家づくりでは家に関するいろんな打ち合わせをすることになりますが、数ある家づくりの打合せ中に部屋のスイッチを決める配線打合せという打合せがあります。
その名の通り、スイッチなどの位置決める打合せですね。
ただ、スイッチというのはコンセントと同じように、家ができてから初めて使い勝手に気付くという、比較的失敗しやすいポイントでもあります。
→【間取りの失敗まとめ】よくある間取りの失敗と後悔しない秘訣
特にスイッチは毎日暗くなると使う物なので、使いやすいようにしておきたいですよね。
適当にスイッチを配置してしまって、「何でこんなところにスイッチをつけたんだろう」「スイッチが押しづらい」といった声を聞くこともよくあります。
今回はそんな失敗をしないように、スイッチを付ける時のポイントを実例を交えて分かりやすく解説していきます。
それでは、一緒にスイッチの失敗を無くす方法を見ていきましょう。
電気配線図って何?
スイッチの打合せをする時に、必ず出てくるのが電気配線図という図面です。
電気配線図とは、スイッチやコンセント、照明など電気工事が必要な物が載っている図面の事なんですね。
住宅会社によって表現の仕方は多少違いますが、◯の中に2本の線が入っているのがコンセント。
一方、「●」がスイッチで「●」と線でつながっているのが照明です。「●」のスイッチを押せば、線でつながっている照明が点灯するという訳ですね。(上記図面参照)
この電気配線図は、基本的に住宅会社がつくってくれます。
そして電気配線の打合せは、そのたたき台の図面を元にスイッチの位置やコンセントの位置を調整していくといった流れになるのが一般的です。
でも、実は住宅会社がつくる電気配線図をそのまま鵜呑みにしてしまうのは結構危険なこと。
「プロがつくったから安心だろう」、「使い勝手も考えてくれてるだろう」と思いがちですが、よく考えずにとりあえず電気配線図をとりあえず作ったということも有り得ますし、標準仕様のスイッチやコンセントの数が決まっていて、標準仕様から数がオーバーしないように無理矢理スイッチやコンセントを付けている物も見受けられます。
プロが作った図面だからと言ってあまり気にしていないと、スイッチやコンセントの使い勝手が悪い家になってしまうなんて事もにもなりかねないんですね。
スイッチは一度家が完成してから位置を変えるのは大変です。
家が完成してからでは手遅れなので、家が完成する前にしっかりスイッチの位置を確認しておくのがとても大切になるんですね。
スイッチの確認というと難しそうに感じてしまいますが、実はポイントを押さえておけば意外と簡単にスイッチの使い勝手は確認することができます。
それでは、そんな電気配線図の中でもスイッチについて実例を交えながら見ていきましょう。
スイッチが押しづらい
まずは使いづらいスイッチの例を見てみましょう。
上の図面は、使いづらいスイッチの代表例です。
この図面だとスイッチがドアの影になっていて、玄関からリビングに入ってきた時にスイッチを押しづらいですよね。
夜に家に帰ってくると、真っ暗な中でスイッチを手探りで探す事になります。
このようにスイッチを適当に配置してしまうと、なんとも使いづらいスイッチになってしまうんです。
ではどこにスイッチを配置するのが正解でしょうか?
この場合のスイッチの正解例はこちらです。
ドアを開けてすぐ押せる位置にスイッチがある方が使いやすいですよね。
特に部屋の入口は使いづらい位置にスイッチが配置されている事があるので、実際に部屋に入った時の事を想定してみると、このような失敗を減らす事ができます。
スイッチは部屋に入ってすぐに押すという特性上、扉や引き戸などの建具とは密接な関係にあります。
間取りの打合せ段階では生活のしやすさ優先でスイッチのことは忘れてしまいがちですが、配線打合せでしっかり確認をしておきたいですね。
最後の最後でスイッチを付ける場所がどこにも無いなんてことは避けておきたいものです。
スイッチの場所が中途半端
スイッチの位置が、「何でここにあるんだろう」という中途半端な場所についている事があります。
上の図面ではダイニングのスイッチの位置が中途半端な場所についていますね。
ダイニングの照明をつけるのにリビングまで行かないと照明をつける事ができないというのは、生活を始めると「何でこんなとこにスイッチをつけたんだろう」と思う原因になってきます。
この位置にスイッチがあるからと言って生活できない訳ではありませんが、キッチンからダイニングの照明をつけたい時にわざわざ遠い場所にスイッチを押しにいくのはとても不便です。
そのため、キッチンとダイニングのスイッチは近い位置にあるのが理想です。
この場合は、キッチンのスイッチと同じ場所につけてあげるのが、動線的にも便利ですし使いやすいですね。
初期の電気配線図では、たまに不思議な場所にスイッチがついている事があるので、スイッチの場所はひとつずつ必ず確認しておきたいポイントです。
また、基本的にスイッチはいろんな場所にバラけさせるのでは無く、できるだけまとめてあげる方が使いやすいですよ。(生活を始めてスイッチの位置を覚えるまでは、スイッチに付属している何のスイッチか分かるシールを貼っておくと、あとで何のスイッチか迷わなくて済むので便利です)
スイッチを連動させる
スイッチは何個も照明と連動させる事ができ、スイッチを連動させると使い勝手が劇的に良くなる事があります。
先ほどの図面ですと、洗面所とリビングのスイッチを連動したいところ。
では、スイッチを連動させれることで具体的にどう変わるのか見てみましょう。
先ほどの図面の中で、照明が必要となる夜に寝室からお風呂に入ろうとした場合どうでしょうか?
階段で1階に降りてくると、洗面に行くまでに明かりが欲しいですよね。
今回のケースであれば、階段の側にリビングのスイッチがあれば、リビングを簡単に明るくする事ができ、洗面所までスムーズに行くことができるようになります。
次に洗面まで行くと、今度はリビングの電気を消す必要が出てきます。
そうなると、洗面所の近くにリビングのスイッチが欲しくなりますね。
無事お風呂に入った後は、今度はこれが逆になります。
洗面を出てリビングの照明をつける。
そのまま寝室に行くのであれば階段まで行けば良いですし、水やビールを飲んで一息つくのであれば、そのままリビングでくつろぐ事ができますね。
その他、スイッチを連動させる必要があるのは次のような部屋のケースが考えられます。
ドアのすぐ横にクローゼットの扉があるので部屋の中にスイッチが付けられないため、部屋の中と外にスイッチを配置する必要が出てくるんですね。
このようにスイッチが付けられない部屋の場合、スイッチを連動させておくと暗い部屋の中でスイッチを探すというのを避けることができます。
ちなみに、スイッチを連動させる以外には次の図面のように収納の位置を少し変更してスイッチを付けられる壁を設けるのも効果的です。
このように、スイッチを連動させると生活が便利になる場合があるので、いろんなシチュエーションを考えてみるとより使いやすくなります。
家具を配置する場所にはスイッチは配置しない
最後に、意外と見落としがちなスイッチの失敗を1つご紹介しておきます。
それは、家具を配置する場所にはスイッチは配置しない方が無難ということです。
背の高い家具を置いてしまえば、スイッチが家具の影に隠れてしまうからなんです。
コンセントも同じような失敗がよくありますが、家具のことは意外と忘れがちになってしまうのが原因なので、忘れずに電気配線図面に家具を配置してみるのとこのような失敗を防ぐのにとても効果的な方法になります。
特に寝室や子供部屋といった部屋は家具が多くなりがちなので、家具の影響が無い場所にスイッチを付けておきたいですね。
余談
電気配線図には、スイッチやコンセントだけでなくインターホンや給湯器のリモコンの位置ものっています。
このインターホンやリモコンなんですが、意外に出っ張っていて存在感があります。
そこで、インターホンなどをまとめたニッチをつくってあげると、簡単に出っ張りを無くしてスッキリさせる事ができます。
スイッチなどいろんな物が集まれば集まる程、ニッチをつくる効果は高くなるので、スッキリした部屋にするなら、インターホンやリモコン用のニッチをつくるのがおすすめですよ。
まとめ
今回は電気配線図の中でもスイッチの配置でよくある失敗例をお伝えしてきました。
スイッチは家が完成してから使い勝手が悪い事が分かっても、あとで変更するのは大変です。
スイッチは日々使う物なので、使いやすいようにしておきたいところ。
電気配線の打合せを行うときは、ぜひ今回の内容を参考にしてくださいね。
では。
スイッチの種類やデザインについてはこちらを参考にしてください。
→スイッチの種類。おすすめのスイッチとおしゃれスイッチをご紹介します。
コンセントについてはこちらをご覧ください。
→家を建てる前に必ず知っておきたい理想の家を建てる方法【絶対保存版】照明についてはこちらも参考にしてください。
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電気配線図ではどこに注意すれば良い【スイッチ編】?
- 部屋の入口のスイッチは問題なく押せるかどうか。
- 意味の無い中途半端な場所にスイッチがついてないかどうか。
- スイッチを連動させると、使い勝手がよくなる事がある。