知っておきたい建築用語

ルーフバルコニーのメリット、デメリットと活用するルーフバルコニーにする方法

どんな家に住みたいか考える時、家の中だけでなく屋外空間のバルコニーも楽しめる家に住みたいという方は多くいらっしゃいます。

外で食事を楽しんだりお子さんの遊び場にしたりなど、広いバルコニーがあることで生活の幅が広がるのは大きな魅力ですよね。

そんな広いバルコニーが欲しい方の強い味方になってくれるのがルーフバルコニーです。

ルーフバルコニーは広いバルコニーの代名詞とも言えるもので、広いバルコニーが欲しい場合はルーフバルコニーのあるマンションや家を建てるケースがほとんどなんですね。

そこで今回はルーフバルコニーのメリットや注意点を見ながらルーフバルコニーの活用方法について見ていきたいと思います。

家の屋外空間も楽しみたいという方はぜひご覧ください。

ルーフバルコニーってどんなバルコニー?

ルーフバルコニー

Photo:https://www.nomura-k.co.jp/magazine/682/

それではまず、ルーフバルコニーはどんな物か見てみましょう。

ルーフバルコニーとは簡単に言うと部屋の上にあるバルコニーのことをルーフバルコニーと呼びます。

バルコニーが屋根の代わりになっているのがルーフバルコニーなんですね。

ちなみにルーフバルコニーも含めた色んなバルコニーやベランダを並べて見ると下の図ような感じになります。

バルコニーの種類

バルコニー、ベランダ、テラスの違いって何?

 

ルーフバルコニーはマンション、戸建住宅のどちらでも作ることができますが、マンションの場合は高層階にルーフバルコニーが有るというケースが多くなります。

高さなどの関係で部屋を作れない分、ルーフバルコニーにしているという訳ですね。

部屋の上にバルコニーを作っているので広いルーフバルコニーになることが多く庭のように使えることから、ルーフガーデンやルーフテラスと呼ばれることもあります。

一方、マンションのルーフバルコニーは住んでいる人に使用権は認められますがマンションの共用部分にあたるため、勝手に大きなものを置いたりリフォームすることはできません。

共用部分なうえに災害時の避難場所や避難経路となっていることもあるので使い方に制約が出てくるんですね。

(マンションを購入した場合でも使用料が必要となるケースもあります)

 

では、戸建住宅のルーフバルコニーはどのような特徴があるのでしょうか?

戸建住宅でルーフバルコニーを作る場合は作りたい場所に作ることができ、屋上もルーフバルコニーの一種となってきます。

また、スペースを有効活用する場合は駐車スペースの上をルーフバルコニーにしたり、雨が降っても使えるルーフバルコニーにしたい時はバルコニーの上に屋根を付けるなど使う用途に合わせてアレンジしやすく、ルーフバルコニーを自由に使うことができるが大きな特徴と言えます。

ただ、戸建住宅にルーフバルコニーを作った場合はメンテナンスや修繕は自分で行う必要があること、広いルーフバルコニーにするためには家をそれだけ大きくする必要があるというのがマンションとの違いになってきます。

 

それではこのような特徴を踏まえた上で、ルーフバルコニーのメリットについて見ていきましょう。

ルーフバルコニーのメリット

ルーフバルコニーのメリットを挙げるとすると、

  • 広いバルコニーにしやすい
  • 上層階でも庭のようにバルコニーを使える使える
  • 部屋との一体感を出すことができ、家が広く見える

この辺りがルーフバルコニーの代表的なメリットとなります。

 

やはりルーフバルコニーの一番のメリットは広いバルコニーにしやすいということです。

たとえば普通にバルコニーを作る場合は構造上ある程度広さに制限が出てきますが、ルーフバルコニーの場合は下に部屋があるのでスペースが許す限りバルコニーにすることができ、広いバルコニーを作りやすいというのはルーフバルコニーの大きなメリットと言えます。

また、広いバルコニーを作れるという事は、庭のようにバルコニーを使えるということになります。

ガーデニングや家庭菜園を作ったり、家具を置いてカフェテラスのようにして食事をしたりお酒を飲むことも可能ですし、夏場はビニールプールを出して子供の遊び場にするなど、普通は庭が無いとできないこともルーフバルコニーがあることで上層階でも楽しむことができるというのは大きな魅力なんですね。

 

その他、ルーフバルコニーがあることで部屋の中が広く見えるという効果も期待できます。

家の中の視線が外まで抜けるので、実際の広さよりも部屋を広く感じるんですね。

そのため、戸建住宅でルーフバルコニーを作る場合は2階リビングなど広く見えると価値が高まる部屋をルーフバルコニーの隣に配置するとより効果的です。

2階リビングのメリット、デメリットをプロの建築士がまとめました【絶対保存版】

ルーフバルコニーのデメリット

このようにルーフバルコニーは屋外を魅力的な空間にしてくれますが、その一方でデメリットもあります。

それでは次にルーフバルコニーのデメリットについて見てみましょう。

ルーフバルコニーのデメリットとしては、

  • ルーフバルコニーはメンテナンスも含めて費用が掛かる
  • 水が溜まらないよう掃除は小まめに必要
  • 日常使いできるバルコニーにしないと、手間ばかり掛かる

この辺りがルーフバルコニーのデメリットとなってきます。

 

ルーフバルコニーの一番のデメリットは費用が掛かるということ。

たとえばマンションのルーフバルコニーの場合はルーフバルコニーのある部屋は価格も高くなりますし使用料が掛かることがあります。(賃貸住宅の場合もルーフバルコニーの分だけ家賃が上乗せされています)

 

また、戸建住宅の場合もルーフバルコニーを作る場合は普通のバルコニーと比べて作るのに割高になります。

屋根と同じなので天井から熱が逃げないように断熱材を入れる必要がありますし、防水対策も念入りに行う必要があるからなんですね。

その他、バルコニーは少なくても10年に1度はメンテナンスしておきたい場所になります。

ルーフバルコニーは屋根と同じで紫外線や雨風にさらされるため劣化しやすい場所ですし、劣化を放っておくと雨漏れの原因になるなど大きなトラブルに繋がりやすいというのが大きな理由です。

(このようなメンテナンスの手間を減らしたいという場合は、たとえば30年長期間メンテナンスが不要で済むバルコニーの工法などもあるので、イニシャルコストは高くなりますがそのような工法を候補に入れてみるという方法もあります)

 

また、ルーフバルコニーはメンテナンスだけでなく小まめな掃除もしておきたい場所になります。

バルコニーが広ければ広いほどゴミやホコリが溜まりやすくなりますし、林や丘など木が茂っている場所に近いと風にのって落ち葉も溜まります。

そしてそのような状態で放っておくと、いつの間にか排水溝が詰まってしまい雨漏れの原因となることがあるんですね。

そのため、ルーフバルコニーが有る場合は小まめな掃除が必須となってきます。

 

このようにルーフバルコニーは外も家のように楽しめるという大きな魅力がある反面、使いにくいルーフバルコニーであったり使わないルーフバルコニーとなった場合、手間とコストばかり掛かるお荷物となってしまうケースなんてことも。

そのためルーフバルコニーの隣はリビングにするなど、気軽に使えていつも目を配れるルーフバルコニーにすることがとても大切なことなんですね。

ルーフバルコニーのあるマンションを買う、戸建住宅で広いルーフバルコニーを作るという場合は一度この部分をしっかり考えるのがルーフバルコニーで失敗しないための大きなポイントとなってきます。

ルーフバルコニーを活用する

夜のルーフバルコニー

それでは次に、ルーフバルコニーの活用方法について見ていきましょう。

ルーフバルコニーを使いやすくて楽しめるバルコニーにする場合、ルーフバルコニーで何をするか、何のために使うかをまず考えて、その用途に合ったバルコニーを作るのが重要となってきます。

たとえば、子供の遊び場としても使いたい場合は人工芝を敷いたりウッドパネルを敷いたりなど、外に裸足で出ててしまっても大丈夫なようにしておくことでより使いやすいルーフバルコニーにすることができます。

その他、家に居ながらアウトドアも楽しみたい、子供に体験させたいという場合はテントやランタンを設置できるようにして四季の移り変わりを肌で感じられるようにするのも良いですし、秘密基地やグランピングのようにもう1つの生活空間にするのも楽しいですね。

また、ハンモックを吊るして風に吹かれながら読書をしたり、ペットの遊び場とするなど、ルーフバルコニーの使い方、楽しみ方というのは人それぞれ色んな方法が考えられます。

そして、どのように使うか一度想定してみた上で、その用途に使えるだけの広さや使い勝手の良さがルーフバルコニーに有るか確認して見ることが大切なんですね。

 

たとえば、テントを置きたいと思っていたけどもテントを置いたらバルコニーが一杯になってしまっては何のためのバルコニーか分からなくなってしまいますし、ゆっくりくつろいだり日常使いできるルーフバルコニーにしたい場合はバルコニーが外から見えすぎないようある程度目隠しを作る必要が出てきます。

また、ペットや子供を遊ばせるのであれば手すりから落ちないよう高さや隙間は工夫したいですし、雨の日も使えるようにしたい場合はルーフバルコニーの上に屋根をつけたり、夜も使うのであればコンセントや照明があると便利です。

(屋根のあるバルコニーのことをインナーバルコニーと呼びます)

屋根のあるルーフバルコニー

Photo:http://www.harada-kensetsu.com/

このように、何に使うかで最適なルーフバルコニーというのは違ってくるんですね。

そのため、まずは用途に合ったルーフバルコニーになっているかどうか。

この部分が日常使いできるルーフバルコニーにするための大切なポイントになってきます。

 

それでは最後にルーフバルコニーで失敗しやすい点もご紹介しておきたいと思います。

「せっかくルーフバルコニーが有るのならBBQをしたい」

このような声はよく聞きますが、あくまで住宅街の外になるのでBBQをしたい場合は注意が必要です。

たとえばマンションでは近隣トラブルを防ぐために禁止されているところも多く、管理規約の確認は必ずしておく必要があります。

また戸建住宅の場合では管理規約は無いのでBBQが禁止されることはありませんが、BBQのニオイは広がりやすいので周りへの配慮は忘れずに行いたいですね。(ちなみにルーフバルコニーでBBQをする場合は近くで水が使えると便利です)

家でバーベキューをする時のメリット、デメリット

 

その他、ルーフバルコニーの床にウッドデッキを敷きたいというケースも多くあります。

見た目も肌触りも良いので、ルーフバルコニーにウッドデッキを取り入れるという訳ですね。

ただウッドデッキは意外と重く、メンテナンスの際に一度デッキを解体する必要があるという点は注意が必要です。

また、排水溝部分はデッキにせずに常に見えるようにしたり簡単にデッキを取りはずせたりするようにしておきたいですね。

 

最後に、ルーフバルコニーの横にリビングがあるケースで注意しておきたいのが、洗濯物がリビングから丸見えにならないようにするということ。

洗濯物は生活感が特に強くでる部分なので、せっかくリビングが広く見えてオシャレでも洗濯物が丸見えだと何だか締まらないリビングになってしまいます。

そのため、洗濯物干場とリビングの間は目隠しをつくるなどの配慮をしておきたいですね。

まとめ

今回はルーフバルコニーについて詳しく見てきました。

ルーフバルコニーは外を家の一部のように使えるという大きな魅力がある反面、手間もコストも掛かりやすい場所でもあります。

そのため使い方に合ったルーフバルコニーかどうか、また日常使いできるバルコニーになっているかどうか。

この部分は使い勝手のよいルーフバルコニーにするためには必ず確認しておきたいポイントになります。

 

ルーフバルコニーの使い方は人それぞれですし、楽しみ方は無限にあります。

ぜひ毎日の生活が楽しくなるようなルーフバルコニーにしてくださいね。

では。

 

バルコニーについてはこちらも参考にしてください。

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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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