「角地」は今も昔も人気のある土地です。
角地の場合は2方向に道路が接していますが、その道路側には家が建つことがありません。
そのため家を建てても安定した明るさを確保できますし、開けている分だけ開放感のある家にしやすいんですね。
その一方、角地は2方向に道路が接しているので間取りの自由度も上がりますが、その分だけ道路から家の中が見えやすくなりますし、場合によっては落ち着かない家になってしまうことも。
それだけ、角地に家を建てる場合は間取りの重要度というのはかなり高くなるんですね。
今回はそんな角地にスポットを当てながら、角地の間取りを見る時に知っておきたいポイントについて詳しく見ていきたいと思います。
角地を検討されている方や、間取りが気になる方はぜひご覧ください。
角地の間取り
まず最初に、角地の場合は道路がどの位置に有るかによって4つにパターンに分けることができます。
- 南西角地
- 南東角地
- 北西角地
- 北東角地
以上の4つですね。
この4つを図で見てみるとこんな感じになります。
そして、その中でも影響が大きいのが、道路が南、北、どちらに面しているかという部分。
「南道路に面した角地」と「北道路に面した角地」では間取りが大きく変わってくるからなんですね。
それでは、まずは南道路に面した角地の間取りのポイントから見ていきましょう。
南西、南東角地の間取りのポイント
角地の間取りでまず注目したいのが、駐車スペースの位置について。
普通の敷地の場合は道路の場所が1方向なので、ある程度車を停める位置というのは決まってきますが、角地の場合は2方向に道路があるので駐車位置の選択肢がいくつも有るからなんですね。
そのため、まずは駐車位置をどこに取るかで角地の間取りというのは大きく変わってきます。
たとえば、南西、南東角地の場合に南側に駐車スペースを取るとこんな感じの間取りが多くなります。
玄関を南側に、そしてLDKを光が入りやすい道路側に配置するという感じですね。
この場合、駐車場と玄関の位置も近くなりますしLDKの明るさも十分確保することができるなどバランスが良い間取りにできるというのが大きな魅力です。
その一方、同じ駐車位置でも南側の間口が狭くなるほど庭を取るのが難しくなっていくという側面も。
駐車場が庭も兼用する形になり、庭をしっかり確保したいという場合にはあまり相性が良くないんですね。
では、庭をしっかり確保したいという場合はどのような間取りが考えられるでしょうか?
たとえば北側に駐車スペースを配置すれば、南側の庭をしっかり確保できるようになります。
こんな感じですね。
駐車スペースと庭がしっかり分かれているので、プライバシー性も高くて眺めて楽しい庭にすることができます。
また、北側に駐車スペースを設ける以外にも、駐車スペースを2つに分けるという方法もあります。
このように駐車スペースを分けることで車の出し入れもしやすくなりますし、庭もしっかり確保することができるんですね。
目隠し塀をつけてあげれば、中庭のような雰囲気のプライバシー性の高い庭にすることもできます。
また、駐車スペースを2ヶ所に分けることで玄関の位置に自由さが増すため、間取りもアレンジしやすくなるというのもメリットになります。
その他、サイズがコンパクトな角地の場合はL字型の家にするというのも効果的な方法です。
玄関を家の中心付近に配置できるので、廊下など無駄なスペースが発生しにくいからなんですね。
特にこのような配置は2階リビングとも好相性です。
→2階リビングのメリット、デメリットをプロの建築士がまとめました【絶対保存版】
このように、南西、南東角地の間取りの場合、まずはどこに駐車場が有るかで間取りの方向性はかなり変わってきます。
そして、その駐車場の位置というのは、「どんな家に住みたいか」、「どんな庭が欲しいか」という部分によって変わってくるんですね。
また、同じ角地でも「南北に長いのか」、それとも「東西に長いのか」でも相性の良い駐車位置というのは変わってきます。
北西、北東角地の間取り
それでは次に、北西、北東角地の間取りについても見てみましょう。
北西、北東角地の場合も駐車位置によって間取りにかなり違いが出てきます。
たとえば敷地の広さに余裕が有る場合、このように北側に駐車スペースを確保して、南側は庭にするというのがオーソドックスな間取りの作り方になります。
玄関と駐車スペースの距離も近いですし、南側にしっかり庭を確保することで光が入る家にすることができるんですね。
また、駐車スペースをこのように2つに分ける間取りというのもあります。
この場合は家の形をシンプルにすることができるので、いろんな要望に合わせやすいというのが大きな魅力になります。
その他、上記のアレンジバージョンとしてはこんな形も。
南側が広く取れるので、冬に南から入る太陽の熱を少しでも増やしたい場合などに効果を発揮してくれます。
一方、あまり敷地が広くない場合は東西の道路から光を入れるという方法も。
敷地に余裕がない場合は南側からの光が期待できないため、道路側から安定した光を取り入れるようにするという訳ですね。
また、似たようなケースとして南側に駐車スペースを配置して家の中に光を入れるという方法も。
どちらの間取りも東西方向にある道路面から光が中心になりますが、南側の光が期待できない場合は他の道路面からの光を入れられるというのは角地ならではの手法となってきます。
その他、東西に長い敷地の場合は下のような配置の間取りにして、南面に庭を確保するという方法もあります。
駐車スペースと庭をしっかり分けることができるので、プライバシー性の高い庭にすることができますし、南からの光も家の中に取り込むことができるようになるんですね。
北西、北東角地の間取りの場合も、土地が東西に長いのか、南北に長いのかで間取りは大きく変わってきます。
高低差のある角地
角地の場合、道路が2方向にあるので高低差のある角地というのもよく見かけます。
そして高低差のある角地では、玄関や駐車場の位置というのはある程度決まってきます。
たとえば擁壁のある角地では駐車場の位置が決まっていることもありますし、できるだけ高低差の無い位置に駐車場や玄関を作ることで大掛かりな造成工事を避けることができるからなんですね。
そのため間取りの面で見ると、高低差が有ればある程、駐車位置や玄関の位置というのは必然的に決まるようになり、間取りの選択肢というのは平地の角地よりも少なくなる傾向があります。
一方、高低差のある角地の場合は道路よりも家が高い位置にくるので、日当たりや眺めという点で大きなメリットのある土地となります。
その高低差をどれだけ活かせるような間取りにできるか、そして窓を配置できるか。
この部分で間取りのクオリティというのはかなり変わってくるんですね。
まとめ
今回は角地の間取りについて詳しく見てきました。
角地の場合、まずは南北に長いのか、東西に長いのかというのが間取りに大きく影響してきます。
「角地」と言っても、敷地の形で性質は大きく違ってくるんですね。
また、駐車位置をどこに取るのかで間取りの形は全く違うものになります。
角地は間取りの選択肢が多いというのが大きなメリットですが、選択肢が多い分だけ最初の家の形や駐車位置を間違えてしまうと正解の間取りにたどり着くのにすごく遠回りになってしまうなど、メリットがデメリットとなってしまう諸刃の剣という側面も持っています。
そのため「どんな家に住みたいのか」。
そしてそれが叶っている間取り、家の形なのか。
この部分を間取りの初期段階で確認しておくことで、間取りが正解に向かっているのか、それとも遠回りしているのかが判断できるんですね。
角地のメリットを上手く活かせれば、間取りのクオリティは大きく向上します。
角地に家を建てるならぜひそんな家を目指してくださいね。
では。
間取りについてはこちらも参考にしてください。
→一軒家の間取りで失敗しないために気をつけたい7つチェックポイント
→リビングの間取りを見る前に知っておきたい!代表的なリビングの間取り5選
→東道路の間取りは何を注意すればいい?東道路の土地で家を建てる時のポイントを解説します
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