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照明計画の失敗例と、照明で失敗しないためのポイント

家づくりの中でも意外に多いのが、「照明計画の失敗」。

家づくりではどうしても間取りなど派手な部分に目が行ってしまい、照明計画についてはあまり目が行き届かないことがあるんですね。

中には間取りや仕様決めで力を使いきってしまい、気づくといつの間にか照明計画が決まっていて家ができてから「照明で失敗した」ということに気付いたというケースも。

また、照明がどのように家の中を照らすかは中々イメージは付きにくいものです。

そのため、照明は家づくりの中でも失敗しやすい場所なんですね。

そこで今回は、照明計画でよく見かける失敗例、照明計画で失敗しないためのポイントについてお伝えしたいと思います。

家の照明が気になる方はどうぞご覧ください。

玄関の照明

照明計画の中でも失敗しやすい場所というのはある程度決まってきますが、玄関の照明というのも失敗しやすい確率がかなり高いポイントです。

玄関の照明計画でどのような失敗が多いかと言うと、それは照明の位置次第で表情の見え方が変わってしまうという点です。

 

どういうことか見てみましょう。

 

照明は、人の前から光が当たるのか、人の後ろから光が当たるのかで顔の見え方が大きく変わってきます。

前から光が当たれば表情は明るく見えますが、うしろから光が当たると影になり表情が暗くなってしまうんですね。

表情が暗く見えてしまうのと表情が明るく見えるのとどちらが良いと聞くと、誰でも明るい表情の方が好印象を持ちますよね。

特に玄関は家に入って一番最初の場所なので、家の人の印象や来客の印象を大きく左右します。

 

玄関の照明計画を考える場合は、以上のことを大前提に踏まえながら計画する必要があるんですね。

では、玄関ではどのような照明計画を避けるべきなんでしょうか。

玄関の照明計画で一番避けたいのは、人が立つ位置の後ろに照明を配置してしまうことです。

このような位置ですね。

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玄関はある程度の広さがあるので、何となく玄関部分に照明を1つ、そしてホール部分に照明を1つ配置されていることがありますが、上のような配置は一番避けたい照明の配置です。

来客時など玄関の中心付近に立った時に後ろから照明に照らされることになってしまうんですね。

 

一方、靴を抜いでホールに上がる框(かまち)上部に照明を配置すれば顔に光が当たるので、顔の表情が明るく見えます。

このような位置ですね。

light2

正面から光が当たるので、玄関、ホールそれぞれの人の正面から光が当たるようになります。

玄関が広くて複数照明を付ける場合でも、少なくとも玄関の框部分には照明を付けて顔の表情が明るくしてあげるのが正解なんですね。

これは玄関だけでなく、人が立つ位置や座る位置が決まる場所では必ず押さえておきたい照明計画のポイントと言えます。

ダイニングテーブルの照明

luisPhoto:http://www.louispoulsen.com/jp/products/

ダイニングテーブルの上には必ずと言っていいほど照明器具が付きます。

やはりせっかく食事をするなら料理がおいしく見えるような照明器具を選んだり照明の配置したいですよね。

ダイニング用の照明で有名なルイスポールセンなどダイニング専用の照明があるように、ダイニングは光の照らし方次第で料理の見え方はかなり違ってきます。

 

そんなダイニングの照明ですが、意外と難しいのがダイニング照明の位置です。

基本はダイニングテーブルの真ん中に照明を配置する必要があるのですが、何となくこの辺りがダイニングという感じで照明を配置してしまうと思わぬ失敗をしてしまうことがあります。

実際にダイニングテーブルを配置してみると、照明の位置が上手く合わないなんてことが起こってしまうんですね。

 

そうなってくると無理矢理テーブルの位置を照明に合わせるか、照明が中心からズレてしまうけども割り切って使うという選択を選ぶことになってきます。(このような場合、どちらかというと照明が中心からズレるけども諦めて使っている方が多いです)

ダイニングテーブルは家具の中でも大きな物なので、照明とズレていたり位置がおかしかったりすると結構目立ってしまいます。

とくに照明を1灯ではなく3灯など複数配置する計画にしていた場合は、より照明のズレが目立ってしまい、残念で仕方がないダイニングになってしまうということも。

 

ダイニングテーブルの照明の位置を決める時はテーブルの大きさをしっかり踏まえた上で寸法を出し、最適な位置に照明が来るようにする必要があるんですね。

間違っても電気配線図に書いてあるからそのままにするのではなく、どのようにテーブルを置くかを明確にしておくことがポイントです。

(初期段階の電気配線図の照明の位置は、何となくで描かれていることが多いです。そのままの照明計画にすると、どうなるか簡単にイメージできますね)

 

また、どのダイニングテーブルを入れるか決まっていない場合でも、どれくらいのサイズや形の物にするかは照明計画の段階である程度決めておくのも大切なポイントとなります。

(家具選びは家づくりと同じくらいに始められるとベストです)

 

その他、ダイニングテーブルを縦置きにするか横置きにするか迷うケースもたまに出てきます。

そんな時は90度回転できる照明取り付け用のレールも販売されているので、縦置き、横置きどちらにも対応できるようにしておくのがおススメです。

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洗面化粧台の照明

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洗面化粧台を見た時、既製品の洗面化粧台は照明や収納もセットになっている物が多いですが、見た目が味気ない物も多く、洗面台を造作にしたり鏡部分は自分でお気に入りの鏡を取り付けるという方も多くいらっしゃいます。

そんな場合に気をつけたいのが鏡を見るときの照明です。

 

この場合、玄関と同じように前から光が当たるようにするのが基本となります。

後ろからの光だけだと、顔の表情がよく分からなくなってしまうんですね。

 

また、最近では家の照明は落ち着いて見える白熱灯のような赤みがかった光が主流になってきましたが、洗面所の鏡を見る照明だけは蛍光色など明るい色の方がおススメです。

蛍光色の方が白熱色よりも細かな部分が見えるんですね。

 

白熱色で見たときは気にならなかったけども、太陽の下で見たら実は気になったという事も普通にありますので、鏡を見る照明はできるだけ明るい色の方が実用的で効果が高くなります。

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窓への映り込み

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最近では家の中から庭が眺められるようにするなど、外のスペースを積極的に使う間取りが増えてきました。

家の中から庭を眺められれば視線が外にも抜けますし、ライトアップをすればホテルや旅館のようなおしゃれなスペースを演出することもできます。

ただ、そんな時に気をつけたいのが窓ガラスへの光の映り込みです。

 

折角おしゃれな庭を作ってライトアップまでしたのに、室内の光が窓ガラスに映り込んで外がよく見えないという事態となっているのをよく見かけるんですね。

これは室内の照明が強すぎることと、窓ガラスへの映り込みを無視した照明計画が大きな原因です。

実際にこのような照明計画は多くあり、夜に庭を眺める場合や大きな窓の近くにダウンライトがいくつも並んでいる場合などは、写り込みを配慮しているか必ず確認しておきたいですね。

外の空間もライトアップして楽しむ場合は、室内側の照明はできるだけ絞って外の明かりが映えるように、また、室内側も間接照明など光源が見えず窓ガラスに反射しにくいよう配慮するのがポイントになります。

調光機能をつけてしまい、外を眺める時の明かり、カーテンを閉めた後の明かりなど、より綺麗に見えるよう光をコントロールするのもおススメです。

均一な明かりの照明計画

照明計画では、電気配線図というどこにどんな照明を配置するかというのが描いてある図面を元に照明計画を決めていきます。

そして、この電気配線図を見ればその家の照明計画が良く考えられているかどうかはすぐに分かります。

 

電気配線図を見ていて一番多くて味気ないのは、とにかく部屋全体を明るくしようとする電気配線図です。

部屋の明かりと言うのは必ずしも天井から取る必要もありませんし、明かりの重心を低くした方が落ち着く空間になりやすいのですが、とにかく天井から部屋を明るくしようとしている照明計画が多いんですね。

例えばオシャレな家や宿を見てみると、天井からだけでなくいろんな位置から光を採り、空間に陰影をつけているのが分かります。

 

一方、天井からの光だらけの家が完成するとどうなるのかというと、とにかく均一な光で面白みのない空間になります。

場合によっては、そんなに照明が必要無いので使わないダウンライトがチラホラあるという家も。

とにかく照明の配線を増やすと言うのは、図面を描く人間の心理からすると後で暗いとクレームを言われないためという背景も大きく、実際には必要の無い過剰な照明計画になっていることも多いんですね。

 

本当にそれだけ天井から照明が必要なのか。

そして作る家はそのような均一な空間を目指しているのかどうか。

このあたりはしっかり考えた上で、配線計画を見ていきたいですね。

照明プランは鵜呑みにしない

img_index01Photo:http://www.koizumi-lt.co.jp/showroom/pia/

照明の配線を決める時、普通は照明プランと言うものも一緒に出てきます。

照明プランと言うのは照明器具を販売しているメーカーが電気配線図を元に自社の照明器具を写真入りで図面化しているものになります。

 

照明プランは照明器具のイメージをしやすいので照明器具を決めるには必須となってくるものですが、だからといって照明プランを鵜呑みにしてしまうのは結構危険なんです。

基本的に照明プランはパナソニックなどの照明機器を取り扱っているメーカーが作ってくれるのですが、反映されるのはある程度の予算内に納まる計画がメインとなり、そこには家を建てる人の好みやインテリアが反映されていることが少ないですし、照明プランをつくる人の腕によっても出来映えは違ってきます。(これは、依頼者の顔を見ながらつくるという仕組みではないので、ある意味仕方ない部分ではあります)

 

そのため照明プランをそのまま鵜呑みにしてしまうのは危険ですし、要はたたき台といった感じで見るのが正解となってくるんですね。

 

一方、照明プランを照明器具メーカー任せにせずに、自社で作っている住宅会社や工務店もあります。

その場合は、あらかじめ照明の好みや完成する家のイメージを共有することができるので、最初から完成度の高い照明プランができ上がります。

やはり手間がかかっている分だけ信用度が高い物ができあがるんですね。

提案もできる住宅会社や工務店なのか、それともお施主さんに物を選んでもらうのがメインの住宅会社や工務店なのか。

この辺りが現れてくる部分とも言えます。

 

言い換えると、照明に関しては外部任せなのか、それとも自社で責任を持って対応するのか。

照明は家づくりの打合せの最後の方になりますが、家の契約前にこの部分も確認しておくと、どれくらいのクオリティの家をつくっているかが判断しやすくなります。

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まとめ

今回は照明で失敗しやすいポイントについてお伝えしました。

照明の配線や照明器具は家づくりの終盤で決めることが多いですが、家の雰囲気を左右する大きな部分でもありますし、毎日使う物なので暮らしやすさと言う部分に直結してくる部分でもあります。

しっかり考えられた照明計画を元に、暮らしやすい生活を送りたいですね。

では。

 

照明やコンセントはこちらの記事も参考にしてください。

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建築士が教える今日の問題解決

照明計画で失敗しやすい点でどこ?

  • 玄関など、人の立ち位置が決まる場所では顔が影にならないようにする。
  • 位置を決める必要があるものは、曖昧にせず必ず位置を決めておく。
  • 強い光はガラスに映り込みやすいので、外を見る場合は光のバランスに気をつける。
  • 天井からの明かりが強すぎると、面白みのない均一な空間になりやすい。
  • 照明プランは鵜呑みにしない方がベスト。自社で作っている所は信用度大。
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O型建築士

地域の工務店で1,500万円〜5,000万円の物件を年間20棟ほど携わる建築士。 家の設計の他、 工務店に向けた設計セミナーを開催。 今までに訪れた工務店の数は200を超える。 趣味は工務店と温泉巡り。 一緒に素敵な家を建てていきましょう! プロフィール詳細はこちら

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