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造作(ぞうさく)であなた好みの家に!造作のポイントとオススメの造作場所

「家づくりをしています。その中で家具やキッチンを造作で作りたいと思っているのですが、造作にする時のポイントや注意点があれば記事にしてもらえないでしょうか?」

読者の方からこのようなリクエストをいただきました。

造作とは簡単に言うと「作り付け」で作った物のことで、造作はあなたの好みに合わせて自由に作れるのが魅力的な反面、あとで簡単に取り替えることが難しいという側面もあります。

そこで今回は、造作で作るメリットやデメリット、造作で作るオススメの物や造作を作る時のポイントについて詳しく見ていきたいと思います。

あなた好みの家にしたいと思っている方はぜひご覧ください。

造作のメリットとデメリット

それではまず、造作とはどういう物か見てみましょう。

造作とは物を作ることを意味しますが、住宅の場合では既製品ではなく大工さんが現場で作るものを造作と呼びます。

たとえばキッチンなんかは既製品の物を見ることが多いですが、そうではなくあなたオリジナルのキッチンを作ることも可能です。

そして、そのように造作で作ったキッチンのことを「造作キッチン」と言うんですね。

ちなみに、一例として造作キッチンを挙げましたが、家で使うほとんどの物は造作で作ることが可能です

 

では、造作で作るメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

造作で作る1番のメリットとしては、家の工事現場で部材をカットし組み立てて作るのでサイズや形など自由に物を作れるという点です。

たとえば部屋の大きさや形に合わせてピッタリと収まる棚や家具を作ることもできますし、キッチンや洗面台といった設備もあなたが使いやすいサイズで作ることができます。

そのため部屋のスペースも無駄なく使うことができますし、用途に合わせた最適な大きさにすることができるんですね。

また、使う部材を似たような物で揃えれば部屋のインテリアを上手くまとめることもできますし、一部にタイルなどを使ってアクセントを加えるなど、目指す部屋の雰囲気に合わせて演出できるのも造作の魅力の1つです。

このように造作工事を上手く使うことで、見た目だけでなく使い勝手も優れた家にすることができるんですね。

 

では、反対に造作で作る場合にデメリットはあるのでしょうか?

造作のデメリットを見てみると、手の込んだ物を作れば作るほどコストが上がってしまうという点が挙げられます。

造作の場合は1つ1つ手仕事で作っていくため、複雑な物になればなるほど手間が掛かるようになり、その分コストアップに繋がってくるんですね。

一方、棚だけなどあまり手間が掛からない物であればコストは抑えられるので、全体の予算のバランスを見ながら造作で作る場所を決めていくと効果的です。

たとえば下の部屋は子供部屋になりますが、右側に見える棚であれば造作だと部屋にぴったり収まってコストパフォーマンスも良いので、造作で作るメリットは大きいと言えるんですね。

造作棚

 

また、造作の場合は棚1つ取っても幅や奥行きなど全て決める必要があるので、使い勝手やデザイン性などは設計者によって左右されるという点もあります。

そのため、造作での使い勝手やデザインは設計者の腕次第となってしまうので、造作を多く作る場合はできるだけ造作に慣れた設計者にお願いするというのもポイントになってくるんですね。

その他、造作は既製品とは違い最初にカタログや実物を見て確認することが難しく、また一般の方にとってはイメージしにくい物でもあるので、スケッチや詳細図などで完成形がどのような物になるのかイメージできるようにしたり、どのような部材を使うかはサンプルを見て確認しておくと後でイメージと違ったというのを防ぐことができます。

造作でオススメの場所

造作の特徴を踏まえた上で、ではどんな場所を造作で作ると効果的なのでしょうか?

次に、造作でオススメの場所について見ていきましょう。

 

階段を造作で作る

造作階段

まず、造作で作る代表例と言えば階段が挙げられます。

階段は重く見えがちな物ですが、階段を造作で作ることで軽い印象の階段にすることができるんですね。

特にリビング階段にした場合は造作階段ととても相性が良いと言えます。

リビング階段は寒い?プロが教えるリビング階段のメリットとデメリット。

 

また、造作で階段を作る場合は階段下を棚や収納にする場合も効果的です。

造作収納

Photo:https://www.replan.ne.jp/articles/9622/

階段下を収納にして既製品の扉をつけるのもいいですが、棚や扉などを造作で作ることでよりスマートな印象の階段にすることができるんですね。

このように階段は造作の作り方次第でいろんな可能性が増える場所なので、階段が目立つ位置にある場合は造作の候補に入れておきたいですね。

また、手すりを造作で作るのも効果的です。

 

造作キッチン

造作キッチン

Photo:photo:https://www.goodrooms.jp/journal/?p=18855

キッチンも造作で作ることが多い場所の1つです。

既製品のキッチンだとどうしても形に制約があったり見た目もある程度限られてきてしまいますが、造作にすることで部屋の大きさにぴったり合ったキッチンにできるのが造作キッチンが選ばれる大きな理由です。

たとえば対面キッチンにして飾り棚や収納と一体になったキッチンにする場合は造作キッチンはマストな選択肢となりますし、キッチンを造作にする場合は食器棚なども合わせて造作で作るのもいいですね。

対面キッチンはどれがおすすめ?5つの対面キッチンとメリット、デメリット

 

その他にも造作のキッチンにする場合は手の込んだキッチンの場合だけでなく、シンプルなキッチンにする場合も造作のキッチンが選ばれることがよくあります。

シンプルな既製品のキッチンというのは以外に少なく、変わりに造作でシンプルなキッチンを作るというケースも多いんですね。

シンプルな造作キッチン

シンプルなので造作でキッチンを作っても価格を抑えられるというのも魅力のひとつです。

 

一方、造作キッチンにする場合の注意点を挙げるとすると、水を使う場所なので水に強い素材をできるだけ選んでおきたいところ。

たとえばキッチンの天板は木製にすると見た目も綺麗ですが、シンクと天板の隙間から水が染み込んでしまう可能性もゼロとは言い切れません。

そのため天板は水や汚れに強いステンレスにしたり、木を使う場合も水に強い木をえらんだり耐水塗装を施して定期的にメンテナンスをしておきたいですね。

 

また、キッチンを造作で作る場合は設計者が料理をするかどうかも重要なポイントになります。

料理をほとんどしなくてもデザインがオシャレなキッチンは作ることができますが、実際に使い勝手のよいキッチンを作るというのはかなり難易度が高くなります。

そのため、キッチンを造作で作る場合はキッチンのことをよく分かった設計者と一緒に組んでキッチンを作りたいですね。

(私も建築士駆け出しの頃はほとんど料理をしませんでしたが、キッチンの設計をするのにこれはまずいと思い料理教室に通い始め、今では普通に料理をするようになりました)

 

その他には、キッチンを造作で作る場合はキッチン専門の会社にキッチンを作ってもらいキッチンを入れるという方法もあります。

都内などではショールームのあるキッチン専門の会社もあり、そこで実際にキッチンのパーツを見ながら打ち合わせできるので、キッチンにこだわる場合はそのような会社でキッチンを造作するというのも一つの方法と言えます。

(そのような場合、キッチン専門の会社のキッチンを入れたいと言えばOKです)

 

造作洗面台

造作洗面

洗面台を造作で作るというのも割とポピュラーな方法になります。

洗面台はキッチンと比べると造作で作りやすく、雰囲気、価格的なバランスが良いからなんですね。

 

たとえば既製品の洗面台の場合、機能性はとても良いのですが見た目はどうしても既製品感が強く出てしまうという特徴があります。

また、見た目を良くするためにグレードを上げると金額もかなり上がるという傾向もあります。

そのため、見た目と使い勝手を考えた洗面台を造作で作るというケースが多いんですね。

特に少し広い洗面室の場合は造作の洗面台にするとサイズ感もピッタリの洗面台にすることができますし、流しを2つにしたツーボウルの洗面台にする場合も造作の洗面台とはとても相性が良いと言えます。

 

一方、洗面台を造作で作る場合、洗面ボウルと水栓は自由に選ぶことができますが、シャワーヘッドが伸びるタイプの水栓は選択肢がかなり限られるので、毎朝洗面台で髪を濡らしたい場合などは選択肢が限られることを頭に入れておきたいですね。(既製品の洗面台では伸びるシャワーヘッドが標準となっています)

造作洗面台と既製品洗面台のメリットとデメリット

 

お風呂を造作で作る

造作風呂

ユニットバスが開発されてからはユニットバスを入れることも多いですが、造作のお風呂も根強い人気があります。

その人気の1つが、お風呂の自由度の高さです。

たとえばユニットバスであれば窓の大きさや高さなども制限がありますが、造作でお風呂を作った場合は自由に作ることができるので、眺めの良い大開口のあるお風呂にしたり半露天のお風呂にするなど、自由にアレンジすることが大きな魅力なんですね。

特に男性はお風呂にこだわりたいという人が多いので、お風呂好きな方にとっては造作のお風呂は魅力的な選択肢となります。

 

一方、お風呂を造作で作った場合はかなりコストがかかるようになります。

水を常に使う場所なので防水にかなり手間が掛かること、使う部材も水に強いものなのでコストがかさみ安いというのが大きな要因となるんですね。

そのため、ユニットバスは少し味気ないのでもう少し違ったお風呂にしたいという場合はハーフユニットバスのお風呂にするという方法もあります。

ハーフユニットバスとは防水や頻繁にお手入れが必要な浴槽や床にユニットバスを使い、その他は自由に作れるお風呂のことを言います。

造作の浴室

半分だけユニットバスを使っているのでハーフユニットバスという訳ですね。

(ハーフユニットバスにした場合、壁に木を使うというケースが多いです)

 

このように造作でお風呂を作るまではいかないけども、ちょっとお風呂にこだわりたいという場合はハーフユニットバスを検討してみるのもいいですね。

浴室はどれが良い?ユニットバスや造作風呂の選び方を解説します

 

棚を造作で作る

造作棚2

Photo:https://www.e-yamatoya.com/13694/

造作で一番多いケースが棚を造作で作るというケースです。

棚といっても可動棚などの簡単な物から、部屋一面の棚など様々ですが、必要に応じた場所に最適な大きさで作れるというのは造作棚の大きな魅力になります。

また、棚だけであればそんなにコストも掛からないので、お手軽に作りやすいのも良いですね。

造作の階段と書斎

Photo:https://www.pinterest.jp/pin/684758318318440439/

カウンターと合わせて棚を作ってカウンターで使うものを収納できるようにしたり、ちょっとした飾り棚を作ってあげるのもかわいいものです。

 

造作家具

造作家具

造作で作れるものは家本体だけでなく、家具も造作で作ることが可能です。

たとえば家のちょっとした場所にピッタリ収まるソファを作ったり、ちょっと座れるベンチを作ったりなど、造作家具にすることで家に自然と馴染むことができるんですね。

 

またTVボードや食器棚といった家具や、キッチンと一体になったダイニングテーブルなども造作でよく作られる家具になります。

特にあとで作るのが難しいもの、たとえばTVボードであれば足をなくして壁に浮かせたフロートタイプのTVボードにする場合なんかは後付けで作るのは結構難しく、家と一緒に作れる造作家具ならではの家具と言えます。

 

その一方、造作で家具を作った場合は簡単に取り替えることは難しくなるので長く付き合える家具かどうか。

この点を意識しながら、造作家具にするか置き型家具にするかを決めたいですね。

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造作を作る時のポイント

それでは最後に造作を作る時のポイントについて見てみましょう。

 

造作で作る場合に押さえておきたいポイントは下の3つ。

  • 見た目の綺麗さ
  • 素材の質感
  • 使い勝手

この3つがしっかり作られているかを確認することが大切なんですね。

 

たとえば見た目の綺麗さについて見てみると、統一感のあるデザインになっているか、見た目に野暮ったさが無いかを見てみると効果的です。

具体的には造作で作っても形が変に凸凹していると統一感の無いうるさい見た目になってしまいますし、重たさを感じる造作だと野暮ったく見えてしまいます。

そのため、軽さを出しつつ綺麗に整えた形にすることでオシャレな空間を作ることができるんですね。

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また、造作の場合は素材も選べるので質感というのも重要な要素となってきます。

造作は大きいものが多いので、部屋の中で浮いてしまわないようできるだけマットな質感の物を選んで空間に馴染むようにするのが基本となります。

その他には素材のサンプルも確認して見た目だけでなく肌触りも確かめておきたいですね。

水回りで使うものは水への耐久力もチェックしておきたいポイントです。

 

あとは造作で作るなら、やはりあなたが使いやすい物にしておきたいもの。

たとえばカウンターであれば、そこで何の作業をするのかで必要なスペースは変わってきます。

ちょっとした書き物くらいであれば奥行きが40㎝ほどあれば十分ですが、パソコンを置いたり作業をするのであればもっと奥行きは欲しいですし、幅もある方が同時にいくつもの作業をこなすことができるようになります。

特に最近では在宅ワークをする機会も多いので、作業のしやすさというのは結構大切です。

在宅ワークしやすい家はどうすれば作れる?快適で楽しく仕事ができる場所を作る方法

 

このように造作にする場合はあなたが使いたい用途に合ったサイズなのかどうか。

また今後の生活にマッチしたものなのかどうか。

造作は簡単に取り替えることができないので、この部分はしっかりシミュレーションしておきたいですね。

 

最後に造作を作るときにコストカットできる方法もご紹介しておきたいと思います。

造作にする場合、大工さんが作れる物なのかどうかでコストというものは変わってきます。

たとえば造作に扉を付けるとなると大工さんだけでなく建具屋さんも必要になるため手間がかなり増えることになり、コストアップに繋がってきます。

造作の場合は材料以外に人がどれだけ動くのか、またどれくらいの時間が掛かるのかで金額が決まってくるからなんですね。

そのためこの部分を頭の片隅に覚えておくことでコストをコントロールしつつ、より充実した造作の打ち合わせができるようになるんですね。

まとめ

今回は家の造作工事について詳しく見てきました。

造作は家に合わせて作ることができるので使い勝手だけでなく見た目もオシャレな家になるというのが大きな魅力です。

その一方、コストが高くつきやすく、あとで簡単に変更できないというデメリットもあります。

造作のポイントは、

  • 見た目の綺麗さ
  • 素材の質感
  • 使い勝手

の3つです。

この部分を頭の中に入れながら素敵な造作のある家を作ってくださいね。

では。

 

建築士が実際に見てきた全国の優良工務店を掲載。

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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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