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小さな家って住みやすいの?暮らして楽しい小さな家の作り方

家には大きな家から小さな家までいろんなサイズの家があります。

そんな家の中でも今回のテーマは小さな家について。

小さな家について明確な定義というのはありませんが、目安としては床面積で25坪程度より小さいかどうかで小さな家と呼ばれるかどうか分かれることが多く、場合によっては27〜28坪くらいの家も小さな家と言うこともあります。

そしてこのような小さな家はここ最近では増えてきており、大きさよりどんな生活を送れるかという「生活スタイル」を重視する方に小さな家は人気があります。

一方、小さな家はサイズがコンパクトな分だけ家の作り方というのが重要となり、作り方次第で暮らしやすい家にすることもできれば、ただの狭い家になってしまうケースも出てきます。

小さな家は面積が限られる分だけ作るのも難易度が高くなるんですね。

そこで今回は小さな家の特徴を踏まえつつ、快適に暮らすためにはどのように家を建てれば良いのか見ていきたいと思います。

小さな家だけでなく、家のアイデアが気になる方もぜひご覧ください。

小さな家のメリット

それではまず、小さな家のメリットから見ていきましょう。

小さな家のメリットとしては、

  • 小さな家はエコ
  • 小さな家はオシャレ
  • 小さな家は家の中が明るくなる
  • 小さな家は家族の距離が縮まる
  • 小さな家は掃除が楽で動線もコンパクト

この辺りが代表的なメリットとなります。

それでは小さな家のメリットを具体的に見ていきましょう。

 

小さな家はエコ

小さな家はいろんな意味でエコな家になります。

エコというと省エネをイメージされる方も多いと思いますが、小さな家は使う部材が少なく済みますしエネルギー効率も良いのでエコロジーという言葉はピッタリ。

また、材料が少ないということは家を建てる時の総額も抑えることができるので懐具合にもやさしいというのもうれしいですね。

 

その他、小さな家はイニシャルコストだけでランニングコストも抑えることができます。

家が小さいのでメンテナンスや維持管理がしやすいんですね。

このように小さな家はいろんな意味でエコというのは大きな魅力です。

家のメンテナンス費用はどれくらい必要で、修繕するタイミングはいつ?

 

小さな家はオシャレ

たとえば小さな家具は可愛くてオシャレなように、小さな家もオシャレな家が多いという特徴があります。

家をコンパクトにまとめることで普通の家とは一味違ったテイストになり、その分だけオシャレに見えるんですね。

また、大きな家では家全部をオシャレにするのは大変ですが、小さな家では広さに限りがあるのでいろんな場所に手を加えやすくなります。

たとえば、床材や壁紙なんかは家の大きさに比例して面積も広くなるので、家の大きさを抑えつつインテリアに力を入れるという方法を取ることもできます。

また、小さな家は小物の使い方で印象も変わってくるので、住み始めてから小物を飾って手を加えるのも楽しいものです。

このように小さな家は色んな場所に目が届きやすい分、中身がつまったオシャレな家にすることができるんですね。

 

小さな家は家の中が明るくなる

小さな家の場合、家の中を明るくしやすいというのもメリットの1つです。

たとえば家が小さいほど敷地にゆとりが出るので庭スペースが取れるようになり、その分だけ家の日当たりというのも良くなります。

また、小さな家は家自体がコンパクトなので窓から入る光を家の中全体に入れることができます。

大きな家であれば家の真ん中付近は窓がつけられないので何かしら対策を取らないと暗くなやすいですし、光のあまり入らない廊下なども増えることも多いですが、小さな家の場合は光を満遍なく入れることができるんですね。

このように家の明るさというのも小さな家の大きな魅力です。

家の明るさは大丈夫?後悔しない明るい家にする方法

 

小さな家は家族の距離が縮まる

一般的に家のサイズが小さければ小さいほど個室のスペースは小さくなり、反対に家族の共有スペースが増えるという傾向があります。

小さな家では個室を作れば作るほど狭く見えてしまいますし、その結果リビングなど家族がメインで使う場所の居心地が悪くなってしまいます。

そうなると暮らしやすい家とは正反対の家となってしまいますよね。

そのため、小さな家では個室は小さくして家族の共有スペースをいかに居心地よくするというのが基本的な作り方となってきます。

そして居心地が良いから共有スペースに家族が集まる。

そんな好循環を小さな家は作ってくれるんですね。

 

小さな家は掃除も楽で動線もコンパクト

小さな家は床面積もコンパクトなので掃除をする場所も必然的に少なくなります。

これは忙しい毎日を送る中ではかなり助かりますよね。

また家の中の移動もコンパクトになるので、生活動線をコンパクトにまとめられるのも家の魅力です。

 

その他、小さな家では物を家に溜め込むというのは物理的に難しくなります。

そうなると家には必要のある物や生活を豊かにしてくれる物が残り、不必要な物は必然的に淘汰されるようになります。

小さな家は暮らしも無駄な贅肉を落としてスリムな生活にしてくれるんですね。

暮らして楽しい小さな家を作る方法

小さな家

Photo:https://www.muji.com/jp/mujihut/

小さな家は大きさが限られる分、家の作り方や設計がとても重要になってきます。

言い換えると、小さな家では間取りや作り方が与える影響というのが普通の家よりも大きいんですね。

それでは次に、小さな家を暮らしやすく楽しい家にする方法について見ていきましょう。

 

居心地の良い場所をあちこちに作る

暮らして楽しい小さな家にするために一番大切なこと。

それは家の中に居心地の良い場所をあちこちに作るということです。

 

小さな家ではどうしても無駄なく合理的にまとめようとしてしまい、生活の潤いや楽しさといった遊びの部分がどうしても後回しになってしまいがちです。

でも、ただ合理的なだけだとせっかくの毎日を楽しく暮らすための家なのに何だかもったいないですよね。

あえて小さな家の中に小さな居心地の良い場所をたくさん作る。

そんな遊び心を持つことで、ともすれば小さな家で感じてしまう窮屈さを楽しい場所に変えてくれます。

ちょっとした隙間を利用した書斎や窓際のベンチ、小さいけど籠もることもできる畳コーナー、季節の物を眺められる飾り棚などなど、遊び心を忘れないようにしたいですね。

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また、小さな家ではグルグル回れて行き止まりのない回遊動線にするのも効果的です。

回れることで家に奥行き感を出すことができますし、家の中を回れるので家が小さくても渋滞が起こることがありません。

家の中に作った居心地いい場所に色んな所から行ける。

そんな家を目指したいですね。

回遊できる間取りって使いやすいの?メリットとデメリットをご紹介します

 

外を取り入れる

小さな家をより広く見せるのに一番効果的な方法。

それは外部を取り込めるように家を建てるということです。

小さな家は内部の空間に限りがあるので、外を取り込んで実際の広さ以上に感じられるようにすることが設計の際のポイントとなるんですね。

 

外を取り込む場合に意識したいのが「より遠くが見える場所」「借景として家に取り込みたい場所」「カーテンを閉めなくてもよい場所」の3つの場所。

このような場所には積極的に大きな窓を設けて家の中と外を繋ぐようにしたいですね。

小さな家では窓をうまく使って開く場所、閉じる場所にメリハリをつける。

この部分を意識するかどうかで家の質というのは大きく違ってきます。

家を建てるなら必ず知っておきたい窓の話

 

部屋について考えてみる

小さな家を建てる場合、部屋について先入観を無くして一度フラットに考えてみるというのもとても有効な方法になります。

家の間取りは3LDKなど部屋数で呼ばれることも多くありますが、これを一度止めてみることで家の使い方というのはグッと広がってくるからなんですね。

たとえば、部屋を寝室、子供部屋というように固定した場合、今は良くても将来は使わない部屋ができてしまうこともあります。

スペースが十分ある場合はそれでも大丈夫ですが、小さな家の場合は使わないスペースほどもったいない物はありませんよね。

そのため、使い方を限定する部屋はできるだけ作らず、家族の生活スタイルに合わせて変化できるようにしておくというのが家づくりの基本となってきます。

 

たとえば寝るのは寝室と決めてしまうのではなく、子供と一緒に寝るときは畳のある場所で一緒に寝るのもいいですし、夏は風通しの気持ちいい場所に、花や紅葉が綺麗な時期は窓から外を眺められる場所で寝るなど、その時々に合わせて最適な場所を寝室として使うという方法もあります。

小さな家だからこそ部屋のあり方を一度フラットにして考えてみる。

そうすることで家の可能性というのはグッと広がってくるんですね。

 

タテの空間を有効活用する

Photo:https://www.an-ap.com/works/park-house/

小さな家の場合、家の面積は限られるので空間をフルに活用することが大切になってきます。

具体的には家のヨコだけでなくタテの空間を活用することで面積以上の広さを感じる家にすることができるようになるんですね。

たとえばタテの空間の活用例として代表的なのがロフトや小屋裏収納。

小屋裏のデッドスペースを生活空間や収納に使うという訳ですね。

ロフトのある家って実際どうなの?100棟以上見てきた正解がコチラです。

 

また、小さな家でリビングを2階にするなら勾配天井にするというのもオススメです。

リビングがより広く見えるようになりますし、高い場所で空気を抜いて家の中の風通しを向上させるという効果も期待できるからなんですね。

勾配天井ってどうなの?勾配天井の魅力とデメリット

2階リビングってどうなの?メリット、デメリットをプロの建築士がまとめました【絶対保存版】

 

その他にも階段下など少しでもタテの空間ができる場合は使えるように工夫してみる。

タテの空間を有効活用するというのは、小さな家を建てる場合には必ず意識しておきたいポイントなんですね。

 

家の重心は低くする

小さな家にする場合、家の重心は低くすることで家のバランスはグッとよくなります。

重心を低くするというのは具体的には家の階高を抑えるということです。

階高を抑えることで階段の段数を減らすこともできるのでスペースを活用できるようになりますし、外観のプロポーションも良くなります。

たとえば下の絵は同じ家の階高を変えた物になりますが、階高を抑えた家の方が家が綺麗に見えることが分かります。

特に小さな家の場合は家自体がコンパクトなので階高が高くなると中途半端にノッポでバランスの悪い家に見えてしまうことも。

基本的に家の外観は階高を抑えた方が綺麗に見えますが、小さな家の場合はそれがより顕著に現れます。

そのため小さな家ではできるだけ階高を抑えるようにしておきたいですね。

 

家具は低めの物を使う

小さな家の家具

小さな家に使う家具は、高さの低い家具を使うことも空間のバランスを取る上では重要です。

高さのある家具を使うと圧迫感が出やすくなるからなんですね。

また、家具の高さだけでなく大きさも小さめの物を選びたいもの。

イメージとしては小さな家の場合は家具も一般的な物とくらべて90%くらいの大きさの物を選んでちょうど良い大きさとなります。

このように広さに合わせて家具の大きさを調整することで空間全体のバランスがグッと良くなるんですね。

また、小さな家デャ見た目も重たい家具ではなく、たとえばソファを置くなら脚が見える軽さのある家具にすることで視線の広がりを出すことができます。

 

その他、ダイニングテーブルを置く場合は丸テーブルにするのもオススメです。

小さな家だとダイニングが人が集まる場所となることも多いですが、四角いテーブルだと座れる人数は決まっていますし、座れる人数を増やすほどテーブルは大きくなっていきます。

その一方、丸テーブルでは詰めれば結構な人数が座れるようになるので家具の大きさを抑えたい小さな家に合っている家具と言えます。

また四角いテーブルだと端と端の人は会話するのが難しいですが、丸テーブルではと皆んなが向かい合いながら会話をすることができるという点もいいですね。

このように丸テーブルは小さな家ととても相性が良いので、小さな家を建てる場合は一度検討してみてくださいね。

丸テーブルってどうなの?丸テーブルの魅力とメリット、デメリット

まとめ

今回は小さな家について詳しく見てきました。

家が小さいと狭く感じて不便かなと思ってしまいがちですが、小さな家はいろんなメリットがありますし、作り方によってとても暮らしやすい家にすることもできるんですね。

そして小さな家を作るときに特に大切なのが「居心地の良い場所をいろんな場所に作ること」。

そうすることでグッと魅力的な家にすることができるんですね。

今回の内容を参考ににぜひ楽しくオシャレな家を作ってみてくださいね。

では。

 

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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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