中庭で明るい家にする方法と知っておきたい中庭のメリットとデメリット

「中庭のある家にしようと思うのですが、うまく中庭を作るのにはどうしたらいいでしょうか?」

読者さんからこのような質問をもらいました。

 

「中庭」周囲から光が入りにく場合でも「中庭」を作ることで家の中を明るくすることができため、古くは京都の町家で使われ、現代の住宅でも都市部の家を中心に「中庭」のある家が造られてきました。

それだけ中庭というのは作り方によっては効果的な設計手法となるんですね。

一方、効果的な設計手法だからこそ、魅力的な中庭になるのも、あまり使われない魅力の少ない中庭になるのも作り方次第となってきます。

 

そこで今回は中庭のメリットとデメリットを踏まえながら、効果的な中庭の作り方について見ていきたいと思います。

中庭に興味がある方はぜひご覧ください。

中庭のある家

まず、中庭のある家とはどんな家でしょうか?

「中庭」とは簡単い言うと壁に囲まれた庭の事を言います。

中庭の家はカタカタで表現される事が多く、「コの字型の家」や「ロの字型の家」という風に表現され、「コの字型」はその名の通り、家を上から見るとカタカナのコの字に見えるので「コの字型」。

「ロの字型」は中庭の四方が建物で囲まれているから「ロの字型」と呼ばれます。

 

このように中庭のある家はいくつかタイプがありますが、中庭のある家にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?

まずは中庭のメリットとデメリットをみていきましょう。

 

中庭のメリット

中庭のある家の大きなメリットとしては、中庭があることで家を明るくすることができるということが挙げられます。

周りに家が建っていて普通に庭を作っても光が入らないケースや、家の敷地が細長くて奥まで光が届かない場合なんかでも、中庭を作って中庭から光が入る事で家の中を明るくすることができるんですね。

そのため、明るさを確保しにくい都市部の住宅では「中庭」は特に効果的と言えます。

 

また、その他の中庭のメリットとしては、中庭があると家の中の風通しを良くすることができます。

中庭が暖められることで小さな上昇気流が発生し、中庭に面した部屋の窓を開けておくことで部屋の空気が上昇気流に引っ張られるようになり、部屋の中に風が入ってくるようになるんですね。

町家では中庭に打ち水をする習慣がありますが、これも原理は同じです。

 

さらには、中庭は自分の家に囲まれているのでプライバシー性が高い庭となり、周りの視線をあまり気にせずに自由に庭を楽しめるようになります。

条件によっては、カーテンを閉めずにいつでも庭を楽しめる家をつくるのも可能となります。

現代のように土地が細切れになっている場合、人の視線を気にせずに使える庭を作るというのは案外難しいものなので、プライベートな庭を作れるというのは大きな魅力ですね。

 

このような効果以外にも、家の中から中庭をとおして自分の家が見えるというのは思いのほか楽しい物です。

普通の家とは違う雰囲気にしたい時にも中庭は効果的なんですね。

 

中庭のデメリット

ここまで中庭のメリットについて見てきましたが、今度は中庭のデメリットを見てみましょう。

まず建築費の面で見てみると、「中庭」はお金がかかる大きな要因になります。

その理由は、「中庭」をつくると外壁面や家の角が増えてしまうため、建築費が高くなってしまうんですね。

家は角が増えることで施工の手間が増えてしまいますし、外壁面が増えることで外壁材やサッシも増えてコストアップにつながります。

 

また、外壁が増えることでもう1つデメリットが発生します。

これは性能によるところが大きいですが、外壁が増えると家の断熱効果が落ちてしまうようになります。

中庭があることで外の空気に面した部分やサッシが増えるので、断熱性のが落ちやすくなるんですね。

そのため、住宅会社や工務店が省エネ性能に力を入れ始めた頃は、中庭は断熱効果が下がるので少し敬遠気味でした。

ただ、断熱性能を上げることが当たり前になってきた最近では、性能に力を入れた会社であれば中庭を作ってもあまり断熱性能が落ちなくなったため、中庭がある家もよく見かけるようになっています。

中庭をつくるなら性能の良い家を作る会社で建てる。

これは必ず押さえておきたいポイントです。

1分で分かる!家づくりで大事な断熱と気密の話

 

その他、中庭のデメリットとしては動線が長くなりやすいという傾向があります。

家の中に庭を作るので、家の中の移動距離が長くなってしまうんですね。

そのため、通路部分は中庭に面したりLDKなどの部屋の中に取り込むなど、中庭を作るなら動線を明るく快適にするよう心掛けたいですね。

 

また、中庭は排水についても注意が必要です。

排水の処理能力が低いとゲリラ豪雨や台風などの大雨の時に水浸しになってしまうことがあるんですね。

そのため、排水計画がどうなっているのかも中庭を作るならチェックしておきたい項目です。

中庭の種類

中庭は家のどこに中庭を作るかで、大きく分けて4つの種類に分けられます。

  • 「コの字型」の中庭
  • 「L字型」の中庭
  • 「ロの字型」の中庭
  • 「H型」の中庭

以上4つの中庭です。

中庭と言ってもいろんな中庭があるんですね。

では次に、それぞれの中庭の特徴と作り方について見てみましょう。

 

「コの字型」の中庭

中庭のある家というと「コの字型」の中庭を思う位浮かべる方も多いのではないでしょうか?

「コの字型」の中庭とはその名の通り、家の形をコの字にして中庭を作る方法です。

中庭を家でグルッと囲むわけではないのでそれほど広いスペースが無くても中庭を作ることができ、また家に囲まれていない部分も目隠し塀を作ればプライベートな中庭にすることができるので、「コの字型」の中庭は人気の中庭です。

「コの字型」の中庭は比較的作りやすく、バランスが良いんですね。

 

その一方、何も考えずに「コの字型」の中庭を作ってしまうと、光の入らない暗い中庭になってしまうケースも見受けられます。

中庭の周りに高い家があることで中庭に光が入らなかったり、自分の家で中庭が影になってしまうこともあるんですね。

そのため、中庭にいかに光を入れるかが「コの字型」の中庭にする時のポイントとなってきます。

 

「ロの字型」の中庭

中庭の四方を家で囲んだのが「ロの字型」の中庭。

「ロの字型」の中庭は庭が全て家に囲まれているので、他の中庭と比べて少し特殊な中庭と言えます。

 

「ロの字型」の中庭の一番のメリットとしては、中庭が家で囲まれるので完全にプライバシーが守られた中庭をつくることができるということが挙げられます。

四方が家なので、落ち着いた空間になりやすいんですね。

また、中庭を中心にして家の中をグルっと回れる回遊動線をつくることもできます。

その間取りは動線が考えられていますか?

 

その他、中庭を通して反対側の部屋が見えるので、「ロの字型」の中庭は家の広さをより広く感じるという効果も期待できます。

 

一方、「ロの字型」の中庭のデメリットを挙げるとすると、一番に中庭の排水の問題があげられます。

ゲリラ豪雨などの大雨が降り続くと、「ロの字型」の中庭はプールのように水が溜まってしまう恐れがあるんですね。

中庭が家に囲まれているので、水の逃げ場所がないのがその理由です。

そうならないように、中庭から家の外へ排水できるようにあらかじめ排水管を取り付けておく必要があり、さらには大きめの排水管を通しておくなど雨水対策は万全を期しておきたいですね。

また、この排水管が詰まらないように落ち葉などはまめに掃除しておくのも大切です。

 

その他、「ロの字型」の中庭は中庭をグルッと家で囲むためにある程度の広さの土地が必要になってきます。

「ロの字型」の中庭にする場合、中庭に光を入れるためには家を平屋にしたり、中庭に面した部分はバルコニーにして少しでも光が入るようにするなど、せっかくの「ロの字型」の中庭が明るく快適なスペースになるように計画したいですね。

ロの字の中庭

Photo:http://juutaku.co.jp/works/works_22.html

 

「L字型」の中庭

「L字型」の中庭とは家の形をL字型にして、庭の2方向を家で囲んだ中庭のことを言います。

「L字型」の中庭は家の形をL字型にして庭を囲めば良いので、比較的作りやすい中庭です。

中庭を「L字型」の中庭にするケースとしては、庭が道路面に面していたり、お隣からの視線をできるだけカットしてプライバシーを確保した庭にしたいケースで多く見られます。

 

その一方、庭を囲う目隠し塀もかなりの長さと高さが必要となってくるので、「L字型」の中庭にする場合は外構の予算もしっかり確保しておきたいですね。

外構のデザインで家の外観は驚くほど変わります

Photo:http://www.hiyoshi-s.jp/gallery/20616/

 

「H型」の中庭

中庭を1つではなく、2つ中庭を設けたのが「H型」の中庭です。

中庭が2つあることで、光がよく入る中庭、光はそれほど入らないけども落ち着いた中庭など、中庭を使い分けることができるようになります。

たとえば、1つはLDKに面したセカンドリビングとして使える中庭、もう1つは水回りとつなげてサニタリースペースとして使える中庭にするのもいいですね。

また、寝室や子供部屋と中庭をつなげることで、ラフな格好でも使えるよりプライベートな中庭にするという方法もあります。

Photo:http://tagle.jp/house/smf00000050018

このように、中庭が増えることでほとんどの部屋を中庭に面して配置することができるのも「H型」の中庭のメリットと言えます。

 

一方、「H型」の中庭のデメリットとしては、中庭が2つあるので広い敷地が必要なこと、また外壁も複雑な形になるのでコストアップに繋がりやすいことが挙げられます。

中庭は作ったのに使わないことほど無駄なことはありません。

「H型」の中庭にする場合は、2つの中庭を使うのか、また使いこなし管理することができるのかどうか。

この部分を意識しながら計画を進めたいですね。

中庭が合う条件

それでは最後に、中庭と相性が良い条件や要望について見てみましょう。

中庭が合う方や敷地条件としては

  • 庭や家のプライバシーを重視する方。
  • 普通に家を建てると日当たりが悪くなりそうな敷地条件の方。
  • 普通とは違う家にしたい方。
  • 二世帯住宅を建てる方。

このような要望をお持ちの方や敷地条件の方は中庭との相性が良いと言えます。

 

これまで見てきたように中庭はプライバシー性の高い庭にすることができますし、陽の光を家の中まで入れてくれる役割を果たしてくれます。

また、中庭のある家は庭を通して自分の家が見えるという特徴があるので、通常とは少し違った雰囲気を出すことができます。

中庭の使い方もいろんな使い方が考えられるので、より個性的な家にすることができるんですね。

 

また、意外に中庭と相性が良いのが二世帯住宅の家。

中庭を挟んでお互いの生活スペースを作ることでプライバシーもある程度保つことができますし、中庭があることでお互いの繋がりもつくることができます。

中庭があることで適度な距離感を保つことができるんですね。

そのため二世帯住宅を考える場合は、中庭のある家を検討してみるのも効果的ですよ。

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まとめ

今回は中庭について見てきました。

中庭があることで光と風を家に入れてくれるだけでなく、プライバシーの高い庭で周りを気にせずに外を楽しめるようになります。

また、家の中から中庭をとおして自分の家が見えるので、視覚的にもかなり面白い家にすることもできます。

そしてなにより中庭があることで外が身近に感じられるので、生活に豊かさが感じられるようになります。

使える庭にするという点では、中庭というのはとても効果的なんですね。

 

その一方、中庭をつくるには普通の家よりもお金がかかります。

庭も家の一部のようになるので、ただの土のままではなく、手を入れた庭にしたくなりますし、外壁が増える事で普通よりもお金がかかってしまうんですね。

また、中庭をつくるなら性能のよい家をつくれる住宅会社や工務店で家を建てるのが重要となってきます。

そして中庭は設計士の腕も問われます。

「中庭をつくったけど光が全然入らない」なんて事にならないように、腕の良い設計士かプラン力のある住宅会社や工務店に間取りをつくってもらうのも大切なんですね。

 

余談ですが、占いの先生に中庭は運気にどんな影響を与えるか聞いた所、「必ずいつも奇麗にしておかないといけない」という返事をもらいました。

私は普段、占いを信じることはあまり有りませんが(占いの先生方すみません)、家の中心にある上にどこからでも見える中庭が汚いと確かに運気が下がりそうというのは、すごく分かる感じがします。

中庭をつくるなら、マメな清掃を心がけることも大切なんですね。

 

中庭を作るには少し手間やコストがアップしますが、その分、庭を身近に感じられて豊かさや快適さも手に入れることができます。

中庭のメリットに魅かれる方は、一度中庭のある家を検討してみるのも楽しいですよ。

では。

 

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中庭のある家の特徴って?

  • 中庭をつくると光と通風に優れた家になります。
  • 日照を確保しづらい都市部では特に有効な方法です。
  • 中庭をつくるとお金はかかります。
  • 中庭をつくるなら性能の良い家をつくれる工務店でつくらないと寒くなります。
  • 中庭はプラン力のある会社でプランをつくってもらうのも重要です。
  • 中庭は排水にも注意が必要。