総二階の家とは「一階と二階がほぼ同じ形になる住宅」のこと。
家に凸凹が無いのでどんな土地にも対応しやすく、材料費や手間賃といったコストも抑える事ができるので、総二階の家というの都市部を中心によく見かける家の1つです。
その一方で、「家の外観がイマイチしっくり来ない」という相談をよくもらうのも総二階の家です。
総二階は家の形がシンプルな分だけ変化のない外観となりやすく、その結果「家の外観がイマイチ・・」というケースも多くなってしまうんですね。
では、どうすれば総二階の外観をオシャレにできるのでしょうか?
今回はそんな総二階の家の外観を上手くアレンジする方法について詳しく見ていきましょう。
どんな家の外観に共通することも多いので、家の外観が気になる方はぜひご覧ください。
よくある総二階の家の外観
まずは下の絵をご覧ください。
このような総二階の家はたまに見かけますね。
外観を特に意識せずに必要な場所に窓をつけるとこんな感じになる事も多く、お世辞にもオシャレな家とは・・言うのが難しいですね。
特に総二階の家は家に凸凹が少ないので「のっぺり」見えやすく、この「のっぺり」感をどれだけ消す事ができるか。
この部分が大きなテーマとなってきます。
総二階の家の外観を変える方法1:窓を上手く使う
総二階の家でまず注目したいのが、家の窓について。
家の外観は、「家の形」、「窓」、「素材」の3つが3大要素となりますがが、家の形がシンプルな総二階の家では窓の使い方というのがより重要性を増してくるんですね。
では、窓をどのように使えばいいのか見ていきましょう。
まず、「家の窓はできるだけ揃えた方が綺麗に見える」という原則があります。
たとえば、下のような総二階の家があるとどうでしょうか?
なんだかイマイチまとまりの無い家に見えてしまいますね。
実はこのように窓がバラバラなケースは意外と多く、間取り上どうしても仕方ない場合はまだいいですが、「外観を何も考えず窓を付けたことで、結果的に窓の見た目がバラバラ」なんてケースもたまに見かけます。
では、窓はどのように整えればいいのでしょうか?
先ほどの家であれば、下のように最低限の窓は揃えておくのが正解となってきます。
窓の上下の位置が揃っているので、先ほどのうるさく見える感じはかなり減っていますね。
一方、窓は整ってもバルコニーの取って付けた感はどうしても残っています。
では、バルコニーをどうすれば外観が整うのでしょうか?
それには窓を上手く使ってバルコニーが自然に見えるようにするのがポイントとなってきます。
たとえば、バルコニーを挟んで窓が連続して続いて見えるようにするのも効果的です。
バルコニーが窓の見切りになっているので、バルコニーがある必然性がグッと高まるのと同時に、モダンな印象が強く出るようになっていますね。
また、この場合のバルコニーは手すりをスチールや透明な素材で作って軽さを出してあげるのがポイントです。
素材が変わる事でアクセントに、また軽さが出る事で取って付けた感が激減するんですね。
モダンではなくナチュラルな雰囲気の外観を目指すならバルコニー木を使うのも効果が高くなります。
このように窓は揃えて外観を整えつつ、バルコニーを自然に見せるというのが総二階の外観を整えるための第一歩となるんですね。
(あえてランダムに窓を付けるという方法もありますが、ランダムな窓の配置はよりセンスが問われて難易度が高くなります)
総二階の家の外観を変える方法2:どこかに凸凹を設ける
総二階の家は、とてもシンプルな形をしています。
そのため、ついつい色々と手を加えたくなってしまうものですが、あまり無秩序に手を加えると今度は反対にうるさくまとまりの無い家になります。
シンプルな分だけ、手を加える場所を絞る必要があるんですね。
手を加えるとしても1ヶ所か2ヶ所くらいまでに抑えることで、外観が上手く整うようになります。
では、この事を踏まえた上で、実際に外観のアレンジ例を見てみましょう。
たとえば下のようなシンプルな総二階の家があるとします。
四角い総二階の家にバルコニーが付いているだけですが、こうして見るとバルコニーはどうしても取って付けた感が出てしまいます。
では、ここに少しだけ手を加えて外観を変えるとすればどんな方法があるでしょうか?
たとえば、出っ張っていたバルコニーを凹ませるだけでも印象は大きく変わります。
取って付けた出っ張り感が無くなり、バルコニーが凹んでいる分だけ家に奥行きが出るようになりました。
では、反対にバルコニーが自然に見えるよう、壁で囲んであげるとどうでしょうか?
バルコニーが自然に見えるようになり、総二階のシンプルさを残しながらまとまった外観の家になっているのが分かります。
総二階の家はシンプルなので、ちょっと手を加えるだけでも外観というのは大きく変わってくるんですね。
そして家に凸凹ができるので家が立体的になり、「のっぺり」感というのも一気に減らすことができます。
ちなみに、手を加えた場所は目立たせるほど効果が大きくなります。
そうすることで、その形に意味が出るようになり、必然性が生まれてくるからなんですね。
シンプルだからこそ魅せる場所は見せる。
これは総二階の外観をオシャレにするための必須条件になります。
総二階の家の外観を変える方法②:壁の見せ方を工夫する
総二階の家で面積が一番広い部分。
それは「壁」です。
そして、この広い壁をどう見せるかも総二階の外観を左右する部分となります。
では、実際に総二階の家で壁はどう見せればいいのでしょうか?
たとえば、下のような総二階の家があるとします。
壁面に注目してみると、窓があることによって壁が中途半端に分断されているのが分かりますね。
では、この窓を端に移動させるとどうでしょうか?
オシャレな外観とは言えませんが、先ほどの家よりも壁面が広く見えてまとまりが出ていますね。
シンプルな総二階の家は、窓など開口を作る場所と、あえて何もせず残しておく面という2つのゾーンを作る事で家の外観にメリハリが出て、その結果オシャレな外観にすることができます。
また、壁面は残すだけでなく、一気に減らしてしまうという方法もあります。
たとえば、先ほどの家の窓にアクセントとして木製の雨戸を取り付ければこんな感じに。
印象がガラッと変わっていますね。
今回のケースでは壁面を一気に減らすことで家に変化を付けています。
シンプルな総二階の家で一番避けたいのは、中途半端な面積の壁が散らばってしまうということ。
これを意識するだけでも外観というのはかなり変わってくるんですね。
最後に、家の外観で重要なことを1つ。
それは家の高さはできるだけ抑えるということです。
家は高さを抑えた方が外観が整うからなんですね。
特に総二階の家は家の高さが高くなればなる程、シンプルな分だけ間延びしやすくなってしまいます。
できるだけ高さは抑える。
総二階の外観を考えるなら、この部分もしっかり意識しておきたいですね。
まとめ
今回は総二階の家の外観について詳しく見てきました。
シンプルな総二階の家でも、上手くアレンジを加える事で外観をオシャレに変えることができるんですね。
もちろん、家の形に凸凹を付けるとその分だけ費用が必要になり、中々予算を確保できないというケースも出てきます。
そんな場合も、窓、壁の見せ方であれば費用は掛けずに手を加えることができますし、立体感が欲しい場合は無理に家に手を加えなくても、外構で立体感をプラスするという方法もあります。
同じ家であれば、少しでも外観のバランスが整った家の方が毎日が楽しくなりますし、整った外観の家というのは街並みにもプラスの影響を与えてくれます。
ちょっとしたことでも家の外観は変わってくるので、ぜひ今回の内容を参考にオシャレな外観の家を建ててくださいね。
では。
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