と違い、メルカリなどフリマサイトの利用者の増加と共に、少し大きめの荷物が配送される事が増えていています。
そして普通であればポストに投函されて配達されますが、郵便ポストが小さいと毎回受け取りをしたり再配達の依頼をするなど意外と手間になってしまうんですね。
ポストに投函される荷物のサイズはある程度決まっているので、問題なく入るかどうかも確認しておきたいですね。
まとめ
今回は家の郵便ポストの位置と種類について詳しく見てきました。
郵便ポストの設置場所によって家の使い勝手もかなり変わってきます。
ポストの位置で駐車教や玄関ポーチのつくり方も変わってくるので、家の間取り決めの最初の段階でポストを何処に配置するかはあらかじめ決めておいてくださいね。
また、家の外観は外構次第でかなり変わってきますので、郵便ポストで個性を出すのも面白い方法です。
外壁で使いにくい濃い色(例えば赤など)は、家で使わなくても郵便ポストに使うだけでも個性を出すことができるからなんですね。
ぜひあなたのお気に入りのポストを見つけてみてくださいね。
では。
家の外観や外構が気になる方は、こちらを参考にしてください。
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家づくり、土地探しに必要な情報はこちらにまとめています。家づくりの参考にどうぞ。
→土地探しから始める人のための、失敗しない土地の購入方法【絶対保存版】
→家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】
→注文住宅を建てる前に必ず知っておきたい!注文住宅のメリットとデメリット
家づくりで失敗したくない!そんな方こそ、間取りが重要です。
建築士が教える今日の問題解決
郵便ポストを配置する時のポイントって何?
- 郵便ポストは大きく分けて、道路ぎわ、玄関ポーチの側、家に埋込み型に分けられ、それぞれメリットとデメリットがある。
- 生活スタイルにあった場所に郵便ポストを配置するのがポイント。
- 郵便ポストを家の外観のアクセントにするのもおすすめ。